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  1. 鈴鹿市議会 2020-09-01
    令和 2年9月定例議会新型コロナウイルス感染症対策特別委員会中間調査報告


    取得元: 鈴鹿市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-08
    令和 2年9月定例議会新型コロナウイルス感染症対策特別委員会中間調査報告                                令和2年9月17日   鈴鹿市議会議長     大 杉 吉 包 様                    新型コロナウイルス感染症対策特別委員会                            委員長 矢 野 仁 志       新型コロナウイルス感染症対策特別委員会中間調査報告書  本委員会において調査中の下記事件について,会議規則第44条第2項の規定により,次のとおり報告します。                    記 1 調査事件   新型コロナウイルス感染症に関して,総合的な取り組みや対策等について調査研究する 2 委員構成   別紙のとおり
    3 経過概要   別紙のとおり 4 調査状況   別紙のとおり 5 総  括   別紙のとおり       新型コロナウイルス感染症対策特別委員会中間調査報告書 1 調査事件  新型コロナウイルス感染症に関して,総合的な取り組みや対策等について調査研究する 2 委員構成  委員長  矢野 仁志  副委員長  山中 智博         委 員  河尻 浩一  委  員  宮木 健         委 員  明石 孝利  委  員  石田 秀三         委 員  池上 茂樹  委  員  市川 哲夫 3 経過概要   本委員会は,1に掲げた事件を調査研究するため,令和2年5月19日の5月開会議会の議決により,8名の委員をもって設置されたものであり,調査研究の経過は,以下のとおりである。 ○ 令和2年5月19日開催  【事項】 (1)正副委員長の互選について ○ 第1回特別委員会(令和2年6月1日開催) 【事項】 (1)会議の回数について (2)調査項目及び方向性の協議について ○ 第2回特別委員会(令和2年6月12日開催) 【事項】 (1)新型コロナウイルス感染症対策の現状について(質疑) (2)調査項目及び方向性の決定について ○ 第3回特別委員会(令和2年7月8日開催) 【事項】  健康福祉分野 (1)医療体制の強化・充実について (2)生活者支援の対策について ○ 第4回特別委員会(令和2年7月22日開催) 【事項】  危機管理分野 (1)複合災害への対策について (2)市民への正確な情報発信について ○ 第5回特別委員会(令和2年8月5日開催) 【事項】  教育・子ども政策分野 (1)教育・子ども関係感染防止対策について (2)授業の遅れを取り戻すためのICT教育について ○ 第6回特別委員会(令和2年8月19日開催) 【事項】  産業政策分野 (1)自粛や休業などによる市内経済活動への影響について (2)市独自の産業支援策の検証について ○ 第7回特別委員会(令和2年9月10日開催) 【事項】 (1)8月14日に提出した意見に対する回答について (2)調査報告書の検討について ○ 第8回特別委員会(令和2年9月17日開催) 【事項】 (1)中間報告書の検討について 4 調査状況  本委員会にて検討すべき事項を決定するに当たっては,まず,新型コロナウイルス感染症対策に関する本市の課題を,より明らかにするため,現状の確認として,執行部に対して以下の質疑を行った。 【質疑項目】 1 コロナウイルス感染症対策取り組みについて 2 医療体制の強化・充実について 3 コロナウイルス対策における教育問題 4 感染症と自然災害の複合災害について 5 緊急事態宣言の下での学校,学童保育などの対応について 6 貧困対策及び経済対策 7 次亜塩素酸水について 8 第三者検討会議設置可能性について  これらの質疑内容を踏まえた上で,本委員会にて検討すべき事項について協議を行い, 【調査事項】 1 健康福祉分野 (1)医療体制の強化・充実について (2)生活者支援の対策について 2 危機管理分野 (1)複合災害への対策について (2)市民への正確な情報発信について 3 教育・子ども政策分野 (1)教育・子ども関係感染防止対策について (2)授業の遅れを取り戻すためのICT教育について 4 産業政策分野 (1)自粛や休業などによる市内経済活動への影響について (2)市独自の産業支援策の検証について と決定し,順次調査研究をすることとなった。  また,8月に入って以降,急激に感染者数が増加したことから,8月14日に徹底した検査体制等を求める意見を委員会から市長に提出した。(別紙)  それぞれの調査事項に関する調査状況は次のとおりである。 (1) 健康福祉分野 ① 医療体制の強化・充実について  本調査事項について,健康づくり課から本市の取り組み等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。
    ア 感染症対策に関する法的根拠等  感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)第6条では,さまざまな感染症を8類型で定めている。政令により,今回の新型コロナウイルス感染症は8類型中の「指定感染症」に位置付けられ,「二類感染症」と同等の措置が実施されるものと定められている。  また,平成24年4月に制定された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(特措法)に関して,令和2年3月に新型コロナウイルス感染症を同法の対象と位置付ける一部改正が行われている。  感染症法により,医師は診断し確定した感染症を保健所に届け出る義務がある。集団感染が発生した際には,積極的疫学調査が行われ,感染源や感染経路などが特定される。また,都道府県知事等の権限で,感染症患者等に対して感染症指定医療機関への隔離入院が「勧告」できる。県内では指定病床として24床が確保されている。  特措法により,新型インフルエンザ等が発生した時に,行動計画を事前に策定しておくものと定められている。行動計画は,政府対策本部が設置されてから廃止されるまでの間に行われる一連の措置を総称したものであり,政府,都道府県,市町村がそれぞれ担う内容が定められている。