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平成30年 2月定例会議(第22号~第30号)-02月23日-03号

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  1. 滋賀県議会 2018-02-23
    平成30年 2月定例会議(第22号~第30号)-02月23日-03号


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    最終取得日: 2023-05-14
    平成30年 2月定例会議(第22号~第30号)-02月23日-03号平成30年 2月定例会議(第22号~第30号)                平成30年2月定例会議会議録(第24号)                                       平成30年2月23日(金曜日)            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         平成30年2月23日(金)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第53号まで(平成30年度滋賀県一般会計予算ほか52件)の各議案に対する質疑ならびに質問            ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件            ────────────────────────────── 会議に出席した議員(41名)    1番   村  島  茂  男       2番   加  藤  誠  一    3番   竹  村     健       4番   佐  藤  健  司    5番   目  片  信  悟       6番   海  東  英  和    7番   田  中  松 太 郎       8番   角  田  航  也    9番   塚  本  茂  樹       10番   下  村     勳
       11番   藤  井  三 恵 子       12番   杉  本  敏  隆    13番   節  木  三 千 代       14番   駒  井  千  代    15番   山  本     正       16番   大  橋  通  伸    17番   冨  波  義  明       18番   井  阪  尚  司    19番   木  沢  成  人       20番   中  村  才 次 郎    21番   有  村  國  俊       22番   大  野  和 三 郎    23番   岩  佐  弘  明       24番   山  本  進  一    25番   富  田  博  明       26番   細  江  正  人    27番   高  木  健  三       28番   生  田  邦  夫    29番   川  島  隆  二       31番   奥  村  芳  正    32番   野  田  藤  雄       33番   西  村  久  子    34番   佐  野  高  典       35番   家  森  茂  樹    36番   吉  田  清  一       39番   成  田  政  隆    40番   九  里     学       41番   清  水  鉄  次    43番   柴  田  智 恵 美       44番   今  江  政  彦    45番   中  沢  啓  子            ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(1名)    37番   粉  川  清  美            ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             青  木     洋               選挙管理委員会委員長      世  古     正               人事委員会委員長代理      桂        賢               公安委員会委員長代理      堀  井  と よ み               代表監査委員          北  川  正  雄               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             池  永  肇  恵               総合政策部長          宮  川  正  和               総務部長            村  上  浩  世               県民生活部長          福  永  忠  克               琵琶湖環境部長         高  砂  利  夫               健康医療福祉部長        藤  本  武  司               商工観光労働部長        江  島  宏  治               農政水産部長          高  橋  滝 治 郎               土木交通部長          池  口  正  晃               会計管理者           辻  井  弘  子               企業庁長            廣  瀬  年  昭               病院事業庁長          笹  田  昌  孝               警察本部長           鎌  田  徹  郎            ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            青  木  幸  一               議事課長            入  江  建  幸               議事課参事           吉  田     亮   午前10時 開議 ○議長(奥村芳正) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(奥村芳正) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  人事委員会西原節子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として桂賢委員が、また、公安委員会大塚良彦委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として堀井とよみ委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(奥村芳正) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第53号まで(平成30年度滋賀県一般会計予算ほか52件)の各議案に対する質疑ならびに質問 ○議長(奥村芳正) 日程第1、議第1号から議第53号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は、質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、35番家森茂樹議員の発言を許します。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇、拍手)おはようございます。昨日2月22日は、ニンニンニン、忍者の日でございました。国会議員連盟も発足したようでございます。また、きょう2月23日は、皇太子徳仁親王の58回目のお誕生日でございます。明年4月30日をもって御代がわりが予定をされておりますので、2年後のきょうは天皇誕生日となります。来年の2月23日は土曜日でございますので、2月23日に質問できるというのは、きょうが最後ということでございます。あんまり深い意味ないんですけど。こんなことを考えておりましたら、たしか去年もこんな話したなと思っておりまして、議事録見てみましたら、昨年も一般質問、2月23日にさせていただいておりました。  それでは、質問に入らせていただきます。  議第42号と原発再稼働容認について、知事ならびに企業庁長に以下お伺いをいたします。  まず、議第42号滋賀県水道用水供給条例の一部を改正する条例案について、その改正内容を企業庁長に御説明お願いをいたします。 ○議長(奥村芳正) 35番家森茂樹議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎企業庁長(廣瀬年昭) (登壇)お答えいたします。  現行の水道料金は平成28年度から平成32年度までの5年間を料金算定期間としているものであり、今回、平成30年度から平成32年度の使用料金について、1立方メートルにつき、31円30銭から29円20銭に改定しようとするものでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)それでは、今回水道料金を値下げすることになったその理由について、御説明をお願いいたします。 ◎企業庁長(廣瀬年昭) お答えいたします。  平成28年度の改定の際には電気料金の値上げが大きく反映されたものでございまして、その際の受水市町との協議におきまして、期間中においても電気料金の値下げがあり見込み額との乖離が短期的なものではないと見込まれた場合、速やかに使用料金への反映を検討、協議するという申し合わせを行い、平成28年1月にその内容で各受水市町に通知したところでございまして、今回の電気料金の値下げに伴い、使用料金を改定しようとするものでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)すいません。その最後、今回の電気料金の値下げに伴いとおっしゃったと思うんですけども、その電気料金の値下げの理由を企業庁長にお伺いいたします。 ◎企業庁長(廣瀬年昭) 企業庁は関西電力と電気の契約をいたしておりますが、非常に大口の契約でございまして、毎年、その契約は行ってきております。その交渉を行った結果で引き下げが行われたというものでございまして、その理由といたしましては、つぶさにどのような理由でもって引き下げをしたかということまでは全部を承知しておるわけではございませんが、やはり原子力発電所の運転再開、それから、内部の合理化等々の理由があるというふうに伺っておるところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)何か非常につらそうにお答えをいただいて。はっきり言うていただいたらいいんですけど。  実は、昨年12月15日の総務・政策・企業常任委員会、ここの資料で、今回の条例案提案に至る過程の改定協議の状況についてという委員会報告がなされておるんですけども、ここで、1番が、さっきお答えをいただいた、2番が一番最初にお答えいただいた料金改定の内容、3番目に、電気料金の値下げ内容として、原子力発電の運転再開による電気料金の値下げと。もう12月に常任委員会でそういう報告がなされておりますので、もう一回、私は確かめただけやったんですけども、はっきりそこのとこを押さえておきたいと思います。  冒頭お答えいただきましたけれども、平成28年1月5日発出の、これは滋賀県の滋、企業庁の企、総務課の総で滋企総第3号という通知があるんですけれども、ここに、電気料金の値下げが短期的なものでないと見込まれた場合、料金改定を行うと、こういうふうになされているんですけれども、その短期的なものでないと見込まれた場合、これの判断基準というのはどういうふうにされておるのか、企業庁長にお伺いをいたしたいと思います。 ◎企業庁長(廣瀬年昭) お答えいたします。  電気料金の値下げ要因が燃料費の変動による毎月の調整ではなく、基本料金や電力使用量に伴う料金の値下げであることから、短期的なものではないと考え、受水市町との申し合わせに従い協議を行ってまいったところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)ここまでで、つまり、今回の企業庁の電気料金値下げというのは、知事が提案説明でも述べられましたとおり、電気料金の値下げに伴うものであり、その電気料金値下げは毎月変動する燃料費調整制度によるものではなく、原子力発電、具体的には高浜3、4号機、この運転再開によるものであるということでございます。  また、先日の新聞報道によりますと、神戸製鋼所等のデータ改ざん問題などでおくれてはおりましたが、大飯3号機が3月に、5月には同4号機が再稼働の見込みと報じられております。さらに、関西電力は昨年7月6日の値下げ発表に際し、大飯発電所3、4号機の本格運転が実現すれば電気料金をさらに値下げしたいと明言をしておられます。  今回の議第42号につきましては、当初の計算期間が平成28年度から32年度とされていたものを、翌平成30年度から32年度の3年間についての改定とされているものであります。この夏にも再値下げが予想をされます。  そこで、平成32年までの料金算定期間内に今後さらなる電気料金再値下げが行われた場合には、さらに引き下げることもあるのかどうか、企業庁長にお伺いをいたします。 ◎企業庁長(廣瀬年昭) お答えします。  今後再値下げがあった場合には、その内容に応じて受水市町と協議を行ってまいりたいと考えております。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)以上、議第42号を確認をさせていただきました。この上に立ちまして、原発再稼働容認について、以下、全て知事にお伺いをいたします。  そもそも、原子力発電所の再稼働に関する権限について、知事はどのように認識しておられるのか、まずお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  エネルギー政策につきましては、国が中長期的な展望を持って検討、実施されることが基本でございまして、基幹電源を確保し安定的な電力供給体制を整えることが国の責務であると認識しています。  お尋ねの原子力発電所の再稼働に関する許認可権限につきましては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に定めるところにより、国にあるものと認識しております。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)まず国にあるということを押さえておきたいと思います。  次に、知事が「再稼働を容認できる環境にない」と言われる理由について、改めてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  大きく4つございます。  まず1点目、福島第一原発事故の後7年を経ようとする今日におきましても、関係者の御努力にもかかわらず復興は途上でございます。また、事故対応費の見積もりが従来から倍増するなど、原子力発電の経済性に揺らぎが生じている状況にあること。  また、2つ目といたしまして、原子力災害が発生した際、その影響を受ける可能性がある本県、滋賀県といたしましては、1つ目、オンサイトの安全対策のみならずオフサイトの防災対策も、2つ目、ハード整備のみならずソフト対策も、3つ目、立地自治体のみならず、影響を受けるおそれのある自治体と事業者との連携協力体制の構築、4つ目、それらは任意でなく法定でという4点が満たされた、いわゆる実効性ある多重防護体制の構築が必要と申し上げてきているところでございますが、それは現在、道半ばであること。  3つ目、使用済み核燃料の処理など、いわゆる原子力の静脈の部分が未整備であること。  さらに、4つ目といたしまして、原子力発電所に対する県民の不安が払拭されていないことから、「現状においては再稼働を容認できる環境にはない」と申し上げているところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)再稼働を容認できる環境にないと言うかどうかは別にして、今の大きな4つの点は私も同様であるというふうには思っております。  ただ、冒頭お聞きさせていただいたように、許認可権は国にあると、こういう中で、なお立地県でもない本県知事があえて容認できる環境にないと、こういう主張をされるその理由について、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) まず、答える前に2点申し上げなければならないことは、長年にわたりこの立地を受忍いただいている立地県、立地地域の方々に対する思いであります。さらにもう1つは、今ある施設、長年使ってきた施設を安全に管理するために、現場で御尽力、御奮闘いただいている関係者の皆様方に対する思いです。
