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  1. 世田谷区議会 1989-03-06
    平成 1年  3月 定例会−03月06日-01号


    取得元: 世田谷区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    平成 1年  3月 定例会−03月06日-01号平成 1年  3月 定例会 平成元年第一回定例会 世田谷区議会会議録 第一号 三月六日(月曜日) 出席議員(五十三名) 一番   田沼繁夫君 二番   笹尾淑君 三番   三井勝雄君 四番   村田義則君 五番   折居俊武君 六番   長谷川七郎君 七番   東まさ君 八番   丸山孝夫君 九番   石井徳成君 十一番  真鍋欣之君 十二番  大庭正明君 十三番  長谷川佳寿子君 十四番  森田イツ子君 十五番  小口義晴君 十六番  長谷川義樹君
    十七番  増田信之君 十八番  市川康憲君 十九番  中嶋義雄君 二十番  山内彰君 二十一番 小谷勝君 二十二番 小畑敏雄君 二十三番 山田武士君 二十四番 森田キミ君 二十五番 高橋忍君 二十六番 吉本保寿君 二十七番 甲斐円治郎君 二十八番 和田勉君 二十九番 平塚信子君 三十番  神宮寿夫君 三十一番 鈴木昌二君 三十二番 広島文武君 三十三番 五十畑孝司君 三十四番 大場暢子君 三十五番 斉藤国男君 三十六番 桜井征夫君 三十七番 中塚護君 三十九番 浜中光揚君 四十番  原田正幸君 四十一番 内藤義雄君 四十二番 内山武次君 四十三番 平山八郎君 四十四番 中村大吉君 四十五番 園田集君 四十六番 西村孝君 四十七番 唐沢敏美君 四十八番 大高定左右君 四十九番 星谷知久平君 五十番  石塚一信君 五十一番 山口昭君 五十二番 原秀吉君 五十三番 宮田玲人君 五十四番 宇田川国一君 五十五番 土橋賀君  欠席議員(一名) 十番   太田喜淑君  欠員(一名) 三十八番  出席事務局員 局長     清水潤三 次長     久留島了 課長補佐   名畑照行 議事主査   関昌之 議事主査   池本孝一 議事主査   林憲一 議事主査   長原敏夫 議事主査   高橋明 調査係長   小石川洋佑  出席説明員 区長     大場啓二君 助役     佐野公也君 助役     吉越一二君 収入役    菊地佳丈君 玉川支所長  平田榮君 砧支所長   宮田祀彦君 区長室長   津吹金一郎君 企画室長   川瀬益雄君 総務部長   成富則紀君 区民部長   津々木光男君 生活環境部長 新井一郎君 福祉部長   友保信二君 婦人児童部長 多賀井信雄君 衛生部長   柳澤重男君 土木部長   大崎榮三君 建築部長   粟田口亨久君 教育長    小野原進君 学校教育部長 上野孝雄君 社会教育部長 森本洋次君 企画課長   八頭司達郎君 財政課長   市川一明君 総務課長   峯元啓光君 代表監査委員 志賀正次君      ────────────── 議事日程(平成元年三月六日(月)午後一時開議)  第一   議案第一号    平成元年度東京都世田谷区一般会計予算  第二   議案第二号    平成元年度東京都世田谷区国民健康保険事業会計予算  第三   議案第三号    平成元年度東京都世田谷区老人保健医療会計予算  第四   議案第四号    平成元年度東京都世田谷区中学校給食費会計予算  第五   議案第五号    昭和六十三年度東京都世田谷区一般会計補正予算(第二次)  第六   議案第六号    昭和六十三度東京都世田谷区国民健康保険事業会計補正予算(第一次)  第七   議案第七号    昭和六十三年度東京都世田谷区老人保健医療会計補正予算(第二次)  第八   議案第八号    昭和六十三年度東京都世田谷区中学校給食費会計補正予算(第一次)  第九   議案第九号    東京都世田谷区の休日に関する条例  第十   議案第十号    東京都世田谷区国際平和交流基金条例  第十一  議案第十一号   昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の免除に関する条例  第十二  議案第十二号   東京都世田谷区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例  第十三  議案第十三号   東京都世田谷区議会議員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例  第十四  議案第十四号   東京都世田谷区教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例  第十五  議案第十五号   東京都世田谷区教育委員会教育長の給与及び勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例  第十六  議案第十六号   東京都世田谷区選挙管理委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例  第十七  議案第十七号   選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例  第十八  議案第十八号   東京都世田谷区監査委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例  第十九  議案第十九号   東京都世田谷区農業委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例  第二十  議案第二十号   東京都世田谷区職員定数条例の一部を改正する条例  第二十一 議案第二十一号  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例  第二十二 議案第二十二号  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
     第二十三 議案第二十三号  職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例  第二十四 議案第二十四号  職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例  第二十五 議案第二十五号  東京都世田谷区立保養所条例の一部を改正する条例  第二十六 議案第二十六号  東京都世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例  第二十七 議案第二十七号  東京都世田谷区せたがやトラスト基金条例  第二十八 専決議案一号   専決処分の承認(東京都世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例  第二十九 議案第二十八号  東京都世田谷区生業資金貸付条例の一部を改正する条例  第三十  議案第二十九号  東京都世田谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例  第三十一 議案第三十号   東京都世田谷区立高齢者在宅サービスセンター条例  第三十二 議案第三十一号  有坂☆よ児童福祉基金の設置、管理および処分に関する条例を廃止する条例  第三十三 議案諮問一号   人権擁護委員候補者推薦の諮問  第三十四 議案第三十二号  東京都世田谷区都市整備基金の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例  第三十五 議案第三十三号  東京都世田谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例  第三十六 議案第三十四号  東京都世田谷区公共溝渠管理条例の一部を改正する条例  第三十七 議案第三十五号  東京都世田谷区私道整備及び私道排水設備の助成に関する条例の一部を改正する条例  第三十八 議案第三十六号  東京都世田谷区立公園条例の一部を改正する条例  第三十九 議案第三十七号  特別区道路線の認定  第四十 議案第三十八号   東京都世田谷区立幼稚園の保育料等に関する条例の一部を改正する条例  第四十一 議案専決第二号  専決処分の承認(児童の負傷事故に係る損害賠償額の決定)      ─────────────── 本日の会議に付した事件  一、会議録署名議員の指名  二、会期の決定  三、一般質問  四、諸般の報告  五、日程第一から第四 予算特別委員会設置、付託  六、日程第五から第二十四 企画総務委員会付託  七、日程第二十五から第二十八 区民生活委員会付託  八、日程第二十九から第三十二 福祉保健委員会付託  九、日程第三十三 委員会付託省略、表決  十、日程第三十四から第三十九 都市整備委員会付託  十一、日程第四十及び第四十一文教委員会付託      ───────────────     午後一時一分開会 ○議長(浜中光揚 君) ただいまから平成元年第一回世田谷区議会定例会を開会いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) これより本日の会議を開きます。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) まず、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員には、会議規則第七十九条の規定により、   十 一番 真鍋欣之君   四十六番 西村 孝君 を指名いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、会期についてお諮りいたします。  今次定例会の会期は本日から二十八日までの二十三日間と決定いたしました。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、この際、出席説明員に異動がありましたので、ご報告いたします。  教育長 小野原進君、代表監査委員 志賀正次君、企画部長 川瀬益雄君  以上であります。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、区長から招集のあいさつの申し出があります。大場区長。    〔区長大場啓二君登壇〕(拍手) ◎区長(大場啓二 君) 平成元年第一回世田谷区議会定例会を開催に当たり、所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。  激動の昭和が終わり、平成の時代となりました。この六十数年の歳月ほど日本の社会が劇的に変化した時代はありません。幾つもの時代を一遍に駆け抜けてきたような慌ただしい昭和時代でありましたが、我が国が目覚ましい経済発展を遂げた今日、これからはその成果を一層国民生活の向上に結びつけ、一人一人が豊かな暮らしを実感できる社会を築いていく時代との感を深くいたします。  こうした中で、来るべき二十一世紀の世田谷を展望して、「挑戦の時代」と位置づけた四期目の区政も三年目を迎えようとしております。新たな時代にふさわしい福祉社会の現実を目指して、昭和六十二年、世田谷区新基本計画を策定し、その推進に力のすべてを尽くしてまいりました。この間、地価の急激な高騰など、予期しない大きな情勢の変化に見舞われましたが、幸い多くの皆様のご協力に支えられ、新基本計画は着々と進展しつつあります。  とりわけ昨年は、教育センター、中央図書館、ふれあい公社、三宿つくしんぼホーム、次大夫堀公園の民家園、情報公開条例など、懸案課題が相次いで実現いたしました。区議会を初め区民の皆さんの絶大なるご支援、ご協力により、一歩一歩世田谷の未来を切り開くまちづくりが着実に進展しておりますことを心から感謝申し上げる次第であります。  さて、迎えました本年、世界は緊張緩和に向けて大きく前進し、各国は国民生活向上への意欲を高めております。こうした中で我が国は、一人当たり国民総生産がアメリカを抜き、また、世界最大の債権国になるなど、経済的地位の向上はまことに目覚ましいものがあります。とりわけ首都である東京には世界の金融や情報が急速に集中し、今やニューヨークと並ぶ国際経済の中心となってまいりました。しかしながら、その余りに急激な変化は地価の異常な高騰を招く一方、過度の機能集中をもたらし、このままでは、人間が生活する都市として立ちいかなくなるのではないかとの懸念を生じております。  大都市としての将来を厳しく問われている東京にあって、今後、区民が人間らしい暮らしを営んでいくためには、だれよりも地域の実情をよく知り、いち早く地域住民の立場に立ったまちづくりに取り組む区政の役割が、これまでにもなく大きいと言わなければなりません。「世田谷、ここがわたしたちのまち」。この合い言葉のもとに、これまで十二回にわたって実施いたしましたまちづくりリレーイベントには、多くの皆さんから、世田谷の町への深い愛着と親しみが寄せられました。地域に息づく暮らしと文化を大切にしながら、今こそ、この世田谷を八十一万区民が心豊かに暮らせる「まち」にしていかなければならないと考えます。  新年度を前にして、こらの区政を進めるに当たり、私はこのような考えの上に立って、「ヒューマン都市世田谷」への歩みをさらに力強く前進させたいと決意を新たにしております。  新基本計画を具体化するプログラムでありますが、実施計画のもと、新たな時代の変化に的確に対応しつつ、区民福祉の向上や住みよい都市づくりに、皆様とともに区政の総力を挙げたいと願う次第であります。そこで、当面、特に力を入れて取り組むべき幾つかの課題と、新年度の予算案について申し上げます。  まず第一に、地価の高騰が区民の暮らしのさまざまな分野で深刻な不安を与えおります。住宅は区民生活の最も基礎となるものであり、バランスのとれた本区の人口構成を維持する上からも、区民の住宅にかかわる対策を早急に進めることが、住宅都市として発展してまいりました本区にとりまして、とりわけ重要な課題であります。本区では、これまでも木造賃貸住宅密集地区の整備事業や建替登録制度など、全国に先駆けて居住環境の改善に取り組んでいるところであります。しかし、今後さらに区として取り組むべき住宅対策を総合的に確立すべく、昨年以来、土地・住宅問題懇談会を設置するなど、幅広い視点から検討を重ねてまいりました。本年は、これらに基づき木賃住宅地区での老朽住宅建てかえ事業はもとより、道路整備や再開発事業など、さまざまなまちづくり事業の機会をとらえて、良好な住宅への建てかえを促進し、住宅供給と質の向上を積極的に図ってまいります。  このため現行の都市整備基金を拡充して、基金の運用益金を活用するなど、住宅整備に向けた新たな財源を確保いたします。とりあえず、今定例会に提案申し上げております昭和六十三年度の一般会計第二次補正予算案では、住宅基金分として十億円を積み立てることといたしました。平成元年度は、さらに環状七号線以東について木賃住宅地区整備事業の調査を行うほか、地域住宅計画により良好な住宅づくりに取り組んでまいります。また、住宅条例など長期的に取り組むべき対策について庁内に住宅対策検討委員会を設置し、引き続き検討する方針であります。  第二に、高齢化社会への対策であります。  区内の六十五歳以上の高齢者人口は、昨年一月、初めて人口総数の一〇%を超えました。これに伴って昨年行いました高齢者実態調査が示しておりますように、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯も急増しております。区民のだれもが迎える老後を、健やかに安心して生活できるようにしていくことが、区民生活の安定と活力ある地域社会を築いていくために、ますます重要な課題となってまいりました。  本年は、住宅・都市整備公団や東京都などと協力し、四カ所で高齢者の安全と老後の生活に配慮した高齢者向け集合住宅の建設に着手いたします。また、住宅に困っている高齢者に対して、新たに民間アパートあっせん事業を開始いたします。住みなれた自宅で暮らしながら、必要なときに介護や入浴、食事、レクリエーション活動などを望む高齢者に対しては、昨年の十月に設立いたしました世田谷ふれあい公社の事業を充実するとともに、高齢者住宅サービスセンター六カ所の整備に取り組んでまいります。  一方、家庭で介護することが困難な高齢者については、福祉施設の運営に豊富な経験を持つ社会福祉法人に協力して、新たに二カ所の特別養護老人ホームを建設いたします。このように本年は高齢者の暮らしを支える福祉サービス施設を区内の全域に展開する第一歩の年としてまいります。  第三に、八十一万都市にあって地域に根差したまちづくりと住宅自治の基盤をさらに強固にしていくことであります。  本庁の機能を簡素化すると同時に、地域のまちづりの機能を強化することにより、一層広範な区民参加と 分権に支えられた区政を確立するため、地域行政制度の推進に取り組んでまいりました。これまで、移行への基礎となる条件を順次整えてまいりましたが、昨年は全庁を挙げての推進に向け地域行政実施本部を設置いたしましたほか、世田谷支所開設準備室を発足させ、北沢タウンホールの建設に着手いたしました。  本年は引き続いて、事務移管等を含む地域行政実施計画を策定し、各部において具体的な移行準備を進めてまいります。また、烏山地域事務所の建設に着手し、五地域の区分案と出張所の名称について関係各方面の調整を進めてまいります。  一方、昨年の九月、国においては第二十二次地方制度調査会が発足し、都区制度のあり方について審議が進んでおります。東京が国際都市として急速に変貌を遂げております現在、東京における都市問題を解決していくためには、都と特別区の役割分担を一刻も早く改めていくことが要望されているものと考えます。今後も区議会並びに「世田谷“市”実現をめざす区民の会」の皆様と一体になって改革の実現に取り組んでまいります。  第四に、今定例会に「東京都世田谷区の休日に関する条例」を提案申し上げております。  そこで、毎月の第二、第四土曜日を休日、閉庁とすることについて申し上げます。勤労者の健康的でゆとりある生活を実現し、さらには内需拡大、経済摩擦の解消などを図るためにも、労働時間の短縮が求められております。これまで本区では職員の交代勤務により、いわゆる四週六休制を実施してまいりました。しかし、今後さらに完全週休二日制を推進すべき状況にありますことから、このたび土曜の閉庁を実施することといたしたものであります。  住民に密着した窓口業務や区民利用施設を多数抱える本区におきましては、土曜閉庁の実施が区民生活に与える影響は大変大きなものがあります。このため、開庁する部門と閉庁する部門の振り分けや実施時期について、国や他団体との均衝を図るとともに、区民の皆さんの理解と協力が十分に得られるよう周知を徹底してまいります。また、実施に当たりましては、現行の予算、定員の範囲内で行うほか、より一層の公務能率の向上と区民サービスの改善を図るべく執行体制の整備に努力いたします。  次に、平成元年度予算案の主な内容について申し上げます。  我が国の経済は、昨年に引き続き活発な個人消費と設備投資に支えられて、内需を主導する景気の拡大が続くものと期待されております。このような情勢等から、区の歳入の根幹を占める平成元年度の特別区税の収入は、前年度に比べ約一〇%程度伸びるものと思われます。しかしながら、都市整備事業や公共施設の建設に当たっては、地価高騰のため巨額の事業費を必要とし、また、高齢化社会に向けて区民福祉の一層の充実を図らなければならないなど、多額の財政需要を抱えておりますことを考えますと、必ずしも楽観できる状況ではありません。  加えて、このたびの税制改革は今後の区財政の見通しに大きな影響を与えるものであり、平成元年度の財政運営は、例年にも増して予断を許さないものがあります。このため、平成元年度の予算編成に当たりましては、税制改革六法の施行に伴う社会経済情勢の動向を十分に踏まえながら、健全財政の維持を基本としつつ「豊かな市民文化の創造と生涯学習の推進」など六つの柱を中心に、主要事業二十五分野について総額五百十七億円の財源を投入し、実施計画の具体化に全力を挙げた次第でございます。  なお、行政運営費や投資的経費につきましては、消費税相当分を当初予算に盛り込み、事務事業の執行に支障を来さぬようにしております。  歳入予算のうち特別区税につきましては、地方税法の改正による減税分を織り込み、前年度当初比で九・六%の伸びとしております。また、消費税の実施に伴い消費譲与税を新たに計上いたしました。  一方、使用料等につきましては、消費税を転嫁することが求められておりますが、その改定に当たってはコスト計算などの見直しも必要であり、今後検討してまいります。  歳出予算のうち人件費につきましては、職員定数の見直しを行う一方、極力抑制に努めた結果、六・七%の増となりましたが、歳出予算全体に占める構成比は、前年比に比べ、〇・八ポイントの減となっております。行政運営費では、経常的な事務費を微増に抑える一方、区民生活にかかわる施策の充実に努め一〇・七%増といたしました。投資的経費では、生活道路、公園を初めとする都市基盤の整備や、福祉、教育など区民利用施設の整備に重点的に財源を配分し、予算全体の伸び率を上回る一四・二%の増といたしました。この結果、一般会計の予算規模は一千六百十六億九千万円となり、前年度に比較して一〇・七%の伸びとなっております。  なお、特別会計におきましては、国民健康保険事業会計三百十八億八千万円、老人保健医療会計三百三十五億二千万円、中学校給食費会計七億四千万円をそれぞれ計上し、一般会計と合わせた財政規模は、総額二千二百七十八億三千万円といたした次第であります。  次に、新基本計画の柱に沿って主要な施策について申し上げます。  まず初めに、「豊かな市民文化の創造と生涯学習の推進」であります。  三軒茶屋地区に区民の新たな文化、芸術活動の中心となる文化・生活情報センターを建設するため、同地区の再開発計画にあわせて基本計画と運営計画を策定いたします。  国際化時代を迎えて、市民同士の相互理解と親睦を深め、世界平和の維持と発展に寄与することが期待されております。海外の都市や区内在住の外国人との交流を活発にし、新たに国際平和交流基金を設置いたします。また、区内に住む外国人が増加していることから、区のおしらせ「せたがや」の英字版を発行いたします。 三年計画で区立の中学校全校にパーソナルコンピューターを配置するほか、集団の中で孤立しがちな児童生徒を対象に生活体験合宿を行い、学校生活への適応を促進するなど、学校教育の充実を図ってまいります。さらに子どもを健やかにはぐくむ環境づくりとして、「子どもと環境」をテーマにリレーイベントを実施いたします。また、上北沢区民センターをオープンするほか、地区会館、区民集会所など十一カ所のコミュニティー施設の建設を進め、地域活動の場を整備してまいります。そのほか清潔な公共トイレを目指し、維持管理の改善を図ります。  第二に、「健康で安心して暮らせる福祉社会の形成」であります。  がん検診など成人病予防対策を進め、区民の心身にわたる健康づくりに取り組んでまいります。また、高齢者や心身障害者が、住みなれた世田谷でいつまでも安心して暮らせるよう住宅サービスを中心に、各種の福祉施策を充実してまいります。  四月に開設いたします総合福祉センターは、乳幼児から高齢者に至るすべての心身障害者を対象に、障害に関する相談や生活訓練など総合的なサービスを行い、本区における障害者福祉推進の中心として運営いたします。社会福祉法人が行う心身障害者施設の建設に対して建設費の一部を助成し、福祉施設の一層の充実を図ります。さらに野菜の水耕栽培事業を行い、養護学校を卒業した障害者の就労と社会参加の場を確保いたします。  第三に、「暮らしの向上と活力ある地域経済の振興」であります。  消費生活の多様化や技術革新が進み、中小企業の経営にも絶えず創意が求められております。中小企業振興事業基金を充実するほか、産業交流センターの構想や、楽しく買い物ができる魅力ある商店街づくりに取り組むなど、地域社会に活力を生み出す産業活動の振興に力を入れてまいります。  また、暮らしの中から生ずるごみの資源化、減量化を図るため、資源再利用システムの促進に努力いたします。  公衆浴場の減少が若者や高齢者の生活に大きな影響を与えておりますことから、新しい公衆浴場のあり方を検討いたします。  第四に、「安全で住みよい都市づくりの推進」であります。  地価の高騰により土地利用の一層の高度化、細分化が進んでおります中で、良好な市街地を計画的に形成していくため、地区計画制度を活用したまちづくりや駅周辺の整備事業を進めてまいります。昨年の八月に都市計画決定を見ました三軒茶屋地区を初め二子玉川東、祖師谷大蔵駅南地区の再開発計画を進めてまいります。区民生活を支える道路の整備につきましては、前年度に比べ二四%増の事業費を計上し、さらに力を入れてまいります。  補助二一六号線や赤堤通りなど主要な生活道路の整備を進め、細網七号線や補助一五四号線の早期完成を目指すほか、コミュニティー道路など楽しく歩ける道路づくりに取り組んでまいります。  また、「バスの日」イベントを実施し、バス交通に対する関心を広げてまいります。  都市計画に欠かせない下水道につきましては、昭和六十三年度末の普及率を七九%に達する見通しであります。今後も東京都と協力して下水道の整備を促進し、普及率の向上に努力してまいります。