政府は総合的で広範なものを実施し,都道府県は県内全域を対象とした情報収集や県民への情報発信医療提供体制医療従事者の確保等を実施する。本市では,政府と三重県の行動計画との整合を図りながら,平成26年9月に策定した「鈴鹿市新型インフルエンザ等対策行動計画」に基づき,住民への情報提供ワクチン接種及び住民生活,地域経済の安定の措置を実施する。 イ 三重県による今後を見据えた医療提供体制の整備  感染症患者の診療と一般診療の両立に向けた入院医療体制の整備として,県内では感染症指定病床の24床を含め,5月末現在で計175床が確保されている。軽症者向け宿泊療養施設として指定を受けていたスポーツマンハウス鈴鹿は7月末で運用を終了し,8月以降は,三重県と民間旅行業者が委託契約を結び,県内の感染状況によって,療養のための部屋を民間のホテルにおいて約100室確保する仕組みに変更されている。 ウ 鈴鹿市PCR検査センターの概要  早期発見・感染拡大防止に向けてPCR検査体制を増強するために,6月15日から鈴鹿市医師会による鈴鹿市PCR検査センター(以下,センター)の運営が開始された。  従来,新型コロナウイルスに感染の疑いのある方は,帰国者・接触者相談センター鈴鹿保健所)に相談し,感染の疑いが強いと判断された場合は帰国者・接触者外来において検査を受けていたが,相談しても受診やPCR検査につながらない状況が続き,医療機関の従事者と相談者の双方に不安が広がっている状況にあったため,新たな検査体制が必要とされていた経緯がある。  センターの設置場所は消防本部敷地内で,実施日時は平日の午後の1時間で,1日最大16件まで受付可能である。  新たな検査体制としてセンターの運営が開始されたことにより,新型コロナウイルスに感染の疑いのある方は,まず,かかりつけ医など市内の医療機関にかかっていただき,PCR検査が必要と診断された場合,市内の医療機関が鈴鹿市医師会に検査予約を行った上で,センターPCR検査が受けられるようになった。  市の支援として,センターを運営する鈴鹿市医師会に対し,センターの設置場所として消防本部の敷地の提供を行う。また,国及び県の補助対象外となる施設整備費用を負担するほか,市ホームページ等により的確な情報提供を行う。 エ 鈴鹿市新型コロナウイルス感染症対策医療調整会議の概要  鈴鹿市新型コロナウイルス感染症対策本部会議と並行する形で,小中学校の休業などの施策や医療体制整備の推進といった部分に対し,医学や公衆衛生学など専門的な知見を有する方々から意見を聴取するため,4月に2回,医療調整会議を臨時的に開催し,三重県,鈴鹿保健所,鈴鹿市医師会から関係者を招集して開催された。今後も状況に応じながら,臨機応変に協力を求めていく。 【質疑】  委員からは,医療調整会議の目的など詳細について,PCR検査センターの実績について,また,第2波,第3波が発生した時の人員の確保等について尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員間での協議では,「第2波・第3波の到来に備え,PCR検査を初めとした医療体制の充実を図るとともに,正確な情報提供を望む。」,「市職員と保健所との間で人的な連携・応援体制が必要」,「複合災害時の医療体制などにおいて医療機関と市の連携が求められる。」,「情報提供面において保健所任せの印象を受けるため,市による市民への発信が重要。」,「PCR検査における陽性率の把握が重要で,市民が正確に状況を把握できるように情報の発信が重要。」,「医療調整会議の活用が必要であり,専門的な知見を活かすべき。」等の意見が述べられた。 ② 生活者支援の対策について  本調査事項について,保護課から本市の取り組み等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。 ア 生活相談件数  新型コロナウイルス感染症の影響により,本年4月以降,離職・廃業した方や休業等で収入を得る機会が減少して離職等と同程度の状態にある方からの生活相談が急増している。  前年4月から6月までの3カ月間に受けた生活相談は161件であったが,本年の同期間は541件であり,前年度から3倍以上に増加している。特に非正規労働者の多い外国人からの相談が増えている。  このうち,新型コロナウイルスに関連した生活相談は,本年4月から6月までの3カ月間で331件であり,全体の6割を占めている。特に外国人からの相談が増えており,前年4月から6月までの3カ月間の相談件数は20件だったが,本年の同期間は186件であり,非正規労働者の多い外国人に対する影響が顕著である。 イ 住居確保給付金事業  住居確保給付金事業は,離職や廃業により経済的に困窮している方で,就労能力及び就労意欲のある方のうち,住居を喪失している方または喪失するおそれのある方を対象として家賃相当分を支給するとともに,本市の支援員による就労支援等を実施して,住居及び就労機会の確保に向けた支援を行う。給付期間は原則3カ月であるが,延長,再延長により最長9カ月まで可能である。本年4月に,受給要件について,年齢要件が撤廃されるなど対象者の範囲が大幅に拡大されており,今後も利用者のさらなる増加が見込まれる。  本年4月から6月までの3カ月間の支給者数は71人であり,昨年度の年間支給者数4人をはるかに上回っている。 ウ 緊急小口資金及び総合支援資金の貸付事業  緊急小口資金は,緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に,少額の費用の貸付を行う。総合支援資金は,生活再建までの一定期間の生活費が必要な方に対して貸付を行う。  いずれも低所得者等を対象としたものであるが,新型コロナウイルス感染症の影響を受け,日常生活の維持が困難となっている世帯や,緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯も対象となった。  貸付の相談及び申請は,鈴鹿市社会福祉協議会が窓口となっている。保護課が生活相談を受けた中で相談者が貸付を希望する場合は,社会福祉協議会を案内している。  社会福祉協議会から提供されたデータによると,貸付申請件数は県内では本市が最も多く,4月から6月17日までの申請受付件数は,緊急小口資金が594件,総合支援資金が85件である。  社会福祉協議会と保護課のそれぞれの相談内容が双方で共有できるよう,連携を密に取っている。 