     この思いを常日ごろから、ある意味では敬意、ある意味では感謝という言葉で表現しながら申し上げた上で、福島原発事故のときもそうでしたが、万が一、原子力災害が起こった場合、県境というもので遮蔽することができないということからいたしますれば、災害が発生した際に、その影響を受けるおそれが本県にもございます。  そういう意味で、県民の命と暮らし、近畿1,450万人の命の水源である琵琶湖、その集水域である山々、山林、こういったものをお預かりする本県として、現状においてそのような主張をさせていただいているところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)こういうふうに丁寧に説明をいただくと、私の言うてる話とあんまり変わらへんなという気はするんですけれども。ただ、知事の御発言というのがよく捉えられまして、私がきょうも質問項目にしております再稼働を容認できる環境にはないと、まずはここが捉えられると。  新聞記事になってしまいますと、そういえばそういうことを言うたけれども、ちょっと真意と違うなというふうに私も感じるときがございまして、特に見出しだけ見ますと、あれ、そんなことを言うたかな、ちょっと真意とは違うなという、記者さんがおられたら失礼なんですけれども、何かそういうようなことを見受けることも。実は一昨日の新聞で私そんなことを感じたことがあったんですけれども。  知事が再稼働を容認できる環境にないと、こう表現されると、そのたびに新聞には、滋賀県知事は再稼働批判とか滋賀県知事は反対姿勢とか、こういう見出しになってくるわけでありまして、見出しだけを見た県民の皆さん方の受けとめ方というのが非常に気になると、こういうことでございます。このことに知事の御感想を聞くのは非常に酷だと思いますので、ひとり言にしておきます。  質問に入ります。  現に再稼働している原発について、その運転停止を求めるなどの対応は知事はとっておられませんが、その考え方についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 本県、滋賀県には、稼働している原子力発電所をとめる権限はございません。本県としては国および原子力事業者に対して、万全の安全対策を講じていただくこと、そのこととともに、地域になお残る懸念に対し、誠意と責任を持って対応されることを常々求めさせていただいているというところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)それでは、容認できる環境にないと、こういうふうに知事が主張を続けることによって、何らかの影響を与えているとお考えでしょうか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 何らかの影響ということは大変広い意味を含んでいるのではないかと思いますが、一定解釈いたしましてお答えをさせていただきますが、国との関係がぎくしゃくしないか、また、経済界の御意見はどうなっているのか、影響を心配する御意見があることは承知しているところでございまして、丁寧な対応も心がけてきたつもりでございます。  その上で、本県が容認できる環境にないと主張を続けておりますのは、先ほど来申し上げておりますように、実効性ある多重防護体制を構築すべきであるということ、原子力の静脈部分が未整備のままであること、また、県民の不安を払拭することが必要であると考えていることからでございます。  このような主張をさせていただく、または続けさせていただいている中で、例えば、実効性ある多重防護体制の構築に向けた一つの動きといたしまして、国主催の府県域を超えた合同の原子力防災訓練でありますとか、避難用バス運転手等に対する研修会などの取り組み、こういったものが一定進んできていると認識しています。  また、昨年9月、懸案でありました高島市と関西電力株式会社が高浜発電所に係る原子力安全協定を締結したことで、本県および高島市、長浜市が、その区域にUPZを含む全ての原子力施設について協定を締結したところでございまして、電力事業者との連携協力体制の強化に一定つながったのではないかと考えているところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)そういう主張をしているから訓練もできていくし協定も結べていっているというようなことで、確かにそれはそれでプラス面に働いているのかなということもお聞きをしておきたいと思います。  ただ、ここで改めて、先ほど企業庁長にお伺いをいたしましたけれども、今回知事が提出された議第42号について整理をしておきたいと思います。  滋賀県企業庁は関西電力からの電力供給を受けております。現在の水道料金は、平成27年6月の値上げにより、最高値となった平成27年末時点での電気料金水準時に計算されたものであります。その後、昨年──平成29年8月から電気料金が値下げをされました。その電気料金値下げは、5月に高浜4号機、6月に高浜3号機が相次いで再稼働したことによるものでございます。これは燃料費調整制度によるものなどの短期的なものでないと見込まれるものであります。したがって、平成28年の水道料金改定時の約束に従い、再計算の結果、水道料金引き下げとなったということであります。  昨年12月15日の、先ほど示しましたが、総務・政策・企業常任委員会での報告で明記されており、知事御自身、電気料金の引き下げに伴いと提案されたところであります。  そこで質問でありますが、再稼働を容認できる環境にないと言いつつ、その事業者から電力供給を受け必然的に原発由来の電気を利用し、さらに今回、原発再稼働による料金値下げの恩恵を受けるわけであります。このことに対する知事のお考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  原発由来の電力は現にあり、私たち県民の生活や産業活動において活用されていること、また、原発再稼働に伴う電気料金の値下げの恩恵を受けていること、これはともに事実でございます。  こうした現実は受け入れながらも、滋賀県、日本の未来を考えれば、国や事業者、関係者はこの現実を一日でも早く変えていく努力が必要だと考え、このような主張をさせていただいているというところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)恩恵は受けようと、こういうことであろうと思います。  同時に、この水道料金値下げというのは、またその恩恵というのを、水道を御利用いただいている県民に等しく還元しようとされているわけであります。知事と同様に、いや知事以上に、厳しい原発に対して反対のお考えを持っておられる方々もおありのようでございます。それらの方々にも等しく原発再稼働による恩恵を知事が分配し享受していただこうとされている、こういうことになろうと思います。  原発再稼働に明確に反対された方、されている方、原発即時停止を訴えておられる方々のこの議案に対する姿勢をちょっと気にしておきます。文句は言うけど恩恵だけは受けておくといった、いいとこ取りのような印象を何となく受けるものであります。  知事、今後は再稼働に関してこのような表現をされたらいかがでしょうか。提案をさせていただきたいと思います。  新規制基準適合性審査等をクリアし、立地自治体が認めた上で国の責任において再稼働したものについては、甘んじて受けざるを得ない。しかし、同時にその恩恵はしっかりと享受する。ただし、実効性ある多重防護体制の構築と、いわゆる原子力の静脈部分の対策等々の整備をしっかりと行い、県民の不安の払拭を図られるよう、その責任主体である国には強く求めていく。何ら知事の今日までの主張と変わらないと思うんですが。このような表現をしていただきますと同じ方向を向いていると思えるのでありますが、今日までの知事の表現は少し違和感が拭い切れないところであります。  従来は原発が立地する自治体を対象とした国の補助金が、本年度から原発の半径30キロ圏内の自治体にも支払われることになりました。原子力発電施設が立地する道県および市町村だけでなく、原子力発電施設を取り巻く環境変化の影響を受ける自治体も補助率10分の10という、エネルギー構造高度化転換理解促進事業費補助金などの適用を受けることができるとも聞き及んでおります。本県はもちろん、長浜市および高島市もその自治体に該当すると思われます。  本県として、また本県知事として主張すべきは主張していく、しかし制度としてとれるものはとっていくというしたたかな姿勢も、これからのリーダーとして求められるのではないでしょうか。お考えをお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  一般論としても、またエネルギー政策に当てはめても、御指摘のとおり、これまでも答弁してきましたが、本県として主張すべきは主張していくべきだし、していこうと思います。  その上で、今もお尋ね、また御提案いただきましたが、県の施策に合致し活用できる制度があれば最大限活用していくこと、これは重要であると考えておりまして、こうしたことも含めて、地域レベルで取り組み可能なエネルギー政策をより一層推進してまいりたいと考えます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)今の原発立地がゆえの補助制度は活用できるものは活用していくと、こういうふうにとらせておいていただきたいと思います。  さて、本県議会は昨年9月定例会議におきまして、北朝鮮による核実験および弾道ミサイル発射に抗議する決議を議決いたしました。その中では、北朝鮮の行為に対し、許されざる暴挙であり、断じて容認できないとしております。  また、今開かれております平昌オリンピック開幕前日に行われた北朝鮮の軍事パレードに対して、小野寺防衛大臣は翌日の朝、「断じて容認できるものではない」と発言をされております。一方、知事は、原発再稼働については一貫して、「容認できる環境にない」と表現されております。微妙に違うわけであります。「断じて容認できない」というのと「容認できる環境にない」、この違いについて、知事のお考えをお聞かせ願います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来お答えいたしておりますが、私が「容認できる環境にない」と申し上げている理由は、実効性ある多重防護体制の構築が道半ばであること、また、原子力の静脈部分が未整備であること、原子力発電所に対する県民の不安が払拭されていないという現状を踏まえたものでございます。  なお、お尋ねいただいた「断じて容認できない」という言い方と「容認できる環境にない」というものの違いにつきましては、これは私の考えでございますが、再稼働に関する権限や手段を持つか持たないかという、そういったことによるものではないかと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、長年にわたり立地を受忍いただいた福井県に対する思いや、また、需要者のニーズに応えようということで御尽力いただいている電力事業者の立場も理解しつつ、また、先ほど来お尋ねありましたように、現にこの電力があり、私たちの県民生活の中でも活用されている、させていただいているというこういう状況、これは受けとめつつも、できるだけ早い時期に原発に依存しない新しいエネルギー社会に向けて転換、また実現していくべきだという考えで申し上げているところでございます。 ◆35番(家森茂樹議員) (登壇)考え方は非常によくわかってきました。あんまり差ないのかなと思いながら、先ほど私のほうから申し上げましたけれども、丁寧にわかりやすく。反対する権限はないんですよ、でも、やっぱり滋賀県の思いはこうなんですよというような、ぜひわかりやすい表現でこれから臨んでいただけると、もっと皆さん理解いただけるんではないかな、そんなことを今思っております。  よくラベリングということが、はやっているのか、よくされるような気がいたしまして、先日からも、ダムだけに頼らない治水、原発に依存しないエネルギー社会、よく言われておるんですが、じゃ、ダムだけに頼る治水を推進しようとしている方っておられるんでしょうかね。ダムだけに頼る治水、原発に依存する社会を続けていこうとされている方っておられるんでしょうかね。  「治水政策は河川改修や維持管理がその基幹的対策である」、こういうふうに知事は述べておられます。もちろんダムもその選択肢の一つであります。しかし、ダムだけで治水政策が済む、こんなことを考えている人は誰もいないと思いますし、そんなことはあり得るわけがございません。つまり、ダムだけに頼る治水、こんなことはあり得ないわけでございます。しかし、ダムを選択肢としようとすると、それがいかにも悪であるかのように、ダムだけに頼らない治水、こういうレッテル張りをされるように使われているんではないでしょうか。  3・11以降、原子力発電所の持つ重大な危険性が広く大きく認識されることになりました。現状の国民感情からすれば、原子力発電所の新規立地はほぼ不可能であると私は考えております。現存原発もいずれは廃炉となります。必然的に将来、日本から原子力発電所はなくなるということであろうと思います。原発に依存する社会を続けることは将来あり得ないことであります。