     第五に、「緑と水のうるおいのある生活環境の形成」であります。  土地の所有者と緑地保全契約を結ぶなど、創意に富んだ都市型トラスト活動に取り組み、区内に残された貴重な自然や歴史的、文化的遺産を保全してまいります。せたがやトラスト協会を設立し、世田谷らしい景観や文化財保護の活動に広く区民の参加を呼びかけます。これらの事業を財政面から支えるため、せたがやトラスト基金を創設し、初年度のことしは三億円を積み立てることといたしました。静嘉堂緑地を初め公園の整備を図るとともに農地を保全し、生け垣緑化や雨水浸透施設の助成対象を区内全域に広げるなど、区民の皆さんと協力して緑豊かな町並みや地下水を守ってまいります。  これら五分野にわたる施策のほか、本年七月には参議院議員、東京都議会議員の人気が満了いたしますので、これに伴う選挙が予定されております。このため、両選挙の執行に要する経費を計上いたしました。  以上が当初予算案に計上いたしました主な施策でありますが、区民生活の向上に向けて、各分野にわたり、きめ細かい積極的な予算を組むことができたものと考える次第であります。  次に、去る二月十六日の都区協議会で合意に達しました都区財政調整及び昭和六十三年度の最終補正予算案について申し上げます。  まず、平成元年度の都区財政調整でございますが、二十三区全体の基準財政収入額は八千二百四十一億円、基準財政需要額は一兆四千七百十五億円と算定され、この結果、普通交付金は前年度に比べ一六・九%増の六千四百七十五億円となりました。算定に当たりまして、電算計算機システムの停電対策や芸術文化施設、衛生検査センターの新設など、十六項目の新規事業が算入されたほか、道路新設拡幅事業の増、道路改良実施率の引き上げなどが算入されております。なお、区別の算定につきましては、新年度の測定単位により、七月の中旬ごろに決定を見るものと考えております。  昭和六十三年度の都区財政調整の再調整につきましては、基準財政収入額において調整三税の増収を見込む一方、基準財政需要額では、小中学校、幼稚園の暖房機の切りかえ経費、起債の繰り上げ債還費などが追加算入されました。また、昨年度に引き続き地価の高騰に対応するため、臨時に都市整備用地の取得経費が算入されております。  本区の財政調整交付金につきましては、基準財政需要額において各経費の算入増があったものの、基準財政収入額で、特別区民税や利子割交付金の収入増がこれを上回りました。このため当初算定を二億円程度下回り、八十億円程度と見込まれます。しかしながら、当初予算計上額に対しましては二十億円の増となるところから、今議会に提案申し上げております昭和六十三年度の一般会計第二次補正予算案では、財政調整交付金を追加して計上しております。本補正予算案では、そのほか特別区税、利子割交付金、前年度からの繰越金などを財源といたしまして、財政調整基金及び道路整備基金などの特定目的積立基金へ百七十三億円の積み立てを行い、総額二百四十四億六千万円の補正額といたしました。  以上、平成元年度の主な課題と施策について申し上げました。これらの施策を通じて、八十一万区民の皆さんが、区政に期待する切実な要望にこたえると同時に、家族とともに安心して住み、働き、心豊かな時を過ごすことのできる世田谷の町を築いてまいりたいと決意しております。議会の皆様には、重ねてご支援を賜りますようお願い申し上げる次第であります。  さて、本日提案申し上げます案件は、平成元年度東京都世田谷区一般会計予算など四十一件でございます。これはらいずれも重要な案件でございますので、何とぞ慎重ご審議の上、速やかにご可決賜りますようお願い申し上げまして、私のあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(浜中光揚 君) 以上で区長のあいさつは終わりました。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) これより日程に先立ちまして、代表質問を行います。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  まず、日本社会党を代表いたしまして、二十四番森田キミ君    〔二十四番森田キミ君登壇〕(拍手) ◆二十四番(森田キミ 君) 私は、日本社会党世田谷区議団を代表し、かつ私の議員生活を回顧しつつ、幾つかの問題についてご質問いたします。区長以下理事者の皆様の真摯なご答弁を求めるものであります。  先月十二日に投票された参議院議員補欠選挙においては、福岡で我が党候補者が自民党候補に大差をつけて当選いたしました。また、大分市議会議員選挙では我が党が第一党へと躍進いたしました。これら我が党の勝利は、リクルート疑惑徹底解明と消費税導入反対の立場を我が党が鮮明にして世論に訴え、有権者の自民党批判の投票行動の結果であります。  国家のもと人民にありとは孫文の言葉でありますが、とどまらぬリクルート・ドミノという見出しがつく昨今の状況は、国民が政治不信を募らせていることのあらわれであります。我が区政とリクルート問題との関係は全くないのかどうか。また、このような状況を区長はどのように受けとめておられるのか、ご所見を伺います。  さて、もう一つは、この四月一日から実施されます消費税導入の問題であります。  東京都は消費税導入に伴う公共料金値上げを見送るという方針のようであり、八王子市では下水道料、体育館、市民ホール使用料、駐車場など二十二項目の公共料金には、消費税分を来年度一年間上乗せしないとのことであります。今回の消費税は在宅福祉サービスも課税対象となるようです。世田谷の例で、例えば老人専用住宅の家賃やふれあいサービス公社の利用料に消費税を上乗せするのかどうか、お尋ねをします。私は消費税の上乗せは反対でありますが、在宅福祉サービスと消費税の関係について、区長のご見解をお伺いするものであります。  私が世田谷区議会議員になりましたのが昭和二十二年五月、この月に日本国憲法が施行され、新生日本の方向を示すものでありました。当時は敗戦による虚脱感と混乱の時代でして、国破れて山河は残れども、山川草木うたた荒涼の感でありました。昭和二十二年四月三十日に第一回の統一地方選挙が施行され、ここに第一期の世田谷区議会が発足したのであります。私はこのとき三十五歳、四十五名の区議会議員の一人として、第四期の四年間の期間を除き、今日まで十期区政の一端を担ってまいりました。  当時の区内の人口は三十五万六千人、予算規模は五千九百万円、行政組織は本所と玉川、砧両支所にそれぞれ七課が置かれ、職員数約九百名でありました。平成元年の今日から顧みますと、実に四十二年の歳月が過ぎたわけであります。この間に所属いたしました常任委員会も数多くございましたが、私自身、教職二十年の体験から、主として教育問題、福祉問題に多くかかわってまいりましたところであります。  当時、学校教育の整備は区政にとって最大の課題となっており、戦災復旧と人口増対策のための二部教授解消のための教育施設の新増設に加えて、六三制実施に伴う中学校の建設が緊急課題でありました。戦後の社会福祉は、昭和二十二年二月七日の占領軍指令にその源を発しているのであります。  その指令とは、救済並びに福祉計画の件というものでありまして、一つ、無差別平等の原則、二つ、国家責任による生活保護の原則、三つ、公私分離の原則、四つ、支給金無制限の原則がその内容であります。この四つの原則に基づいて、昭和二十一年に旧生活保護法が制度化されたものであります。これ以前の恤救規則や保護法と比べますと、この法律の制定は生存権保障の実定法として画期的な出来事であったわけであります。しかし、その内容には欠点もありました。必ずしも国民の権利が明確ではなかったのであります。  日本国憲法、地方自治法を初めとして、昭和二十年代から昭和三十年代にかけて、児童福祉法、身体障害者福祉法など、いわゆる社会福祉六法が対象別に機能分化し、我が国の社会福祉のレールがこの時期に敷かれたのであります。昭和三十年代後半からは高度経済成長政策が実施され、経済の発展に伴う都市化の進展、核家族化の進行、重厚長大型産業構造の定着は、一方で公害問題、過疎過密問題を噴出させ、今日なお国民生活に深刻な悪影響をもたらしております。  ご承知のとおりでありますが、一例を挙げますと、昨年三月、公害健康被害補償法が改悪され、大気汚染指定地域を解除して、新しい患者は認定しなくなりました。ところが、東京都の旧指定地域十九区について見ても、満十八歳未満の患者は、昭和六十一年末、四十四人、六十二年、五十四人に対し、昨年は千四百十一人と、約二十六倍の大幅増となっているのであります。これはほんの一例にすぎません。高度経済成長政策のいろいろな矛盾が露呈し始めたころ、今度は福祉見直し論が政府や財界方面から出てまいりました。ばらまき福祉という言葉に象徴されますように、その言葉のねらいは地方自治体の福祉政策を批判するものでありました。  私は福祉見直し論を否定するものではありません。それは、社会経済状況の変化に対応して住民ニーズもまた変化するものであり、過去の福祉サービスと住民ニーズとのミスマッチを点検しながら、真に福祉サービスを必要とする者の側に立って福祉のあり方を反省し、将来の展望を打ち出すことが福祉見直し論の根底にあるものでなければなりません。  しかし、昭和四十八年のオイルショックを契機として、また、国の財政再建の名のもとに、低成長、低福祉路線の上に高負担原則が打ち出され、社会福祉サービスの再編成が着実に進行しているのが今日の姿なのであります。社会保障、社会福祉費の増加が国や地方自治体の財政危機の原因とする議論は、国民所得に対する社会保障給付費の割合が、欧米に比し我が国のそれが最も低いことを見ても正しくありません。  昭和六十一年一月に、社会福祉関係の三審議会、すなわち中央社会福祉審議会、身体障害者福祉審議会、中央児童福祉審議会から成る合同委員会が設けられ、近々、最終答申が提出されると聞き及んでおります。医療や年金制度の改革に比べ、福祉政策の基本的な課題は積み残しとなっておりましたが、ようやく改革の方向が発表になるわけであります。  私は初めに述べましたように、戦後形成された社会福祉の諸制度が、社会の変容、財政構造の変化、そして世界的な福祉理念の定着などによって、制度を住民ニーズに対応させる作業こそ本当の福祉改革であろうと確信するものであります。  今日、福祉の動向は、在宅福祉が国際的にも主な潮流となっていることはご承知のとおりであります。問題は、施設福祉に比べて経費が安くて済むからという安易な考えは誤りであります。在宅を中心にあらゆる福祉、保健のサービスネットワークを構築していくためには、お金も人も必要であります。特にマンパワーの確保は、在宅福祉を進めていく上でのキーポイントとなるものであります。  低福祉をベースとした福祉見直し論に対する世田谷区の福祉理念について、区長のご所見をお尋ねするものであります。  具体的な質問を児童問題から行ってみたいと思います。  児童福祉法が制定されて以来四十二年が過ぎました。この間、児童の福祉ニーズも、高度経済成長政策の展開、発展に伴う経済的、社会的変化によって大きく変化し、多様化してまいりました。とりわけ核家族化、共働き家族の増大は保育所の増設をもたらしたのであります。しかし、児童の減少から来る今日の保育所には、新しい課題が求められているのではないでしょうか。産業構造の変化は就業構造にも変化を与え、サービス産業に働く人たちは六割に達しているとされています。そうしますと、勤務の時間も一様に午前九時から午後五時までとは限らないわけであります。特にサービス業は女性の職場も多く、働く時間も多様化しているのであります。  一昨年の四月一日から男女雇用機会均等法が施行され、女性の職場進出を促進し、今後、それがますます進むと考えられます。ニーズの多様化にどうこたえていくべきなのかという問題が出てまいります。一言で言いますと、幼児の人数が減少している一方で、保育ニーズは多様化しつつあるということであります。保育人口の減少は、保育所の統廃合に短絡的に結びつける議論もありますが、女性の社会進出という社会状況の進展を考えますと、幼児数が減少していくという現状にあって、保育内容を高め、保育ニーズにこたえていくことこそ、保育所の置かれている今日の課題だと思う次第であります。保育所が措置という公的な機関であるからこそ、保育サービスのニーズにこたえていく努力が求められているのではないでしょうか。  一例を申し上げますと、保育所は、地域の子育て相談センターの機能をあわせ持つことも、ニーズにこたえることとなるのではないでしょうか。その他夜間保育、延長保育などがありますが、世田谷区における保育の課題をどのように考え、住民の保育ニーズにこたえていこうとしているのかについてお尋ねいたします。  次に、高齢者問題について質問をいたします。  平成元年度世田谷区の当初予算では、新規事業として住宅整備が取り上げられ、サービスセンターの拡充に取り組んでおられることは評価するものであります。世田谷区におきましても、七十五歳以上の後期老齢人口のウエートが次第に高くなっていますので、これらの在宅福祉サービスの充実は一層図らなければなりません。  一方では世帯規模の縮小、女性の社会進出、扶養意識の変化などによって、家庭での介護能力が低下していますので、特別養護老人ホームの整備、家庭奉仕員の増員、デイサービス実施箇所の増設、ショートステイ用のベッドの増設などを計画的に促進していかなければなりません。世田谷区における要援護老人への援助は、特別養護老人ホームを中心にして展開されているところであります。寝たきり老人サービス推進の専門機関として特別養護老人ホームを位置づけ、特別養護老人ホームがデイサービス事業、ショートステイ事業などの在宅福祉サービスを積極的に展開する拠点の役割を果たすことが求められています。  世田谷区では、既存の特別養護老人ホームのサービスセンター併設と、フレンズや友愛十字会の新しい特別養護老人ホームの整備とあわせて、高齢者在宅サービスセンターを併設されることは、施設の社会化、施設福祉と在宅福祉の連携という意味でも望ましい方向と言えると思います。  国では、平成元年度予算において新しくナイトケア事業を創立し、ショートステイ事業の多様化を図るとしています。この事業は、夜間の介護を得られない寝たきり老人及び痴呆性老人を夜間のみ特別養護老人ホームにおいて保護し、夜間に介護に当たる家族の負担を軽減するとともに、寝たきり老人及び痴呆性老人の在宅生活の維持向上を支援しようというものであります。具体的には五十八カ所、八百七十人分で七百万円が予算計上されており、世田谷区においても検討されてしかるべき課題と思われるのでありますが、区長のご所見をお尋ねします。  東京を中心とした地価高騰は目に余るものがあります。したがって、土地の有効活用も重要な政策課題となってまいります。中央区では、中学校と特別養護老人ホームに保育園を含めた複合施設を本年の夏に着工すると聞いております。まことに斬新な発想と言うべきでありましょう。新しいコミュニティーづくりの一つとして注目を浴びていますが、私は、子供とお年寄りの施設を同一棟にしたことに大変大きな意義があると思います。知識や経験の豊かなお年寄りと、これからの将来を担う子供たちの毎日の出会い交流は、教育上からの効果も大きく、お年寄りには毎日の生きがいともなる効果を持つものであります。土地の有効活用の結果として、このような複合施設を理解するのではなく、もっと積極的はコミュニティー文化の一貫としてとらえていくべきではないでしょうか。  世田谷区でもフレンズの特養は保育園併設であり、この成果を踏まえて、区立保育園の改修時には高齢者施設との併設を考えられないか、区長のご所見をお伺いいたします。  次に、警備制度の問題について質問をさせていただきます。  既に一月七日に申し入れたとおり、今回の予算計上については、社会党区議団としては反対の立場をとっています。そもそも一昨年の九月七日の提案自体が、最も大切な教育に及ぼす影響を検討せずに出されていることに問題があったのです。警備分会と通り一遍の形式的協議をしただけで、教育の担い手である教職員や議会には何の話し合いもなく結論を出そうとしたところに誤りがあります。  この間、区職労や教職員組合との団体交渉の経過を資料として検討させていただいたが、区側の発言内容は一貫性もなく、多くの誤った判断が見受けられます。特に区職労との交渉では、警備制度の問題は管理運営事項であり、教育とは無関係だと言いながら、教員組合との交渉では、現在は警備員が教育上配慮した対応をしており、機械にすれば教職員の活動に影響が出るということを認めている。これは明らかに矛盾している。そして、内容面でも誤った判断がなされています。  荒廃した教育の論議は、理事者や教職員だけでなく、PTAも議会も一緒に論議をすべきではないでしょうか。特に議会には何の説明もなく予算化したことにも大きな誤りがあります。組合とは一定の妥協ができたと聞いているが、組合との話し合いがついたからといって、直ちに実施するというやり方ではなく、各関係者及び議会との議論を尽くすべきであると思いますが、区長はどうお考えですか。  特に教育問題は金の問題以上に切り捨ててはならない課題を持っています。けれども、テレビや自動車をつくる工場と同列に扱えない。教育現場や議会の意見を十分聞くこともなく、一方的に事を運ぶということは絶対にしてはなりません。そこで、具体的に質問をいたします。  私は、機械警備は学校教育となじまない。そればかりでなく、施設利用の面や地域防災の面からも、地域にとって重要な問題と考えています。したがって、職員団体、学校関係者との協議はもとより、地域住民や議会との十分な協議をするべきであると思いますが、どうですか。  学校警備員の正規職員の補充をしないとしているが、現行警備制度の存続を基本にし、首切り等は絶対にあってはならないと思いますが、いかがでしょうか、ご答弁を求めます。  以上で壇上における質問を終わります。(拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) 私からお答え申し上げますのは、リクルート問題と在宅サービスと消費税の問題、福祉見直し論の問題などについてお答え申し上げたいと思います。  ご心配の世田谷区とリクルートの関連でございますが、一時、開発許可相談の段階で幾つかの名前が挙がった時期があったようでありますが、その後の動きは全くありません。また、中学生の就職や高齢者の就労に関連する問題なども含めまして、区政とのかかわり合いはございません。私は、今回、このリクルート疑惑は政界、財界、官界を覆う広範にわたる現象が、一般的感覚から見て受容の限度を超えたものである。今まさに政治経済の倫理の確立が求められているのではないか、このように思っております。今後とも区民に信頼される区政の確立を目指して、心して行政運営に当たりたい、このように思っています。  在宅福祉サービスと消費税の関係でありますが、平成元年四月一日の実施に向けて、税務当局による業界、団体などへの説明が進められている状況にあります。消費税の問題につきましては、福祉的施策の場合、対象となるかどうかということにつきまして、ホームヘルプサービスなど、国と個別の問題について協議を要する部分がございますので、現在まだ検討の段階でございます。  福祉見直し論に対する区の福祉理念ということでございます。区は社会福祉行政を進めるに当たりまして、地域福祉あるいは在宅福祉の考え方を基調とするということにつきまして、この議場でも繰り返し申し上げ、ご理解とご協力をいただいているところでございます。地域福祉あるいは在宅福祉という考え方は、一言で申し上げますと、区民の方々が生まれ育ち愛着を持っておられるこの世田谷という土地で、親しい方々との交流を保ちながら、生きがいある生活を送っていただくため必要なサービスと、住みやすい環境を地域に整備していこうというものでございます。この考え方につきましては、昭和五十四年と六十二年に策定いたしました区の基本計画で、一貫した方針として掲げているところでございます。  地域福祉あるいは在宅福祉を進めていくためには、ご指摘のように社会福祉分野だけでなく、保健の分野や教育、まちづくりを含め、広範な行政分野で取り組んでいかなければならない課題だと認識しております。また、区民活動との連携、教育も確立していかなければならないものでございます。そのため本年度は、まちづくりイベントの一環として福祉のまちづくりを取り上げ、多くの区民の参加をいただきました。このように福祉の課題は区行政の各分野にわたりますが、それを総合的に拡大していこうというのが私の認識でございます。  このような考えから、基本計画にも「ヒューマン都市世田谷」を掲げているわけでございます。今後もこうした立場から、福祉の向上になお一層努める所存でございますので、ご理解賜りたいと思います。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 保育課題あるいはナイトケア、さらには複合施設の問題についてご質問がございましたので、私からお答えいたします。  世田谷区における保育課題についてでございますが、乳幼児人口が減少していく一方、女性の社会進出等により保育需要が多様化してきていることは、お話にございましたとおりでございます。区といたしましては、これまで保育児童の急増と社会的背景のもとに、保育所の増設を初めゼロ歳児保育、障害児保育、特例保育あるいは緊急一時保育等、きめ細かな保育行政を推進してきたところでございます。  ご質問の多様化した保育課題や保育ニーズに対しましては、児童の健全育成及び児童福祉の向上という観点に立って、低年齢児保育を初め延長保育や障害児保育の充実、また、保育所が持っている育児に対するノーハウの地域への還元など、地域交流事業の実現化に向けて対応を図ることにより、多様化した保育ニーズにこたえるとともに、今後とも開かれた保育所づくりに鋭意努めてまいりたい、このように考えております。  次に、ナイトケアの問題についてのご質問がございましたが、ナイトケア事業につきましては、ご案内のとおり、夜間の介護を得られない寝たきりや痴呆性の方々を夜間に特別養護老人ホームにお預かりしまして、家族の負担を軽減するとともに、在宅生活の維持向上を図るものでございまして、国及び都の平成元年度新規事業として予算化されると、こういうふうに聞いております。  実際の運用につきましては、区が国や都の補助を受けまして、特別養護老人ホームに委託するという形になろうかと思いますが、実施に当たりましては、まず、特別養護老人ホームのベッドの確保が必要となるわけでございます。現在、区では特別養護老人ホームの建設整備を計画的に進めておりますが、ショートステイ、ミドルステイ等のベッド確保も図っております。この事業につきましては、これから詳細がわかり次第、整備を進めまして推進してまいりたい、かように考えております。  次に、高齢者の施設と保育園との複合施設の問題でございますけれども、核家族化の進行によりまして、乳幼児が家庭におきまして祖父母との触れ合いに欠けるなど、家庭の養育機能が低下しつつございます。また、保育園に通っている乳幼児は日中を保育園で過ごすため、地域におきましても高齢者との交流が少ない状況にございます。このような状況の中で、来るべき高齢化社会を支えていく現在の乳幼児に敬老の心を育てていくことは、大変重要なことであろうと考えております。  お話にございます複合施設につきましては、現在、当区において初めてのケースとして、社会福祉法人フレンズ奉仕団が、保育園と特別養護老人ホームとの複合施設を今年の十二月に竣工する予定でございます。今後、この運営の成果を踏まえながら、保育園と高齢者施設あるいは他の区民施設との併設化について十分検討を進めてまいりたい、このように考えております。  以上です。    〔教育長小野原進君登壇〕 ◎教育長(小野原進 君) 学校警備のご質問についてお答えいたします。  機械による新しい警備方式の導入につきましては、今まで職員団体と交渉を重ねてまいりましたが、このほど、基本的な事項について合意が得られました。今後、実施につきまして十分な打ち合わせをしながら進めていきたいと思っております。  以上でございます ◆二十四番(森田キミ 君) フレンズ奉仕団等の今後の活動について、もうちょっと詳しく伺えますか。 ◎婦人児童部長(多賀井信雄 君) ただいま助役が申し上げましたように、現在工事中でございます。それで、初めてのケースでございますので、特養ホームと、それから乳幼児の保育園との連携等、このあたりは、その効果等につきまして十分とらえた中で、これからの保育園とそうした併設施設、このあたりは対応していかなければならないだろうというふうに思っております。  以上です。 ◆二十四番(森田キミ 君) 警備問題につきまして、もう少し詳しい説明をいただけませんか。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 警備問題につきましては、教育長がお答え申し上げましたように、一年半の間、組合と折衝しまして、三月二日に基本的事項について妥結をいたしました。今後は、この妥結の線に沿って事業を進めるとともに、実施に当たっては、必要な打ち合わせを十分していきたいというふうに思っております。  以上です。 ◆二十四番(森田キミ 君) 予特の中で、もっと詳しいことを伺いたいと思いますから、きょうはこれだけにしておきます。(拍手) ○議長(浜中光揚 君) 以上で森田キミ君の質問は終わりました。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、日本共産党を代表いたしまして、二番笹尾淑君。    〔二番笹尾淑君登壇〕(拍手) ◆二番(笹尾淑 君) 私は、日本共産党区議団を代表して、地方自治と住民生活を守り、主権在民、清潔な行政を貫く立場から、当面する区政問題についてお尋ねいたします。  昨年末から今日まで、わずか三カ月でありますが、まさに激動の情勢であります。年末には消費税の強行、竹下改造内閣の発足と、その新内閣から早速にリクルート汚職議員として法務大臣、経済企画庁長官が辞任に追い込まれる恥ずべき事態。新年に入り、天皇の死去と、それに伴う明治憲法さながらの一連の儀式、国民への服喪の強制と続いてまいりました。  一方、国外では、アメリカのブッシュ新政権が発足しましたが、これによって日本に新たな大軍拡が押しつけられようとしております。実際、日本の軍事費と戦略援助を合わせ、GNPの三%にまで拡大を迫り、憲法改悪にまで口を挟むアメリカの次期国防長官候補のタワー発言などは、重大な内政干渉であります。  さて、再開国会で、竹下内閣はいよいよリクルート疑惑でも窮地に追い込まれ、侵略戦争を容認する発言では、国際的にも厳しい批判にさらされています。政官界、企業を巻き込んだリクルート疑惑は、明らかにされた関係者だけでも七十八人。さらに捜査の手は現職の国会議員の身辺にまで及んできました。そして、事件もいよいよ江副リクルート前会長ほか三人の起訴が決まる中で、中曾根前総理、竹下首相自身の疑惑が一番のかなめとなってきているのであります。まさに一国の総理二代にわたる大疑獄事件への広がりであります。既に当区議会からも要望書を出しましたけれども、今後、疑惑の解明は国民の前に徹底して明らかにされなければなりません。  こうした中で、今や、各種の世論調査を見ても、内閣支持率は急激な低下を示しています。また、この間の一連の選挙の動向を見ても、消費税、リクルート問題で、自民党を初め、これらの事件に関係した諸党に対する国民の怒りと批判は痛烈であります。事もあろうに、政府・自民党はこれらの事態を逆手にとって、金のかからない政治を目指すとして、党利党略の政治改革を進めるなどは、二重三重に国民を愚弄するものであります。今こそ「竹下内閣、退陣せよ」の国民の声を正面から受けとめ、国会を解散し、総選挙で国民に信を問うべきであります。国政でのこうした動きについて、地方の議会、自治体として、これらの一つたりとも関係がないとしたり、避けて通ることはできません。  そこで、私はまず高石元文部事務次官のパーティ券購入問題についてただしておきたいと思います。一昨日、リクルート事件を捜査していた東京地検特捜部は、江副浩正ら四人を起訴しましたが、今後は真藤NTT前会長の疑惑解明とあわせ、高石邦男前文部事務次官らについての捜査も進める方針と見られます。この疑惑の人物、高石前事務次官の選挙資金集めの私的なパーティー券を、公立学校施設設備期成会という全国的な組織のルートを使い、売りつけたものを、残念なことに当教育委員会も購入していたことが明らかにされております。私どもは、構造汚職に組み込まれる大きな弱点を持つこの組織になぜ加入の必要があるのかと、疑問を投げかけてきたところ、最近になって、この期成会が解散したことを聞きました。