エ 生活保護の状況  最後のセーフティネットとしての生活保護の申請件数は,本年4月と5月は計24件で,前年度時期と同数であることから,現時点で生活保護に関しては影響が軽微である。 【質疑】  委員からは,外国人市民への情報提供方法について,社会福祉協議会との連携の実際について,また,他の福祉政策の検討状況について尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員間での協議では,「相談者の属性など具体的なファクターの分析が必要。」,「雇用問題に関しても生活者支援の対策として取り組みを。」,「社会福祉協議会と保護課の連携及び体制強化が必要。」,「庁舎内に社会福祉協議会の窓口を設置してワンストップサービスができるように。」,「きめ細やかな相談と支援を望む。」,「緊急小口資金貸付が回収できるか心配。」,「相談者の真意を短時間で受け止めて把握できる人材育成が必要。」等の意見が述べられた。 (2) 危機管理分野 ① 複合災害への対策について  本調査事項について,防災危機管理課から本市の取り組み等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。 ア 本市における風水害を想定した場合の感染症対策  内閣府による令和2年4月7日付け事務連絡「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」において,通常の災害発生時よりも可能な限り多くの避難所を開設することや,避難所以外の安全な場所への避難を事前に検討することのほか,避難所において,避難者の健康状態の確認や手洗い,咳エチケットなどの基本的な感染症対策の徹底,十分な換気の実施や避難スペースの確保,体調不良の避難者のための専用スペースの確保を行うことなどが求められている。  本市では,気象警報(大雨,洪水,暴風,高潮)の発表時に,早めの避難をするために開設する自主避難所として,今年度は,地区市民センター併設公民館等の27カ所に小学校体育館6カ所を新たに加えた33カ所の避難所を開設する。各避難所での避難者の収容能力について,避難者同士が2メートル以上の距離を保てるよう,避難スペースを避難者1人当たり4平方メートルを確保した場合や,さらに,段ボールベットや間仕切りを設置し,その周囲四方に通路幅1メートルを確保できるよう,避難者1人当たり9平方メートルを確保した場合における収容人数をしており,今後,風水害により避難所を開設した場合には,避難者1人当たり4平方メートルを確保した場合の収容人数及び現在の避難者数市ホームページにおいて定時的に掲載する。  避難所の受付では,担当職員が避難者に体調の聞き取りや体温測定を行い,体調不良者にはプライベートテント段ボールベットなどを利用できるよう,校舎の特別教室や公民館の別の部屋などに誘導する。さらに,保健師を避難所に派遣し,体調の見守りなどを行う。  避難所の衛生環境の確保では,消毒液やハンドソープ,ペーパータオルなどの衛生用品,手洗い・うがい・咳エチケットなどの注意喚起ポスターのほか,避難所担当職員が使用するフェイスシールドや非接触型体温計ビニール手袋などを収納した感染症対策グリーンボックスを,風水害時に開設する各避難所に配備する。 イ 南海トラフ地震などの大規模災害を想定した感染症対策  大規模災害では,多くの避難者が長期間に渡って避難所での生活を行うため,衛生環境の悪化や避難者の免疫力の低下などによって感染症のリスクが高まることで,感染症などによる震災関連死が増えるとされている。  平成25年度の三重県地震被害想定調査結果によると,本市における南海トラフ地震発災1日後の避難所での避難者数は1万2,000人と想定されているため,小中学校では,体育館に加え,校長室や職員室,保健室などの一般開放に支障をきたす部屋を除いた校舎の教室などを開放していく。 【質疑】  委員からは,避難所のタイムラインについて,災害ボランティアの受け入れについて,また,発熱者スペースを確保する方法について尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員間での協議では,「災害が発生する前からウイルス対策を加味した対策を検討することが必要。」,「備品について市立体育館から運搬するのではなく,各避難所に備蓄しておくことが必要。」,「体育館及び公民館における発熱者専用スペースの確保・実行のシミュレーションを確実に行うこと。また,感染者が出た場合の想定も必要。」,「避難所別の収容人数を示した資料を地域にも提示すること。」,「各学校独自の備品についても活用を望む。」,「大規模災害において避難所を終了する際の対応も事前に検討すること。」,「準備物の有効な活用と関係者の臨機応変な対応を望む。」等の意見が述べられた。 ② 市民への正確な情報発信について  本調査事項について,情報政策課から本市の取り組み等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。 ア 市民への正確な情報発信について  新型コロナウイルス感染症に関する情報は,本年2月末に行われた全国一斉の学校の臨時休校以来,国や県から多くの情報が市に対して提供されている。また,AGF鈴鹿陸上競技場で行われた陸上競技の練習会での講師の感染が発表された3月末以降では,関係各課からの情報発信が加わった。  これらの膨大な情報は,即時性に長けた発信媒体であるホームページ及びSNSを中心に発信している。ホームページにおいては,トップページの目立つ位置に情報を集約して掲載を行うほか,分かりやすさを意識し,市民に関心が高いと思われる情報をバナーで掲載している。その他,情報をカテゴリー別に整理して掲載するなど,数回の改修を加えている。  また,ホームページに掲載した情報の中から,担当課との調整に基づき,メルモニ,ツイッター,フェイスブックなどのSNSで情報を発信している。 イ 正確な情報発信に向けた取り組みの内容  新型コロナウイルス感染症の感染者を初めとする関係者に対する誹謗や中傷によるいじめや差別等を防止するため,人権配慮の啓発について,随時,情報を発信している。  また,第2波の到来に備えて,「感染症に関する相談窓口の情報」,「市内感染症患者の発生状況に関する情報」,「人権啓発に関する情報」を発信するほか,市民から市に寄せられた意見や質問の内容をまとめたQ&Aをホームページに掲載している。  