これも、既存の原子力発電所を安全性を確保しながら有効に使っていこうとする意見へのレッテル張りではないでしょうか。  知事が「容認できる環境にない」と発言されることについて、先ほど来、種々お伺いをいたしてまいりました。今述べましたように、いずれ原発に依存しないエネルギー社会へと向かっている方向というのは皆同じであろうと思っております。しかし、理想を最前面に掲げるのか、いや、CO2対策も含めた現実の社会経済情勢との調和を図りつつ脱原発を図っていくのか、この違いなのかなというふうに考えております。理想と現実、この違いというふうには申しませんけれども、前へ進むに当たっての時間軸に知事と我々との間に少し相違があるのかなと、そんな気がいたしております。  いずれにいたしましても、エネルギー政策についてはまず国において決められることであり、その中で県として主張すべきことは主張していく、この姿勢で今後御対応いただくことを改めて申し添えまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、35番家森茂樹議員の質問を終了いたします。  次に、21番有村國俊議員の発言を許します。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇、拍手)ことしは明治維新から150年です。150年前というとずっと昔のことと思いがちですが、75歳の方2人分と考えれば、それほど遠い出来事の話ではないのかもしれません。  ことしのNHK大河ドラマは、御承知のとおり「西郷どん」、ちょうど明治維新前後の出来事をドラマ化しています。もともと、私は薩摩、現在は鹿児島県の出身ですが、さかのぼること4代前の有村俊斎が西郷隆盛、大久保利通の幼なじみとして1年間登場いたしますので、キャストが私に似ているとよく多くの方に言われておりますので、ごらんいただければ幸いです。よろしくお願いします。  今回は滋賀の観光政策について後ほど質問いたしますが、私は、歴史のロマンや文化が観光の素地をつくっていると再認識する出来事がありましたので、御紹介したいと思います。  今月上旬、京都市左京区宝ヶ池にある国立京都国際会館で所用を済ませてから、京都市北区紫野にある今宮神社へ向かいました。皆さん御承知だと思います。今宮神社の参道にあるあぶり餅屋「一文字和輔」の創業は長保2年──西暦1000年、平安時代から続く、日本最古の和菓子を昔と変わらぬ製法でつくり続けている老舗だそうです。金剛組同様、日本に7社ある創業1,000年を超える会社の一つで、2018年現在では飲食店としては日本最古の老舗だそうです。  あぶり餅は、きな粉をまぶして竹串に刺した親指大の餅を炭火であぶり、白みそで仕立てたタレをつけた素朴な風味の一品。モチ米の炊き方、竹串のつくり方、あぶり方等々、1,000年の歴史で守り続けてきた、またこれも守り続けていく方法だそうです。  今宮神社の東門を出た石畳の参道、北側に「一文字和輔」、右南側に「かざりや」が向かい合って建ち、2店舗ともあぶり餅のみを販売。餅の香ばしい香りを付近に漂わせています。  平安時代、一条天皇が国内ではやり病を静めようと今宮神社を建立したのと同時に、ここで提供されるあぶり餅は、無病息災を願う縁起物の和菓子として知られてきました。戦や飢饉があるたびに人々に奉仕を続けてきたそうで、応仁の乱の際は人々に餅を振る舞ったといういわれがあり、驚きと同時に歴史のロマンを感じました。  神社参道に行き交う人々に炭火で餅をあぶりながら「お越しやす」と声をかける様は、いかにも風情があり、京都らしさを実感でき、京都を旅しているという気分を最高に盛り上げてくれました。1,000年前からそうであったかのようにあぶり餅を売る様子は、まるで時代劇、祇園や先斗町などのにぎやかな町並みとは一味違った、とても落ちつきのある、京都らしい雰囲気を存分に味わうことができました。  お店には参道に面した縁側席と座敷席があります。夏や冬は座敷席で、気候のよい春や秋には縁側席がお勧めかなと思います。提供していただくのはあぶり餅のみ。メニューはあってないかのごとく、机の上にメニューらしき紙が、「お召し上がり、1人前13本入り500円」とだけ書かれています。切りのよさそうな10本ではなく13本なのは、2で割り切れない数、奇数が日本では縁起がよいとされていることから、餅の本数一つとっても日本らしさが息づいています。  「一文字和輔」と「かざりや」は、どちらのお店がおいしいのでしょうか。結論、どちらもおいしいそうです。このあぶり餅、食べたくなってきた方も多いのではないでしょうか。翻って、滋賀においても、多賀大社前の糸切り餅、日牟禮八幡宮前のバウムクーヘンなどなども負けてはいません。  それでは、徐々に本題に移っていきたいと思います。  本県では平成26年に滋賀県「観光交流」振興指針を策定し、本県の観光行政の理念や目指すべき方向性を示しました。また、毎年度、滋賀県「観光交流」振興指針アクションプランを策定し、指針で定めた目標に向かって県が具体的に取り組む内容をまとめています。現在は平成29年度のアクションプランにより、市町、観光関係団体等と連携を図りながら取り組みを推進しています。  一方、大きな課題としては、琵琶湖を初めとする自然や歴史、文化、その豊かな環境で育まれたいいもの、全国一のものがたくさんあるにもかかわらず、国外はもとより、国内にも十分浸透していないことなのかもしれません。  それゆえに、平成30年度の大型観光キャンペーン開催の機運を計画的に盛り上げていくとともに、旅行者の受け入れ体制を早急に整えること、ビワイチを安心、安全で誰もが楽しめるコンテンツとして確立するために、より計画的、体系的なビワイチの推進を行うこと、東京2020オリンピック・パラリンピックを控え、本県にも外国人観光客を呼び込み、宿泊だけでなく県内を周遊してもらうこと、観光物件、自然、食、芸術、芸能、風習など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協働して観光地域づくりを行う法人を中心としたマーケティングに基づく観光振興の仕組みづくりが今求められています。  常々知事がおっしゃる課題は可能性、私も共感し、常に心がけていることであります。今年度は特に、昨年10月に東京の日本橋にオープンした「ここ滋賀」で、ターゲットを意識した戦略的な情報発信の実施、官民協働による総合的な推進計画の策定などを重点的に推進し、これらを着実に遂行し、観光による市町の交流人口の増加、観光を通じた市町の経済活性化につなげ、あわせて、県内の観光の点を広く面として楽しく県内をめぐりながら、私もアイデアを浮かばせ、観光立県の滋賀を強力に発信していきたいと考えています。  念のため御紹介いたしますが、平成27年度の観光入り込み客は延べ4,794万人、宿泊客は383万人、外国人観光入り込み客は延べ48万人、外国人宿泊客は36万人、観光消費額は約1,638億円でありました。  もう少しすると暖かくなります。あと1カ月少々すれば、湖国近江、滋賀の観光をスタートにという思いで桜が満開になるというふうに期待をしております。そんな思いから、本日は滋賀の観光政策について質問をいたします。  1つ目に、観光政策の目的は何だと思われますか。知事にお伺いいたします。 ○議長(奥村芳正) 21番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  観光政策の目的ということでお尋ねをいただきました。まずは、来訪された方々に本県の魅力をお伝えし、周遊や滞在を楽しみ消費していただくことにより、県内の観光消費が活性化することであると考えております。  加えまして、来訪者との交流を通じて、地域の方々がその地域の魅力を再発見し、誇りと地元への愛着を新たにすることを通じて地域の活力を引き出すことも大きな目的であると考えておりまして、滋賀県「観光交流」振興指針におきましても、基本方針を「観光交流を通じて、活力ある地域社会の実現を目指す」としているところでございます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)それでは、観光政策の中で、国、市、町と比べて、県の役割は何であると思われますか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  国の役割としましては、国家規模での規制や制度の見直し、基盤整備や海外への訪日プロモーション等によって、観光産業の国際競争力強化のための施策を実施することだと考えております。  また、市町の役割としては、自主的、主体的に観光関連団体、観光事業者、地域の方々などとの連携を図りながら観光資源を磨き上げるなど、地域の特性を生かした観光施策を推進することだと考えております。  それに対して県の役割は、市町が主体的に実施する施策が効果的に進められるよう調整や支援を行うとともに、各市町の取り組みを広域的に発信することによりまして、本県への誘客と県内各地への周遊や滞在を促進することであると考えております。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)滋賀の観光の魅力をどのように捉えておられますか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  滋賀県の観光の魅力は、いずれも日本最大の湖である琵琶湖と、そこにつながる水に根差したものでありますが、大きく4つあると考えております。  1つ目は自然で、琵琶湖とその周囲に広がる田園や里山、それらを取り巻く山々などの自然と四季折々の美しい景色などがあります。  2つ目が歴史で、彦根城、安土城を初め、主に戦国時代を中心に歴史の舞台となり、重要文化財の指定数は全国でもトップクラスであります。  3つ目が文化で、近江八幡の水郷、高島市針江のかばたなど、水をめぐる生活文化、祈りの文化です。  4つ目が食で、近江牛、湖魚、近江の地酒など、滋賀ならではの食と食文化であります。  これらが密接に関連し合うことで、滋賀ならではの魅力が生み出されていると考えております。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)それでは、日本一の琵琶湖を含めて、観光資源を十分生かせていますか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  滋賀県の観光の魅力として、日本最大の湖である琵琶湖と、そこにつながる水に根差した自然、歴史、文化、食の4点を申し上げましたが、その中には実にさまざまな資源がございます。まだまだその磨き上げが十分とは言えませんが、最近では、自然であればビワイチやトレイルの推進、歴史、文化であれば日本遺産を活用した水の文化ぐるっと博の展開、食であれば、健康の観点からも注目される湖魚の食文化を生かした誘客、酒蔵ツーリズムの推進などに新たに取り組んでおりまして、本県の強みを生かした誘客に努めているところであります。  今後もこれらの滋賀県の観光の強みを生かしながら、琵琶湖と水に触れ合う旅を提案し発信していくことを中軸に据えまして、観光振興に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)それでは、滋賀は京都の隣県という地理的優位性を生かせているかどうか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  京都の隣県ということに加えまして、中部圏、関西圏の結節点に当たりまして、これらの地域、さらには東京からの交通アクセスが優れている点が本県の地理的優位性であると考えております。  加えて、京都からも近く、それでいて京都にはない琵琶湖を初めとした豊かな自然、その豊かな自然の中で育まれた食や暮らしの文化などに恵まれておりまして、そのような京都との違いを大切にしながら取り組んでまいりたいと存じます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)先ほどおっしゃった食は観光の大きな要素でもあると思います。滋賀に人を呼べる食材を上手にアピールしていますか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  食は議員おっしゃるとおり重要な観光資源でありまして、本県には、日本最古のブランドである近江牛や代表的な郷土食であるふなずしなど、全国的に見ても来訪のきっかけとなり得る魅力的な食を有しているものと認識しております。  一方、琵琶湖の恵みである湖魚を初め、環境にこだわったおいしい近江米、伝統野菜、地酒などは全国的にはまだまだ知られるに至っておりませんが、これらも本県への来訪をきっかけに新たに発見していただくことで旅の醍醐味となり得ることから、重要な要素であると認識しております。  このような観点から、来年度の観光キャンペーンでは、農政水産部が行う農業生産者団体等と宿泊施設、飲食店などが連携して行う「食のおもてなし」企画と連動させ、他の観光資源と組み合わせた特別企画を展開し、本県の魅力を一体的にお伝えしたいと考えております。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)県内では毎年、多くの映画やドラマが撮影されています。NHK大河もあります。その実績はうまく活用できていますか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  平成28年度におきまして撮影支援実績111本と多くの作品が滋賀県内で撮影されており、きめ細かな支援を通じて製作関係者の信頼関係を構築する中で、話題を呼ぶ作品や本県が舞台となる作品も手がけられているところであります。そうした作品の公開に当たりまして、配給会社とタイアップしてプロモーションに取り組んでおります。  特に、昨年8月に公開されました「関ヶ原」や、この3月に公開予定の本県が舞台である映画「曇天に笑う」において、イベントの開催やロケ地マップ、映像を活用した情報発信を行い、ロケ地や本県のイメージアップを図り、本県の観光振興に結びつけているところであります。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)世界の観光客の動向や国の政策など、観光のトレンドをどのように見ていますか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  観光庁の観光白書によりますと、世界全体の国際観光客到着数は、平成21年はリーマンショックの影響で減少しましたが、それ以降は7年連続で増加しており、平成28年は対前年比3.9%の増となっております。