問題は、全く私的なパーティー券の代金を、たとえ二万円であろうと公金から支出するなどのことはあってはならないことであり、清潔、公正であるべき区政に照らして、この点、あいまいであってはなりません。教育委員会としてはどのような判断に基づいて公金を支出したのか伺います。  さて、国政との関係からもいよいよ重大なことは、消費税導入をめぐっての問題であります。政府は、消費税導入をごり押ししましたが、国民は納得するどころか、怒りと不安、それに混乱が町に広がっております。税務署の説明会に参加したという、ある商店の主は「話を聞いてもさっぱりわからなかった。質問しても、答えることもできないんだから。こんなものはご免だね」と、欠陥税制に腹を立てております。物価も、既に新聞代が上がり、交通機関は全国四百三十六社が四月から値上げを計画し、公団住宅入居者には既に三%上乗せの家賃が示されるなど、あれよあれよという間の諸物価値上げであります。こうして、あらゆる生活用品、サービス料金、公共料金にはね返り、物価を押し上げ、生活と営業を脅かす消費税は、とりわけ年金生活者、低所得者ほど重い負担となってのしかかることははっきりしているのであります。  このことからも、消費税導入は高齢化社会を支えるためなどというものでないことは明らかでありますが、その上、年金受給年齢の五年先延ばしは、老後の不安をさらに広げるものであります。後ほど詳しく触れますが、この消費税が自治体にも大変な矛盾を引き起こしていることは、都政一つ見ても明らかであります。四月一日の導入を前にして、こんなことでうまく導入できるのかと不安を持ってか、政府は今、この悪税のPRに必死で取り組み、テレビ、パンフレットなどの宣伝に六億円もの予算を組むありさまであります。消費税導入に伴う事態の深刻さと、国民の不安、混乱はますます募ることは必至であります。ゆえに私どもは、この悪税は廃止する以外に道はないと考えるものであります。  区長はこれまで、区民生活を脅かしたり、低所得者、商店や中小企業者などに大きな負担を招くような内容となってはならないとか、提案されている消費税で新たな不公平を生むようなことのないように、国民への不安が残ることのないように、広く国民の理解と合意が得られるべく、慎重な対応を願うと述べてこられましたが、今回の消費税導入は、まさにそのお答えのことごとくに反するものとなっているのであります。これに加えて、消費税は今や区財政自身にとっても大変な矛盾を引き起こしているのであります。以上のことからも、消費税はやめさせる以外にないのではありませんか。改めて区長にお考えを伺います。  また、消費税導入は、地方自治体にかかわる公共料金の値上げをもたらし、住民負担をふやす点でも重大であります。自治省は既に、各都道府県に対し、上下水道、病院など、全国八千百七十七の地方公営企業について三%の上乗せを強要し、利用者負担にせよとの通達を出しております。これによる住民の負担増は約二千五百億円に上るとのことであります。東京都関係の公共料金については、都営地下鉄とバスは上乗せし、上下水道などには転嫁するが、料金は値下げ。そのほかは据え置く意向であります。消費税を強行した自民党と、これに手をかした党が、都議選への影響を心配して、上乗せを一部見送るとしたことに対し、都政新報でも「いかにもこそくな手段」と指摘していますが、だれが見ても、これほど身勝手なことはありません。また、都の手法は、公共料金は下げて、消費税の上乗せ分を吸収してしまうというやり方でありますが、下げて下げられる料金であるのなら、結局、取らないで済む料金を取ってきた、こういうことになり、まさに都民を欺瞞しております。  それにしても、こうした東京を初め大阪、岐阜など、既に十数の都府県で、住民に事実上課税することもできず、公金から支出せざるを得ない形での消費税分の転嫁、もしくは値上げ見送りは、住民生活の実態や地方自治体の財政事情など一切を無視して、原則的にすべて課税をするという消費税の持つ本質的な矛盾が、国民、都民の批判と相まって噴出したものと言えます。その根本的解決の方法は、消費税を廃止する以外にないということを、ここでも改めて示しているのであります。  そこで、私どもは、今述べたように根本的な解決は廃止にあるとしながら、都、区政において住民生活に影響を及ぼさないために、一つ、区の公共料金について、今後とも消費税転嫁を行わないこと。二つ、都の公共料金に消費税転嫁をやめるよう、区長として申し入れていただきたい。以上二点につき、区長の見解を伺います。  次に、私は、地方自治を守り、老人福祉を進める視点から、三点につきお尋ねいたします。  今、全国の自治体財政にとって最大の問題は、地方の反対を押し切って四年前から進めてきた国による国庫負担金削減を、今後は恒久的に続けるとの問題であります。この措置は、国がみずから決めた再延長の約束さえもほごにするものであり、全く許せないことであります。一律カットによる削減額は毎年一兆数千億円に上り、当区においては、今年度までの四年間で、その影響額の合計は五十八億円を超し、新年度で新たに十四億円余の削減額が見込まれております。とりわけ、この補助金カットによるツケが、結果として生活保護抑制、老人ホーム利用者、あるいは障害を持つ方々への負担増をもたらすことなどを考えれば、その重大さを見ないわけにはいきません。おまけに、地方への国負担金一律カットを今後も継続することを強行しながら、このたびはふるさと創生の呼び込みで、もともとは自治体の固有財源である地方交付税の中から、全国の各自治体に財政力にかかわらず一億円ずつ配分するとのことでありますが、余りにも地方を無視したやり方ではありませんか。一億円配分自体、あたかも国が上から恵んでやる式であり、いかにも身勝手であります。憲法に言う地方自治の本旨、地方財政法などは一体どこに行ってしまったのでしょうか。地方を無視して、国が一方的に自治体の財政締めつけを進めることを仕方なしと許せるのでしょうか。  区長は、地方自治と住民生活を守る責任ある立場におられることから、国に対し、補助金カットをやめ、国が負担すべきものをもとに戻して出すよう、その復元に向け、強く働きかけていただきたいと思います。決意のほどを伺います。  続いて、私は、特別養護老人ホームの建設と、老人入院見舞金制度の創設に向け、伺います。
     既に、我が党議員団はこの二つの問題について数回に及び、区政で取り組むことを強く望んで訴えてまいりました。老人保健法発足後、お年寄りの入院は厳しい制限を受け、病気が治らなくても病院から追い出される深刻な事態が一層進んでおります。先日も、みずからが看護婦さんでありながら、病気の実母が退院を迫られ、行き先がなく困っているとの相談を受けました。歩くこともできない老いた母を自宅に引き取れば、家庭崩壊につながりかねない深刻な話でありました。私にも八十三歳の姑がおり、また、アルツハイマーの夫を抱え、数年間介護に携わってきた義理の姉の姿も身近に見てくる中で、家族の介護には限界があることを改めて考えさせられております。  私ども区議団は、新基本計画策定の段階から、公設の特養ホーム建設は区政の取り組むべき基本的課題であることを強調してまいりました。が、民間の特養ホーム二カ所への建設費助成のほかは、当区において八年後で終わる後期計画に、区が建設する特養ホームは一カ所だけが掲げられているのみであります。今後の高齢化の進展と、病院に対する制裁をさらに厳しくすることで、お年寄りを病院から追い出す、こういう方向に一層拍車がかかることを考えれば、新基本計画の見直しも含めて、区として特養ホーム建設を老人福祉の根幹に据えるべきことを強調するものでありますが、ご所見はいかがでしょうか。  続いて、私は老人入院見舞金制度の実施を望み、お尋ねいたします。  老人保健法が二年前に改悪され、お年寄りの医療費負担はそれまでの二倍になり、世田谷区では老人一人の医療費の年間負担額は平均で二万円を超えています。まして、お年寄りの入院は一般に長期にわたることからも、ベッド料の負担と合わせ、お世話料などの名目でかかる入院費の負担は重くのしかかるのであります。その上、消費税導入で負担に追い打ちがかかるわけであります。既に老人入院見舞金制度を四年前から実施している町田市では、市民に大変歓迎されております。当区で実施する上で、この町田市での基準を当てはめてみると、年間一億二、三千万円あれば実施できる事業であります。  そこで伺いたいのは、老人入院見舞金制度について検討をしたことがあるのか、また、実施はなぜ困難なのか、お答えをいただきたいと思います。  さて、第三の質問に移ります。住民サービス拡充とそれに見合う職員の配置を求めて伺います。  この四月一日から、当区においても土曜閉庁の導入、労働時間短縮を実施に移すことになります。これは働く人たちが長年にわたり人間らしい生活を求めて得た成果の第一歩であります。知られるとおり、日本の労働者の長時間労働と低賃金は、おくれた典型として指摘されてきただけでなく、国際間の経済摩擦の要因ともなってきておりました。今日、日本政府は、国際的非難の中で、ようやく労働時間短縮に踏み切らざるを得なくなり、これに着手し始めたものの、資本の側は、人はふやさず、金も出さず、仕事は従来どおりやれとしているのであります。  今回、区で実施するに当たっても、この三点が基本となっております。人はふやさず、サービスは低下させずに休むことなどできるでしょうか。とりわけコンピューター導入により、区民は区内のどこの施設ででも便利にサービスが受けられるようになってからは、交通至便な出張所や図書館などには利用者が集中するようになってまいりました。例えば砧支所内の砧第一出張所分室や桜丘図書館などはその典型であります。ちなみに、五年前に開設した桜丘図書館は利用者も大変多く、一日の扱いは二千冊を超えるという、都内でも有数の人気があります。しかし、それに見合う人員配置がなされていないため、職員の労働について改善するよう、都の監査で指摘を受けているとのことであります。これらの施設や窓口で労働時間を短縮し、今後とも住民サービスを維持し、拡充するためには、職員増を含め、実態に見合った格別な手だてが必要なのではないでしょうか。  次に、私は、保健所の役割と、保健婦、歯科衛生士の増員について伺います。  保健所が区に移管され、ことしで十四年になります。この間、住民の健康への関心や要望が高まる中で、保健所の活動はさまざまな領域に広がってまいりました。中でも第一線で働く保健婦は、区民の医療、看護、福祉、教育、育児など、幅広い分野で活動し、多くの区民が健康な生活を維持できるよう援助しているのであります。  この面から、最近は健康づくりのための地区組織活動などがふえております。活動は、地域へ出向いてのことも多く、乳幼児、妊婦を初め、最近は老人、難病、精神障害者を対象とする活動がふえる一方で、保健所内の相談業務も増の一途をたどり、特に相談内容も、家庭内問題など長時間を要するケースが多くなってきているのが特徴であります。また、酒害相談活動にも取り組むなど、保健所で扱うサービスの内容や性質も大きく変わってきていることを見なくてはなりません。  しかし、この仕事に携わる職員、とりわけ保健婦の一人当たりの受け持ち人口は一万二千六百八十人と大変多く、やるべき仕事に手が届かないとのことであります。ちなみに、この順位は二十三区中、最下位から二番目であります。各保健所では、最低一人の保健婦増を求めてきましたが、今回もまた欠員補充にとどまり、増員は見送られております。区の新しい基本計画では、健康づくりの推進や地域保健の充実が掲げられておりますが、保健婦増なくして一体進められていくのでしょうか。  次に、歯科衛生士について触れますが、現状は区内四保健所、一相談所に一名ずつの配置であり、これは南部ブロックでも最低の人員配置であります。本来は、厚生省の示す、成人、とりわけ高齢者の歯槽膿漏予防に向けた取り組みなども求められていますのに、手が足りないので、現在では乳幼児中心の歯科業務にとどまっているのであります。人手不足をアルバイトで補っていますが、これでは区民に一貫した歯科指導もできません。また、一人配置の職場ゆえ、風邪を引いても休むこともままなりません。こんなことでは、働き続けることも困難であります。一日も早く歯科衛生士の複数配置を行うべきであります。  以上、私は、出張所、図書館、保健所などについて述べてまいりましたが、これらの職場での仕事の多くは、マンパワーでなければ対応できません、区民要望にこたえ、サービスの水準を引き上げるためにも、職場の実態に見合った職場配置が図られるよう、重ねて申し上げるものであります。お考えはいかがでしょうか。  次に、私は区の教育行政についてお尋ねいたします。  その一点は、このたびの四十人学級実現と私学助成の拡充を求めた全都百七十八万の署名と、これに対する区のお考えを伺いたいのであります。  二月八日に開かれた臨時都議会において、署名に託された都民の願いは、自民、公明、民社の反対、社会党の議場からの退場によって否決されたことはご承知のとおりであります。世田谷での署名数は都内でも一番多く、実に十四万四千人でした。私はまず、四十人学級の実現と私学助成の拡充を願う区民のこの十四万四千の署名の重みをどのように受けとめられておられるのかについて、教育長に伺うものであります。  同時に、区内の小中学校の全学年がともに四十人学級の実施を見るのは、現在の予定から言えば、あと三年後であります。四十五人学級で残された生徒は、明らかに公平を欠いた教育環境に置かれ、そのまま卒業していくことになるのであります。完全実施までの三年を縮め、子供たちに行き届いた教育を行うための最低の教育環境整備のため、一日も早く区内小中学校のすべての学年で四十人学級編成基準を実施に移すことについて、どのように考えておられるのか伺います。  教育の二点目は、学校の警備制度についてであります。  教育現場である学校には、先生のほかに給食調理、用務、学童擁護、警備のそれぞれの職務を持った職員がおり、いずれも子供の教育にかかわって働いている人たちであります。中でも警備の仕事は、夜間の警備のほか、地域住民のスポーツの場としての開放業務や、災害時に学校が避難場所として使われるなどのことから、防災上の仕事をも担っているわけであります。地域とも深いかかわりを持って働いているわけであります。教育委員会は、さらに幅広く区民が学校を使えるようにと、重層体育館やクラブ室、プールの整備などを進めております。ところが、区が打ち出している機械による警備は、夜間は学校を無人にしてしまうという乱暴なやり方であります。そうなれば、学校は夜は明かりの消えた黒い倉庫のような建物と化し、地域に冷たい存在となっていくのではないでしょうか。  私は、既に機械警備を実施している台東区を取り上げたテレビ番組を見たことがあります。ここでは、学校にやってきた地域の人たちが、あちらのボタンを押し、ドアがあいたら、今度はこちらのボタンを押すなど、まごまごしながら使いたい教室にたどり着くまでの困惑したありさまがよくわかるものでありました。地域に開かれた学校づくりに反し、学校を地域から遠ざけてしまう方向で警備の機械化を進めることは、共産党は賛成するわけにはいきません。反対であります。単に経費が安上がりで済むという、いわゆる行革の目標として、事を無理やりに運んだ今回の予算計上などはまことに遺憾であります。警備員による有人警備の方向を今後も生かしていただきたいことを、強く望みます。  最後に、私は前天皇の死去に伴う区の対応について伺います。  天皇の死去に際し発表した竹下首相の謹話は、あの戦争は心ならずも勃発したもので、天皇は世界の平和と国民の幸福をひたすら祈念したと述べています。これは本当でしょうか。区内豪徳寺の境内に建てられている慰霊記念碑には、「いくさの旅にさまよい果てたるはらからよ、ここにかえりてやすらいたまえ」と刻まれ、碑の裏に昭和二十九年五月三日付で、祖国が再び過ちを犯さないことを私どもは祈り続けたい。区内戦没者五千三百余柱の御霊並びに九十三柱のお骨の供養のために、有志相諮り、この記念碑を建立したとあります。  また、廻沢の町中にある忠魂碑には、戦没者一覧の中に、第二次大戦の戦死者の記録も残されています。昭和十二年から二十年の間に、廻沢の戸数六十五、人口四百人のうち八十四人が出征し、実に二十六人が戦死しています。この戦死者一覧の中には、一杉さんという姓で六人の名が記されておりますが、同じ家族か兄弟と見られ、胸の痛む思いであります。  こうした十五年にわたる侵略戦争で、二千万人を超えるアジア諸国の人々が犠牲となり、戦場で、あるいは広島、長崎の原爆で、また、東京大空襲などで三百万人の国民が死んでいっているのであります。そのつらい、悲しい思いは戦争の傷跡となって、まだまだ深く残されているのであります。私たちは決してこの多くの犠牲者の声なき声を忘れてはならないのだと思います。  知られているとおり、戦前の天皇は、明治憲法のもとで神聖にして犯すべからずとされ、すべての統治権と軍隊を指揮する統帥権を一手に握った絶対的権力者として国民の上に立っていました。国民は天皇の赤子として、聖戦の名で戦争に駆り出されていきました。また、世界で最も残虐な法律とされた治安維持法のもとで、国体を破壊する者として、共産主義者だけでなく、自由と民主主義を求める多くの人々が牢獄につながれていったのであります。今日、あの暗黒政治が天皇の名で行われたことは、だれも否定することはできません。A級戦犯の東条英機も東京裁判の中で、日本の臣民が陛下のご意思に反してあれこれすることはあり得ないと、侵略戦争開始も天皇の意思に基づくものであることを裏づける証言をしているのであります。だからこそ、長崎市長までが、天皇の戦争責任を述べているのではないでしょうか。  こうした歴史の真実を歪め、侵略戦争の責任を否定する謹話や国会答弁は重大な誤りであります。同時に、私どもは今すぐ天皇制をなくせなどと言っているのではなく、憲法の基本原則を外すことの誤りを指摘しているのであります。弔意の押しつけや行事の自粛は、天皇を国民の上に置くことであり、主権在民を定めた憲法に触れることであります。憲法と地方自治の本旨に基づき行政を進めることが基本であると考えますが、区長はどのようにお考えでしょうか伺います。  あわせて、この際伺っておきたいことは、本年一月七日付、小野原教育長名で出された「弔意奉表について」とした小中学校長あての通知の件であります。これは、都の教育長名の通知に重ねて、区として哀悼の意を表すことを求めているものであり、さきにも触れた憲法の国民主権からの逸脱に当たるのではないかと思います。どのような考えに基づいて出されたものであるかを明らかにしていただきたいと思います。  次に、私は区の窓口における元号の取り扱いについて伺います。  天皇の代がかわるごとに改元する一世一元制は、戦前の絶対主義的天皇制を象徴するものとして百年前に制度化されたものの、新憲法では、主権在民に反するとして廃止されました。にもかかわらず、一九七七年の国会で元号法制定を強行したのであります。国会では、一般国民にまでその使用は強制しないとの答弁が繰り返し行われてきたものの、実態はさまざまな形で強制されてきております。今回、新元号に変わったことを契機に、元号制度が国際的にも通用しないことを改めて痛感した国民も多かったのではないでしょうか。  一月末の朝日新聞で「通学証明書に元号強いる」の見出しで、JRが定期券発行に際し、西暦で発行した学校の証明書は受け付けられないとした事件を取り上げていましたが、区の窓口での扱いも、住民に対し、元号の使用が強制されてはならないことであります。庁内はもちろん、出張所や地域に分散する区の窓口について、改めてその趣旨を徹底するように図られたいと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、私は、区長にかかわる政治献金の件について触れておきたいと思います。  私ども共産党としては、一つ、区民に清潔、公正な区政を推進するためには、企業、団体からの一切の政治献金をやめ、献金は個人に限ることを貫いていただきたい。二つ、今回の政治献金の問題については、区民にその事実を明らかにしていただきたい。の二点につき申し上げておきます。区政の基本にかかわることでありますので、正面からこれを受けとめて、今後の区政に当たられたいと思います。  以上で、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) 消費税並びにリクルート問題と区政の関係につきまして、消費税は住民生活を脅かす、あるいはまた都区財政にも大変な矛盾があるではないか、これらの廃止についてどう考えるか、こういうお話でございました。今回の税制改革は、租税は国民が社会共通の費用を広く公平に分かち合うためのものであるという基本的認識のもとに、税負担の公平を確保し、税制の経済に対する中立性を保持するとともに、税制の簡素化を図ることを基本原則とするとされております。  この税制改革の本区への影響でありますが、税負担の軽減を図るための住民税の減税、たばこ消費税の改正、電気・ガス税の廃止に伴う減税のほか、消費譲与税の創設に伴う新たな歳入増などがございます。一方、歳出面におきましては、消費税の導入に伴いまして、消費、サービスの受益者としての負担増が出てまいります。また、区民の方々から見れば、所得税や住民税の減税が実施されている一方、新たにご指摘の消費税の負担の問題が出てまいります。消費税は最終消費者が負担するということですので、実施の段階において、いわゆる便乗値上げなどが行われないよう、価格動向の調査、指導など、万全の対応が必要ではないかと考えております。  私は、税制への納税者の信頼の基礎となるものは、税負担の公平であり、また、本当の意味で所得、資産、消費に均衡のとれた課税がなされることが、いかなる場合にも貫かれるべき重要な原則であると考えております。また、租税は、国、地方公共団体の提供する公共サービスを支える財源でもございます。地方公共団体の財政運営に基本的に影響を与えることのないよう配慮していくことが大事であると考えております。  消費税に関してご指摘の点も含めまして、さまざまな意見、議論があります。私としても大きな関心を持っておりますわけでありますが、行政をあずかる者として慎重に見守ってまいりたい、このように考え、いずれにいたしましても税制が住民の理解と信頼を得るためには、税の使途、すなわち行財政が効率的に運営されていくことが必要であり、引き続き健全財政に努めてまいりたい、このように考えております。  地方自治擁護ということで、高齢化社会を進めるために、国の補助金の削減の復元を強く求めろというご意見でございました。全く同じ考えでありますが、補助金の削減は、国の負担が五割を超す補助事業を対象に、六十一年から始められた三年間の暫定措置であります。自治省は、本年で期限が切れるために、来年度から、緊急避難的な措置であるため、補助率引き下げ特例は廃止すべきだという主張をいたしながら、一方、大蔵省は、赤字国債をゼロに戻そうと、平成二年度の財政再建目標の達成を理由に、補助率カットの継続を主張している状況であります。  国庫支出金対象の事業は、当区におきましては福祉部、婦人児童部、高齢化対策室、衛生部、土木部、教育委員会など二十事業にも及び、この措置により、昭和六十三年度は約十六億円の影響を受けております。 補助率カットの廃止については、区長会としても、これまで国に対し再三にわたり強く要望してきたところでございます。ちなみに各市町村でも、ふるさと創生論による一億円よりも、補助金の復元を望む声が大変大きいようでございます。平成元年度予算では、生活保護法に基づく保護委託費が十分の七より十分の七・五とアップされ、約二億円の負担減となり、そのほかは現状維持となりました。今後とも区長会などにより、国に対し、機会あるごとに補助金の復元を要望してまいりたい、このように思っております。  また、憲法の基本原則についてお話がございまして、憲法に関するお話によりますと、ご指摘のとおり、私は、地方行政を進めるに当たっての基本は、憲法を遵守しながら、住民福祉の向上のために諸施策を展開していくことである、このように信じております。  最後にお話がございました問題につきまして、私自身、就任以来、常に清潔、公平な区政運営を基本姿勢として実行してまいりました。今後ともその姿勢にはいささかも変わりございません。かように申し上げておきます。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 最初に、消費税の区関係公共料金への転嫁を行わないように、それから、都の公共料金転嫁をやめるよう申し入れろというご質問でございました。  区の徴収している料金への消費税の転嫁問題でございますが、主に施設使用料や事務手数料に関係がございます。法の趣旨から言えば、地方団体のサービス提供等についても、民間同様に原則として課税対象となり、国は四月一日から利用者へ転嫁するように指導をしてきております。また、通常、使用料、手数料には区自体の利潤を見込んでおりませんし、仮に転嫁しないとすれば、使用料、手数料の根拠となるコストに対しての消費税相当分については、他の一般財源等で負担せざるを得ず、広く区民全体に負担を転嫁することとなります。  区の使用料、手数料等につきましては、これまでもさまざまなコストの変化や負担の公平性に配慮し、適正な料金設定に心がけてきたところでございます。現在の段階では、電気・ガス税の改定のほか、都の上下水道料金のように、いまだ未確定な部分もございまして、このコストに影響のある部分の把握が困難なケースも数多くありますので、それぞれの料金の算定基礎などを精査した上で、利用者の納得の得られる料金を設定していきたいと考えております。  今回の消費税への対応につきましては、各自治体とも大変苦労しているのはご案内のとおりでございます。東京都の公共料金につきましては、都議会の中で十分な議論がなされることと思いますので、この推移を見ながら区としても態度を検討していきたいと思います。  それから、労働時間短縮で、住民サービスを低下させないように、そのためには、それに見合う職員確保をというご質問でございました。労働時間の短縮は世界的な趨勢となってきておりまして、内需拡大の面からも、国際的な要請を受けていることはご案内のとおりでございます。この状況を踏まえまして、労働基準法が改正されまして、昨年四月に法定労働時間が週四十六時間となりまして、三年後には週四十四時間、一九九〇年代前半には週四十時間という目標が示されております。  このような流れの中で、区としても早急に長時間勤務職場の解消を図る必要があり、あらゆる創意工夫を凝らしながら鋭意検討を重ねた結果、この四月には長時間勤務を解消することができるようになったわけでございます。この実現に当たりましては、特に区民サービスに直接かかわる職場におきまして、事務執行体制の変更、施設の管理運営方法の改善、退職職員の非常勤としての活用など、きめ細かな検討を行い、実施にこぎつけたわけでございます。これからも労働時間の短縮を図りながら、事務執行体制の改善に努め、区民サービスの水準の向上を目指していきたい考えております。  