さらに,台風や集中豪雨などに関する情報発信として,気象警報の発令に伴い市内に避難所が開設された場合には,避難所ごとの定員や利用者など,避難所での3つの密を避けるための情報について,随時,発信していく。 【質疑】  委員からは,感染疑いの自覚症状がある市民に対する正確な情報発信について,感染者の累計だけでなく治癒等の経過の情報発信について,また,市民の不安を払拭するための情報発信方法について尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員間での協議では,「誹謗中傷が起こらないように情報発信においては取捨選択が必要。」,「スティグマの発生を防ぐためには,正確で早い情報発信を。」,「学校関係の情報発信について,市と教育委員会の連携を図ること。」,「PCR検査に関する積極的な情報発信が必要。」,「SNS等による中傷・誹謗に関する注意喚起を。」,「行政側から見た正確な情報発信にとどまることなく,市民の不安を払拭するための正確な情報発信が必要。」等の意見が述べられた。 (3) 教育・子ども政策分野
    ① 教育・子ども関係感染防止対策について  本調査事項について,学校教育課子ども政策課子ども育成課の3課から本市の取り組み等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。 ア 小中学校における感染防止対策  市立小中学校では,文部科学省が示す「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル『学校の新しい生活様式』に基づいて感染症予防対策に取り組んでいる。  感染源を絶つために,児童生徒及び教職員は通常マスクを着用するが,熱中症などの健康被害が発生する可能性が高いと判断される体育の実技や部活動実施時などは,状況に応じてマスクを取り外して活動する。  次に,感染経路を絶つために,児童生徒及び教職員の検温等の健康観察,手洗い,換気,咳エチケットを徹底している。また,最も感染拡大のリスクが高まる3つの密が同時に重なった場での行動を避けるように指導している。さらに,給食の配膳時や学習活動等でグループや対面で活動を行う必要がある場合には,フェイスシールドを着用するなどの対応を行い,給食時には,机を向かい合わせにせず,会話を控えるよう指導している。  感染症予防のための物品について,これまでに教育委員会事務局で購入し各学校に配付した物品として,5月には教職員用のマスク,アルコール消毒液,ゴーグル,フェイスシールド,非接触型体温計,防護服を,6月には,アルコール消毒液ポケットコート,手指消毒用ポンプ消毒用洗剤などを配布している。その他,寄付された物品として,次亜塩素酸水,高濃度エタノール消毒液,サージカルマスク,布マスクなどがある。また,追加配付用としてアルコール消毒液消毒作業用としてレインスーツ,防護服,シューズカバー,ゴム手袋,N95マスク,ゴーグルを備蓄している。  また,新型コロナウイルス感染症に係る偏見,いじめ,差別が発生しないように,正しい知識を身につけることの大切さや,相手の立場に立って物事を考えることの大切さを学習している。保護者に向けた学校通信においても,学校で行っている感染予防対策や,偏見,いじめ,差別につながらないように周知を図っている。  学校で感染者が判明した場合の臨時休業の考え方として,児童生徒又は教職員の感染が判明したときは,保健所が濃厚接触者等を特定するまでの間,学校の全部又は一部の臨時休業とする。休業の規模については保健所の調査や学校医の助言等により,感染者の学校内での活動の状況や地域の感染拡大の状況を踏まえ,学校内での感染の広がりの可能性について検討を行う。感染した児童生徒等濃厚接触者は,学校保健安全法に基づき出席停止とし,教職員が感染者や濃厚接触者である場合には,出勤させない扱いとする。これらの状況判断については,新型コロナウイルス感染症対策本部会議において協議を行い決定する。 イ 放課後児童クラブにおける感染防止対策  小学校の臨時休業中に,市内の放課後児童クラブは,市からの依頼を受けて午前中から開所した。児童の通所状況について,3月から4月中旬までは放課後児童クラブ登録者数(約2,000人)の約半数で推移していたが,政府による緊急事態宣言以降,4月下旬から5月中旬までは登録者数の約3分の1で推移した。  市から各放課後児童クラブに対し,手洗いや咳エチケットの励行,施設の換気など感染対策の徹底を依頼するとともに,マスクや消毒液等の衛生用品や感染防止のための備品の購入に対する財政的な支援として1クラブ当たり50万円の交付や,3月の小学校臨時休業時に午前中から開所したことで生じる運営費の増加に対する経費などを措置した。その他マスクや消毒液,フェイスシールド等の衛生用品の配布や,市に寄贈された各種支援物資の配布を行った。  放課後児童クラブと小学校の連携として,臨時休業時における小学校での児童の預かりの実施,放課後児童クラブへの小学校施設の開放,小中学校から放課後児童クラブへの人的支援の実施など,教育委員会と協議しながら行っている。  また,放課後児童クラブで感染者等が発生した場合の対応について放課後児童クラブの利用者に通知を行うとともに,マニュアルを作成して各クラブに通知している。  今後の対策として,引き続き国の補助金等を活用し,様々な財政支援を行う。手続きが複雑な事業については,各放課後児童クラブ子ども政策課の担当職員が直接訪問等して,申請までのサポートを行う。 ウ 保育所,幼稚園における感染防止対策 -保育所-  保育所は,保護者が就労等によって家庭での保育が困難な児童が利用する施設であり,緊急事態宣言下においても,原則,開所する施設として位置付けられている。  感染防止対策について,環境面では,園児・職員の検温と健康チェックの実施,職員のマスクの着用,手指のアルコール消毒の実施とともに,保育園児にはマスクの着用が難しいことから,従来以上に,保育室のこまめな換気,手洗いやうがいの回数を増やしたり,おもちゃや備品の消毒等を徹底し,継続して実施している。園の行事は規模を縮小し,また,やり方を工夫しながら実施をしている。  公・私立保育所間の連携について,本市では,公立保育所が10園,私立保育園が27園,私立認定こども園が5園運営されているが,新型コロナウイルス感染症への対応については,常に私立園と情報共有や情報提供を行い,市内の保育所全体が,継続的に安全安心な園運営が確保できるように連携を図っている。  