     また、平成22年から平成32年までの全世界の観光客の年平均伸び率は3.8%の増、平成32年から平成42年までの伸び率は2.9%の増と予測されておりまして、世界的に観光客数は今後も順調に伸びるものと見られております。  訪日外国人旅行者数についても、JNTO──日本政府観光局によりますと、平成29年の年間推計値で前年比19.3%増の2,869万1,000人となりまして、統計を取り始めた昭和39年以降最多となったところであります。  こうした流れを受けまして、国においては、平成28年3月に明日の日本を支える観光ビジョンを策定し、2020年に訪日外国人旅行者数4,000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円、2030年には、それぞれ6,000万人、15兆円という高い目標を掲げ、訪日プロモーション等に取り組んでいるところであります。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)それでは、本県のインバウンドはどのような状況ですか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  先ほど、国の状況を話しましたけれども、平成28年滋賀県観光入込客統計調査におきまして、外国人延べ観光入り込み客数は過去最高の54万9,000人を記録いたしました。一方、国の宿泊旅行統計調査における平成29年1月から11月の本県の外国人延べ宿泊者数は、前年同期比で約23.2%減の約34万7,000人となり、平成25年以来続いておりました急速な伸びは一旦落ちついたものの、高い水準で推移していると認識しております。  外国人延べ宿泊者数構成比を国・地域別に見ますと、台湾、中国、韓国の順に多く、中国の減少が目立つ一方で、台湾、韓国は引き続き堅調に推移しております。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)それでは、これまでの点を踏まえ、県としてどのような戦略を持って臨んでいますか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  県では、滋賀県「観光交流」振興指針に基づき、認知の壁、来訪の壁、再訪の壁を破ることを目標に観光政策に取り組んでおります。そして、これら3つの壁を破るため、市町等とともに、滋賀の強みである自然、歴史、文化、食を生かした観光資源の発信や魅力の磨き上げ、地域での受け入れ環境の整備を進めてまいりました。  特に日本遺産につきましては、平成27年の認定を機に、地域の皆様とともに、日本遺産を生かした地域づくりとコミュニティーツーリズムの展開に取り組んでまいりました。  また、急増している訪日外国人を呼び込むため、本県への来訪者が多い東アジアに加えまして、近年訪日客が急増している東南アジアへのプロモーションに取り組んでおります。  さらに新たな展開として、本県の豊かな自然や歴史資産を好む方が多い欧州などにも視野を広げて、滋賀の認知度向上を図っているところであります。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)その戦略は、現在展開している水の文化ぐるっと博にどのように反映されていますか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  日本遺産「琵琶湖とその水辺景観─祈りと暮らしの水遺産」で認定されました「水と暮らしの文化」、「水と祈りの文化」、「水と食の文化」のストーリーは県民が琵琶湖とともに育んできたものであり、他府県にはない滋賀ならではのストーリーであるとともに、海外の方の関心も呼ぶものと認識しております。  このことから、これまで各市町と連携して29件の構成文化財を観光資源として磨き上げ、これらを核としたまち歩きや体験といった地域観光プログラムを123件造成してきたところであり、その集大成として、今回の水の文化ぐるっと博を展開しているところであります。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)市町との連携はどのようなものでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  さきにお答えしたとおり、市町の役割は観光資源の磨き上げを初め、地域の特性を生かした観光施策を推進することであり、県は、市町をまたいでこれらをつなげる周遊企画や広域的な情報発信を行っていくことでありますが、こうした取り組みは県と市町の密接な連携なくしては成り立たないものと認識しております。  特に、来年度の観光キャンペーンにおきましては、市町全体では県を上回る事業規模で220件を超える地域観光プログラムを造成されるなど、御尽力いただいております。県としても担うべき役割を果たしながら、それぞれの取り組みが一体的なものとして実を結び魅力的なものになるよう、引き続きしっかりと連携してまいりたいと存じます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)体験型観光としてビワイチは有力なコンテンツです。観光政策でどのように位置づけていますか。商工観光労働部長にお伺いします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  ビワイチやマラソン、トレイル、カヤックを初めとした体験型観光は滋賀の特色と強みを生かした観光であり、先ほど申し上げた3つの壁のうち、来訪の壁を破るための取り組みとして特に力を入れるべき分野であると考えております。  特に、ビワイチは琵琶湖周辺をめぐるだけでなく、ビワイチ・プラスの推進により内陸部への誘客が可能であり、周遊の促進や観光消費の増加、さらには健康増進など、さまざまな波及効果が期待できる最も有力なコンテンツであると認識しております。引き続き、魅力あるプラスルートの設定とその情報発信など、県内各地への誘客強化に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)きょうは観光について質問している中で、以前、奥村議長がこの議場で、ついでに滋賀という言葉をおっしゃいました。なるほどなと、それは尊重しますし、なるほどというふうに思います。それ以来、私もずっと考えてたんですけれども、先ほどの冒頭からいろんな御紹介もしてまいりましたが、やっぱり私は、ついでに京都を主張したいというふうに考えております。このことについて、どのように感じますか。知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 何とお答えしていいかわからないところがあるんですが、ただ、るるお尋ねいただき、御紹介いただきましたように、京都の隣にありながら、また、こんなに近い隣、これはあんまり知られてないんですけど、こんなに近い隣にありながら、京都にはない琵琶湖を初めとした豊かな自然、その自然の中で育まれてきた食や暮らしの文化、こういったものに恵まれています。ある意味では京都の源流でもあり、京都より奥深く、京都よりもある意味では親しみやすい。こういう京都にないものをしっかりと磨き発信していくことが何より重要であると考えています。そして、そのことを通じまして、京都とは違う魅力を持つ滋賀を旅の目的地に選んでいただけるように取り組んでまいりたいと存じます。  その結果として、ついでに京都、こういった旅が実現するならすばらしいことであると思いますし、京都と滋賀のそれぞれの特性が生かされることで相乗効果が発揮できる、このことが理想ではないかと考えているところでございます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)滋賀県知事は全てにおいて滋賀県が日本で一番の優位性が保たれる県にする責務がある、と私は思っております。知事が「ついでに京都」とふだんから言ってもらえる日が来るまで、私は言い続けたいというふうに思っております。ありがとうございます。  それでは、最後の質問にしたいのですが、今後、観光政策をどのような戦略を持って進めていかれますか。知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 先ほど来、商工観光労働部長が答弁しておりましたが、滋賀県「観光交流」振興指針、こちらは現在、平成31年度を始期といたします新たな指針の検討を始めているところでございまして、今後の観光政策の戦略についても議論を深めてまいりたいと考えています。きょうやりとりさせていただいたようなことも、ぜひしっかりと踏まえたいと思います。  その戦略の検討に当たりましては、先ほど部長から本県の4つの観光の魅力、こういったものを紹介しましたが、こういうものを活用しながら、ほかにはない滋賀ならではのものを発信していくことが重要でございまして、その視点は3つあるのではないかと考えています。  1つは琵琶湖の活用でございまして、本県の最大の観光資源である琵琶湖と、そこにつながる水というものをキーワードにしながら、ビワイチ、日本遺産、湖魚、酒蔵などをしっかりと活用してまいりたいと思います。  2つ目は、おかげさまで健康しがという、このことで本県の長寿の印象ができた、またできつつあるというこの機会を生かしまして、滋賀の食、暮らしを健康のイメージと結びつけながら、本県の暮らしをそのまま体験していただく滞在型観光などを推進していきたい。  3つ目は、スポーツを生かした観光でございまして、今、まさに平昌オリンピック応援しておりますが、来年にはラグビーのワールドカップ、2020年には東京オリ・パラ、その翌年にはワールドマスターズゲームズ2021関西大会、そして2024年の国体、全国障害者スポーツ大会、この年は東京オリ・パラに次ぐパリオリ・パラも予定されています。こうした大規模なスポーツイベントが続く中、本県の特色と強みを生かしたスポーツツーリズムにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。  こうした視点も次期指針に取り入れながら、来訪者の多様性に配慮して、ここが大事だと思うんですけども、来訪者の多様性に配慮して、誰もが気軽に訪れていただけるような滋賀というものを目指してまいりたいと存じます。 ◆21番(有村國俊議員) (登壇)質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、21番有村國俊議員の質問を終了いたします。  次に、27番高木健三議員の発言を許します。 ◆27番(高木健三議員) (登壇、拍手)自民党議員団の高木でございます。議長のお許しをいただきましたので、ただいまから、希望が丘文化公園の今後についての質問をさせていただきます。  三日月知事は、ことしの年頭所感において、人の健康、自然の健康、県庁の健康の3つの健康を掲げられたところであり、また、2018年度の当初予算案では健康しがを全面に打ち出されました。長年にわたり県民の体の健康づくり、心の健康づくりに貢献してきた県の施設の一つに希望が丘文化公園があります。同時に、今後、健康しがの実現に向けて、希望が丘文化公園が果たす役割というのは大変期待を寄せるところであります。  さて、希望が丘文化公園は、琵琶湖東南部に位置する丘陵地で、行政区間は2市1町にまたがり、東側の名神高速自動車道と西側の国道8号線に挟まれた東西約4キロ、南北約1キロの区域であります。湖東平野にそびえる霊峰三上山の山麓と、それに連なる丘陵地416ヘクタールに及ぶ広大な自然緑地であり、当公園へのアプローチは、名神竜王インターチェンジ、国道8号線および国道1号線等から可能で、幹線交通網に恵まれた地であります。  この地域の中央部は東西方向に緩やかな谷が走り、区域内にある分水嶺から、西へ家棟川、東へ荒川と2本の川が流れています。谷を挟んだ丘陵は風化しやすい花崗岩からなり、土砂流出によってできた大砂原と丘陵部のアカマツ林が調和した独特な風致と景観を示しています。  希望が丘文化公園は年間80万人以上の方が来園し、そのうち野外活動センター、テニスコートや陸上競技場などの施設は利用者も20万人を超えていると聞いております。  全国的な高度経済成長期にあった昭和40年代前半に希望ケ丘文化公園の設立が計画され、その性格として、都市地域の文化センター、大都市近郊の大規模レクリエーションセンター、自然と調和のとれた自然公園、全階層の人々が気楽に利用できる憩いの場、特に青少年の健全な育成を図るための施設、文化的イメージアップにつながるセンターと位置づけられました。  生産力と雇用の増大、消費意欲、生活水準の向上といった社会情勢の中で計画された当時の希望が丘文化公園の使命は、自然や憩い、文化活動や体育活動の場を提供すること、人々の余暇活動を豊かにすることであったと言われております。  青年の城やフィールドアスレチック施設を開設し、年間約100万人の余暇活動の場としてその使命を果たしてきました。その後40年間の間に、経済社会が成熟するとともに人口減少や少子高齢化の社会構造の多様化が進み、人と人、人と場とのかかわりが希薄になりつつあります。  一方、希望が丘文化公園の利用を通じて滋賀県基本構想に掲げる「新しい豊かさ」を実感し、また、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略の基本的な方向である自然と人、人と人とのつながり、生活のゆとりを取り戻すことができるように取り組んでいく必要があります。  こうしたことから、県民が希望が丘文化公園において交流、自然観察、スポーツなどさまざまな体験を通じて、人と自然のかかわりの深さ、人と人とのきずなや自然を大切にする心の豊かさを育むことを目指すこととし、人と人、人と自然のかかわりを深め、心の豊かさを育む公園を希望が丘文化公園の基本理念とされています。  日増しに、平成32年の東京オリンピック・パラリンピックの競技大会や平成36年の本県での国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、スポーツ・健康づくりの機運が高まってきております。この背景を踏まえて、平成27年12月に希望が丘文化公園将来ビジョンが策定され、さらに平成29年に基本計画案を作成され、現在、県民に対して意見を照会され、今年度末に基本計画案を策定されようとしておられます。  このことから、現在、公園が抱えるさまざまな課題を将来どのように具体的に解決していくかが大変重要であると考えますので、幾つかの課題に関し、知事ならびに県民生活部長の見解をお聞きします。  まず1点目といたしまして、希望が丘文化公園の来園者数は昭和52年度の120万人をピークに、近年は85万人前後で横ばい傾向であります。公園が持つ自然の価値、施設の機能、イベントや体験プログラムは県民に十分浸透しているとは言えないのではないか。人口増加の県であっても平成26年に減少に転じ、公園の魅力的な見せ方、メニューとしてのビジョン、展望をどのように考えているのか、知事の見解をお聞きします。  2点目、子供・若者世代が減少しており、本県においても超高齢化社会が間もなく到来すると予測され、世代構造の変化に対応して、場づくりについて知事はどのように考えておられるのか、見解をお聞きします。  3点目といたしまして、開園以来45年が経過し、園内の各施設設備は老朽化が顕著であります。5年間の改善計画の工程表がありますが、スポーツ施設についてはテニスコートや陸上競技場等の各施設の計画が示されており、総額で19億円が想定されておりますが、具体的な各施設の財源の裏づけ、予算等、また目玉は何かさっぱりわからないし、いろいろ幅広く、どれだけ利用していただくための国体にどのようにして間に合わせるのか、不明瞭でよくわかりません。  