それから、元号の問題についてご質問がございましたが、元号の使用につきましては、従来から慣行として、公的機関の事務執行に際し、住民のご理解のもと、元号を使用してまいりましたが、住民の方からの各種届け出や申請書については、西暦を用いられても、これを受理しております。新しい元号につきましても、国の指導もあり、公務の統一的な処理を円滑に行うために、区民の皆様のご理解とご協力を得ながら使用してまいりたいと存じます。  以上です。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 私からは、特養ホームの建設、あるいは老人見舞金、保健所における保健婦、歯科衛生士の増員等についてお答えをいたします。  まず最初に、特別養護老人ホームは、家庭内での介護がどうしても困難なお年寄りを、二十四時間の体制でお世話する施設でございます。これからの特別養護老人ホームは、家庭におられる方々に対しても、入浴、食事、ショートスティ等、在宅生活を支えるいろいろなサービスを提供していく、地域に開かれた施設としての役割も担っていくべきであると考えております。区内では現在、五カ所の特別養護老人ホームが運営されておりますが、ことしの末には、下馬二丁目に会社福祉法人日本フレンズ奉仕団による、定員六十五名の特別養護老人ホームが完成する予定でございます。また、新たに砧三丁目に会社福祉法人友愛十字会により特別養護老人ホームの建設が始まります。双方に対しまして、区は大幅に建設整備費の助成をいたし、促進を図っておりますが、さらに区立特別養護老人ホームの建設も、その用地を確保次第進めていきたい、かように考えております。  いずれにいたしましても、特別養護老人ホームの重要性を十分認識いたしまして、今後ともその促進を図ってまいりたい、かように考えております。  次に、老人の入院見舞金制度のご質問でございましたが、老人保健法の医療は、全国的、統一的に実施されている制度でございます。ご案内のとおり、通院一カ月八百円、入院一日四百円の一部負担金をいただいております。その趣旨は、本格的高齢化社会を迎え、健康に対する自覚と適正な受診を促しながら、さらには世代間の負担の公平を図ろうとするものでございます。いわゆるこの入院見舞金につきましては、その一部負担金を肩がわりするものと考えられるおそれがあれば、たとえお年寄りの入院等に当たって、なぐさめ、激励する目的のものであっても、老人保健法の趣旨を損なうものであると判断される可能性がございますので、慎重に対処してまいりたいと考えております。  区におきましては、入院されたお年寄りの負担の軽減のため、老人福祉手当の支給や、看護料差額助成制度、高額療養費貸付制度、デイサービス等を行っておりますが、さらにきめ細かな福祉サービスの充実を目指してまいりたいと考えております。  次に、保健所の役割とサービス充実に伴う保健婦、歯科衛生士の増員の問題でございますが、保健所は、地域保健活動の重要な拠点として大きな役割を担っていると認識しております。保健所法施行後四十年を経ましたが、その間に、結核、伝染病対策中心から、成人病対策の拡大へと大きな変化を見ています。近年は、高年齢、難病患者、精神障害者の相談も著しく増加し、健康づくりの助成も含め、この業務はますます多様化してきております。職員につきましては、特に保健婦等の医療技術系を中心に、昭和五十年の事務移管後、事業の拡大に合わせ増員を図ってきたところでございます。  保健所のあり方についてはさまざまな提言もございますので、民間資源の活用も含めた全体の見直しを図りながら、保健サービスに必要な職員の確保を今後とも進めてまいりたいと思います。  以上です。    〔教育長小野原進君登壇〕 ◎教育長(小野原進 君) まず、高石元文部次官のパーティー券購入についてお答えいたします。  ご指摘のパーティー券購入は、その取り扱いに慎重さを欠いておりました。教育委員会としては、今後このようなことの起こらないよう十分注意してまいりたいと思います。  次に、四十人学級編制についてお答えいたします。  東京都の公私立小中高等学校の四十人学級編制の実施などの条例制定請求の署名、内容については承知いたしております。四十人学級につきましては、本区では昭和六十一年度の小学校一年生から四十人学級を実施しておりまして、また、平成元年度からは中学校一年生について四十人学級を実施する予定となっております。そうしまして、平成三年度には全学年四十人学級が完全実施になるという見通しでございます。早期実施につきましては、今までも区長会及び教育長会において国及び都に要望しているところでございますが、今後とも早期実現に向けて強く要望してまいりたいと思います。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で笹尾淑君の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十五分休憩      ───────────────     午後三時三十一分開議 ○議長(浜中光揚 君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 代表質問を続行いたします。  民社党・無所属クラブを代表いたしまして、六番長谷川七郎君。    (六番長谷川七郎君登壇〕(拍手) ◆六番(長谷川七郎 君) 私は、民社党・無所属クラブを代表いたしまして、財政問題ほか三件についてお尋ねをいたします。  財政問題につきましては、利子割交付金の点についてお尋ねをさせていただきます。  昭和六十二年の税法改正によりまして、マル優が原則廃止され、新たに創設された利子割交付金について何点かについてお尋ねをしたいと思います。利子割交付金は、マル優廃止に伴い、銀行預金、郵便預金などの利子に一律二〇%の分離課税をされ、二〇%のうち十五%が国に、残り五%は地方に配分されると聞いております。  なお、この五%のうち、法人分を除く五分の三がそれぞれの自治体におりてくるというふうに伺っております。  そこで、六十三年度の当初予算で十一億円が計上されていましたが、今年度の最終補正におきまして三十三億円の増額補正、率にして三〇〇%増の大幅な伸びになっております。いまだ平年度化されていない創設一年目にしてこの大幅な伸びは、どのような要因なのか、まずお伺いいたします。  次に、六十二年度の税法改正では、税率構造の見直し、基礎控除等の引き上げ、配偶者控除の新設などの改正があり、所得税と地方税の減収が実施されました。これに伴って、特別区民税も相当の影響を受け、増税分の利子割交付金との差し引きでも減少になるだろうというふうに聞いておりましたが、交付金の大幅な伸びで逆に増収になっていると思われますが、この点について実態はどうなのか、お伺いをいたします。  また、今後も増収が見込まれると予想されますが、昭和六十三年度の税法改正に伴い、特別区民税の減収分として、ある程度カバーができると思いますが、あわせてお尋ねいたします。  次に、平成元年度の当初予算に利子割交付金二十五億円が計上されております。今年度の見込みが四十四億円ということを考えると、見込みが大変甘いと思いますが、この点はどうなのか。また、利子割交付金が平年度化される見込みは平成何年ぐらいと見込んでおられるのか、お伺いをしたいと思います。  次に、区独自の福祉事業団設立についてお尋ねをいたします。  福祉事業団の設立の要望につきましては、私どもが予算要望その他を通じてお訴えをしてきたところでありますが、事業団の設立に伴っての効果というのは、まず一般的に言われておりますが、効果的運営が可能だろうということが言われております。二番目には、利用者と施設側が非常にスムーズに運営をされるだろうと思います。三番目には、民間重度の障害者施設に対して、資金、人材派遣についても応援、指導が可能であるということであります。四番目には、人件費ぐらいが都から助成を受けられると聞いております。この、今申し上げました四つのうち、二と三について少しく内容について申し述べたいと思います。  現在、重度の障害者施設というのは、公立公営、肢体不自由児者の施設と言いますと、生活実習所、梅丘福祉実習ホームがございます。民間施設で重度の障害者の施設といいますと、親御さんが中心で実施をされておる東北沢つどいの家。これは肢体不自由児者の方の施設であります。精神障害者の方々の施設につきましては、希望の家というのがございます。それぞれの施設に通っておられる子供さんたちは、公立公営の施設に入れない、なかなか重度の中でも重いお子さんだというふうに言ってよろしいかと思いますが、そういう子供さんを、それぞれ親御さんの運営によってされているわけであります。これが重度の施設の実態であります。  ちなみに、各重度の公立公営と民間の施設とを比べてみますと、現在、梅丘福祉実習ホームでは、月曜日から金曜日まで通所しておられまして、職員さんはもちろんお休みにはなりませんが、子供の通所は土曜日、日曜日はお休みであります。時間は、バスの到着する時間がほぼ九時半でございますので、九時半から十五時まででございます。昨年の夏、親御さんの会からの申し入れによりまして、長年の時間延長をお願いしてまいりましたけれども、昨年、十五時に延長された経過がございます。  生活実習所はどうかといいますと、月曜日から土曜日まで運営をされております。時間は十時から十五時まででございます。ただし、水曜日は二時に退所をしておられます。後ほど申し上げますけれども、生活実習所さんでは、私もつい最近知ったことでありますが、この一月二十一日から土曜日を交代でやらないような取り決めを親御さんとの間で決めたようであります。定員が梅丘では二十五名であります。現在、二十二名の子供さんたちが通所をしておられます。生活実習所は、ご案内のように定員は四十二名でございます。児数はちょっとつかんでおりませんけれども、定員までは現在いないと思います。職員さんはどうなのかといいますと、梅丘では十一名、所長さん以下いらっしゃいます。生活実習所では二十五名プラス嘱託員の方が二名おられます。暮れから正月にかけての休暇を除きまして、あるいは日曜、祭日を除きまして、年間を通じて、そのほかにお休みとしては、梅丘は七日間ございます。これは夏にとっているそうであります。生活実習所は夏が十三日間、冬休みが五日間。これは、先ほど申し上げたように、暮れから正月を除きまして冬休みというのが五日間あるそうであります。春休みが九日間。二十七日間あるそうであります。  一方、民間で重度の子供を抱えている東北沢つどいの家の実態は、金曜日と日曜日が休みでございまして、週休五日制を実施をしているようであります。これは職員も休んでおります。朝は十時から、夕方十七時まで預かっているそうであります。申しおくれましたけれども、梅丘には委託のバスがございますし、生活実習所には専用の大型バスが一台ございます。つどいの家にはバスはもちろんございませんし、自転車もございません。定員は、つどいの家の場合、特に定めておりません。というのは、いつ、どういう形で申し込んでこられるかわかりませんので、定員というものは特別に定めておりませんが、部屋の狭さから言っても、現在、週に常時通ってくる子供さんたちが五名であります。そのうち、一名の方については週二日で通ってくるそうであります。ただし、通常通ってくる方以外のプラスアルファは相当あるそうであります。それは、この施設でもリハビリ、あるいはその他、お母さんがちょっと預かってくださいということでお預かりしている子供が入ってくるからであります。職員の数と申しますと、職員は一人であります。週に三日、アルバイトの女の子が来ておりますが、所長さんと称する親の会の人が一人おりますが、この方は家庭の主婦でもあり、自分でも障害者の子供を抱えておりますから、十一時から七時まで詰めておるそうであります。もちろん、これだけの子供たちを職員一人を中心にして運営をするということは大変なことであります。親御さんの力も当然加わっていますし、地域の婦人団体、あるいはバザー等においては商店街のご協力をちょうだいをしながら運営をしているという姿でありますし、金額についても、長くなりますから私は申し上げませんけれども、年間三百五十万円の予算で運営をされている施設であります。ちなみに、この施設に東京都からの助成金が、昨年までは二百万余円でございます。したがいまして、バザーの収入その他によって運営をされている施設であります。  重度の障害者施設と言いますと、公設公営、全く民営、もちろん民営と言いましても、役所の施設の一隅を借りて、光熱費やその他のものについては行政の方で負担をしているわけであります。私は、この民営の肢体不自由児のつどいの家にいたしましても、重度精神障害者の施設であります希望の家にいたしましても、本来、一体だれがこれを運営をしていくのがいいのか。むしろ区でやる仕事ではないだろうか。私は、重度の重いお子さんほど区で引き取ってあげることの方が、歴史の上から正しいのではないかというふうに認識をしている一人であります。  さて、二番目に、先ほど申し上げましたように、利用者と施設側がスムーズにいくということであります。重度の子供さんほど、この世話をするという仕事は大変な仕事であります。これはもう下の世話から、本人はそれぞれ病気を抱えておりますから、肢体不自由児といえどもダブル障害の子供が多いわけでありますから、それぞれ気を使わなければならない。大変な仕事であります。直営で今おやりになっている実態を見ますと、五年ぐらいで職員さんが交代をされます。転勤をされるわけであります。ここでは言えないようなことまで含めて、いろいろ職員さんの苦労もあるし、逆に、通わせている親の心配の種もたくさんあるようであります。  こんな話も、一部ではありますけれども、職員さんから「こんなところへ転勤をしてきてしまった」、こういう言葉も漏れ承っておりますし、利用者から、親御さんから「しょうがないから通っている」、こういう言葉をお聞きをするわけであります。梅丘の福祉実習ホームにいたしましても、大変な苦労をして、大変な努力をして、今日まで十年余、みんなの力で運営をして、子供たちも、親も大変喜んでいるわけでありますが、いろいろ掘り下げてみると問題点はあるようであります。  私は、前からしばしば機会があると申し上げておりますけれども、重度の障害者の施設というのは、区の職員さんが直営で面倒を見るということは、職員さんも大変なことだ、こういうことを申し上げてまいりましたし、ぜひこの種の施設については、違った形での、喜んでもらって、そして喜んで働いてもらう、そういう感じの中で、質の高い福祉が実現できることを希望している一人であります。  もし仮に事業団で運営をしたら一体どうなんだろう。区の職員さんは、やはり世田谷区で採用されたという枠の中で労働条件を考えるのは自然の姿だろうと私は思いますね。ここへ五年いる。あるいはほかの施設へ行く。ほかの施設へ行けば、大変楽なわけであります。ところが、ここの施設にいたのでは、ここへ来たときに途端に大変だ、こういうことに相なるわけでありますから、転々と職場を転勤されるわけでありますから、この種の施設というのは事業団にむしろ振りかえていくことの方が、いろんな意味で運営がスムーズにいくんだろうというふうに私は思います。事業団というところで採用をすれば、その施設で働くんだ、こういう感じの意欲を持って勤める方でありますから、当然、今言ったようなことが意識が当初から変わってくるものだというふうに私は思います。どうかひとつ、こういう点で事業団の設立についてはぜひ実現をさせたらどうかという提案であります。  それから、さっき申し上げましたように、大変苦しんでいる民間の施設の人たちに対して、事業団の設立によって、人の派遣なり、資金面の派遣なり、応援指導ができるわけでありますから、しやすくなるわけでありますから、民間の活力を求めていくことは今後の福祉にとって不可欠な要素でありますから、こういう問題がスムーズに運営できるように、ぜひ実現をお願いしたいものだというふうに考えております。  次に、区内の公的福祉機関について。
     ふれあい公社が昨年発足をいたしました。サービス公社、あるいは社会福祉協議会、ボランティア協会等がございます。特に、私はふれあい公社について申し上げたいのでありますが、設立の目的は財産預託。大変難しい問題だけれども、親亡き後のこと、あるいはお年寄りのことを考えて、これから必要だろうということで意気込んで発足をしたわけでありますが、四月には法人組織にするというお話でございます。一体この見通しはどうなのか。特に、私も評議員の一人でありますが、今、大変危惧をいたしておりますのは、ふれあい公社が、皆さん方がどうもこの点について意欲が欠けるのではないだろうか、こういう感じを持っております。というのは、財産預託については東京都が今諮問機関をつくっているので、それを参考にしてやりたい、このようなお話が評議員会でも出ました。評議員会ですから、私はその場では何にも申し上げませんでしたけれども、これは設立の趣旨とは大分違うのではないだろうか。大変失礼ですけれども、あれだけの職員さんが集まっておやりになっているわけですから、ふれあいサービス事業が社協から受け取って、介護人制度を今ふれあい公社でやっております。確かに百人の介護人さんをふやしたことは、これは努力を高く評価しますけれども、それだけでふれあい公社をつくったわけではございません。私は、世田谷区のふれあい公社として、利用者の意見を今から、一体どういうものを利用者は求めているのか、どういう考え方なのか、こういうものにでも積極的に取り組んでいただきたいということを触れておきたいと思います。  なお、社会福祉協議会からふれあい公社へ、介護人派遣制度の仕事が移ったわけでありますけれども、ボランティア協会にいたしましても、全国的に見ましても、社会福祉協議会が中心になって事業を進めていることは、皆さん、ご承知のとおりであります。同じような仕事、目的を持った公的機関があるわけでありまして、これはぜひひとつ、将来、やはり整理しておく必要があるんじゃないだろうか。検討しておく必要があるだろうと思います。きょうの区長のお話のように、世田谷でも準備室を設けたそうでありますが、地域行政とのかかわりが一体どうなってくるのか、こういったことも問題になってくると思います。いずれにいたしましても、介護制度というのは、区民の協力がなければできないと思います。そういう意味では、どの機関もそこにつながってくるわけでありますから、ぜひひとつ整理をして、検討をしておいていただくことが必要だろうと思います。  さて、次に週休二日制、隔週二日制といいますか、土曜閉庁の問題について一言触れてお尋ねをしてみたいと思います。  隔週二日制につきましては、もう区長からも先ほどお話がありました。私は、サービスを低下させない、こういう視点から、ぜひ区長に、私の家へ参りました手紙の一文を読まさせていただきたいと思います。字が大変上手な方なものですから、読みにくいものですから、私はこちらへ写しておきましたので、その部分だけ読まさせていただきます。「重度の子供を持った保護者は、在宅福祉というものの窓口がどんどん狭くなり、本当に不安な思いがございます。移管された施設の運営が」──これは生活実習所のことを指しております──「移管された施設の運営がいかに難しいか、やっとわかりかけてきました。どうして区に移管されたのに、各区にある生活実習所が同一歩調で休日問題、閉庁問題など」──ここのところがよくわからないんですが──「横に組まねばならないのか。よい面での同一歩調ではなく、児童学園の残りのものだけが同一歩調ということが本当に不思議だと思います。現在の行政の実情に合わせた対応を本当に考慮していただきたいものです。」。  私も、文章の中でちょっとわからない点があるんですが、こういう文が送られてまいりまして、要望書が入っております。これを調べてみましたら、先ほど申し上げましたように、生活実習所では一月二十一日から、土曜のお休みについて利用者と話し合いをされたようであります。当時、利用者の親御さんは、やむを得ないだろうということで、これを受けたようであります。ところが、今回の閉庁の問題で、今、二十三区の中に生活実習所が十区、東京都から移管されております。三多摩の市町村につきましては、現在、まだ東京都が直接運営をされております。そこで、生活実習所の親の会は、親の連絡会というのがあるんだそうです。したがって、そういう中で、都の通知で、三多摩の東京都の施設は従来どおり実施をいたしますということが明らかになったわけであります。その話を聞いて、通所者の皆さんは一月二十一日を思い出し、区であるがゆえに、今度、土曜を閉庁されてしまう。このことについての要望書を、もう既に区長さんのところへも出したんだろうと思いますけれども、お話が言っていると思いますけれども、「重度障害者には日々の訓練があってこそ成長し、自立への道を進むことができる。毎日の通所によって生活の充実の場が与えられています。そこで、休日がふえれば、それだけその機会を失い、重度障害者にとっては大きな損失となります。休日がふえることによって、重度障害者の生活リズムが損なわれ、その上、介助する側の親の高齢化と体力の限界もあり、家に閉じこもりがちになり、心身の健康的な生活に支障を来します。よって、ぜひ土曜日もやっていただきたい」、こういう要望が参っております。二十三区の区長会で決めたこととは思いますけれども、ぜひひとつご検討いただくようにお願い申し上げておきたいと思います。  最後に、先ほど来、学校警備の問題についてお話がありました。少しく意見を述べたいと思います。先ほど来お話がありまして、どうも私の聞き違いかなと思いましたけれども、夜間無人になるんじゃないかというお話がありました。これは、私の聞いている範疇では、利用者がおられる場合、体育館等を利用している場合には、十時まで臨時職員を置きます、こういうお話に伺っております。それから、移管に対して何にもお話がなかったんじゃないかということでありますが、私たちの会派から、長年にわたりこの問題についてはぜひ実施をしていただきたいということを主張してまいりましたし、昨年も、我が党の折居議員からも、この問題についても大変触れましたし、一昨年も、その前の年も、この問題については触れてきたつもりでございます。  私の記憶では、六十一年の行財政改善推進委員会、文字になったのはこのときだろうと思います。私どもの主張はその以前からしてまいりました。事務事業の見直しについてということで、学校警備並びに、いま一つ、学校の学童擁護さんの問題が、たしかこの時点で文字になって出てきたんだろうと思います。六十二年の九月九日の幹事長会でこのお話がなされ、九月十八日、文教委員会で報告がされたというふうに伺っております。六十三年度当初予算に、欠員の補充予算がないということで、その後、補正で予算を計上した経過も私の記憶にございます。  いずれにいたしましても、この学校警備については、区長が政策として決定をしたのだというふうに私どもは認識をしているわけであります。しかるがゆえに、理事者の方々には、もっと真剣にこの問題に取り組んで、労使の交渉にあたるべきではなかったんだろうか。政策という問題について、区長が決めた政策だという頭が、担当者の方々に一体あったんだろうか。最初から労使の問題として取り上げて、組合さんとお話をなさったんではないんだろうかな。区長が政策決定するということでありますから、これは大変なことであります。政策決定したものについて、これを実行に移すには、当然、労使の話し合いが必要であります。私どもは前から主張しておりますけれども、この問題については組合さんとも十分話し合いをしてもらいたい。そして、少なくてもご協力願う立場でありますから、組合さんの言われることも十分尊重しながら、一日も早く実施していただきたいということを重ねて重ねてお願いをした経過があります。一体今まで理事者の方々は何をやってきたんだろう、そういう感じすら私はいたします。  基本的には合意をされたというお話でありますが、組合の言われることも十分尊重されまして、少なくても各個人個人については十分意見を吸い上げて、できるだけその中へ取り入れて、第二の職場へ転勤されるときも十分期間をとられて、ぜひ新しい職場で違和感のないようにひとつお願いをしたいと思います。  最後に、私は、新しい教育長の施政方針演説をお伺いしようと思ったのでありますが、時間もないようでありますので、いずれ機会を改めて新教育長の施政方針演説をお伺いする場をつくりたいと思います。  以上で、壇上におきまする民社党・無所属クラブを代表しての質問を終わらせていただきます。(拍手)   〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) お答え申し上げます。  私からは、ふれあい公社の事業展開について、経過をご報告申し上げ、考え方を申し上げておきたいと思います。  いわゆる資産活用制度につきましては、福祉公社内部に有識者による専門委員会を設置いたしまして、システムづくりの検討を進めているところでございます。具体的には、民間金融機関の協力を得て、民間資金の活用を図る形で検討が進められていると報告を得ております。また、一つには、シルバー産業の発展によりまして、類似の事業化の準備も目立っておるようでありますが、おのずから民間ではなし得ない部分があるわけでございますので、公社自体の資産活用制度を重要であるというふうに私どもは認識いたしております。  ただ、実現までには、公社自体の法的性格を初め、解決しなければならない課題が残されております。資産活用の問題につきましては、高齢者を初め、障害者とその親の方々から大変期待も寄せられており、区といたしましては早期に実現できるよう、検討の促進についてさらに協力に取り組んでまいる所存でございます。  また、ふれあい公社の事業展開を充実していくためには、現在、任意団体としておりますのを、法人格のある団体にしなければならないと思っております。区といたしましては、財団法人が適切であると考えておりまして、その設立を許可する東京都と協議を続けているところであります。国の動向もあり、若干時間を要する状況と考えております。  そのほかについては、助役からお答えさせます。  福祉事業団の設立についてお答え申し上げておきます。国が要綱で設置を認めている法人格を持った社会福祉事業団は、社会福祉六法が定める福祉施設の経営に当たる機関でございまして、施設の種別、数、組織形態などについて種々要件が定められているところでございます。地域福祉、あるいは在宅福祉を推進するためには、在宅サービスの充実とともに、各種福祉施設の整備も必要でございます。福祉施設は、その運営に関しまして高度の専門性を必要としたり、特殊な勤務形態を要する場合があるわけでございます。したがいまして、人材の確保とか、あるいは事業運営についての柔軟な対応を図る立場から、そうした措置が講じられているものと理解しております。  今日、福祉施設の整備、運営に当たりましては、民間福祉活動との協力関係も必要となっております。したがいまして、民間福祉施設の育成についてもさまざまな方法を考えていかなければならないとも思っております。このため、社会福祉事業団の場合は、民間福祉事業についての援助活動ができる仕組みも用意されているところでございます。