また,保育所等で新型コロナウイルス感染症が発生した際の「対応マニュアル」を作成し,各保育所に周知するとともに,保護者に対しても通知している。このことにより,先日,感染者が発生した園に関する対応についても,初めてのケースではあったがスムーズに対応することができた。  さらに,マスクや消毒液等の衛生用品や感染防止のための備品の購入等に対する財政的な支援として,国の補助事業を活用し,各保育所当たり50万円の交付を行った。今後についても,引き続き,国の補助金等を活用し,様々な財政支援を行う。 -幼稚園-  公立幼稚園では,国の臨時休業の要請を受けて,小中学校と同様,臨時休業を行った。臨時休業中の支援策として,各家庭からの相談を受け,「預かり」を実施する等,個別に対応を行った。期間中の利用者は,延べ人数60人,実人数20人であった。  感染予防対策として,保護者には登園前の体温測定等の協力依頼をし,各園では小中学校と同様に細やかな対策をしている。行事についても,基本的には小中学校と連携し,同様の考え方で実施している。  また,マスクや消毒液等の衛生用品や感染防止のための備品の購入等については,引き続き,国の補助事業を活用し実施していく。 【質疑】  委員から,感染者が発生した時の対応について,感染防止のための第2保健室の運営について,また,エアコンの温度設定等の暑さ対策について尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員間の協議では,「今後は家庭内での感染に備えた感染防止対策をしっかりと講じること。」,「保護者向け情報発信について市内の各学校等においては統一した方法の確立を。」,「登下校マスクの着用指針など各学校任せではなく,教育委員会から統一した方向性を示すなど一貫した取り組みが必要。」,「放課後児童クラブは密になりやすく,よりしっかりした面積等の設置基準が必要ではないか。」,「陽性判明後だけでなく,感染疑いの段階における基準・手順についても企業BCPに比する基準が必要。」,「放課後児童クラブと小学校の連携は,新型コロナをきっかけに今後さらに深めて定着すべき。」,「感染防止対策についてしっかりとマニュアル化されている。誹謗中傷を防ぐための対策として,地域コミュニティに十分な周知を図っていただきたい。」等の意見が述べられた。 ② 授業の遅れを取り戻すためのICT教育について  本調査事項について,教育指導課,教育政策課の2課から本市の取り組み等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。 ア GIGAスクール構想について  GIGAスクール構想では,1人1台端末と,高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで,特別な支援を必要とする子供を含め,多様な子供たち一人一人に個別最適化され,資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する。  本市では,環境整備として,令和元年度に情報セキュリティ対策を備えたICT基盤整備を行い,校務系,校務外部接続系,学習系の3つの環境を構築した。端末は,児童生徒用端末3,200台,教職員用端末1,300台を整備し,ICT環境を整えてきた。  これまでの教育実践の蓄積に加え,教育ICT環境を整備することで,教師や子供たちの力を最大限に引き出し,資質・能力を一層確実に育成し,また,学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善につなげる。 イ 臨時休業中のオンライン学習について  臨時休業中の家庭における学習として,本市では,従来の紙媒体の学習プリントに加えて,まず,自宅等で活用できる既存の動画サイトを活用した。  次に,作成した学習動画の配信として,市教育委員会や各学校で作成した学習動画を配信するため,小中学校専用の「鈴鹿オンライン学習」というホームページを作成することによって,子供たちはパスワードを入力することでパソコン,タブレット,スマートフォンといったインターネット環境に接続した機器を通して,作成された授業動画等を視聴した。  さらに,学習ドリル型ソフトの活用として,通常は学校の授業で利用するアプリ「ミライシード」を臨時休業期間中に限り,児童生徒が各家庭で利用できるようになり,インターネット上で様々な教科の学習を自分のレベルに合わせて繰り返し行うことができるようになった。  これらの家庭でのオンライン学習に当たっては,Wi-Fi環境の整備や通信費負担などの課題も明らかとなり,全ての子供たちが平等な環境の元,オンライン学習を進めるためにこれらの課題をクリアしていく必要がある。 ウ 学校におけるICT機器の活用  学校再開後に各校が実践しているICT機器の活用事例では,事業でスクリーンを使用することによって児童の学習の様子をその場ですぐに全体共有することで,授業時間を効率的に使って学習活動を進める例や,パソコンを用いた学習では課題に対して各生徒が自分の考えを入力した内容が黒板のスクリーンへ同時に映し出され,クラス全員の考えや意見をリアルタイムで確認することができる事例が示された。  また,従来,全児童を体育館へ集めて行っていた新入生を迎える会では,リモートによる実施が可能となり,各教室に設置されたスクリーンへ映像が送られてくることで,体育館への移動時間が削減され,行事全体に係る時間が大幅に短縮された。3つの密を避けることもでき,新型コロナウイルス感染症予防にもつながった事例が報告された。  このように,学校行事等にICT機器を効果的に活用することは,学習の遅れを取り戻すための時間確保につながる。 エ 家庭学習の充実に向けて  臨時休業によって年間授業時間数の確保が難しい中,授業におけるICTの活用と並行して,子供たちが家庭学習において,自主的・計画的に学習を行う態度を育成する必要がある。  ある学校で臨時休業中に作成した家庭学習計画書では,1日の家庭学習内容が時間割のように組まれ,子供たちはこの計画書をもとに教科の偏りなく学習を進めることができる。保護者チェック欄も設けられており,学校と家庭が連携する工夫もされている。より効率的に学びの質を高めるため,このような取り組みを継続的に行っていく。 オ 今後の対策について  各校では,1学期が終わるまでの約2カ月半,児童生徒の様子をしっかりと見ながら学習を進めてきた。