また、私は個人的な意見としては、国体のメーン会場として選定されるものと思っていたんですけども、非常に残念な思いであります。現在、国体のメーン会場としては200億円、また新県立体育館で90億円と言われ、総額500億円以上の投資に比べまして、余りにもあれだけのスポーツ施設がある中での19億円は低過ぎるんじゃないかと思っております。知事の見解をお聞きします。  4点目といたしまして、青年の城や野外活動施設について、ことし1月に現地を見てまいりました。青年の城の11階建ての塔はもうなくなっておりますけども、現在、エントランスホールのガラスの天井から数カ所雨漏りがしておりまして、バケツで受けておられ大変見苦しい状況となっておりました。2024年の国体開催を踏まえ、全国から多数の選手が来られ宿泊施設の不足が心配される中、宿泊施設としては、材料等々、本当に環境上の問題も感じているところであります。余りにも暗いという思いを持っております。  施設の充実を図るために必要な施設整備を、この5年間の間に活性化に向けた検討を具体的にどのようにされるのか。また、予算をどのように見込んでおられるのか。私は大幅な予算が必要であると思っております。県民生活部長に見解をお聞きします。  そうすることによりまして、希望が丘文化公園の利用客専用ではなく、周辺施設であるアウトレットや周辺市町等の観光客を広く受け入れる宿泊施設にすれば、費用対効果も高まりまして、公園の新しい利用客にもつながり相乗効果も期待できると思いますが、知事の見解をお聞きします。  5点目といたしまして、名神竜王インターチェンジの利便性を生かし、東口への進入路の拡幅等アクセスをよくする必要が大であると思っています。知事の見解もお聞きします。  また、野洲竜王間の最短距離であります園内道路を一般道路化はしない中で有効活用するためにも、今、災害時のヘリコプター集結基地に指定されておりまして広域陸上輸送拠点となっておりますけども、その通行経路上、私も見てまいりましたが、荒川の橋、希望の橋と言われるんですけども、通行を余儀なくされる中で、荷重制限がございまして大型車両が通行できませんので、その懸案事項について、県民生活部長の見解をお聞きします。  最後ですけども、健康な森林づくりのための伐採、最近は特に枯れ松やナラ枯れの対策や、また、昨年、イノシシが55頭捕獲されたと聞いておりますけども、芝生剥離被害の対策や公園の保全に要する手入れについてはどのように考えておられるのか、県民生活部長に見解をお聞きし、質問を終わります。 ○議長(奥村芳正) 27番高木健三議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)希望が丘文化公園の今後につきまして8点御質問いただいたうち、私には5問いただきました。  まず1点目、公園の魅力的な見せ方、体験プログラムのメニューについてでございますが、希望が丘文化公園におきましては、交流、憩い、スポーツ・健康づくり、自然体験など、年間50以上の主催事業を実施しており、昨年度は約10万人の方々に御参加いただいたところです。  今後は、希望が丘ならではの自然などを生かしながら、より多くの方に参加いただけるよう取り組んでいきたいと考えておりまして、大学やスポーツ団体、野外活動団体などにも御協力いただきながら、教育効果の高いプログラムや広大な公園を一体的に活用した魅力的なプログラムの開発、周辺施設とも連携したイベントの実施などを進めていきたいと存じます。  さらに、公園の魅力をわかりやすくPRしていけるよう、新たな公園名称の検討や、市町、民間企業等とも連携した戦略的な広報を展開してまいりたいと存じます。  2点目、世代構造の変化への対応についてでございますが、現在、希望が丘文化公園は子供から高齢者まで幅広い年齢層の方に御利用いただいており、高齢者につきましては、昭和63年に全国で4番目、近畿で初めて公認されたグラウンドゴルフコースや、中央道を活用したウオーキングなどの御利用が多いと認識しています。  議員御指摘のとおり、人口構造が変化する中、今後はより一層、県民の誰もがスポーツ活動に参加し、健康寿命の延伸に取り組める環境づくりが重要であると考えておりまして、希望が丘文化公園を多世代でのスポーツ・健康づくりに取り組める場として位置づけていきたいと考えています。  このため、今後は、ふだんスポーツを余り行っていない方も含め、子供、高齢者、障害者、女性など、誰もが気軽にスポーツレクリエーションに親しみ、楽しみながら健康づくりに取り組める事業を積極的に展開するとともに、ユニバーサルデザインの観点から、老朽化した施設の点検改修を進め、誰もが安心してスポーツ・健康づくりに取り組める場づくりを進めていきたいと考えています。  3点目、施設改修についてでございます。  開園後45年が経過いたしまして、老朽化した施設の改修は大きな課題であると認識しており、計画的に取り組むことが重要であると考えます。  来年度からの5年間の基本計画期間中には、本公園ならではの特色ある取り組みを進めるために重要なスポーツ施設を優先的に改修するとともに、青年の城および野外活動施設について、利用者をふやすための民間活力の活用の可能性など、活性化に向けた方策を検討する予定でございます。  特に、現在もサッカーやラグビー、陸上競技などの各種大会に利用されております陸上競技場、球技場、芝生ランドと、スポーツ大会の開催や大会本部の設置、選手・来園者のおもてなしのスペースなどとして利用されているスポーツ会館について、多世代でのスポーツ・健康づくり推進の拠点とするため、平成34年度までに大規模な改修が必要であると考えておりまして、概算事業費として総額で約19億円を想定しています。  この中で芝生、グラウンド、観客席等を整備するとともに、施設のバリアフリー化やアメニティー機能の向上などを図りたいと考えておりまして、限られた財源を有効に活用し、必要な整備を進めてまいりたいと存じます。  4点目、青年の城の宿泊施設としての活用についてでございますが、青年の城は、年間約550万台が利用する名神竜王インターチェンジから近く、また、平成22年には近隣に大型商業施設が開設されるなど周辺環境が変化しており、これまでの社会教育施設としての利用者に加えまして、新たな利用者層を開拓することが重要な視点であると考えます。  新たな利用者層を開拓するためには、これまでとは違う形で施設の魅力を向上させることが大切でありますことから、施設の規模、機能や管理運営のあり方を含め、幅広く検討する必要があると考えています。このため、来年度以降、民間活力の活用の可能性を含めて、活性化に向けた方策の検討を進めてまいる予定でございます。  5点目、名神竜王インターチェンジからのアクセスの改善についてでございます。  名神竜王インターチェンジから近い立地条件は、希望が丘文化公園の特徴の一つでございます。東口への進入路につきましては、曲がり角が曲がりにくい、アクセスがわかりづらいなどの御意見をいただいており、看板の点検、増設等の対応策を講じ、利便性の向上に努めてまいりたいと存じます。  さらに、公園東側の文化ゾーン、野外活動ゾーンの活性化に向けて検討を進める中で、活性化にふさわしいアクセスのあり方についても、民間の方々からの御意見等も伺いながら検討してまいりたいと存じます。 ◎県民生活部長(福永忠克) (登壇)希望が丘文化公園の今後についての私への3点の御質問にお答えをさせていただきます。  まず、1点目の宿泊施設の充実、活性化に向けた検討についてでございます。  希望が丘文化公園の青年の城は、建設後45年が経過いたしまして、エントランスホールの雨漏りなど老朽化の課題があることは十分認識をいたしております。  また、バリアフリー等の利用上の課題、少人数の利用等、新たなニーズへの対応についても検討の必要があると考えておるところでございます。  同時に、先ほど知事から御答弁申し上げたとおり、青年の城につきましては、その規模や機能、管理運営のあり方について幅広く検討する必要があると考えておりますことから、来年度、新たに有識者による懇話会を設置いたしまして、その御意見もお聞きしながら、民間活力の活用の可能性も含めて検討を進めてまいりたいと考えております。  なお、施設改修に係る費用につきましては、その検討の中で見込みを立ててまいりたいと考えておるところでございます。  次に、2点目の希望の橋の荷重制限についてでございます。  議員御指摘のとおり、大型バスやトラックなど大型車両が荒川にかかる希望の橋を通行できないことは課題として認識をいたしております。大型車両の通行を可能にするための橋梁のかけかえにつきましては、多額の費用が必要となると想定されますことから、直ちに実施することは困難であると考えているところでございます。  当面は利用者の皆様方の利便性を高めるため、マイクロバスの手配あるいは活用など順次必要な対応策を講じつつ、引き続き、希望が丘の広大な公園の一体的な利用を促進するための方策について検討をしてまいりたいと考えております。  次に、3点目の公園の保全に要する手入れについてでございます。  希望が丘文化公園は敷地の75%が森林でございます。この森林を健全な姿で維持するとともに、来園者の方々に安全に利用していただける公園を管理することは大変重要であると考えております。このため、年間を通じまして伐採等の整備活動を行ったり、毎年、猟友会にも御協力いただきながらイノシシの捕獲対策を実施するなど、計画的な保全活動に取り組んでいるところでございます。  今後とも、公園職員の巡回、また、猟友会等の関係団体との連携によりまして、利用者の皆様の安全確保と快適な利用を図るため、適切な維持管理に努めてまいる所存でございます。 ◆27番(高木健三議員) (登壇)2点ほど再問させていただきたいと思っています。  今、部長がお答えいただきました荷重制限につきましては、あくまでマイクロバスということじゃなくて、輸送上の防災上のための大型車両の通行が必要なんです、防災上ですね。その辺については、マイクロというのじゃなくて、何か対策で、迂回するとか、何か違う手をせんことには、せっかくの防災上の拠点が潰れてしまうんじゃないかなと思っています。  その辺どうかということと、それから、希望が丘の施設は、あれだけの施設は他県にはなかなかない中で、やはり今、希望が丘の青年の城につきましては、私も見てまいりましたですけども、宿泊施設につきましては本当に暗い状態で、昔、40年前の会社の寮に入ったとき10畳で10人入ったというような感じで、何か押し込めるようなとこになっていまして、やっぱりその辺、大きな塔で、もっと見晴らしのよい、本当にすばらしい見晴らしの中で宿泊施設を考えていかないと、なかなか利用客も少ないんじゃないかなと思っていますけども、そういう面では大幅な改造が必要と思いますけども、再度、知事の見解をお聞きしたいと思っています。まず知事のほうから1つお願いして、あと、部長にお願いしたいと思います。よろしく。 ◎知事(三日月大造) 青年の城の改修について、先ほども部長から答弁したように、大規模な宿泊施設ですので、改修に要する経費が多額に上ります。直ちに実施することは困難であると考えています。施設の規模、機能や管理運営のあり方について、さまざまな可能性はありますので、民間のお知恵もいただきながら、改修に係る検討を深めてまいりたいと存じます。 ◎県民生活部長(福永忠克) お答えいたします。  希望が丘文化公園につきましては広域防災拠点という形で位置づけられておりまして、またヘリポートの基地にも位置づけられております。主に希望が丘文化公園の西側のゾーンがその拠点施設になってございます。  今後、防災拠点としてどのように利活用されていくのか。そのルートとか、その辺につきまして、また防災危機管理局ともいろいろと調整しながら、そのルートのあり方につきましては、一つの検討項目であると考えておるところでございます。 ◆27番(高木健三議員) (登壇)終わります。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、27番高木健三議員の質問を終了いたします。
     次に、4番佐藤健司議員の発言を許します。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして、治水政策に関して、知事に一問一答でお尋ねをいたします。  昨年12月の県議会定例会議で、大戸川流域は過去から幾度となく水害に見舞われ、長年にわたって苦難を強いられている、流域住民を初め、県内の市町からも大戸川ダムの建設を求める声が上がっており、大戸川ダム本体工事の一日も早い着工を国や下流府県に働きかけることは知事に課せられた責務である、よって、県当局においては、滋賀県民の生命と財産を守る県益を最優先する河川政策の推進に取り組むとともに、4府県知事合意の撤回に向けた措置を講ずるよう強く求めるとする決議が、賛成多数で可決されました。  また、先月31日には、地元の大戸川ダム対策協議会、大鳥居地域開発協議会、牧町地域開発対策委員会から、大戸川ダムは、流域住民の生命、財産を守る機能のみならず、琵琶湖周辺の防災、瀬田川下流の京都、大阪の安全を高めるために計画されたものと認識しているとした上で、大戸川ダムを河川整備計画に位置づける必要はないとした4府県知事合意を見直し、一日も早く大戸川ダム本体工事の早期着工ができるよう関係府県に働きかけることを求める要望書が、直接知事に手渡されています。  先日の我が会派の代表質問に対して、知事は、「4府県知事合意後10年が経過しようとしている。その間、淀川水系の河川整備が進み、平成25年の台風18号、去年の台風21号に象徴されるように、近年の雨の降り方や災害の発生頻度は変化している。瀬田川洗堰においても2度の全閉操作が行われた。今回の災害も教訓としながら、地域の声にも耳を傾け、4府県知事合意についても必要な見直しができるよう努めてまいりたい」と答弁されました。  4府県知事合意の見直しを表明されたことは一定評価しますが、地域の声にも耳を傾けと述べた思いを含めて、知事がかわるたびに方針が変わり、政治に翻弄されてきた流域住民の思いをどのように受けとめているのか、改めてお伺いをいたします。 ○議長(奥村芳正) 4番佐藤健司議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  大戸川でのダム建設事業計画、この計画をまさに苦渋の決断で受け入れていただいて、住みなれた土地を手放すという大きな犠牲を払っていただいた皆様方、また、出水のたびに御心配をいただいている沿川の皆様方、このような流域の地元の皆様方には、これまでさまざまな意味で大変な御心労をおかけしているものと深く受けとめているところでございます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)思ったより短い答弁でした。  一方、これまで何度も提案してまいりました大戸川流域への訪問や地元住民との懇談は実現していません。知事は常々現場主義を口にしながら、大変残念な思いです。  先日の地元からの要望の席では、知事から「公式に伺う時期を模索したい」との発言もありましたが、説明責任を果たす意味からも、こうした場を設けることについて知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 地元の対策協議会の皆様におかれましては、これまでから県庁にお越しいただき、地元の思いをお伝えいただいているところでございます。