したがいまして、ご提案の趣旨につきましては、区が現在行っております民間福祉事業の育成、援助に関する施策との関連を整理しながら、早い機会に実現できるよう検討する必要があろうか、このように考えております。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 私からは、ふれあい公社の事業展開の中で、社会福祉協議会、あるいはボランティア協会との関係につきましてお答えいたします。  ふれあい公社の活動と社会福祉協議会、あるいはボランティア協会との関係でございますが、世田谷区は社会福祉行政の基調を地域福祉に置いているのは、ご案内のとおりでございます。地域福祉の推進は、区が実施する各種の行政サービスのほか、民間活動として行われる各種の福祉サービスがそれぞれの対象者に総合的、効果的に提供される仕組みを地域につくっていこうというふうに考えております。その中で、社会福祉協議会は民間福祉施設、福祉関係団体の連絡、調整等を基本的役割としまして、ふれあい公社は行政サービスとしては実施の困難な在宅サービスの課題を担当しているところでございます。また、ボランティア協会は、区民の自主的な福祉活動の振興を図る機関でございます。  このように、各機関がそれぞれ役割が異なっているわけでございますが、区民の皆様にとってわかりにくいということもあろうかと思います。現実に、対象者の中にはサービスの重複という事例もあるということも聞いております。したがいまして、これらの各機関の役割分担の見直しを含めました全体調整につきましては、具体的な問題を明らかにしながら今後検討してまいりたいと思っております。  また、地域行政とのかかわりでございますが、現在、進めております地域行政制度は、区民サービスの向上と地域、地区の実情に合わせたまちづくり機能の強化を目的とするものでございます。この考え方は、区が推進しております地域福祉の考え方と基本的に一致するものでございます。ご指摘にございましたような、ふれあい公社のサービスを含め、地域福祉の重要な内容をなしております福祉サービスの地域における展開の状況や、区民ニーズの動向を見ながら、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 最初に、利子割交付金についてお答え申し上げます。  利子割交付金が大幅に補正増された要因は何かというご質問でございました。利子割交付金は、都道府県税として東京都に収入された都民税利子割額五%のうち、法人分を除いた個人に係る利子割額の五分の三が区市町村に交付されるものでございます。利子割交付金の当初計上に当たりましては、東京都が国の地方財政計画の数値を基準にして、都における預貯金額の全国に占めるシェアを二五%といたしまして算定した都民税利子割額を基礎にいたしまして、世田谷区分として十一億円を算定したものでございます。しかしながら、その後、都の利子割額が当初見込みの一七%増と伸び、また、都の預貯金シェアが当初予想の二五%から三九%へと、やはり見込みを大幅に上回っております。したがいまして、この二つの要因により、三十三億円の増額補正となったものでございます。  次に、税制改正による減収が、この利子割交付金の増収でカバーできるのではないかというご質問でございました。六十二年税制改正に伴う、六十三年度特別区民税分の減収は約三十三億円でございましたが、利子割交付金が当初予想より大幅に伸びたことにより、結果として、約十億円程度の増収になるものと考えております。  また、六十三年税制改正に伴う平成元年度の減収は約四十三億円と試算しておりますが、利子割交付金の増収が前年度と同様の伸びを見込めることになれば、元年度の減税分をある程度カバーできるものと思います。  次に、平成元年度の見込みは甘いのではないかというご質問でございますが、先ほど申し上げましたように、区市町村へ交付される利子割交付金は、原則的に個人分が対象となっております。しかしながら、創設して間がないため、法人分と個人分を的確に把握するのが困難であり、六十三年度の交付金の中には一部法人の分も含まれて区市町村に交付されているような状態でございます。この法人分は、平成元年度分第一期において清算することになりますが、これがどのくらいになるかは、各法人の決算期を待たないと正確な数値を把握できない状況にございます。したがいまして、当初予算編成の時点では、正確な収入額を見込んで、二十五億円を計上したわけでございます。  次に、この交付金がいつ平年度化されるのかという点でございますが、預金の種類、満期の長短等が多種多様でございまして、これが平年度化されるには、五年程度の期間を要するものと言われております。したがいまして、平成四年度ぐらいには、平年度化されるものと思いますが、そのときの交付額がどのくらいになるかは、現時点では予想しにくいものがございます。今後は、都とも十分情報を交換しまして、的確な見積もりに努めてまいりたいと思います。  それから、土曜閉庁について、区民サービスの低下を来さぬようにというご指摘でございました。土曜閉庁につきましては、豊かで健康的な生活の実現や、国際協調の推進という視点から、完全週休二日制への重要なステップでございまして、国や都と同様、積極的に取り組むべき課題となっております。  本区におきましても四月からの実施を予定し、今議会に関係条例を提出させていただいているところでございます。しかしながら、住民に密着した業務を多く抱えている区においては、土曜閉庁が区民に与える影響は大きいものがございます。したがいまして、区民の理解と協力が得られる形で実施することが何より重要になってまいります。  この問題につきましては、二十三区長会で協議すると同時に、昨年四月、庁内に検討委員会を設置いたしまして、慎重に検討してまいりました。開・閉庁部門の振り分けに当たりましては、週末に利用の多い施設、例えば区民集会施設や文化スポーツ施設、高齢者や児童施設などは、今までどおり業務を行うということにしまして、区民生活に大きな障害を来さぬように配慮しております。  また、閉庁となる行政機関については、日曜日と同様に、宿日直による受付や緊急時の連絡体制を整備することとしております。本区におきましては、今までも他区に先駆けて区民利用施設の時間延長、休館日の縮小などを行ってきましたが、土曜閉庁を円滑に推進していくためにも、創意工夫して、区民サービスの向上に努めていきたいと思います。  お話の重度身障者利用施設につきましては、二十三区長会で決定しておりますが、機会を見て、関係区で協議してまいりたいと思います。 ◆六番(長谷川七郎 君) 助役、今の最後の問題は二十三区で話し合いがあったんでしょうから、そのことは当然だろうと思います。ただ、いろいろ知恵を絞れば、この種のことは世田谷方式というのもあるのではないだろうかというふうに考えるわけですね。ですから、職員さんがせっかく隔週二日制になるわけですから、できるだけ多く皆さんがそういう立場にあるということは好ましいことなんですね。しかし、一方では、今言ったサービスということがあるわけですね。ですから、この点については、ひとつ十分知恵を出し合って、二十三区に働きかけるのは当然ですけれども、親の会も区長会に申し入れるということですから、それはそれでやっていただいて、もう少し要求といいますか、知恵を出し合って、そういうものを両者満たすような方向というのは何かあるんじゃないかという感じがするんですね。ぜひ知恵を出し合っていただきたい。  それから、いま一つは事業団の創立なんですが、さっき梅丘と生活実習所のお話だけ申し上げましたけれども、これは事業団を創立するにしても、早くたって二、三年はかかるだろうと私は思いますね。今すぐ梅丘や生活実習所をそうしなさいという意味ではないんです。新基本計画の中にも、第二生活実習所をつくるということがうたわれていますね。その点をぜひターゲットといいますか、それを母体にしておやりになりながら、当然、職員さん、組合さんとも話し合わなければいけないですから、時間をかけて、その間はじっくり話し合いをしていただきながら、今、私が指摘したようなことは、できるだけ、欠陥はぜひ整備をしていただきながら、今すぐということで梅丘と生活実習所を母体にした事業団をつくりなさい、こういうことではなくて、むしろ時間をかけて、第二生活実習所を新しくつくるわけでありますから、それらを母体にしてできるわけでありますから、そこから入っていただく、こういうことを申しおくれましたので、その点について述べさせていただきます。  以上で私の質問を終わります。(拍手) ○議長(浜中光揚 君) 以上で長谷川七郎君の質問は終わりました。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、自由民主党を代表いたしまして、五十四番宇田川国一君。    〔五十四番宇田川国一君登壇〕(拍手) ◆五十四番(宇田川国一 君) 私は自由民主党世田谷区義団を代表し、平成元年の世田谷のまちづくりにかかわる諸課題について質問したいと思います。  ところで、昭和天皇におかれましては、日本国民の切なる願いにもかかわらず、去る一月七日崩御されましたことは、まことに残念でなりません。二月二十四日、大喪の礼も滞りなく終わりましたが、ここに改めて亡き昭和天皇に、心より哀悼の意を表したいと存じます。  さて、質問の本題に入りますが、区長は本年の年頭のあいさつの中で、今後のまちづくりを進めるための最も重要な課題として三つの都市機能、すなわち良好な居住環境、地域の多様な経済活動、そして、魅力ある都市活動に欠かせない文化を掲げ、それらのバランスある発展を図るとし、さらに世田谷八十一万区民の快適な生活の場としていくことに、勇気を持って挑戦していきたいとの決意を表明されました。私どもは、この点には大いに期待をするものですが、当区の現状を直視しますと、区民が安全で快適に都市生活を営む上で、最も重要な良好な居住環境づくり、中でも、その骨格である道路整備のおくれが大変目立っていることはご承知のとおりで、常々、我が党が指摘してきたところです。  そこで、平成元年度当初予算で、道路用地買収費を前年度より二十億円アップの七十八億円を計上したことは、区長の道路づくりに対する意欲のあらわれとして評価しますが、昨今の地価の高値安定などを考えますと、結果的には、地価高騰前の実績程度になってしまうのではないかと、危惧もあります。  また、予算の組み方を見てみますと、確実に予算執行が見込まれる事業を計上しているようですが、このことは、一般的な行政運営費の予算計上のあり方としては至極当然なことだと思いますが、投資的な経費については、その後の大きな需要の変化に柔軟に対応できるようにしておくことも大切だと考えます。補正予算や基金の取り崩しという手だてもありますが、補正は保留財源や税収の伸びに左右されるなど、難しい面も多いと思います。  担当者としては、安全に、余力があっても事業量を低目に抑え込んでしまうことが多いと思います。また、一たん予算が確定しますと、例えば道路用地の買収でいえば、当初予算に計上しなかった用地や、代替地が急に取得できることになっても、予算がないからとか、年度計画にないからという理由でせっかくのチャンスを逃し、そのために事業全体がおくれることも考えられます。予算の問題は制度上いろいろと制約があると思いますが、まちづくりを協力に推進していくには、それこそ区長が言うように、全庁を挙げて勇気を持って挑戦しなければ、いつまでたっても大きく前進はしません。  前置きはこの程度にいたしまして、現在、太子堂や北沢地区などで防災街づくりが進められていますが、どちらかというと、建物の不燃化やポケット広場の整備などに重点が置かれ、道路面での取り組みが弱いように思います。防災街づくりの目的は、地区の防災機能の向上、そして、生活環境の改善にありますので、建物の不燃化や広場を確保していくことも、災害に強いまちづくりという面で大変重要なことだと理解しますが、この地区内の道路の八割近くが四メーター未満の細街路という現状を考えますと、もっと積極的に道路整備に取り組んでいく必要があると思います。  この防災街づくりがスタートしてから、はや十年になりますが、区の積極的な事業推進により、住宅の不燃化は徐々にですが進んでいることが事実です。しかしながら、快適な居住環境づくり、生活環境の改善という視点から見た場合、最も重要な細街路の整備は、その地区の中だけでの点としか進んでいないのが現状で、地区外の道路とつながる線として、また、面的な広がりがないように思われます。私は、推進地区に指定されたから、すぐに細街路が整備、拡幅されるとは考えていませんし、この防災街づくりはそこに住んでいる区民の生活に合わせ、長い期間をかけて再整備していく事業であることも十分承知していますが、地区内の道路が目に見える形で整備されてこない現状を見ますと、現在のまちづくりの進め方だけでよいのか、疑問を持つものです。  そこでお伺いしますが、この防災街づくりに当たっては、担当の街づくり推進課だけでなく、当然関係する部課が協力し合い、道路づくりに取り組んでいると思いますが、こうした線としての整備が進んでいない現状をどのようにとらえているのか。また、特に地区内で重要な道路については区の道路事業として位置づけし、積極的に整備を図るとともに、地区外の道路とネットワーク的に広がりを持たせていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。  次に、主要な生活道路の整備の見通しと用地買収の執行体制について質問します。  新基本計画では、今後十年間にわたり、区政の総力を挙げて取り組む重点事業としまして五つの事業を定めています。この中には、我が党があらゆる機会を通じ要望してきました道路づくりについて、暮らしを支える道路づくりとして掲げ、さらに推進組織として、他都市には例を見ない道路整備室を発足させました。このように、今後十年間にわたって、道路づくりに重点的に取り組む姿勢を明らかにしたことは、我が党としても評価すると同時に、主要な生活道路の早期整備に大いに期待をしているところです。  改めて言うまでもないことですが、道路は区民が日常生活を安全に、そして、快適に暮らしていくための不可欠な都市の基幹的な施設ですが、残念ながら区内の道路事情は非常に悪いのが現状で、主要な道路では年々交通渋滞が悪化している状況などから、一日も早い道路の整備が強く望まれています。  そこで、道路整備室が発足して、今年の七月でちょうど二年になりますが、従来から進めてきた路線や新たな路線など新組織のメリットを生かし、着実に実績を上げてきたと思いますが、新基本計画の重点事業で、早期に整備すべき路線として位置づけした主要な生活道路などは計画どおり進んでいるのかどうか、今後の見通しも含めてお伺いをいたします。  また、近年は、こうした主要な生活道路の整備だけでなく、地先道路の拡幅や行きどまり、隅切り、局所的な改良など道路事業もより一層幅広くなってきています。用地交渉は、関係権利者との合意など手間暇がかかることは言うまでもないことですが、立ち退きや代替地のあっせんなど、関係権利者との折衝に当たる担当職員の苦労には日夜大変なものがあると思います。現在の道路整備室の用地の買収の執行体制を見ますと、こうした道路事業の拡大に十分対応できるのか、また、計画どおり事業が進むのか非常に心配されます。四月から一名増員するようですが、さらに用地買収職員をふやすなど執行体制を強化し、道路事業を一層推進していく必要があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。  ところで、最近、地価の値上がりなどで公共用地の取得が難しくなっていますが、一月の新聞に「進む公共施設の立体・複合化」という見出しで、人口が集中している都市部では、限られた用地を有効に活用するため、各自治体では知恵を絞り、公共施設の立体複合化を進めているという記事が載っていました。これによりますと、最も多い事例としては、下水処理場の上に公園や運動施設、または図書館、老人福祉施設などを設けている例で、そのほか川を二重構造にし、下は治水用のトンネル型水路、上は自然の川に似せて子供たちが水遊びできるような親水ゾーンとした例や、交差点の地下に広場を設け、市民の憩いの場にした例など、公有地を有効に活用するアイデアが多く紹介されていました。この公共施設の立体複合化は公共用地の有効活用とともに、我が党が再三要望してきた事例ですが、全国での各自治体の例を見まして、創意工夫し、熱意を持って取り組めば、いろいろと手だても出、なせばなると意を強くしたわけです。  そこで、公共施設の立体複合化については、当区も出張所や地区会館、図書館などの区民利用施設は新設改良する際に複合化していますが、まだ見直しが必要なところもあるようですし、公共用地の有効活用にあっては、もっと積極的に進めるべきだと思います。  最近では、池尻の第一出張所用地の交換の例がありましたが、こうしたことを含め、公共用地の高度利用に取り組んでいただきたいと考えますが、見直しの状況や今後の計画化について、まずお答えを願います。当区では、まだ計画の段階ですが、烏山地区センター広場の地下駐輪場や、小田急電鉄の喜多見車庫予定地の上に公園をつくるということぐらいです。  近年の地価高騰で公共用地の取得が難しい状況になっている今日、年々多様化している区民ニーズに適切に対応していくためにも、地域の環境改善や地域住民の生活向上に役立つような場所に立地している公園や学校の校庭などは、積極的に地下利用や立体化を進め、限られた公有地を有効に活用すべきと思いますが、区の考えをお尋ねします。  公共用地の問題では、国や都の公有地で有効に使われていない土地や跡地が多く見られますが、こうした用地への取り組みもまた重要だと思います。最近話題になっているものに都立大跡地がありますが、これについては都からの打診に対し、区としては区内所在分四・四ヘクタールに全部使いたい旨回答したようですが、今後の区の強力な取り組みを期待するとともに、このような用地は区民のために活用されることが理想で、施設の移転や再整備などが予想されるときにはその期を逃さず、区が積極的に取得していくとか、区民のための施設などを国や都に極力つくらせていくことが大切だと思いますが、区の考えと今後の取り組みをお伺いいたします。  ところで、こうした大規模用地の取得には当然莫大な経費がかかります。ちなみに区内にある都立大跡地を全部回収するとなれば、周辺の公示価格を参考に、一平米当たり約二百万円と見積もっても八百八十億円以上と、実に平成元年度の一般会計当初予算の半分に相当するお金が必要となります。  聞くところでは、目黒区では、このほど都立大跡地の利用計画も含めた五カ年の実施計画をまとめたそうです。それによりますと、目黒区内にある六・六ヘクタールのうち四・一ヘクタールを買収し、公園や中央図書館、郷土博物館、住区センター、特別養護老人ホームなどを設置していくようです。用地買収費としては約八百十億円を予定し、現在八十億円を積み立てている用地取得基金を九十一年までに百五十億円にふやし、残りは都市計画交付金や起債などで賄い、本年度末までに具体的な設置計画を詰め、都に用地の売却を強力的に働きかけていくとのことです。  この点、当区も同じ状況にあるのに、隣に比べその対応が非常に遅いように思えます。また、財源面でも道路、公園用地は別としましても、一般的な用地の取得に使える基金と考えられ、用地買収基金が現在限度額は五億円という状況です。このほか土地開発公社の活用なども考えられますが、当区では区内各所で予定されている道路、再開発などの都市基盤整備や小田急線の立体化等を抱え、将来の財政負担も相当な額が予想される中で、巨額な都立大跡地の買収費をどう工面していくかが心配されます。区の決意を内外に示すためにも、早急に具体的な計画づくりに着手するとともに、用地買収基金の増額、または都立大跡地取得基金などをつくり、積極的に積み立てていくべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、世田谷の魅力ある都市づくりとして、現在進められている再開発事業についてお伺いします。  三軒茶屋地区については、昨年の八月に都市計画決定され、組合設立、権利変換等を経て、来年度から建築工事が着手されるとのことです。昭和五十四年の準備組合の設立から十年目でやっと事業が具体化してきましたが、ここまで地元をリードし、計画を進めてきた関係者の方々に感謝するとともに、区の職員の方にはもう一踏ん張り頑張ってもらいたいと思います。  一方、二子玉川地区では再開発を進める上で、最も課題となっています二子玉川公園と多摩川緑地の都市計画の変更が、近々、区と東京都の都市計画審議会に付議されるとのことです。また、都市計画公園のうち約二・九ヘクタールについては、再開発事業に先行して整備されると伺い、ようやくこの地区の再開発にも区が具体的に動きだしたなという感じを実はしています。  そこで、事業が具体化しつつあるこれらの再開発についてお伺いしますが、まず第一点は、三軒茶屋、二子玉川地区とも事業が具体化してきますと、最も心配となるのが、区が負担しなければならない財源の問題です。この二地区の再開発は組合施行による民間の事業ですが、区としてはこれらの事業に対し、組合への負担金や道路管理者としての補助金などがあります。このほか三軒茶屋地区では、区民施設として仮称文化情報センターの建設を予定しており、また、二子玉川では都市計画公園の整備など、いずれにしても区が負担しなければならない各種の補助金や区民施設、公園、周辺街路などの建設費は相当な金額になると思います。こうした再開発に関連する財源について国や東京都の補助はどうなのか。また、区としての財政的な対応をどう考えているか、お伺いをします。  二点目は、二子玉川の再開発に関連しての周辺道路の整備についてですが、この地域の再開発計画は、緑と水に恵まれた良好な地域環境を生かし、商業、業務機能や情報コミュニティーなどの諸機能を備えた東京南西部地域の拠点として整備するとしています。  そこで、私どもは再開発により町がにぎわい、活性化することを大いに期待していますが、その反面、周辺の交通問題を大変危惧しています。ご承知のように、二子玉川の周辺は環八、国道二四六の幹線道路を初め多摩堤通りなどがあります。瀬田交差点や二四六の二子橋付近は慢性的な交通渋滞箇所となっており、今後の大規模の開発に伴い、大量の集中発生的な交通量が予想されます。この交通を円滑にさばくためには、国道二四六号や多摩堤通り等の拡幅、二子橋のかけかえ、目黒通りの川崎市側への接続など、周辺道路や多摩川橋梁の新設、かけかえ等を再開発とあわせて一体的に整備しなければ、交通混乱を引き起こすことが明らかです。こうした道路や橋のかけかえなどは、国や東京都、さらに川崎市などの協力が必要ですが、その辺については現在どうなのか。また、区としては今後どう取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  三点目は、現在ゴルフ練習場がある約二・九ヘクタールの土地は市計画公園として整備するとのことですが、二子玉川周辺地域は、区が重点事業として推進している、緑と水のネットワークづくりの拠点地域であることや、隣接の多摩川がオーストリアとの友好河川となっていることなども踏まえて、区では、この公園の整備をどのように考えて進めていくのか、お伺いをします。  ところで、良好な居住環境づくりを進める上での大きな課題として、都市基盤の整備とともに緑の問題があります。最近、フロンガスによるオゾン層の破壊を初め二酸化炭素の濃度上昇による地球の温暖化など、さまざまな地球規模の環境問題が取りざたされ、世界的に環境への危機感が高まっています。来る七月中旬に予定されている先進国首脳会議でも、この環境問題が重大な協議テーマとして取り上げられるそうです。  私たちが生活している世田谷に目を向けましても、いろいろと環境問題が出ていますし、また、ほんの四、五年で町の様子がすっかり変わってしまうほど、町の景観が大きく変化しているところもあちこちで見られます。  つい最近の新聞に、環境庁による緑の国勢調査の結果が出ていましたが、人手の入らない自然の緑が国土の二割を切り、二十年間でブナの自然林が、実に東京都の面積の二倍分が消滅したとのことです。当区は都心に近接している割には、比較的良好な居住環境を持っている都市として発展してきましたが、最近では、特に、私たちの身近な緑が区の努力にもかかわらず、地下の高騰などから敷地内空地の現象が目立ち、それとともに緑も減少しているように見受けられます。基本計画では、緑のまちづくりを区の重点課題と据えていますが、私も、潤いのある快適な都市空間を確保していくことは非常に重要なことで、公共の緑地空間を一層整備するとともに、住宅周りの身近な緑の保全や創出も強く推進していく必要があると考えています。  この緑の問題は、宅地内の緑にその大部分を依存していることはご承知のとおりで、行政による公園などの緑地空間づくりも、財源や用地などで、おのずから限度があります。宅地については民間のことですから、お願い程度にならざるを得ないと思います。その意味からも、緑などの身近な環境を保全、創出しながら、潤いのある環境づくりを積極的に進めていくには、区民や関係諸団体との協力などが重要ですが、この点につきましては、区長の招集あいさつにもありましたが、本区も四月から、せたがやトラスト協会を設立することになりました。これまでも、区民としての協力と理解を得ながら緑の保全を進めてきた例として、保存樹林制度を初め、成城みつ池、烏山弁天池等の特別保護区の指定などがありますが、新しい体制のもとに行政と民間が一体となり、緑の環境づくりを推進していくことは大変時期を得たものだと思います。このような区民との協力体制を今後は一層強いものとしていくことが重要だと思います。  そこでお尋ねしますが、トラスト協会と区の緑化行政とはどういう役割分担をし、緑のまちづくりを進めていく考えなのか。また、緑についての区の将来ビジョンとそれを実現するために、今後どのように取り組んでいくのか、基本的な考えをお伺いいたします。  以上、まちづくりにかかわる諸課題について質問してきましたが、二十一世紀を展望しながら、新しい時代にふさわしい活力ある都市づくりに、区長以下全職員の総力を挙げての取り組みを期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) お答えいたします。  初めに、公共施設の立体複合について、高度利用を積極的に取り組んでみたらどうか、こういうお話でございます。お答え申し上げます。  区有地における低利用地や未利用地につきましては、行財政点検や今年度の区有地利用実態調査で、その状況が明らかになってきております。これらの結果を踏まえまして、例えば土木資材置き場の見直しによるデイ・ホーム三茶と丸山区民集会所の複合整備、宮坂地区会館の建設、また、第十一出張所の複合化の検討などを進めているところでございます。こうした公共用地の高度利用につきましては、地価の高騰以来、ますますその必要性が高くなっていると認識いたしております。  