今後も「継続して教育課程を見直すこと」,「学習活動を重点化すること」,「ICT機器を活用した授業の充実を図ること」,そして「家庭学習の充実を図ること」が大切になってくる。  今後はICT環境の更なる整備も必要であり,今年度はGIGAスクール構想の実現を目指し,1人1台の児童生徒用端末と,校内の高速通信ネットワークを整備し,あわせて,中学校のデジタル教科書並びに学校図書館システムの更新を行い,Society5.0時代を生きる子供たちの学びの実現に寄与するべく取り組む。 【質疑】  委員からは,他市と比べて1週間早く休校したが授業の遅れは取り戻せているか,学校による教員の使いこなしの差は生じていないか,また,外国人児童への対応について尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員のみで行った意見交換では,「クロームブック等のツールの活用を進め,取り組みの好事例を全校で共有していただきたい。」,「特に外国人児童に関し,多様な子供への個別最適化された教育を望む。」,「教員が新しいツールの使い方に習熟すること。」,「いつ再び自宅待機になるか分からない状態。自宅にWi-Fi環境等のない子供たちへの対応を進めていただきたい。」,「市内におけるICT教育では学校間の格差が生じないように。」等の意見が述べられた。 (4) 産業政策分野 ① 自粛や休業などによる市内経済活動への影響について  本調査事項について,産業政策課から本市の現状等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。 ア セーフティネット保証(信用保証付き融資)認定件数の状況  本市における新型コロナウイルス感染症の影響を起因とした信用保証付き融資制度(セーフティネット保証制度)の認定手続は3月上旬から始まっており,8月7日時点で1,401件の事業者への認定手続を行っている。特に国が民間金融機関へも保証料と利子の減免制度を拡大した5月・6月の認定が急激に増加している。  認定した業種の内訳として,飲食業で153件,建設・土木業で382件,卸売り・小売業で242件,製造業218件など,幅広い業種で影響が出ている。申請事業者の43.5%において前年の売上高から50%以上減少している。 イ 鈴鹿市ものづくり産業支援センターの巡回訪問による市内中小製造業への状況について  本市ものづくり産業支援センターでは,企業OB等の専門アドバイザーが,市内を4地区にわけ,1班2名体制で中小製造企業を月2回程度巡回訪問して聞き取りを行っている。通常は毎月80件程度の訪問を行っているが,4月と5月は新型コロナウイルス感染症の影響により,訪問件数は半分程度となった。  聞き取りの結果として,3月以降徐々に取引先等に影響が出始めたことによって,今後の自社への波及を懸念する声が聞こえてきていた。4月の緊急事態宣言以降,大企業の状況,東京オリンピックの延期などで,市内企業でもかなり深刻な影響が出てきている。5月には,訪問できた内の8割近い事業者が,売上や取引の減少などマイナスの影響があるとしている。6月中旬以降は,徐々に経済活動を再開してきており,大きく落ち込んでいた生産量も回復してきている企業がある一方で,取引先によっては受注が減少している企業もあり,企業や業態によって大きく差が出てきている。 ウ 市内の雇用情勢  三重県全体の有効求人倍率は,令和元年6月の1.68倍から,本年6月末時点では1.08倍へと大幅に減少している。  ハローワーク鈴鹿(鈴鹿市,亀山市)での有効求人倍率も,令和元年5月は1.38倍であったが,本年5月時点では0.85倍であり,大幅な下落が見られる。  企業の求人数は下落しているが,求職者数はそれほど変化がないことから,現在の有効求人倍率の下落の要因は,企業側の求人数の大幅な減少によるものと考えられる。 エ 解雇・雇止め  厚生労働省資料によれば,解雇・雇止めに関して,全国的に製造業,飲食業を中心に多くの業種で影響が出ているが,現在のところ,ハローワーク鈴鹿管内において大規模な雇止め・解雇の情報はない。  産業政策課が独自に行った市内の派遣会社4社を対象とした電話調査では,6月には先行きを不安視する声が多く聞かれたが,7月上旬に行った再調査では,少しずつ回復傾向にあるとの回答が得られた。ただし,今後の新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては,大きく変化する可能性がある。 【質疑】  委員からは,ハローワーク鈴鹿の有効求人倍率が県内においても低い理由について,市内の廃業・倒産の件数について,また,中小企業の雇用態勢に関するものづくり産業支援センターの専門アドバイザーの係わりについて尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員間の協議では,「製造業などの雇用に関する政策などの対応を望む。」,「外国人の雇用の実態について把握が必要。」,「市として,国の制度が及ばないところに支援できる態勢を整えておくこと。」,「新型コロナが収束するまで待てない。小さなコミュニティから経済活動を再開する必要がある。」,「水道料金など固定費の軽減を図ることも必要。」等の意見が述べられた。
    ② 市独自の産業支援策の検証について  本調査事項について,産業政策課,地域資源活用課,農林水産課の3課から本市の取り組み等についての説明を受け,その後,委員から質疑等を行った。 ア 鈴鹿市事業者向け緊急家賃等給付金事業  新型コロナウイルス感染症の影響を受け,事業継続のためにセーフティネット関連保証及び政府系金融機関等の融資を受けた市内で事業を営む事業者に対し,継続して事業が行えるようテナント料等家賃の3カ月相当分(20万円上限)を給付する。本市独自の経済対策事業である。  申請の受付手続は5月18日から開始しており,8月7日時点での交付決定件数は371件,交付決定金額は7,093万5,000円である。1件当たりの平均交付額は,上限の20万円に近い19万1,000円となっている。  国による家賃支援給付金事業が7月14日に申請受付開始されたことに伴い,本事業の申請受付は8月末までと設定し,市ホームページ,広報すずかなどによる周知を行っている。 イ 鈴鹿市プレミアム付商品券鈴鹿まるごと応援券「すずまる」  新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により経済活動が停滞している中,市内事業者の経営支援策の一環として,市内での消費を促し,市内循環を図ることで経済回復につなげることを目的として発行した,市内の事業者において使用できるプレミアム付商品券である。  