その場でも申し上げてますが、本来であれば私が地元に伺い、皆様の思いを伺うのが筋であると考えます。今後、時期を見て伺うことといたしたいと存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)ありがとうございます。一日も早く実現していただきたいと思います。  これまでの議会で私は再三、4府県知事合意の見直しを知事に求めてまいりました。これに対して知事は、平成25年の台風18号で大戸川流域に大きな被害が出た後でさえ、「大戸川については県において目標とする流量以下であることを確認した。したがって、4府県知事合意にある施策の優先順位、これは河川整備計画に位置づける必要なしとの考えに変わりはない」と、県議会で明確に答弁をされています。  4府県知事合意について必要な見直しに努めると表明したことを踏まえて、現在も大戸川ダムを河川整備計画に位置づける必要はないと考えているのか。つまり、今後おおむね10年から20年の間、ダムは要らないという立場に固執するのか、知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 平成28年2月に答弁をさせていただきました当時、大戸川ダムは河川整備計画に当面位置づける必要はないと考えておりました。しかし、4府県知事合意後10年近く経過いたし、その間、淀川の河川整備も一定進んでまいりました。また、平成28年8月には、ダム案が最も優位であるとの国の検証結果も出されたところでございます。  さらに、御紹介いただいておりますように、昨年の台風21号では、平成25年台風18号からわずか4年しかたたないうちに、瀬田川洗堰において再び全閉操作が行われたところでございます。近年の雨の降り方や災害発生の頻度は変化していると痛感しているところでございます。  このような状況などから、大戸川ダムの必要性、緊急性について、すなわち、河川整備計画に本体工事をどう位置づけるかも含めて県として意見が言えるよう、勉強会をスタートすることとしたところであり、その成果を判断材料の一つとさせていただきたいと存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)2年前と考えが変わったと、いろいろな状況の中でということで御答弁いただきました。ただ、この点、重ねてお伺いをしたいと思います。  代表質問後の新聞報道で、知事が4府県知事合意について、見直しを前提とはしないと説明したと報じられています。必要な見直しができるよう努めてまいりたいという答弁とそごが生じるのではないかなと懸念しています。本当にそんなことを言ったのかを含めて、確認の意味で、4府県知事合意の見直しについて、知事の真意を改めてお伺いしたいと思います。ここ重要なところなんで、丁寧に御答弁いただきたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 私の思い、また県の方針は、必要な見直しができるよう努めるという、答弁でさせていただいたとおりでございます。  この4府県知事合意の内容は多岐にわたっておりますので、すいません、記者とのやりとりでどういうやりとりがあって、それをどう記事にされたかというのはつまびらかではございませんが、私はその中で、「見直すべきことと見直さなくていいことがあると考えている」と述べておりますし、どこをどう見直すかは、今後、勉強会においてしっかり議論をしていきたいと存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)先ほどの家森議員の質問と一緒で、一部を切り取ると非常に誤解が生じるという例だと思います。実際には、県として既に平成30年度に向けた国への政策提案要望の中で、大戸川ダムについて、淀川水系中上流部の河川改修の進捗とその影響の検証を国に求めています。  先日の代表質問でも、「近年の災害の状況から、国の検証が早期に示されるよう働きかけたい」と答弁されています。この検証は国がダム本体工事の実施時期を検討する前提となるものと理解していますが、知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) そのとおりであります。淀川水系河川整備計画には、ダム本体工事については、中上流部の河川改修の進捗状況とその影響を検証しながら実施時期を検討すると記載されておりますので、今まさにおっしゃったとおりだと存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)既に国に対しても、ダム本体工事の実施時期を早急に示すように求めているということであろうと思います。  こうした中、今月8日の京都府議会で、京都府の山田知事は大戸川ダムに関して、「今後、天ヶ瀬ダムの再開発、そして中下流域の整備を十分検証して、その時点でどういう問題が起きているのか。そのときに大戸川ダムというものが必要か必要でないのかということを判断すべきだと思う。ただ、私どもは滋賀県のほうに対して瀬田川の洗堰の全閉操作を求めているということ、もう1つは、大戸川の河川整備が必要だが、これが進んでいないという滋賀県の現実、こうしたものを考慮しつつ、滋賀県のほうとも十分話を進めていかなければならない」と答弁をされています。  こうした契機を積極的に受けて協議を進めていくべきだと考えますが、京都府の姿勢をどのように受けとめ今後対応していくのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) この京都府知事の御答弁からは、大戸川流域の事情でありますとか、洗堰操作の状況にも一定御理解を示していただいているものと受けとめています。  今後は、国による中上流部の検証も行われるところでございますが、県としても自発的に行います勉強会での成果を用いて、県の事情を国や下流府県に説明してまいりたいと存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)今の御答弁にもありました勉強会について、ちょっとお伺いをしたいと思います。  知事は、国の検証に加えて、県としても大戸川ダムの治水効果などについて自発的に勉強会をスタートさせるとの方針を明らかにされました。勉強会での成果を判断材料の一つとして国や下流府県に本県の立場を説明していくとされていますが、どのようなことを主眼に勉強会を進めていかれるのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 大きく2つございます。1つは大戸川ダムが大戸川流域に与える治水効果、いま一つは瀬田川洗堰操作への影響、こういったものがテーマになると存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)これについても速やかに進めていただきたいと思います。  代表質問の中でも、答弁でたびたび「本県の立場」というフレーズが出てきておりました。この「本県の立場」というのはどのような立場なのか、知事の認識をお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) まず、滋賀県の河川管理者として、県民を水害から守るため治水安全度の向上を図るという本来の立場がございます。また、淀川水系の上流県として、下流が、洪水のときに国による瀬田川洗堰の操作により上流では貯留を行うことになり浸水の危険が発生するという、ある意味では苦しい立場がございます。こういう立場にあるということを、下流府県に対して説明していかなければならないと認識しているところでございます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)実に三日月知事のお考えを今承って、7年間、おんなじことを言い続けてきてよかったなと今思いました。  予定よりおくれているというものの、県道大津信楽線の完成の時期に鑑みると、早急な河川整備計画の変更が必須だと考えています。  知事も代表質問で、「新たな準備工事の着手に向けて、河川整備計画の変更が必要だと認識している」と答弁をされていますが、準備工事としてどのようなものを想定されているのか、知事にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) この準備工事につきましては、県道、市道や林道のつけかえ道路工事などを想定しています。ちなみに、県道につきましては地元からも強い御要望をいただいているところでございます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)ここはひとり言です。今の答弁で、県道工事という御説明がありました。知事は過去の県議会で、これ、要望があったということですから栗東信楽線のことだと思いますけれども、栗東信楽線のつけかえ工事に関しては、ダム本体工事と並行して行うこととされていると、過去の県議会で答弁をされています。当然、今の答弁もそういった認識のもとでおっしゃったと思います。本体工事の着工に向けた準備工事の着手に言及したものと、前向きに理解をしておきます。  それでは、次の質問に移ります。  前の知事は、平成25年の台風18号による流域への甚大な被害を目の当たりにしても、「県が自前で河川改修を行うことによって、安く、早く、確実に治水安全度を高められる」と言い続けました。確かに、平成30年度を最終年度とする河川整備5ヶ年計画に基づいて河川改修が進められています。荒戸橋から稲津橋の間の河川整備実施区間3.8キロの進捗状況は、今年度末で70%の進捗となっています。  しかし、先ほど来ありましたように、昨年だけでも相次ぐ台風の襲来によって2回にわたって大戸川は氾濫危険水位を超え、流域には避難勧告が繰り返し発令されました。まさに現在進められている河川改修だけでは住民の不安が払拭されないというのが、我々に突きつけられた現実です。  ダム本体工事の早期の完成がかなわないとするならば、河川整備5ヶ年計画の次の計画期間にどのような河川整備を図るのか。それとも、10年から20年もの間、この治水安全度を流域住民に甘受させようとするのか。知事の見解をお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) この淀川水系の河川整備計画では、大戸川は下流に対して10年に1回程度の洪水を流下させる断面でしか改修できないという状況にございます。さらに治水安全度を上げる次の段階といたしましては、洪水調節施設が必要となります。  一方、ダム本体工事は実施時期の検討をするとされているところでございます。そのため、県としては国に対し、淀川中上流部の改修の進捗とその影響の検証を早期に示されるよう求めるとともに、少しでも早く滋賀県独自の勉強会を行ってまいりたいと存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)次の質問に移ります。  特に、5ヶ年計画に位置づけられていない荒戸橋より上流の状態を危惧しています。伐竹などの維持管理はされているものの抜本的な改修は手つかずで、毎年のように台風で護岸欠損などの被害が発生しています。沿川で耕作する住民の方からは、復旧だけではなく、例え1メートルでも護岸をかさ上げしてほしいという切実な要望も寄せられていますが、信楽も含めた上流部の治水安全度を確保するために、河川管理者としてどのように責務を果たしていこうとされるのか、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 2つに分けてお答えいたします。  荒戸橋から上流につきましては、現場の状況をしっかりと把握し、河道内で円滑に洪水が流れるよう、伐竹やしゅんせつなどの維持管理に努めてまいります。  また、信楽町黄瀬地先から上流部におきましては、河川断面を調査、測量しているところでございまして、その結果を踏まえて護岸補修やしゅんせつなど実施すべき箇所を選定し、効果的な維持管理を行うことといたしております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)よろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に移ります。  これまで知事は、県民の生命と財産を守る立場でありながら、大戸川ダムの必要性、緊急性について、河川改修の進捗状況を確認して、自治体の意見も聞いて国が判断されるものと、まさに他人事でした。それが今議会での議論を通じて、大戸川ダムの効果や影響について検証する勉強会を設けることを表明されるなど、ようやく主体的に取り組みを始めようとされることを率直に評価したいと思います。  最後に、大戸川が計画上、戦後最大相当の治水安全度を目指していることを踏まえて、河川管理者たる滋賀県の長として、知事の大戸川の治水安全度向上に向けた決意をお伺いしたいと思います。知事、お願いします。 ◎知事(三日月大造) まず、現在実施中の改修につきましては、議員御承知のとおり、河川整備5ヶ年計画に基づき、おおむね70%まで進めてきており、引き続きその進捗に全力を投入してまいります。  また、先ほども申し上げましたが、それでも大戸川は下流に対して、現状では10年に1回程度の洪水を流下させる断面でしか改修できないという状況にございます。その次の段階として、治水安全度を向上させるためには、国の河川整備計画ではダムが位置づけられておりますが、本体工事は実施時期を検討するとされているところでございます。  県といたしましては、少しでも早く独自の検討を行い、その成果を判断材料の一つとして国や下流府県に本県の立場を説明してまいりたいと存じます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)お昼休みも迫っていますので、先を急ぎます。  それでは、次に、学校における食育の推進に関して、教育長にお尋ねをいたします。  平成17年の食育基本法制定を受けて、学校、家庭、地域などさまざまな場面で食育が推進され、10年以上が経過しました。食育という言葉も一般に定着した感があります。  現在、平成30年度から6年間を計画期間とする第3次滋賀県食育推進計画の策定が進められていますが、このうち重要な位置を占めるのが、学校における食育の推進です。  平成20年には学習指導要領において食育に関する記述が充実されるなどしていますが、初めに、基本法制定後、今日までの学校における食育の成果について、教育長にお伺いします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  学校における食育は、食事の重要性、心身の健康、食品を選択する能力、感謝の心、社会性、食文化といったものの理解や涵養を目的として取り組んできたところであり、その推進に当たっては、栄養教諭が中核的な役割を果たしてきているところであります。  