今後は、東京都の多摩川浄水場配水池整備に伴う上部の区立公園整備のほかに、お話のございました喜多見の小田急車庫上部の公園化につきましても、既に基本的な合意に達するなど、区民ニーズにこたえた施設整備のために土地利用を精査しつつ、可能な限り高度有効利用を図っていく考えでございます。  次に、同じように公園、校庭などの地下利用、立体化を進めて有効活用を図るべきではないかというお話でございます。  公園や学校につきましては、船橋の葭根公園の地下に防災用給水槽を設置したり、広域避難場所用の防災倉庫を希望丘中学校の地下に整備するなど実績がございます。現在の市街化の状況や地価高騰の状況を考えますと、区内の拠点商業地域やその周辺の公園、学校などにおいて土地利用などの条件が許せば、その機能を損なわない形で地下利用等、あるいはまた立体化といったような広範な利用を図っていく必要があると考えます。  このため区としては、公園配置計画とか、学校改築方針を策定する過程で有効利用の方策を探るとともに、地域住民と一体となったまちづくりの中で合意形成を図ってまいりたい、このように思っております。  都立大跡地を含めました公有地取得には積極的に対応しろ、こういうお話でございました。  都立大跡地を含めた国や都の公有地の有効利用策についてのお尋ねでありますが、ご承知のとおり、都立大学深沢校舎は、多摩地区に平成三年に移転を予定しており、本区も先ほど全面積を取得したい旨、意思表示をしたところであります。そのほかにも旧国鉄用地の利用希望や、林野庁用地の取得希望をそれぞれの機関に申し出るなど、区内の大規模な国公有地を調査いたしまして、新基本計画に沿った利用計画のもとに折衝を行っております。  また、国の機関の地方移転の跡地候補二カ所についても検討に入ったところであります。しかしながら、いずれの土地も大規模かつ独立採算的な移転費用捻出の対象となっており、最近の地価高騰の余波をもろにかぶるために、短期間での集中的な取得は区の財政運営に大きな影響を及ぼすわけでありまして、ご指摘のように、区としての利用計画の具体化を急ぐとともに、それに沿った施設建設を区の力によるだけでなく、都にも働きかけることが必要と考えております。  また、膨大な財源を確保しなければならないことも明らかでありますので、筑波大学移転跡地の場合のように、国や都及び都区財調による軽減策、あるいはまた援助策が必要でございます。加えて、区独自に用意している各種積立基金の有効活用や、跡地取得基金の新設についても検討したいと存じております。  最後に出ました緑の環境づくりについて、私からお答え申し上げます。  区の将来ビジョンを実現するために、今後どのように取り組んでいくかということであります。  基本計画の重点課題に掲げましたとおり、緑被率三〇%の達成に向けて、全力を挙げて推進してまいりたいと考えております。また、実施方策につきましては、ただいま申し上げましたトラスト運動の推進もあわせ、区民と行政が一体となって緑の環境づくりを進めるとともに、近い将来、実施予定の地域事務所体制のもとでは、地域に適した手法を取り入れ、可能な限りの展開を図ってまいります。このトラスト運動は先ほどご指摘のあったとおりでありまして、あわせて緑の環境づくりの中核的機能を持つ緑化センターというようなものの構想も検討に入っております。  いずれにいたしましても、緑の保全及び創出は当区の重点施策の課題でもありますので、全力を傾注し取り組んでまいる所存でございますので、ご協力賜りたいと思います。  そのほかにつきましては、ほかの者からお答えさせます。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 道路問題、再開発問題等たくさんのご質問がございました。  ご質問にありました太子堂二、三丁目地区につきましては、四メートル未満の道路が八割近くになってございまして、防災上からも危険度の高い地区として、防災街づくりを推進していることはご案内のとおりでございます。特に消防活動困難な区域の解消は、防災上からも積極的に取り組む課題と考えており、このため、細街路の拡幅、隅切りの整備、行きどまり路の解消等に努力しているところでございます。しかしながら、道路の整備は地区住民の方々のご協力がなければ、なかなか進展しないのが実情でございます。太子堂地区におきましては、老朽木造住宅の密集した市街地であり、これらの多くが建てかえ時期に来ております。道路整備はこの建てかえ時期をとらえ、まちづくりの計画に合った形で建てかえを誘導していく必要がございます。  また、防災街づくり事業は、既にご承知のように、木賃事業によって進められております。そのために、建物の不燃化、公園、諸広場の整備の方が道路整備よりも進んでいるというところも出てきております。このようなことから、今後、細街路整備を積極的に進めるため、区といたしましては、国、都に道路整備にも有効に対応できるよう制度改正を要望してきておりまして、このたび、国、都におきましても、この要望内容に沿って制度改正が行われると聞いております。  また、これまでの事業による道路整備を一歩進めまして、地区外と連絡する主要な生活道路につきましては、地区計画により、これらの道路に面する外壁面の位置を指定する等いたしまして、道路幅員の確保について、より一層努力してまいります。
     防災街づくりの細街路整備を困難にしている最も大きな問題点は、沿道に狭小な敷地がたくさんあるということでございます。そのため、それをそのままにして、通常のやり方で道路を整備していった場合には、地区住民が住み続けられないといった事態が発生をいたします。そこで、そういった事態を避けるため、さきに述べましたように、地区計画の手本や木賃事業による建てかえ助成、共同化助成、都市住宅整備基金によります代替地の確保とあっせん等、さまざまな手法を利用いたしまして、道路の整備を図っていくよう、一層の努力をいたしたいと思います。  次に、地区内の重要道路を区の道路事業として位置づけ、地区外の道路とのネットワークを図る必要があると思うが、どうかというご質問でございました。  地区内の主要生活道路を地区外の主要生活道路と結び、ネットワークを形成するということは重要なことであると考えております。現在、地区内の主要生活道路は地域まちづくり計画で、地域の実情にあった道路網計画に位置づけを修正されております。しかし、その中でも、道路事業として整備していくべき路線につきましては、必要に応じ、地区外の主要生活道路とともに優先度を高めまして、地区外道路と連携しながら整備執行を図ってまいりたいと考えております。  それから、新基本計画の重点事業で、早期整備として位置づけられた主要生活道路整備状況と、今後の見通しということでございました。  新基本計画の重点事業の中で、早期に整備すべき路線として位置づけられている主要な生活道路は十一路線であります。そのうち区役所西側の補助一五四号線、祖師谷大蔵駅付近の細網七号線を初め、既に事業中の五路線については用地買収が進捗し、来年度には工事着手に入る路線も現在二路線出てまいっております。ほかの六路線につきましても、明大前駅付近の補助一五四号線は地元調整を進めてございまして、また、赤堤通りの松沢病院西側については、都市計画道路、区画街路四号線として、このたび都の都市計画審議会において都市計画決定の承認を得るなど、進捗しておるような状況でございます。  今後も事業を推進していく路線につきましては、関係機関との調整を図りながら、法的にも財源的にも協力を得まして、区の実施計画に基づいた進捗が図られるよう、さらに努力をしてまいります。  それから、道路事業のより一層の充実を図るため、執行体制の強化が必要と思うが、どうかというご質問でございます。  道路事業のより一層の推進を図るための組織強化につきましては、ご指摘のとおりと存じております。現在、世田谷区は道路整備方針策定調査を実施しておりますが、これは限られた財源を最大限有効に利用し、関係する部署が協力し合いながら、着実に道路整備事業の推進が図られるよう、将来を見通した具体的な整備方針を策定するためのものでございます。この調査によりまして、優先的に整備されなければならない道路が明確化され、本所や支所の道路に関係する組織の役割分担と協力体制がより具体的なものと確立されるものと思っております。その上で、さらに必要とするような状況が出てくれば、何らかの措置を考えたいと考えております。  それから、再開発事業にかかわる財源について、国、都からの補助はどうなっているのか。また、区としての財政的な対応をどう考えているかというご質問でございました。  三軒茶屋や二子玉川等、区内の組合施行による再開発事業も、ようやく調査計画段階から事業化に進む段階を迎えるに至っております。この段階では、事業採算性の見通し、組合組織の充実、周辺住民との計画調整が、事業主体である権利者組合の取り組むべき重要な課題であると考えております。このうち事業採算面につきましては、その事業経費を補助金と保留床処分金とで賄う仕組みとなっております。事業を円滑に推進させる上で、この保留床処分の確実性及び補助金の確保は重要なかぎとなっております。  国及び東京都からの補助金の確保につきましては、区といたしましても再開発事業の調査計画段階から、国、都の参加を得て進めてきておりまして、国及び都の十分な理解と協力を得てきているところでもございます。今後とも引き続き、国と都と詰めてまいりたいと思います。  再開発事業は大規模な事業となりますので、財政支出が数年度にわたり、ピーク時には多額な財政負担となることが予想されます。そのため、区といたしましても事前に基金の積み立て等を行い、区財政上、集中的な圧迫が起こらないよう調整を図りながら、計画的財源確保に努めてまいりたいと思います。  それから、二子玉川の再開発には、国、都、隣接地との協力体制が必要と思うが、現況と見通しについての質問でございました。  二子玉川地区は、区基本計画における広域生活拠点として重点事業に挙げているのみでなく、東京都第二次長期計画におきましても、東京西南部の地区中心といたしまして、商業機能を中心とした高度利用すべき地区として整備が期待されております。二子玉川東地区の再開発は、公園部分を含めて十八・六ヘクタールに及ぶ大規模開発事業でございまして、広域道路網の整備や公園の事業化等、行政として解決すべき課題がたくさんございますが、現在、国、都の関係者と学識経験者を含めた委員会を組織し、総合的な事業化の検討に取り組んでいるところでございます。特に、ご指摘の二子玉川地区の道路等基盤整備につきましては、二子玉川地区における将来の道路整備のあり方や、再開発及び関連街路整備にかかわる具体的な事業手法について、さまざまな検討が進められております。  具体的には、国道二四六号と二子玉川拡幅との関連、多摩堤通り、駒沢通り及び上野毛通り等の広域的な位置づけと、必要幅員及びそれぞれの事業整備の手法について等の課題でございます。これらの検討結果を踏まえまして、国、都、区、ご質問にありました川崎市及び事業者の役割分担を明確にするとともに、全体整備スケジュールのもとに、都市基盤整備の進展にあわせて、再開発事業の段階的な施行を進めてまいりたいと考えております。  次に、二子玉川のゴルフ練習場の用地について、どのような公園整備を行っていくのかというご質問でございます。 二子玉川公園は、昭和三十二年に計画決定されて以来、いまだ実現されないまま経過しておりますが、この公園は、多摩川沿い地域の公園の中でも拠点と位置づけられており、早期実現が望まれているところでございます。現在、二子玉川再開発との関連で、六・三ヘクタールの都市計画公園の位置の変更を予定しておりまして、そのうち、お尋ねのゴルフ練習場を含む二・九ヘクタールにつきましては、早期に用地が取得できるよう交渉中でございます。整備に当たりましては、国分寺崖線の緑や親水公園等と多摩川を結ぶネットワークの拠点といたしまして、魅力あるまちづくりに大きく貢献する公園として整備してまいりたいと存じます。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 私からは、緑の環境づくりの中で、トラスト協会と区の緑化行政との役割分担、これをどう考え、緑のまちづくりを進めていくかというご質問についてお答えいたします。  緑の環境づくりは、区民一人一人が緑の重要性を認識し、区民みずからが環境づくりへの自発的な取り組みを重ねることが、何よりも欠かせないものと考えております。本年四月発足予定のトラスト協会は、自然環境の保全等につきまして、高齢者から子供まで、あるいは企業等、区民各層が多くの地域で主体的に参加できる体制をつくり上げながら、これまでの行政対応では限界に来ている分野をサポートする形で、トラスト活動を推進してまいりたいと考えております。  なお、具体的には、今後、トラスト協会の中で保全すべき基準づくりなどを鋭意検討を進める予定ですが、トラスト基金の果実を固定資産税等の税制面の助成に充てたり、樹林地所有者と緑地保全契約を結ぶなどを柱とするほか、緑の自然だけではなく、文化的あるいは歴史的な環境も保全対象としまして、世田谷らしい景観の保護にも努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆五十四番(宇田川国一 君) 各項目にわたり、ご答弁を賜りましたが、まちづくりの基本である道路づくりは、財政面においても、また、その過程において大変難しい問題が多々あると思いますが、道路ができなければ、その先、進めない課題もたくさんありますので、よろしくお願いをいたします。  また、道路整備室は十分な体制を整えながら、主要生活道路の整備に最善を尽くすとともに、主要道路以外の生活に密着した地先道路の拡幅や行きどまり、隅切り等も建築基準法に基づく後退規制を指導強化して、関係部署とも協力し合い、その実現に努力してほしいと思います。  公共施設の立体複合化については、計画の都度、上策を講じていただくとともに、当面、公園や学校などの公共施設は、すぐにでも地下利用や立体化が可能と考えますので、ぜひ前向きに進めてくださることを期待しております。  それから、都立大跡地や各所に予定されている道路、小田急線の立体化等、将来の財政負担は相当な額になると思いますが、国や都及び都区財調により軽減策や援助策が必要です。また、区においても積極的に財源を積み立てていくべきと思います。  再開発につきましては、ただいま質問したとおり、道路そしてまた財政の対応に対して種々問題が山積みしてくると思いますが、実現のために、なお一層の努力をお願いしておきます。  また、地価高騰の中で緑を防衛していくことは大変難しいと思いますが、緑化を通じて自然と人間との共存、人と人との温かい交流など、都市の緑は人間の心構えで相当変わるんではないかと思います。トラスト協会とも連携をとりながら、長期的に緑の保全運動を展開してくださることを期待いたします。  以上、まちづくりの諸課題について、豊かな区民生活という目的地を目指して、区長の言う無限の努力で万里の道を行く決意を持って取り組んでいただきたいことをお願いし、自由民主党世田谷区議団を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(浜中光揚 君) 以上で宇田川国一君の質問は終わりました。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、公明党を代表いたしまして、二十九番平塚信子君。    〔二十九番平塚信子君登壇〕 ◆二十九番(平塚信子 君) 公明党を代表して質問いたします。  私は、まず初めに、さきの国会において自民党賛成多数で通過した消費税に対して、改めて明確に反対の意思を表明いたしたいと思います。政府は、この消費税の四月施行に強くこだわっているようですが、ここに来て、その内容の欠陥が次々とあらわにされています。その第一は、三%の価格転嫁が極めて難しく、現場においては、端数処理、価格表示のあり方、業界調整、事務対応などで大混乱が必至であるということです。  一方、消費者の立場においても、政府が表示カルテルと転嫁カルテルを認めたことによって、物価の一斉値上げの温床となるのではないかとの懸念が強く、インフレの再来が心配されます。さらに税率の五月雨式の引き上げ、逆進性による社会的弱者への痛撃、放漫財政、ばらまき財政の復活など、不安の種は尽きません。また、いわゆる業者は、簡易課税、免税業者、限界控除、転嫁カルテルなどの制度で、課税逃れや節税のルートがあるにもかかわらず、消費者は常に負担を強いられ、新たな不公平を生み出すおそれもあります。  したがいまして、私は、このような数多くの欠陥があらわになった消費税は、昭和二十三年に導入されたものの、翌二十四年に廃止になった取引高税、また、五十八年に交付されたものの、凍結し、廃止となったグリーンカード制と同じく、凍結した後に見直し、廃案に持っていくことが最も妥当であると考えます。もしも財源を問題にするならば、納税者番号制を前提とした総合課税制度の確立、土地増価税やキャピタルゲイン課税の厳格な実施、さらに政治資金への課税などを優先させるべきであるし、また、税収も十分に上がるとの客観的なデータもあります。  私並びに公明党は、これらの極めて現実的な根拠により、消費税に断固反対であることを表明し、あわせて区にあっても平成元年度予算は区民本位の執行を求めます。また、ここから具体的な質問に入りたいと思います。  最初に、住宅対策についてお尋ねいたします。  当世田谷区においては、昨年、世田谷区土地・住宅問題懇談会の発足を見、十月十四日には中間報告が発表され、また、近く同懇談会の最終答申が出される予定と伺っております。この中間報告においては、短期的課題と中長期的課題の二つに分けて検討が行われたようですが、中身は、全体の印象として住宅供給、住宅建設の具体的日程が見えてこないというものでした。  そこで、最終答申を間近に控えた今の段階において、改めて早急に検討していただき、住宅供給策の具体化への過程、もしくは区長を初め各理事者の皆様の頭の中で描かれている道筋をご提示していただきたいという観点から、何点か質問させていただきます。  その第一点は住宅条例の策定についてですが、まず、タイムスケジュールを明確にしていただきたいと思います。つまり、現状において、だれが、いつ、どこで住宅に困っているかといえば、今、この瞬間にも紛れもなく大勢の世田谷区民の方がこの世田谷に住み続けることに困難を感じているということです。当面は何とか住んでいられるにしろ、将来に対しては全く保証がない。結婚したり、出産したりした場合、さらに年齢を重ねるに従って、住み続けることが困難になる。このような認識が一般的であると断言できます。このような状況下で住宅条例を策定することによって、少しでも区民の不安にこたえようとするならば、事は極めて急を要する問題であると申し上げたいのです。  確かに、条例制定には時間がかかることでしょう。しかし、時間がかかるならば、その間、どのような対策に乗り出していくお考えがあるのか、お答えいただきたいと思います。条例制定のタイムスケジュールと、それまでの間の対策についてどのようにお考えなのか、まずお尋ねいたします。  次に、その条例の内容についてですが、大場区長は、昨年の決算委員会の公明党の質問に対し、住宅政策の執行体制の整備を図る必要がある、都営移管促進、老人向け住宅策定の拡充、中堅所得者向けの新タイプの住宅供給、木賃住宅密集地での住宅対策、各種再開発事業に関連した対策などを住宅供給の課題として挙げられました。中間報告で策定された住宅条例に、これらの課題をどのように取り組んでいかれるおつもりか、お答え願いたいと思います。  住宅対策の第二点は、いわゆる住宅供給策の新手法の開発にまつわる問題です。その中でも極めて実現可能性の高い三点について、具体的にお答えいただきたいと思います。  一つは、東京都が発表した中堅所得層向けの都民住宅ですが、これをぜひとも積極的に区内へ誘致していただきたいということです。世田谷区は、東京における土地急騰の中心地であることは間違いありません。したがって、東京都としても、都民住宅を建設するのであるならば、当然、世田谷区内での具体化を検討すべきであると考えます。東京都においては、多摩ニュータウンの開発計画を大幅に見直し、住宅戸数を現在の約七万七千戸から、平成十年度には約八万五千戸にふやすことを決めて、増加分の八千戸はすべて中堅所得者層向けの新タイプの住宅、都民住宅などにする方針と伺っております。  確かに、都民住宅などの新タイプの住宅は、これから細部にわたる検討の余地を残した未成熟な住宅制度ではありますが、東京都がこれだけ積極的に取り組むのであるならば、世田谷区としても、区内の未利用地や都交通局所有地、例えば都バス操車場の上部空間を活用するなどの工夫を凝らして、都民住宅の導入、誘致に積極的に働きかけるべきと思いますが、この点、いかがでしょうか。  そして、第二、第三のポイントは、ファミリー層向け住宅の家賃負担軽減を図るための地域特別賃貸住宅制度の積極的導入であり、もう一つは、公共施設への合築による区立住宅、また、区民住宅の供給です。前者は、区の財政に負担をかけることのない家賃軽減策であり、これは区としては予算の制約を離れて大胆に活用できる制度であると判断できますので、公共、民間の双方をにらんで、早期導入に踏み切っていただきたいと思います。  また、後者は、例えば既存公共施設の建てかえの際に、住宅を上乗せし、それを区立住宅、区民住宅として供給するものですが、これも少なくとも用地費が不要ですので、十分可能な方策であるはずです。したがって、例えば保育園や幼稚園に高齢者住宅を併設し、幼児、お年寄り双方に教育的効果、生きがいという点で良好な環境、刺激を提示し得る方策も十分に検討に値すると考えられます。その他、多種多様な国、都、区の公共施設が存在しますので、選択の幅は大変広く、ぜひとも具体策の検討をお願いいたしたいと思います。  住宅関連の最後になりますが、いずれにしても住宅供給には膨大な資金量が必要となります。世田谷区においては、都市整備基金を設けて、都市基盤の整備を目指しておられるところですが、考えてみますと、都市整備、都市基盤整備には、現在のような住宅難の状況にあっては、住宅建設という側面を無視できないのではないかと考えられます。そこで、この基金の今後の活用については、住宅供給という視点が欠かせないと思います。あわせて、今後予想される国や都の住宅政策、また、住宅政策の受け皿、財政的基盤としても基金の存在は不可欠であると思いますが、区の今後の基金のあり方についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。  これまでも公明党は、土地、住宅、とりわけ住宅供給の拡大については、それこそ執念を持ち、繰り返し一貫して訴えてまいりました。もう既に何度も申し上げてまいりましたが、世田谷に住み続けることを希望する人には、政治並びに行政が責任を持って定住を保障できる環境づくり、住宅供給策を展開することが不可欠であると言ってよいでしょう。この住宅をめぐる議論が具体的に動き始めて、丸一年が経過いたしました、そして、土地・住宅問題懇談会の最終答申も間もなく出てまいります。区当局にあっては、どうか今までに倍する意欲を持って全庁的な取り組みをしていただきたいことを要望し、次の質問に移ります。  次は高齢化対策、とりわけ今後の大きな課題になると予想される健康づくりについてお尋ねいたします。  高齢社会の本格的到来が目前に迫っていることは、もはや余りにも明白です。既に高齢化については、悲観論、楽観論が述べられてきましたが、一般的に言えることは、そのほとんどが既に高齢者になった方々への対策、つまり、現に存在するお年寄りをどのように援助するかという議論が多いのです。もちろん、高齢化対策の現状における本筋は、寝たきりのお年寄りの介護体制の設備、拡充、また、ひとり暮らしのお年寄りの住宅確保や生活援助、さらには適切な医療サービスの提供、リハビリ体制の整備、就労機会や社会参加、生きがいの確保などでしょう。  現に存在し、また、近い将来存在するであろう高齢者の人たちへの行政サービス提供が最も大きな課題であることは論をまちません。そのような高齢化対策の本筋を前提とした上で、私は、ここでもう一つの視点、つまり、これから徐々に高齢化の道をたどっていく人々への施策、直截に言えば、健やかに老いるためには何が必要かとの角度での高齢化対策に言及したいと思います。  高齢社会のマイナス要因の一つとして指摘されていることは、年金制度や健康保険制度などの社会保障システムが財政的に破綻しかねないという点です。しかし、これはあくまでも現状のお年寄りの罹病率、健康度を前提とした予測であり、つまり、それほどお年寄りの健康度が不安定であると言えます。したがって、健康度が不安定であればあるほど、医療費はかさみ、高齢人口の増大に伴って年金などの財政負担が重くなるということです。  そこで考えなくてはならないことは、多くのお年寄りがより健やかに老いられるための環境づくりの問題です。健康に老いる。言いかえれば、極力、老いという退化のスピードを遅くして年を重ねていくことができれば、お年寄り自身の生きがいや社会参加の機会を拡大し、生活の安定を維持しやすくなることはもとより、国や自治体の財政負担、翻って国民総体の負担率の抑制にも効果があることは明らかではないでしょうか。健やかに老いる、つまり日常的な健康づくりを、熟年期から老年期にかけて積極的に行っていくことが極めて大事であり、そのための環境整備に取り組むことが、行政の重大な仕事であると思います。  以上を前提として、私は、健康に老いるためにはどうすればよいかとのテーマのもとで、三つの提案をしたいと思います。  その第一は、地域健康づくりネットワークの形成であります。言うまでもなく、私たちの健康づくりは、バスや電車に乗って遠くまで出かけて行うものではありません。生活の場で、地域の共同体の中で、無理なく日常的に継続できるものでなくてはなりません。ここで言う地域健康づくりネットワークは、保健センターや保健所、そして病院などの医療機関、福祉施設、スポーツ・レクリエーション施設、学校体育施設などがネットワークを形成し、地域住民の健康づくりを推進しようというものです。。さらに具体的にいうならば、現在、区の保健センターで行っている健康増進事業をさらに地域におろして、地域主体の健康増進事業を将来的な課題として展開していただきたいということです。  第二番目は、この地域健康づくりネットワークを生かして、予防医療、健康医療中心の保健医療体制を展開することです。現在の治療中心の医療体系ももちろん極めて重要ですが、健全な高齢化社会を迎え、一人一人が健やかに老いるためには、予防医療体制の整備が不可欠となってくると思います。第一番目に挙げたネットワークを生かしてプライマリー・ケア・ドクター、つまり家庭医療と保健センターや保健所、さらに高度医療機関、福祉部門が連携をとって、高齢者や身障者の人たちの在宅ケア、在宅医療サービスの拡充、強化に取り組むとともに、健常者や青壮年層の人たちも含めて、健康診断のデータを集積した健康管理データベースを設けて、健康管理と健康づくりの体系的な推進を図ることが必要であると思います。  