商品券の内容は,1冊7,500円分の商品券を5,000円で販売する。1枚500円の商品券が15枚綴られており,発行総冊数は8万冊である。プレミアム率50%分が上乗せされ,経済効果は総額6億円である。市内在住または市内へ通勤及び通学者を対象に,1人につき4冊を上限として申込みにより販売する。利用期間は,今後の感染症の第2波・第3波を想定し,令和3年9月30日までと長期に設定している。  購入申込みは,令和2年7月1日から7月17日の17日間に渡り,インターネット,窓口受付,郵送の方法を用いて受け付けを行った。発行総数以上の申込みがあったため抽選により当選者を決定し,購入引換はがきを発送している。引換期間内に購入されなかった分についてはキャンセルの扱いとなり,残数に応じて二次抽選を行い完売する予定である。  一次抽選による結果は,応募人数がインターネット3万8,616名,窓口受付9,230名,郵送受付4,169名による総数5万2,015名(応募冊数は19万1,272冊)であった。抽選により,当選者数は2万1,776名と決定され,競争倍率は約2.39倍の結果であった。8月19日現在の登録店舗数は897店舗で,プレミアム付商品券の利用期間中は登録受付を継続し追加していく。 ウ ランチdeエール!笑顔お届けプロジェクト  新型コロナウイルス感染症感染拡大によってイベント等の中止が相次ぎ,売上が減少しているキッチンカーなどの移動販売を行う飲食店等に対する支援として,新たな価値創造につなげることを目的としている。  夏休み期間の8月4日から21日のうち,各放課後児童クラブへ聞き取りを行い,各施設1日の昼食を提供する。市内放課後児童クラブ47施設のうち,希望した41施設を訪問し,児童及び支援員あわせて1,772食を提供する。  登録した市内飲食サービス事業者は,弁当配達事業者7社及びキッチンカー2社の計9社であり,鈴鹿市観光協会を業務委託先として販売スケジュールを組み実施する。 エ 農林水産業の状況  農業(米,茶,花き,植木,野菜・果樹),畜産業(養鶏,養豚,酪農,肉牛),水産業(アサリ,イワシ)の種別に,昨年度との価格や売り上げの比較等を確認した。 -農業-  水稲(米)について,外食産業の休業により業務用米の需要は大幅に減少したが,外出自粛等により家庭消費用は増加している。緊急事態宣言解除後は,業務用については回復傾向にはあるが,コロナ以前の需要環境には戻っていない。  茶について,近年のライフスタイルの変化等による消費減少が続く中,飲食店,宿泊施設の休業や,新茶時期と緊急事態宣言の期間が重なったことによる販売機会の喪失,また,東京オリンピック延期によるペットボトル需要の減少等により,茶の価格は,過去最低の水準となっており,茶農家では約4割の減収となっている。  花きについて,3月・4月の様々な式典,イベントの中止,また,生花店の休業,母の日に向けた販売機会の喪失により,需要が激減し,前年度より約3割の減収となっている。  植木について,関東・関西圏を始めとする公共事業等の中止,延期により,在庫を抱え,出荷できないというケースがある。また,例年開催している4月の鈴鹿市植木まつり,10月の三重県植木まつりが中止となり,売上は減少している。  野菜・果樹については,鈴鹿農業協同組合の直販所や卸売市場へ出荷している農家が大半を占めているため,大きな影響は受けていないが,一部の生産者は独自の販売経路を失い,売上が減少している。 -畜産業-  養鶏(卵)について,4月は外出自粛により家庭用の消費が増えて価格が上がったが,5月以降は,飲食店等の休業などにより,業務用の需要が落ち込み,価格が下落している。養鶏農家では,前年と比較し,2~3割の減収となっている。  養豚について,3月に売上が一時減少したが,その後は,外出自粛により家庭用の需要が回復しており,コロナの影響は特に受けていない。  酪農(乳牛)について,学校給食の中止や外食産業の営業自粛などにより需要が減少したが,家庭への宅配が増えたため持ち直し,6月以降は給食が再開し,宅配も増えている。  肉牛について,需要が大きく減少し,和牛の枝肉価格は約2割下落している。緊急事態宣言の解除後も,インバウンド需要がないため,外食需要もコロナ以前には戻っていない。 -水産業-  アサリについて,外食産業の休業などにより,市場価格が,スーパーマーケット等の一般小売での取引価格に影響され,昨年の価格より約3割下落している。  イワシについて,インバウンドの激減や外食産業の休業などにより,タイなどの高級魚の需要が大きく減少したことに伴い,その飼料としての利用が減少し,市場価格は昨年より大幅に下落している。 オ 農業支援策の検証  5月10日の母の日に合わせ,市職員,小中学校の教職員,市議会議員を対象に,カタログによる斡旋販売を4月下旬に実施した。約195万円(762点)の購入があり,毎年,花き温室組合が市内大型ショッピングセンターで開催している「母の日」の即売会での売上金額の2分の1程度を支援することができた。  その他,7月臨時議会で補正予算が成立した支援策として,花いっぱい応援事業「すずか花まる(870)キャンペーン」,茶販売促進緊急対策事業「鈴鹿サーキット×すずか茶―キット」,「全部まるごと鈴鹿のお茶キャンペーン」を実施していく。  その他の支援策として,農林水産課が事務局を務める鈴鹿市茶業組合が,茶販売促進緊急対策事業についての取り組みを行う。感染症の影響で大きく滞留している市場等での在庫を買い取り,イベント等で試供品を配布すること等により,茶の緊急的な販売促進を行う。全額が国庫補助事業である。市内の幼稚園,保育園,小中学校の全ての子供に,うがい茶やかぶせ茶の配布を行うとともに,「鈴鹿サーキット×すずか茶―キット」においてサーキットの園内,ホテル等での鈴鹿茶の配布,提供を行う。 【質疑】  委員からは,プレミアム商品券の再抽選方法について,うがい茶等の学校への配布時期について,また,ふるさと納税の活用や販路の拡大の検討について尋ねる質疑があった。 【委員間協議】  委員間の協議では,「市独自の取り組み内容が見えてこなかった。市独自の予防基準等を定める条例を制定し,事業者を守っていくことが必要。」,「県に頼るだけでなく市独自の取り組みや支援体制を望む。」,「専門アドバイザーを伴って飲食店支援に回ってほしい。」