県教育委員会では平成19年度より毎月19日を食育の日として定めたところであり、各学校では、学校給食を生かした取り組みや給食委員会などの児童会、生徒会による活動、栄養教諭の専門性を生かした活動など、さまざまな食育の取り組みを行っていただいているところでございます。  例えば、栄養教諭が農業・漁業関係者と連携を図って野菜や湖魚などの地場産物の活用を進め、児童生徒の食に関する理解を深めている例もございます。その成果の一つとして、学校給食に使用する地場産物の活用率が、平成22年度の23.4%から平成29年度には28.5%となったところでございます。  今後とも、栄養教諭を中核として、食育の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)食育推進計画には指標と数値目標が掲げられています。今も御答弁にありました地場産物の使用する割合の増加といった項目や、また、朝食の欠食率の減少というような項目が設けられています。  しかし、今、取り組み御紹介いただいたんですけども、例えば小学校5年生の朝食の欠食率は、平成23年度の2.4%から平成28年度には2.8%へと逆に増加していて、改善どころか悪化しています。  それはそれとして、そもそも、望ましい食習慣を身につけたかどうかや、健康の保持や増進を図るといった食育が目指しているものの成果をきちんと把握できているのかどうか、疑問に思っています。  学校における食育の推進に当たって、成果をどのように把握、分析しPDCAサイクルを回しているのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県教育委員会では、各学校における食育の取り組み内容やその成果について、学校給食週間や食育の日における取り組みの調査、朝食摂取状況や地場産物活用状況調査等により把握をしているところであります。  また、そうした調査の分析結果は、各学校での食育の指導に生かせるよう、栄養教諭を対象とした研修会や通知文により周知もしております。  各学校において、栄養教諭等を中心に食に関する指導の全体計画を策定をし、この計画に沿って、学級担任や教科担当は栄養教諭と連携をし、各教科の学級活動、総合的な学習の時間などに食育指導を行っております。  また、指導後には、児童生徒の取り組む様子や感想などから指導の評価を行い、この評価をもとに指導方法の改善を図るといった、PDCAサイクルを意識した取り組みを進めているところでございます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)先ほどから答弁の中で何回も出てますけれども、この学校における食育の中核的な役割を担うのが栄養教諭です。栄養教諭は、学校における食に関する指導を充実し、児童生徒が望ましい食習慣を身につけることができるようにと、平成17年の4月に制度が始まりました。  本県においても、平成18年度に4つの小学校に4人が配置されて以降、現在、小学校、中学校、県立学校で56人の方が従事していただいています。本県における栄養教諭の現状について、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  本県では平成18年度から学校栄養職員の栄養教諭への任用がえを実施をし、これとあわせて、平成21年度から新規採用を実施することで計画的に栄養教諭の配置を進めており、今、議員もお触れいただきましたように、現在、56名の栄養教諭を小中学校、県立特別支援学校に配置をしております。  当初目標としておりました全市町に最低1名の配置を終え、現在、県立特別支援学校への配置を順次進めているところでございます。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)余り時計を見ないようにします。  栄養教諭は、教育に関する質と栄養に関する専門性をあわせ持つ職員として、学校給食を生きた教材に効果的な指導を行うことが期待されています。  先日、栄養教諭の先生から小学校での取り組みについて話を聞く機会がありました。担任の先生と協力して、大豆について学ぶ国語の授業と連携して、実際に子供たちと大豆を育てて、豆腐づくりに挑戦したというお話でした。  本県における栄養教諭の専門性を生かした取り組みへの評価を、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  学校においては、栄養教諭が学級担任や教科担任と連携をして食育の計画を作成し、計画的、継続的に学校全体で食育を推進をしております。  例えば小学校において、6年生が栄養教諭から栄養バランスのよいお弁当づくりのポイントを学び、その後、地域の方と一緒にお弁当づくりを行ったり、3年生が地元の特産品である漬け物について、地域の方から栽培や調理を学んだりしております。  さらに、こうした取り組みを栄養教諭が食育だよりなどで紹介することで、学校から家庭や地域への食育の発信が積極的に行われているところでもございます。  また、県教育委員会では、こうした取り組みを県内の食育の推進のために、毎年、湖っこ食育大賞として表彰もしているところでございます。  このように、栄養教諭の配置により児童生徒が食について学ぶ機会がふえ、食事の重要性や感謝の心、食文化の尊重などにおいて効果があったものと考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)こうした中、冒頭申し上げましたように第3次食育推進計画の策定が進められていますが、計画に学校における食育の推進をどのように位置づけ、充実を図っていこうとされるのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成30年度から平成35年度までの6年間を期間といたします第3次滋賀県食育推進計画においては、学校は食育の計画の策定およびその推進体制を整備するとともに、関係職員の意識や資質の向上、食に関する指導の充実に努めることが求められております。  また、学校における給食が生きた教材となるように、地場産物や旬の食材を活用し、栄養教諭が中核となって家庭や地域と連携をしながら食に関する指導を行うことで、学校における食育を推進することというふうになっております。  このため、県教育委員会といたしまして、既に作成をしております指導実例集や指導用DVDの活用をさらに進めますとともに、栄養教諭や各学校の食育担当者を対象とした研修会において、大学教授や専門家の講演、効果のあった食育活動の実践発表などを行うなどにより栄養教諭等の資質向上を図り、食に関する指導の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)今、御答弁いただきましたけれども、しかしながら、やはり課題があると思っています。例えば栄養教諭の配置、先ほども答弁いただきましたけれども、学校栄養職員と合わせても、1人で複数の学校を受け持つことが当たり前となっています。今年度、1人が担当する学校数を見ると、最も少ない守山市で1.8校、最も多い湖南市で6校、甲賀市、近江八幡市、東近江市、長浜市でも軒並み5校を超えています。
     国の調査では、専任の栄養教諭が配置されている小学校では、配置されていない小学校よりも各教科等の食に関する指導状況が長い傾向が見られます。また、専任の栄養教諭が配置されている小学校では、学校全体で食育に取り組む体制づくりが進んだとする回答が多かったことが報告されています。市町や学校によって取り組みに差が生じているのではないかと危惧しますが、教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  栄養教諭の職務として、教科等や給食の時間などにおける児童生徒に対する食育指導と、自校調理場や学校給食センターでの学校給食の栄養・衛生管理があります。栄養教諭はこの2つを一体として推進することが求められており、所属校だけでなく、担当する学校における食育指導も行う必要がございます。  栄養教諭の配置につきましては国の基準により行っているところでありますが、議員御指摘のとおり、栄養教諭が配置されている学校とそうでない学校では、取り組みに差が生じている現状があるとも聞いております。  これまでから、栄養教諭が配置されていない学校においては食育担当教職員が栄養教諭と連携をして食育の取り組みを行ってまいりましたが、今後、こうした学校の食育担当者の資質向上を目指した研修会等を充実させることにより、学校全体で食育に取り組む体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)今、御答弁で、取り組みに差が生じているということを認識していただいていることを確認をさせていただきました。  しからば、どうしていくのかと。今、答弁にあったように、学校全体でということもありましたけれども、やはり中核となるのが栄養教諭だという位置づけですので、その点を踏まえて取り組みをしていただきたいと思います。  で、この食育推進計画の中にも、家庭や地域との連携が重要であることから、栄養教諭等が中核となり、積極的に関係機関や団体、ボランティアと連携協力し、さまざまな取り組みを行いますと記載されています。  1人の栄養教諭にどこまで仕事を負わすんやという率直な感想を持っていますけれども、こういった計画の記載が絵に描いた餅に終わらないように、栄養教諭が置かれた現状に鑑み、どのようにこうした取り組みを進めようとされるのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  現在、栄養教諭は、さまざまな関係機関等の協力を得て食育推進に取り組んでおります。行政を初めとして、健康推進員や地元の生産者の方、また農協や漁協、その他大学や企業の支援を得て食育に取り組んでいる学校もございます。  また、県教育委員会といたしましては、研修会における実践発表やホームページでの事例紹介などの方法で、栄養教諭の食育に関するコーディネート力の向上に努めているところでもございます。  今後もこのような取り組みを通して、家庭や地域との連携をしっかり図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)1人で何校も受け持ちながら、それぞれの地域と連携しろ、言っていることがむちゃくちゃだと思います。  次の質問に移ります。  県では現在、国連の持続可能な開発目標──SDGsに基づいてさまざまな取り組みが進められていますが、17の目標の中には、食品廃棄物を半減させることなど食品ロスの削減が盛り込まれています。食育推進計画には余りこのSDGsと絡めた踏み込んだ記載はないんですけれども、食品ロスの削減の一つとして、これだけSDGs、SDGs言ってるんだったら、学校給食の食べ残しゼロを目指す指標ぐらい盛り込んだらどうかなと思いますけれども、教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  学校における食品ロス削減の取り組みですが、給食の食べ残しを少しでも減らすために、児童生徒は成長期に必要な栄養素の取得について学んだり、食材や生産、配送、調理にかかわる人たちの苦労や願いを理解することで、感謝の気持ちを育んだりしております。  また、児童会活動や生徒会活動により児童生徒自身が食べ残し調べをして、全校の児童生徒にできるだけ食べ残さないよう働きかけをしている学校もあります。  議員御指摘のとおり、食べ残しゼロの取り組みは大変重要というふうに考えております。県全体として目標が設定ができるのか、あるいはそれぞれの学校で目標を立てていただくのがいいのか、そうしたことも含め研究、検討してまいりたいと考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)いや、私個人は研究、検討でいいんですよ。ただ、滋賀県がこれだけSDGsと、先ほどから知事うなずいていますけれども、SDGs、SDGs言って、SDGsの17の目標の中に入っているにもかかわらず、その取り組みをせっかくこういう計画つくるときだからしっかりとその中に位置づけたらどうですかという、まあ、差し出がましい提案でございますので、研究、検討ということですから、それだけ教育委員会はあんまりSDGsを意識していないという一つの証左かもしれません。お昼ですので駄弁はこれぐらいして。  次の質問に移ります。  教育長、先ほども少し触れていただいたんですけども、栄養教諭のもう1つの大きな役割が学校給食の栄養管理、衛生管理です。現在、県内各地で新たな給食センターの整備が進んでいますが、整備の状況とあわせて、整備に伴う栄養教諭、学校栄養職員の配置への影響について、教育長にお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  まず、県内の給食センターの整備状況でありますが、現在、長浜市、栗東市で給食センターを整備中であり、今後、大津市、草津市、甲賀市でも新たに給食センターを整備される予定と聞いております。  また、給食センター整備に伴います栄養教諭、学校栄養職員の配置ですが、単独校方式とセンター方式のいずれにおきましても、給食を提供する児童生徒数に応じて国の基準により配置人数が決まっており、今後も国の基準に応じて配置を進めてまいりたいと考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)次の質問でその国の配置基準がどれだけおかしいのかということをお伺いしますけれども、特に、今も御答弁にありました大津市では、平成32年1月の開業を目指して、全国でも最大級の規模となる新たな給食センターの整備が進められています。対象校は小学校15校、中学校9校、合わせて24校。3献立方式で、1日に実に1万7,000食調理する計画です。  文部科学省の栄養教諭・学校栄養職員の配置基準は、センター方式の場合、提供する児童生徒数が1,500人以下の場合は1人、1,501人から6,000人までが2人、6,001人以上が3人の配置となっています。配置基準からすれば、先ほども教育長御答弁にあったように、国の配置基準に基づいて配置するんであれば、6,001人だろうが1万7,000人だろうが3人でいいわけです。これで本当に子供の食の安心、安全が担保できるとお思いでしょうか。  大津市では市費による加配をするつもりはないということですが、このままでは学校給食の安心、安全、そういった視点がなおざりにされると言わざるを得ません。  県で加配しろとは言いません。少なくとも、大津市教育委員会に指導助言する立場の県教育委員会として、改善に向けた働きかけをすべきだと考えます。この問題をどのように認識しているのかを含め、今後の対応を教育長にお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  大津市が既存の給食センターの建てかえに伴い新たな大規模な給食センターを整備されることは、学校設置者である大津市が判断されるものと考えております。  そうした中、議員御指摘のとおり、安全、安心な学校給食の実施は大変重要なものと認識をしております。そうしたことにつきましては各市町にしっかりと伝えてきたところでございますし、今後もそうした取り組みもしたいと思っております。  