先端技術の開発によって、現在では多くの個人情報が一枚のIDカードにおさまってまいります。一人一人がこのIDカードを利用した生涯健康管理システムを持つことによって、家庭医や保健婦さん、また、保健センターなどによる健康増進、健康づくり指導がより効果的、より効率的に行えるようになることは、容易に想像がつきます。  そして第三番目は、これらの健康増進事業、個人個人の健康づくりを実現的に実践し得る場の提供であります。もとより現在でも保健センター並びに各保健所において意欲的に健康増進事業に取り組んでおられることはよく存じております。それをさらに発展させる意味で、例えば各種公共施設に必ず健康増進事業の展開に合わせた施設を併設するとか、または学校体育館の改築の際や、地域体育館の建設の際には、ただ単にスポーツの場を提供するだけでなく、健康増進、健康づくり指導に対応し得る施設、設備内容を検討するなど、さまざまな工夫を凝らして、将来的に各地域単位の健康づくりの拠点を提供できる体制を整備していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、三点の提案を言わせていただきましたが、いずれにしても、本格的高齢社会にあっては、福祉領域と保健領域の結合による行政施策の展開が不可欠です。従来より私たちは、地域行政制度に合わせて地域福祉ネットワークの構想の展開に大きな期待を寄せてまいりました。このネットワークに高齢化社会の進展をにらんで、より強固に健康増進、健康づくりという意味から、保健、衛生、医療という角度をぜひ組み込んでいただきたいと思います。これらについてのご所見をお伺いいたします。  また、これに関連して、昨年十月に発足した、ふれあい公社についてお尋ねいたします。  高齢化の進展に伴い、今後、公社のサービス需要がますます増大いたします。この公社は、元来、地域の方々の相互扶助が基本的ベースであるわけですが、そうしますと、現在のように公社の事務所が三軒茶屋一カ所だけで、果たして各地域における公社を軸とした相互扶助の事業が円滑にできるのかどうか、いささか心もとないものを感じます。このような懸念を解消するためには、各地域にサービス拠点を設ける必要があると思います。さきの世田谷福祉公社検討委員会の報告書にもあるとおり、サービスを、地域に根差したきめ細かなものにし、また、第一線の福祉事務所や保健所との連携を深めていくためにも、地域に公社の分室を設置すべきであると思いますが、いかがでしょうか。あわせて、現在の公社の協力員の方々は、四十代から六十代までの家庭の主婦が主体となっているようですが、これからのサービス枠の拡大に伴い、男性の協力員も必要と考えられます。リタイアされた方々や、区内の大学生に協力を呼びかけることも一つの方法と思いますが、ご見解をお聞かせください。  また、いささか角度は違いますが、高齢化への対応としては、区立特別養護老人ホームをすぐさま本当に早急に建設する必要があり、多くの区民からも要望が寄せられておりますが、これについての方針もあわせて明らかにしていただきたいと思います。  続いて、環境問題についてお尋ねいたします。  昨年来、私たち公明党区議団は、住宅問題とともに環境問題についても折に触れ言及してまいりました。定住できる町をつくるとともに、快適な環境の町をつくっていくことが、二十一世紀の世田谷を展望する上で極めて重要なことであると認識しています。私たちは、そのような政策展開を水と緑と文化のまちづくりと呼んでいます。区にあっても、同様の角度から種々の事業を展開しておられますが、私はここでは、特に水に焦点を絞った施策の重要性を訴えたいと思います。  元来、水環境というものは生物にとって不可欠のものです。加えて私たち人間にとっての水は、生物学的、生理学的な必要性にとどまらず、心とか精神性にも多大な影響を与えます。しかし、現在の河川の多くは、都市化の進展に伴って、単なる排水路と化し、都市から潤いをなくしてしまったことは大変残念なことです。そのような状況から、近年、とみに清流の復活を求める声が高まり、各地で水辺における親水公園や清流復活の事業が始まっています。世田谷区においても、木炭を使用した水質浄化の実験が話題を呼ぶなど、一定の試みがなされていることは評価させていただいております。その上で、私はもう一段と強力な取り組みをぜひともお願い申し上げたいと思います。  区の公害対策課発行の「世田谷の水辺」によりますと、水質汚濁の原因の七七%は生活雑排水であると指摘されています。水質浄化、清流復活の第一歩は、紛れもなくこの生活雑排水対策であると言えますが、これについては、これまでどのように取り組んでこられ、また、これから具体的にどのように進めていかれるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。また、あわせて、この生活雑排水の問題については、行政が行う処理の問題と、それを出す各家庭の意識のあり方が大変大きな影響を与えると考えます。したがいまして、油類の捨て方、洗剤の使い方など、意識の啓発運動が不可欠と思われますが、これについても、これまでの現状と今後の計画等についてお答えいただきたいと思います。  水の美しさ、清流の豊かさ、そして水辺の潤いは、ある意味では、その地域の生活の質の尺度であり、文化性の尺度であると言ってもよいと思います。いずれ予算委員会でも、より具体的にソフト、ハード両面から議論したいと思いますが、ここでは、まず、最もベーシックな生活雑排水対策、水質浄化対策について区のご見解を伺っておきたいと思います。  同じく環境問題では、大気の汚染が深刻な問題となってきつつあります。大きくはフロンガスによるオゾン層破壊、二酸化炭素による温室効果の問題、さらには酸性雨の問題など、論じ始めると切りがありませんが、私はここでは、より身近な問題として、ごみ焼却に伴う大気汚染について触れたいと思います。  世田谷区内には、現在、世田谷、千歳の二つの清掃工場があります。これも、公害対策課で伺ったところ、昭和四十九年より、区と都知事の間で、排煙、排ガス、排水等の排出基準の協定を結び、それをもとに監視を行っており、現在は煙突の先端に有毒ガスを取り除く設備があり、特に問題はないとされております。しかし、現在、消費文化が極度に進展し、そこに飛躍的な技術革新が絡んで、私たちの身の回りには、一昔前には考えられなかったような科学技術製品、科学技術物質が溢れています。それらが無造作にごみとして出され、捨てられ、焼却されたりすると、大変に複雑で深刻な公害問題を発生させることは疑ってみる必要があると思います。したがって、大事なことは、ごみの捨て方の問題であろうと思います。  私が調べたところによりますと、小平市では、有害物質を含んでいると思われるごみは、二カ月に一度、赤い袋が配布され、収集されております。こうした人口の少ない自治体でも、きめ細かなごみの分別収集の方策をとっております。また、これは逆に資源活用の方策ですが、隣の目黒区では、アルミ缶のリサイクルで年間相当の収益を上げたとの記事が目に入りました。私は、こうした他の自治体の例を参考にしながら、きめ細かなごみの分別収集の方法を、都清掃局と協議しながら進めていただきたいと思います。そして、その方策を、例えばモデル地区を決めたり、身近なまちづくり推進員連絡会などの協力を得るのも一つの方策と考えられます。区当局の積極的な対応を求めて、最後の質問に移りたいと思います。  最後は、婦人問題についてお伺いいたします。  一九八七年に策定された「男女共同社会をめざす世田谷プラン」は、内容の幅広さと、実効姓のある行動計画が高く評価されています、まだ同様のプランを持たない他区市町村からも、よく参考資料として求められることもあるそうです。私は、このプランは、高齢化、国際化、情報化など、目まぐるしく変化する時代の中にあって、「ヒューマン都市世田谷」を築くためには不可欠なプランであると思っております。国際婦人の十年が終わり、婦人問題はもうおしまいという風潮がもしもあるとするならば、それは大変な間違いで、むしろ、これから二十一世紀へかけて、改めて男女共同社会実現に、より以上の努力をするべきであると考えております。  そこで、具体的な質問に入りますが、このプランは、昭和六十二年度から六十五年度、つまり平成二年度までを前期実施期間と位置づけています。もう既に二年を経過したわけですが、このプランの進捗状況、すなわち実績報告を拝見しました。そこで、この間、どれほど男女共同社会への認識が広がったとお考えか、婦人問題を考えるつどいの開催の成果とあわせお答えいただきたいと思います。また、今後どのような意識改革を促すための企画をお持ちか、お尋ねいたします。  次に、男女共同参加型社会の実現を目指す立場から、女性の人材登用についてお尋ねいたします。  区における審議会などへの女性の登用について、また、各種行政委員会や付属機関にどの程度女性が登用されているか、現状と伸び率についてお答えいただきたいと思います。国や東京都においては、女性登用の目標数が設定されているとのことであり、世田谷区でも、すべての審議会などに女性が参加できるよう努力を継続されていると伺っておりますが、具体的にどのように女性の登用を考え、実施されているのか、お教え願いたいと思います。もしそこに何か障害があるならば、それについてもご説明をいただきたいと思います。  次に、推進体制の整備充実についてお伺いいたします。  前期の計画の点検、評価については、婦人行政推進会議で毎年行われ、婦人問題懇話会に対して意見を求められるとありますが、この二年間、どのような点検、評価が行われたのか、お聞かせください。また、このプランが策定された時点においては、総合的調査を実施して、きめ細かく区民の意識実態調査が行われました。それ以降は、定期的に、実証的なデータに基づいて施策を推進を図ることとなっておりますが、果たしてこのシステムがうまく機能しているのか、現況をお聞かせください。  続いて、一つの提案ですが、これからこのプランが進んでいくためには、特に若い世代の方たちの意見、また、参加が大切になってくると考えられます。例えば子育て真っ最中のご婦人でも、その中から区政に関心が持てるような、また、区外勤務の若い男女の方々も、休日には積極的に町の中で活躍できる場が提供される等、実践を通してのご意見の集大成が次の計画となっていく方向へ進めていただきたいことを強く要望いたします。  最後に、国連においては、西暦二〇〇〇年に向けて、五年ごとに婦人問題の世界会議を開催する予定と伺っておりますが、その計画についての情報をお持ちでしたら、発表していただきたいと思います。  以上で、私の壇上からの代表質問を終わります。 (拍手)    〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) 初めに、住宅条例の早期制定とその内容についてお答え申し上げます。  住宅条例の制定についてでありますが、この件に関しては昨年十月にいただきました土地・住宅問題懇談会の中間報告においても、今後、区としての住宅、住環境政策を確立する上での基本となるものとして、その重要性が指摘されております。昨今の住宅、住環境を取り巻く情勢は、お説のとおり大変厳しいものがございますことから、住宅条例の制定につきましては、懇談会の最終答申を受けた後、来年度、具体的施策を検討するための土地・住宅対策検討委員会を設置し、検討していきたいと思っております。  その条例の内容につきましては、ご指摘のような点も含め、当区における住宅、住環境事情や、街づくり条例、これは昭和五十七年、制定いたしましたが、集合住宅等建設指導要綱などの関係を勘案し、さらに尼崎市や京都市など各都市の例も参考にしながら研究をしていきたいと考えております。さらに、住宅に関する当面の緊急課題に対しても、条例の策定と並行して積極的に対応していきたいと考えております。  たくさんのご質問がございましたが、女性の登用の問題について、いわゆる男女共同参加という観点からお話がございました。真に豊かで平等な社会を実現するためには、あらゆる分野に女性も男性もともに主体的な共同参加が保障される必要があります。政策や方針決定に影響を及ぼす各種審議会等においても、女性の参加が強く求められているわけでありまして、本区においても、女性登用の実を上げるため、婦人関係行政推進会議を中心に、関係各部課に女性の積極的な登用を進めるよう働きかけているところであります。  世田谷区の各種審議会等に女性委員の占める割合は、国や都に比べますと大変高い水準にありますが、まだ十分というわけにはいきません。お説のように、審議会などにも、いろいろな角度から女性の方々にも参画をしていただくよう、今後とも努力していきたいと考えております。  また、女性の登用に当たっては、幅広く人材を求めることが大変重要であるというふうに考えておりまして、女性のいわゆる人材バンクなどの整備を図りながら、いろいろなところで女性の登用というものを推進できるような制度にしてまいりたい、このように考えております。  また、お話がございましたように、働く女性がいつでも参加できる場や機会を提供したらどうだろうか、こういうことでございます。当区では、区政モニターというようなこともやっておりますし、消費生活モニター、あるいは都市デザインモニター、ファミリー環境モニターなど、大勢の女性に参加していただいているわけでありますが、特に婦人問題を検討していく上で、広い範囲からの情報を受けることは非常に重要であるというふうに思っております。その意味からも、ご提案のように、いろんなモニター制度は広い意味での女性の社会参加にもつながっていくことも考えられますので、その設置に向けての検討を積極的にやっていきたい、このように思っております。  また、婦人問題を解決していくためには、多くの情報の収集はもちろんでありますが、女性も、男性も、より多くの区民の方々が各講座、あるいはイベントなどに積極的に参加され、その中から意識を高めていただくことが重要であるというふうにも思っております。あらゆる条件を持った女性など、幅広い区民の皆さんが主体的に参加できるような場あるいは機会などの提供を設けるなどして、工夫をしながら、男女共同社会の実現に向けて積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。  また、国連の世界会議の情報でございますが、一九八五年のナイロビ世界婦人会議において採択された、二〇〇〇年に向けての婦人の地位向上のための将来戦略において、婦人に関する国連世界会議の一九八五年から二〇〇〇年における最低一回の、必要な場合には例えば五年ごとの開催などが奨励されているわけでありまして、一九九〇年には拡大国連婦人の地位委員会という、いわばミニ世界大会が開かれる予定と聞いておりますが、この会議の時期とか、あるいは場所などについては、ことしの三月から四月にかけて開かれる国連婦人の地位委員会というところで決定されると聞いている段階でございます。  そのほかにつては、関係の者から答弁させます。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) 都民住宅の積極的な誘導について、最初にお答え申し上げます。  都民住宅の建設につきましては、東京都の住宅政策懇談会の中間報告の中で述べられてございまして、その目的は、中堅所得者層を対象とした住宅の確保にあると聞いております。東京都では、この方式による当面の具体策として、中央区の勝どきや、墨田区の両国などにおきまして土地信託方式による供給を計画しておりますが、制度的に不確定な部分が多く、細部については現在検討中と聞いております。  区といたしましては、適切な人口構成を図る上からも、住宅に困窮する中堅所得層に対する対策が必要であると認識しております。したがいまして、現在、都において行われている検討の推移を見ながら、区内の未利用地の活用なども含め、東京都と連携を密にし、都民住宅など、新しいタイプの住宅供給の誘導を積極的に働きかけていきたいと考えております。  それから、住宅供給の新手法の開拓でございますが、区の土地・住宅問題懇談会の中間報告におきましても、住宅対策の中で当面検討する住宅供給対策として、合築等による区立住宅の建設、ファミリー層向け賃貸住宅の供給促進、まちづくりに関連した住宅施策の検討などが挙げられております。合築等による区立住宅の建築につきましては、容積率から見て十分に利用されていない公共施設の建てかえ時期や、未利用地の活用の場合に検討していきたいと考えております。ファミリー層向け住宅の供給促進に当たりましては、地域特別賃貸住宅の導入を初め、家賃負担を軽減し得る諸制度の活用を検討し、融資制度などによる民間の住宅建設の誘導も行いながら、良質で低家賃の住宅が確保されるよう検討していきたいと考えております、また、現在、各地で展開しているまちづくり事業の中でも、さまざまな手法を組み合わせて、良質で適正家賃の住宅供給策を開拓していきたいと考えております。
     いずれにいたしましても、土地・住宅問題懇談会の最終答申が三月末に予定されておりますので、今後、その報告を踏まえ、さらに具体的な検討を加えていきたいと考えております。  それから、都市整備基金の住宅施策における活用でございますが、今回、世田谷区都市整備基金の設置及び管理に関する条例の改正を提案しているところでございます。これは、都市基盤の整備を目的とした従来の都市整備基金を、都市・住宅整備基金と変更し、都市基盤整備のみならず、住宅施策の推進及びまちづくり事業の推進にも活用しようとするものでございます。このたび、この条例改正とともに、補正予算の審議をもお願いしてございますが、今回はこの基金のうち十億円を住宅施策分として積み立てたいと思っております。基金の活用方法につきましては、当面は運用収益を用いまして、まちづくり事業推進のための受け皿住宅の整備等を考えておりますが、事業実施の具体的方法につきましては今後検討していきたいと思います。  いずれにいたしましても、今回の基金設置が、今後のまちづくりや住宅施策推進の大きな礎となるよう、積極的な活用を図っていく所存でございます。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) 私からは、高齢化対策、それから環境問題、最後に「男女共同社会をめざす世田谷プラン」の問題について、順次お答えいたします。  高齢化対策の中で、これからの高齢者になる方のために、こういうようなお話がございました。三点にわたってご質問がございましたので、お答えいたします。  二十一世紀に向けて健やかな老後を送ることのできる社会の実現というのは、区政の基本的な目標でございまして、保健衛生や高齢化対策の部門だけではなく、これは全区的な課題として施策の推進に取り組んでいるところでございます。現に、高齢である方のための施策だけでなく、高齢者予備軍とも言うべき中年、実年の世代の方々の健康増進こそ、明るい高齢社会の到来に欠かせないことはご指摘のとおりでございます。そうした考えから、保健所や保健センターでも、自分の健康は自分で守り、つくるという認識を高めるための各種の事業を実施しているところでございます。地域の健康づくりの展開につきましては、新基本計画において、保健所の相談機能と、保健センターの体力測定や運動指導などのノーハウを結びつけまして、地域で身近に受けることのできる新たな健康度測定システムの整備を掲げております。近くその実現を図るべく、検討に入りたいと思います。また、今日、保健医療サービスは、治療から予防へと変化しつつございますし、そのような現状を踏まえながら、今後、地域での医療機関とも連携した健康づくりを目指していきたいと考えております。  健康管理に新しい情報機器の活用のお話がございました。現在、四十歳以上の区民に健康手帳をお配りしておりますが、将来には、情報機器を活用したシステムを考えられるかと思います。プライバシー保護の観点も含めまして、研究課題とさせていただきたいと思います。  次に、健康づくりの場の提供についてでございますが、区民集会施設や地域体育施設で行われております身近なまちづくり推進員連絡会健康づくり部会などの自主的な活動につながるような健康づくりの地域展開を図りまして、場の充実を含めて、地域の中で、社会体育など関連部門と連携して進めてまいりたいと思います。これからの長寿社会に向けて、健康づくりこそ、ソフト、ハード両面のまちづくりの理念として根づくよう施策の推進を図っていきたいと考えております。  次に、高齢化対策の中で、ふれあい公社の活動の充実ということで、福祉保健領域の連携強化と分室構想、また、男性会員の確保というお話がございました。  ふれあい公社のサービスの担い手が家庭の主婦であるということは、お話のとおりでございますが、これからは、こうした活動に対して強い情熱を持って取り組んでいただいている反面、経験の少ない方々が多いという事実もございます。したがいまして、この円滑な運営にはきめ細かな配慮が必要であろうかと思います。例えば、福祉事務所や保健所との連携を強化しまして、安心して活動できる環境を整備しながら、個別、具体的な問題について身近に相談できる体制を整備することも有効な方法かと存じます。こうした立場から、ふれあい公社の分室構想につきましても、公社事業の今後の展開を図る中で、将来の課題として検討を進めてまいりたいと思います。  次に、男性会員の確保の問題でございますが、大変難しい問題でございますけれども、ご趣旨にございましたように、利用会員のことも考え合わせまして、確保に今後とも努力していきたいと考えております。  また、特別養護老人ホームのお話がございましたが、これにつきましては、現在、実施計画に基づいて、五カ所あります。日本フレンズ奉仕団、あるいは友愛十字会、この二つの建設が既に始まっておりますし、友愛十字会についても、建設がこれから始まるところでございます。また、区立の特別養護老人ホームも建設すべく、その用地の確保を進めているところでございます。  次に、環境の問題がございました。水と緑と文化のまちづくりということでございました。ご指摘のとおり、区内の河川の汚濁原因のうちに、生活排水の占める役割が約八割というふうに言われております。殊に区内河川の現状は、工場、事業所の排水規制の進展にもかかわらず、ここ数年、数値的にも横ばいの状況にございまして、家庭からの生活排水対策が重要な課題になってきているところでございます。そのため、「区のお知らせ」等で、川の汚れの現状と家庭でできる対策を、今まで絶えず訴えてきたところでございます。また、冊子「世田谷の水辺」を作成したり、世田谷の豊かな水と緑を守り育てるために、区民に協力を呼びかけたり、特にこの環境問題につきましては、水辺を歩きながら具体的に水の汚れを見ていただくという、こういう機会も持っているわけでございます。また、小学生を対象とした環境教室を開催して、生活排水からの汚濁の状況を実感させる企画等も行っているところでございます。今後も引き続き、家庭での生活排水対策を広く区民に訴えていく啓発運動を充実していきたいと考えております。  また、ごみの分別収集についての話がございました。ご案内のとおり、区内には世田谷、千歳の二カ所の清掃工場がございまして、現在、東京都清掃局の指導により、燃えるごみ、燃えないごみの二分別収集を実施し、焼却等を行っております。そのため区といたしましては、昭和四十九年より排ガス、排水につきまして、硫黄酸化物など十項目について、東京都公害防止条例によります規制基準より厳しい基準で知事と区長との間で協定を結び、以来、逐次監視を続けてきているところでございます。  ご質問の分別収集につきましては、住民の理解と協力が第一ではございますけれども、ご指摘のとおり、燃えるごみの中には有害物質を発するごみの含まれる可能性もありますことから、庁内での検討を図るとともに、清掃局並びに清掃協力会、また、お話にもございました身近なまちづくり推進員連絡会等とも十分協議してまいりたいと考えております。  また、「男女共同社会をめざす世田谷プラン」のお話がございまして、体制の整備は今後とも欠かせない問題でございますし、また、私と部長、職員から組織しております婦人関係行政推進会議で全庁的に現在取り組んでおりますけれども、今後ともプランの点検評価を行う中で、活性化を図ってまいりたいと思います。  また、この二年間、どのような点検、評価が行われたかというお話でございますが、プランの目標を達成するために、横断的組織である婦人関係行政推進会議の運営を充実してまいりたいと思いますし、この会議は、その都度、必要に応じて開催をしております。六十二年度はプランの推進について協議をしてまいりました。六十三年度は報告に基づいて点検、評価を行いまして、また、六十一年度には婦人問題懇話会がプランを策定いたしましたし、六十二年度には「男女共同社会をめざす世田谷プラン案」を提言いたしました。本年度は仮称婦人情報センターの基本構想の検討をお願いしておりますが、平成元年度にはプランの進捗状況報告書に基づきまして、プランの推進と見直しについての意見をいただくことになっております。  また、プランを推進するに当たり、区民の意識実態調査がどのように政策に活用されているかというお話でございました。昭和六十年に第一回の総合的な意識実態調査を実施しまして、後期の調整計画策定に合わせて、第二回目の総合調査を実施しまして施策に反映させる予定でおります。六十二年十一月には、区内小中学校を対象に、男女役割分業に関する意識調査を実施しまして、これは、婦人問題ニュース「あやおり」などによって周知を図ってきました。また、ことしの二月には、ご案内のように、絵本を作成しまして「お母さんなんでや」をつくりました。これは区内の小学校三年生に全員配布いたしました。また、本年度の分野別調査では、女性の就労と子育てに関する意識実態調査で、働く女性を対象に実施し、現在、集計分析を行っているところでございます。この結果につきましても、広く区民へ周知を図り、男女共同社会への意識づくりの一助となるよう活用をしていく考えでおります。  以上でございます。 ◎婦人児童部長(多賀井信雄 君) 私の方から、婦人問題を考えるつどいの開催の経過と成果につきましてお答え申し上げます。  この事業は、昭和六十一年度から毎年一回開催をしております。また、このつどいの実行に当たりましては、行政指導ではなく、公募によりまして区民の方に実行委員になっていただき、企画、運営を行っております。したがいまして、内容につきましては、実行委員会で熱心な論議を重ねられたものでありまして、区民の皆さんが親しみやすいものになっているものと私どもは思っております。  今年度は、一昨日、三月四日に砧区民会館で第三回のつどいが開かれました。ことしのテーマは、「こんなになったらいいな 男と女」というテーマでございます。今後も多くの区民の方々を中心にしまして、内容のあるつどいを開催していきたいと思っております。  以上でございます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で平塚信子君の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。  