,「小さなコミュニティの中ではお互いの協力体制が必要。大きいコミュニティに向けては物販の強化が必要。」,「今後,飲食店への影響が大きくなるため支援が必要。」,「家賃給付は,ローンも対象として検討願いたい。制度の運用から外れる方への支援を。」,「茶農家等は新型コロナに関係なく元々が存続の危機にある。学校需要の創出など願いたい。」,「きっかけは新型コロナ対策であっても,産業支援策として発展,生かしていってほしい。」,「製造業に焦点を絞った支援策を検討してはどうか」等の意見が述べられた。 5 総括  新型コロナウイルス感染症については,感染症を防止するための対策と経済活動の再開が並行して進められているため,感染の広がりを完全に防ぎとめることは難しい。  また,不確かな情報や誤った認識が原因と考えられる誹謗中傷やスティグマなどが生じており,市民は感染症に関する確かな情報を求めている。  以下,分野別に総括する。 (1) 健康福祉分野  帰国者・接触者相談センターを通さない新たなPCR検査体制として,6月中旬から,鈴鹿市医師会によって鈴鹿市PCR検査センターが運営されているが,なお,検査の拡大を求める市民の意見は多い。本委員会としても,8月に入ってから急激に感染者数が増加したことを重要視し,感染拡大防止のため徹底した検査体制が必要と考え,PCR検査の拡大を求める意見(別紙)を8月14日に市長へ提出した。なお,検査体制を強化するため,現在の鈴鹿市PCR検査センターは,11月1日からは本市が主体となって「鈴鹿市臨時外来検査センター」として運営することで,1日当たりの最大検査可能件数が40件に拡大される予定である。  生活者支援の対策については,新型コロナウイルス感染症の影響によって生活相談件数が急増している一方で,住居確保給付金事業緊急小口資金等の活用により,生活保護の申請件数は昨年と同水準にとどまっている。しかしながら,今後も増加が続くと考えられる生活相談全般への対応として,社会福祉協議会が窓口となっている緊急小口資金等の申請について,市と同じ窓口での受け付けを可能とするなどのワンストップ化を図る体制の強化が必要である。 (2) 危機管理分野  複合災害への対策に関しては,風水害を想定した感染症対策について十分に検討がなされているが,避難所で使用する感染者対策グリーンボックス等の備品については,その都度運搬するのではなく,平常時から各避難所に備蓄しておくことが必要である。  市民への正確な情報発信については,市ホームページやSNS等の即時性に長けた発信媒体を中心に,感染症に関する多種多様な情報を発信している。また,誤った理解に基づくデマや人権侵害などスティグマを防止するための情報発信に努めているが,行政側の判断による情報発信にとどまらず,市民の目線に寄り添い,安心につながる情報発信が必要である。 (3) 教育・子ども政策分野  小中学校,放課後児童クラブ,保育所,幼稚園における感染防止対策では,それぞれにおいて実施されている感染症予防対策や,感染者が判明した場合の対応を確認した。事前に作成し共有された各マニュアルが,感染者発生の事態に際して役立っている事実が認められる。今後,秋から冬に向け,家庭内での感染が増えると考えられるため,統一した方向性に基づき,各施設においては一貫した取り組みを示してほしい。また,学校の臨時休業をきっかけとして深まった放課後児童クラブと学校の連携は,今後継続していくべきである。  授業の遅れを取り戻すためのICT教育については,今春に各学校に導入されたICT環境の活用等によって,臨時休業による遅れは本年度末までに計画的に取り戻していくとのことである。今後は,学校間で格差が出ないようにする取り組みと,再び自宅待機になる可能性に備えて自宅にインターネット環境がない子供たちへの対応が必要である。 (4) 産業政策分野  市内経済活動の幅広い業種に影響が出ている。感染症が収束するまで,ただ自粛するだけでなく,小規模事業者,個人事業主等を対象とした経済活動の支援が求められる。また,求職者についての実態把握が必要である。  市独自の産業支援策の検証について,事業者向け緊急家賃等給付金事業,プレミアム付商品券鈴鹿まるごと応援券「すずまる」の発行,農林水産業の現状と支援策等の内容を確認した。新型コロナウイルス感染症による影響は長期に及ぶと考えられるため,これらが一時的なものにならないよう,今後の継続及び発展が必要である。  総括は以上のとおりであるが,新型コロナウイルス感染症についてはいまだに収束の見込みがつかない状況であるため,今後も多様な視点・観点からの調査・研究を行っていくことが必要である。  以上をもって,新型コロナウイルス感染症対策特別委員会の中間調査報告書とする。                                鈴議第633号                                令和2年8月14日  鈴鹿市長 末 松 則 子 様                   鈴鹿市議会                    新型コロナウイルス感染症対策特別委員会                    委員長 矢野 仁志      新型コロナウイルス感染症対策について  市内における新型コロナウイルス感染症の状況は,7月には計6名の感染が判明し,8月に入ってからは13日までで29名の感染が明らかになるなど,急激に感染者数が増加しております。  県内全域においても状況は共通しており,特に,7月31日以降,連日2桁を超える新規感染者の発生が続いていることから,8月3日には県知事が「緊急警戒宣言」を発表する事態となっております。  当委員会としまして,徹底した検査体制が市民生活を守ることにつながると考えますので,特別に下記の点にご配慮いただきますようお願いします。                    記 1 感染拡大に歯止めをかけるには,検査件数を増やすことが不可欠であるため,鈴鹿市PCR検査センターのさらなる充実,民間検査機関の活用など,本市におけるPCR検査の拡充を検討し,希望する市民が早急に検査を受けられる体制づくりに努めること。 2 保育所,幼稚園,学校,医療・介護などの現場で働くエッセンシャルワーカーがPCR検査を受ける場合の検査費用の一部を補助するなどの仕組みづくりに努めること。 3 学校,職場,地域において,感染者に対する差別やスティグマが生じないように,情報管理において万全の注意を払うとともに,市民への啓発を充分に行うこと。...