なお、一般質問は議事の都合により、明七日の本会議で行いますので、ご了承を願います。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。    〔久留島次長朗読〕  報告第一号 議会の委任による専決処分の報告(世田谷区上北沢一丁目付近枝線工事(下水道)外報告十七件 ○議長(浜中光揚 君) ただいまの報告中、第一号から第十七号に至る十七件についてご質疑はございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(浜中光揚 君) ご質疑なしと認めます。  なお、報告第十八号につきましては、文教委員会において提案され、関係機関に要望したものであります。ご了承願います。  以上で諸般の報告を終わります。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) これより日程に入ります。 △日程第一から △第四に至る四件を一括上程いたします。  〔久留島次長朗読〕  日程第一 議案第一号 平成元年度東京都世田谷区一般会計予算外議案三件 ○議長(浜中光揚 君) 本四件に関し、提案理由の説明を求めます。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) ただいま上程になりました議案第一号より第四号に至る四件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第一号「平成元年度東京都世田谷区一般会計予算」についてご説明申し上げます。  本件は、平成元年度における世田谷区の行財政運営に要する年間経費でございます。予算総額は、歳入歳出それぞれ一千六百十六億九千万円となっております。歳入につきましては、特別区税を初め、特別区交付金、国庫支出金、都支出金、ほの他の収入を計上いたしております。  歳出につきましては、新基本計画の目指す目標を十分に踏まえ、実施計画事業を中心に、教育、福祉、保健、文化等の生活関連経費や、道路、公園、住宅等の都市づくり整備費など、区政全般にわたる所要経費を計上してあります。  また、債務負担行為につきましては、第二庁舎改修事業ほか二十五件について、翌年度以降に債務を負担するものでございます。  次に、地方債の発行につきましては、区民センター・地区会館建設事業ほか六件の起債限度額等について、また、一時借入金につきましては、五十億円の借入最高額をあらかじめお認めいただくものでございます。  続きまして、議案第二号「平成元年度東京都世田谷区国民健康保険事業会計予算」についてご説明申し上げます。  本件は、平成元年度の国民健康保険事業運営に要する経費でございまして、予算総額を歳入歳出それぞれ三百十八億八千百七万四千円とするものでございます。なお、一時借入金について、十一億六千万円の最高額と、歳出予算の保険給付費の各項の中での流用をあらかじめお認めいただくものでございます。  次に、議案第三号「平成元年度東京都世田谷区老人保健医療会計予算」についてご説明申し上げます。  本件は、老人保健法に基づく老人保健医療関連費でございまして、予算総額を歳入歳出それぞれ三百三十五億二千三百七十六万円とするものでございます。  次に議案第四号「平成元年度東京都世田谷区中学校給食費会計予算」についてご説明申し上げます。  本件は、学校給食調理場におきます中学校の給食費でございまして、予算総額を歳入歳出それぞれ七億三千八百三十七万円とするものでございます。  以上、議案第一号より議案第四号に至る四件につきまして、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で提案の理由は終わりました。  お諮りいたします。  本四件を審査するため、五十一名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(浜中光揚 君) ご異議なしと認めます。よって本四件については、五十一名の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。  ただいま設置いたしました予算特別委員会の委員選任につきましては、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から指名いたします。  お諮りいたします。  お手元に配付してあります構成表どおり指名することにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(浜中光揚 君) ご異議なしと認めます。よって委員は構成表どおり選任することに決定いたしました。      ───────────────     予算特別委員会構成表  石井 徳成君  石塚 一信君  五十畑孝司君  宇田川国一君  内山 武次君  大高定左右君  小谷  勝君  小畑 敏雄君  鈴木 昌二君  土橋  賀君  内藤 義雄君  中村 大吉君  原  秀吉君  原田 正幸君  平山 八郎君  広島 文武君  星谷知久平君  真鍋 欣之君  山口  昭君  山内  彰君  市川 康憲君  小口 義晴君  甲斐円治郎君  神宮 寿夫君  中嶋 義雄君  中塚  護君  長谷川義樹君  平塚 信子君  増田 信之君  吉本 保寿君  和田  勉君  大場 暢子君  唐沢 敏美君  斉藤 国男君  桜井 征夫君  園田  集君  高橋  忍君  西村  孝君  森田 キミ君  山田 武士君  笹尾  淑君  田沼 繁夫君  三井 勝雄君  村田 義則君  折居 俊武君  長谷川七郎君  東  まさ君  丸山 孝夫君  長谷川佳寿子君 森田イツ子君  大庭 正明君       ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) この際、ここでしばらく休憩し、予算特別委員会を開催し、正副委員長の互選を行います。  委員会は本議場において開催いたします。  ここでしばらく休憩いたします。     午後六時七分休憩      ───────────────     午後六時十五分再開 ○議長(浜中光揚 君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  休憩中に行われました予算特別委員会の正副委員長の互選の結果について、事務局長より報告させます。 ◎事務局長(清水潤三 君) ご報告いたします。  予算特別委員会委員長 山口 昭君  同     副委員長 和田 勉君  同     副委員長 園田 集君  以上でございます。
    ○議長(浜中光揚 君) 以上で報告を終わります。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、 △日程第五から △第二十四に至る二十件を一括上程いたします。  〔久留島次長朗読〕  日程第五 議案第五号 昭和六十三年度東京都世田谷区一般会計補正予算(第二次)外議案十九件 ○議長(浜中光揚 君) 本二十件に関し、提案理由の説明を求めます。佐野助役。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) ただいま上程になりました議案第五号より議案第二十四号に至る二十件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第五号「昭和六十三年度東京都世田谷区一般会計補正予算(第二次)」についてご説明申し上げます。  本件は、昭和六十三年度の財政運営におきまして、既定予算に二百四十四億五千八百九十五万七千円を追加し、予算総額を千七百九十三億六千二百万九千円とするものでございます。 歳入でございますが、特別区税を初め特別区交付金、国庫支出金、都支出金、利子割交付金等をそれぞれ精査し、増額または減額いたすとともに、歳出におきましても財源更正を行うほか、人件費の増額や各種基金等への積立金の増額と、年度末を控えまして事業全体を精査いたしまして計上するものでございます。このほか債務負担行為の補正といたしまして、変更が三件、特別区債の補正として起債限度額変更八件がございます。  次に、議案第六号「昭和六十三年度東京都世田谷区国民健康保険事業会計補正予算(第一次)」についてご説明申し上げます。  本件は、国民健康保険事業に関し、国庫金支出等の財源更正と関連経費を精査し、一億四千六百二十二万一千円の減額補正を行い、補正後の歳入歳出予算総額をそれぞれ三百三億四千八十七万八千円とするものでございます。  続きまして、議案第七号「昭和六十三年度東京都世田谷区老人保健医療会計補正予算(第二次)」についてご説明申し上げます。  本件は、老人保健医療事業に関し繰越金や諸支出金等の増額補正を行い、補正後の歳入歳出予算総額をそれぞれ三百十五億二千三百十九万四千円とするものでございます。  次に、議案第八号「昭和六十三年度東京都世田谷区中学校給食費会計補正予算(第一次)」についてご説明申し上げます。  本件は、学校給食調理場の繰越金並びに学校給食費の増額補正を行い、補正後の歳入歳出予算総額をそれぞれ八億二千四百四十六万五千円とするものでございます。  次に、議案第九号「東京都世田谷区の休日に関する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、当区における土曜閉庁方式の導入を機会に本区の休日に関する制度を整備するため、新たに条例を制定する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第十号「東京都世田谷区国際平和交流基金条例」についてご説明申し上げます。  本件は、国際的な交流及び市民交流の推進により相互の理解と親善を深め、平和の維持と発展に寄与するため、東京都世田谷区国際平和交流基金を設置するものでございます。  次に、議案第十一号「昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の免除に関する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、昭和天皇の崩御に伴い大赦及び復権が行われることにより、職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の免除を行う必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第十二号より議案第十九号に至る八件につきまして一括してご説明申し上げます。  本八件は、今日の社会、経済等の諸情勢の推移並びに昨年十二月二十日に提出されました世田谷区特別職報酬等審議会の答申を十分に検討いたしました結果、それぞれの条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十号「東京都世田谷区職員定数条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、総合福祉センター及び民家園の新設、仮称上北沢児童館及び上北沢図書館の開設準備体制の整備、また、税務事務オンラインシステム開発や在宅福祉サービス供給体制の充実、さらに事務事業全般の見直し、学校職員の配置基準による見直し等により、職員定数を変更する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十一号「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、退職手当の支給率を改定するとともに、定年前早期退職者の退職手当の特例、受給者である遺族の範囲の制限及び退職手当の返納等について定め、あわせて規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十二号「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、平成元年四月から土曜閉庁を導入するとともに、長時間勤務を解消することに伴い、勤務時間制度についての規定の整備を図る必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十三号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、通勤手当の額を改定するとともに、長時間勤務の解消等に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十四号「職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、通行税法の廃止に伴い、規定の整備を図る必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  以上、議案第五号より議案第二十四号に至る二十件につきまして、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  なお、本案中議案第十一号、第十五号及び第二十一号から第二十四号については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を聴取しておきました。事務局次長に朗読させます。    〔久留島次長朗読〕 「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(省略) ○議長(浜中光揚 君) 本二十件を企画総務委員会に付託いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、 △日程第二十五から △第二十八に至る四件を一括上程いたします。  〔久留島次長朗読〕  日程第二十五 議案第二十五号 東京都世田谷区立保養所条例の一部を改正する条例外議案三件 ○議長(浜中光揚 君) 本四件に関し、提案理由の説明を求めます。吉越助役。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) ただいま上程になりました議案第二十五号より議案第二十七号に至る三件及び専決第一号の計四件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第二十五号「東京都世田谷区立保養所条例の一部を改正する条例」につきましてご説明いたします。  本件は、箱根足柄荘の維持運営業務を平成元年四月一日から委託することに伴い、条例中の賄い料等に関する規定の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十六号「東京都世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例」につきましてご説明申し上げます。  本件は、地方税法の一部改正に伴い、当区におきましても特別区民税の所得割の税率等及び特別区たばこ消費税の名称、課税標準等を改正するとともに、電気税、ガス税及び木材引取税を廃止し、あわせて規定の設備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十七号「東京都世田谷区せたがやトラスト基金条例」につきましてご説明いたします。  本件は、世田谷区の自然的環境及び歴史的、文化的環境を区民と一体となって保全し、潤いある環境づくりを行うため、せたがやトラスト基金を設置するので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、専決第一号「専決処分の承認(東京都世田谷区特別区税条例の一部を改正する条例)」につきましてご説明申し上げます。  本件は、地方税法の一部を改正する法律が昭和六十三年十二月二十四日可決成立し、同年十二月三十日に公布されました。これに伴い、当区におきましても、関係する事項について東京都世田谷区特別区税条例の一部を改正する必要が生じましたが、区議会を招集するいとまがなく、やむを得ず地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき、昭和六十三年十二月三十日専決処分を行いました。したがいまして、地方自治法第百七十九条第三項の規定に基づきまして、本議会にご報告申し上げるとともに、ご了承賜りたくご提案申し上げた次第であります。  以上、議案第二十五号より議案第二十七号に至る三件及び専決第一号の計四件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本四件を区民生活委員会に付託いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、 △日程第二十九から △第三十二に至る四件を一括上程いたします。  〔久留島次長朗読〕  日程第二十九 議案第二十八号 東京都世田谷区生業資金貸付条例の一部を改正する条例外議案三件 ○議長(浜中光揚 君) 本四件に関し、提案理由の説明を求めます。吉越助役。    〔助役吉越一二君登壇〕 ◎助役(吉越一二 君) ただいま上程となりました議案第二十八号より議案第三十一号に至る四件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第二十八号「東京都世田谷区生業資金貸付条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、社会、経済の情勢により、生業資金の貸付限度額を引き上げるため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第二十九号「東京都世田谷区国民健康保険条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、地方税法等の改正に伴い、保険料の賦課限度額及び被保険者均等割の保険料率を改定し、あわせて規定の整備を図るため、条例の一部を改定する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第三十号「東京都世田谷区立高齢者在宅サービスセンター条例」についてご説明申し上げます。  本件は、東京都世田谷区立高齢者住宅サービスセンター「デイ・ホーム三茶」が平成元年三月末に竣工し、四月より開設するとともに、既設のデイ・ホームたまがわについての規定を整備するため、新たに条例を制定する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第三十一号「有坂きよ児童福祉基金の設置、管理及び処分に関する条例を廃止する条例」についてご説明申し上げます。  有坂きよ児童福祉基金は、故有坂きよ氏からの遺贈を受けて、昭和四十年に制定されたものでありますが、今日に至る社会、経済情勢の大きな変化により、本基金の元本を福祉保健施設整備基金に組み入れるものといたしたく、ご提案申し上げた次第であります。  以上、議案第二十八号より議案第三十一号に至る四件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本四件を福祉保健委員会に付託いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、 △日程第三十三を上程いたします。  〔久留島次長朗読〕  日程第三十三 諮問第一号 人権擁護委員候補者推薦の諮問 ○議長(浜中光揚 君) 本件に関し、提案理由の説明を求めます。大場区長。      〔区長大場啓二君登壇〕 ◎区長(大場啓二 君) ただいま提案申し上げました諮問第一号「人権擁護委員候補者推薦の諮問」につきましてご説明申し上げます。  人権擁護委員のうち山口進太郎氏が、昭和六十三年十一月十五日に急逝され、また金子秀雄氏が、健康上の理由から、平成元年二月十日辞職されました。このため二名の後任候補者を推薦する必要が生じましたので、関係各界からご意見をいただき、人権擁護委員法の推薦基準に基づいて慎重に検討いたしました結果、法務大臣に対し、本案により推薦することを適当と認め、人権擁護委員法第六条第三項の規定に基づき、お諮りするものであります。何とぞ原案どおりご承認くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本件は、会議規則第三十八条第二項の規定により委員会付託を省略いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(浜中光揚 君) ご異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  本件に関し、ご意見はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(浜中光揚 君) ご意見なしと認めます。
     これより採決に入ります。  お諮りいたします。  本件について諮問どおり答申することにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(浜中光揚 君) ご異議なしと認めます。よって諮問第一号は諮問どおり答申することに決定いたしました。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、 △日程第三十四から △第三十九に至る六件を一括上程いたします。  〔久留島次長朗読〕  日程第三十四 議案第三十二号 東京都世田谷区都市整備基金の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例外議案五件 ○議長(浜中光揚 君) 本六件に関し、提案理由の説明を求めます。佐野助役。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) ただいま上程になりました議案第三十二号より議案第三十七号に至る六件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第三十二号「東京都世田谷区都市整備基金の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」につきましてご説明申し上げます。  本件は、都市整備基金を都市基盤整備のみならず住宅整備にも活用し、まちづくりの推進と区民生活の安定及び向上を図るため、条例の名称と目的を一部改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第三十三号「東京都世田谷区道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例」についてご提案申し上げます。  本件は、道路占用料の額を改定するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第三十四号「東京都世田谷区公共溝渠管理条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、公共溝渠の使用料の額を改定し、あわせて規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第三十五号「東京都世田谷区私道整備及び私道排水設備の助成に関する条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、私道整備の助成金の割合及び助成対象の要件を変更するとともに、規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第三十六号「東京都世田谷区立公園条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  本件は、東京都世田谷区立給田西公園及び東京都世田谷区立船橋二丁目公園を設置するとともに、公園施設の設置等に係わる使用料及び公園の占有料を改定するため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、議案第三十七号についてご説明申し上げます。  本件は、新たな特別区道の路線の認定に関するものでございまして、道路法第八条第二項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第であります。  以上、議案第三十二号より議案第三十七号に至る六件につきまして、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本六件を都市整備委員会に付託いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 次に、 △日程第四十及び △第四十一の二件を一括上程いたします。  〔久留島次長朗読〕  日程第四十 議案第三十八号 東京都世田谷区立幼稚園の保育料等に関する条例の一部を改正する条例外一件 ○議長(浜中光揚 君) 本二件に関し、提案理由の説明を求めます。佐野助役。    〔助役佐野公也君登壇〕 ◎助役(佐野公也 君) ただいま上程になりました議案第三十八号及び専決第二号の二件につきましてご説明申し上げます。  まず、議案第三十八号「東京都世田谷区立幼稚園の保育料等に関する条例の一部を改正する条例」についてご説明申し上げます。  区立幼稚園の入園料、保育料は昭和五十七年度に改定し、以来据え置いてまいりましたが、その後の諸経費の増高や学級定員の引き下げ等に対処するため、保育料の額を改定するとともに、あわせて規定の整備を図るため、条例の一部を改正する必要が生じましたので、ご提案申し上げた次第であります。  次に、専決第二号「専決処分の承認(児童の負傷事故に係る損害賠償額の決定)」についてご説明申し上げます。  本件は、昭和五十七年二月十三日、池尻小学校校庭において発生した児童の負傷事故について被害者との間に示談が成立する見込みとなり、早急に損害賠償額を決定する必要が生じましたが、区議会を招集するいとまがなく、やむを得ず地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき、平成元年二月六日専決処分を行いました。したがいまして、同法同条第三項の規定に基づきまして、本議会にご報告申し上げますとともに、ご承認を賜りたくご提案申し上げた次第でございます。  以上、議案第三十八号及び専決第二号の二件につきまして、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(浜中光揚 君) 以上で提案理由の説明は終わりました。  本二件を文教委員会に付託いたします。      ─────────────── ○議長(浜中光揚 君) 以上をもちまして本日の日程はすべて終了いたしました。  なお、明七日は午前十時から本会議を開催いたしますのでご参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時四十二分散会...