県教育委員会といたしましては、これまでも給食センターでの衛生管理責任者の役割を担う栄養教諭等を対象とした衛生管理についての研修会を実施をしてきたところでございまして、今後とも、こうした場を通じて栄養教諭等の資質向上を図り、給食に関する衛生管理を徹底することにより、安全、安心な学校給食の実施に努めてまいりたいと考えております。  さらに、地域ごとに栄養教諭と各学校の食育担当者が食育指導について協議をする場を設定するなど、県教育委員会といたしましても、栄養教諭と食育担当者が連携を深める取り組みを行うことにより、各学校の食育の推進を支援してまいりたいと考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)あんまり時間を使いたくないんですけれども、もう少し明確に答弁をしていただきたいと思います。もう一度伺います。  6,001人だろうが1万7,000人だろうが、配置基準からいえば3人なんです。1万7,000人分の給食、これ、全国で2番目の規模らしいですけども、今、栄養教諭の資質向上とおっしゃいましたけれども、1人にできることは限られているんです。その中でこの問題を放置していいのかと。県の教育委員会として、しっかりと大津市の教育委員会に指導助言する立場で物を言わなくていいのかという問題意識で今伺っています。このことを何ら配置基準に合致しているから問題ないとするのかしないのか。その点、明確にしてください。教育長、お伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、安全、安心な学校給食の実施は大変重要というふうに考えております。  ただ、一方で、その設置につきましてどういった施設をつくるかというのは、これは設置者である市町が判断されるものと考えております。  そうした中で、今申し上げましたような安全、安心な学校給食がしっかり実施できるよう、そうしたことは伝えてまいりたいというふうに思っております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)伝えていくとかそういう話じゃないんです。この栄養教諭、学校栄養職員の配置というのは、県が県費をもって配置するんですよ。だから、その人たちが1万7,000食を3人でしっかりと管理していかなければいけないわけです。それに手落ちがあるんであれば大問題ですよ。であるから少なくとも、3人で1万7,000食を見させるのは酷だから、大津市としてちゃんと加配しろよと、その一言が何で言えないんですか。配置基準を守ってたら、こんなもん、2万食でも3万食でも3人でいいんですか。  県で加配しろなんて言ってませんよ、僕は。この問題をちゃんと問題として認識をしていただいて、問題が起こらないように。起きてからでは遅いんですよ。そのことをしっかりと県の教育委員会として対応していただきたいと。1人の資質向上なんてたかが知れてますやんか。違いますか。今、誰も言わないままこういう問題が進んでいってるんですよ。もう一度、御答弁お願いします。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  先ほど来申しておりますように、学校給食、これは子供たちにかかわるものでございます。安全、安心な学校給食が実施されること、これは当然、県教育委員会としても一番重要なことというふうに考えております。  そうした中、一応基準として、今、議員もおっしゃっていただいたように、6,001人を超える場合は3人と、こういう基準がございます。例えば、ある市がそれ以上の施設をつくるから県で加配すると、これは無理でございます。  そうした中、実施をされる市町におきまして、そうした安全、安心な学校給食がしっかり行えるよう、ただ、県として単独で加配を置いてくださいと言うのはなかなか言いづろうございます。そこまでは申し上げられませんが、やはり安全、安心な学校給食がしっかりと行われる、そうしたことを留意して事業を実施していただきたいと、そんなふうに申していきたいというふうに考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)立場、立場でいえばそういうことなんでしょうけれども、栄養教諭、学校栄養職員はあくまで県費で配置する職員さんです。  次、最後の質問に移ります。  昨年3月、文部科学省は、栄養教諭自身がこれからの学校において栄養教諭に求められる役割を自覚するとともに、管理職者、学級担任を初めとする全教職員が栄養教諭を中心とした食育推進体制について認識を深めることにより、それぞれの学校における食育を推進させるとして、栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育の冊子をまとめました。  本県もこれに基づいて取り組みを進めていくんでしょうけれども、取り組みの充実と並行して、中長期的な配置計画を立て栄養教諭の配置を拡大することが不可欠だと考えています。学校栄養職員の任用がえの状況とあわせて、栄養教諭の増員についての考えを教育長にお伺いします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  学校において食育を推進するためには、中核となります栄養教諭を配置することは大変重要であり、議員おっしゃるとおりでございます。  今後も引き続きまして学校栄養職員の任用がえと新規に栄養教諭を採用することにより、栄養教諭の増員にしっかり努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆4番(佐藤健司議員) (登壇)終わります。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、4番佐藤健司議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時17分 休憩    ────────────────   午後1時15分 開議 ○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、23番岩佐弘明議員の発言を許します。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇、拍手)議長の御指名を賜りましたので、私は住宅宿泊事業について、一問一答方式にて、知事ならびに商工観光労働部長に伺います。  政府が2003年にスタートさせたビジット・ジャパン・キャンペーンが日本のインバウンド元年となり、今日では訪日外国人旅行者数は2,000万人を優に超える数字となっています。そして、東京オリ・パラが開催される2020年には4,000万人の目標を掲げています。こうした観光立県の政策は、社会的な意義と経済的な意義があります。  社会的な意義としては、訪日外国人に日本を好きになってもらい、よいイメージを持って帰っていただき、親日の人々をふやし、日本の地位を高めようとするものであります。また、経済的な意義といたしましては旅行消費額の伸びであり、特にこれまで東南アジア圏の訪日旅行者の増加、さらには、お土産に日本製品を積極的に購入され、爆買いという言葉まで生まれました。最近では、日本製品の購入はインターネットによるものが多くなってきており、日本の文化との触れ合いや体験を楽しむことが訪日の目的となっているようです。  観光客が住宅の空き部屋やマンションの一室に宿泊する背景には、宿泊所が不足する状況と相まって、日本の日常生活の一部に接することができる、日本の文化を体現してみたいという旅行者の需要に応えていたのかもしれません。  無論、旅館業法の簡易宿所の許可を得て宿泊させていれば問題がないのですが、無許可で住宅の空き部屋やマンションの一室に宿泊させる現状があり、法整備が求められていました。そこで、本年6月15日から住宅宿泊事業法が施行される運びとなっています。  住宅宿泊事業法は、宿泊できる住宅やマンションの一室を都道府県に届け出することにより、人を宿泊させる事業として年180日まで民泊が可能となるものです。そして、国交大臣に登録すれば宿泊所の管理事業ができるとともに、官公庁に登録することにより宿泊所の仲介業務もできるとされています。  住宅宿泊事業法、この施行は、住宅宿泊事業、住宅宿泊管理事業、住宅宿泊仲介事業の新たな3つの事業を誕生させることとなります。  そこでまず、都道府県への届け出について伺います。  届け出住宅の受付が3月15日から始まるとのことですが、住宅で宿泊事業を行おうとする者は、誰でも届け出することができるのでしょうか。商工観光労働部長に伺います。 ○議長(奥村芳正) 23番岩佐弘明議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  住宅宿泊事業者に特段の資格は必要なく、届け出を行った個人や法人であれば住宅宿泊事業を営むことは可能です。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、届け出できる住宅はどのようなものですか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  届け出が可能な住宅は、設備要件と居住要件を備えていることが必要です。  まず設備要件ですが、その住宅に台所、浴室、便所、洗面設備を備えていることが必要です。  次に居住要件ですが、1つに、現に人の生活の本拠として使用されている家屋、2、入居者の募集が行われている家屋、3、随時その所有者、賃借人または転借人の居住の用に供されている家屋の3つのいずれかに該当するものであることが必要でございます。  また、住宅宿泊事業として人を宿泊させている期間以外の期間において他の事業の用に供されているものは、本法における住宅の対象外となります。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、届け出された住宅の更新期限はどうなっているのでしょうか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  届け出された住宅についての有効期限や更新については、法では規定されておりません。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、届け出の際、どのような添付書類が必要なのでしょうか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  届け出の際の添付書類は多岐にわたりますが、主なものを申し上げますと、住宅の登記事項証明書、住宅の居住要件を満たしていることを証明する書類、図面、届け出者が賃借人、転借人である場合は賃貸人、転貸人の承諾書、いわゆる分譲マンションの場合はマンション規約の写し等、消防法令適合通知書などが主なものです。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、その建物、住宅の構造等の安全確認はどのようにされるんでしょうか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  住宅宿泊事業法では、現地の確認により受理、不受理を決定できる制度となっておりませんで、形式的要件を満たしていない場合など、届け出の内容に不備がある場合を除き受理する必要があります。  したがいまして、現地確認等は基本的にないということになっております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、住宅の安全性が確保されなくても、届け出されるということでよろしいんでしょうか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  届け出住宅においては部屋の構造を熟知していない宿泊者が滞在することが想定されますことから、住宅宿泊事業法においては、規模等による例外はありますけれども、住宅宿泊事業者に対する義務として、非常用照明機器の設置、避難経路の表示、防火の区画等といった安全措置を講じる必要があります。  また、消防法令におきましても、家屋居住型かつ宿泊室が50平米以下であるものを除き、旅館、ホテル等と同様に取り扱われます。これらによりまして、届け出住宅におきましても、ホテル、旅館等と同様の安全性を求めることとされております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、旅館、ホテル等と同等の安全を満たされていることをどのように確認されるのでしょうか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えします。  先ほど申し上げましたように、添付書類等がありまして、例えば消防法の適合証がついているかどうか、あるいは図面を見るといったことをもって確認するという形になってございます。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)今お伺いさせていただいている限りでは、余り住宅の確認はしっかりと届け出の際には受けられないのかなと思います。そんな状況の中では、届け出があれば全て受理されるというように解してしまうのですが、それでもよろしいんでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  届け出があった場合、形式的要件、先ほど申しました書類等ですけれども、形式的要件を満たしていない場合など、届け出の内容に不備がある場合を除き受理する形になります。
    ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)書類に不備がないということであれば全て届け出を受理するということですけども、私は最低、近隣の住民の生活環境とか、例えば前面道路の状況とか近隣の施設等の状況とか、そんなんはやっぱり受理の際に一定確認をすべきではないかなと思いますので、今後、御検討いただきたいなと思います。  それでは、届け出住宅の安全確保のために保険に加入することを推奨されておられますけども、万一の火災や災害等にどのように備えるのか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  国のガイドラインにおきましては、住宅宿泊事業者は事業を取り巻くリスクを勘案し、適切な保険、例えば火災保険や第三者に対する賠償保険ですが、その加入に努めることとなっております。  事業者としてのリスクを十分理解していただくことが重要でありまして、県等が開催する事業者向けの研修会等におきまして加入を促してまいりたいと思っております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、これまで、民泊に関する苦情はどのようなものがありましたでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  民泊に関する苦情、ほかの県等の状況でありますが、民泊に許可が出ているかどうか調べてほしい、周辺住民への説明がないまま民泊が行われている、事業者や管理者がおらず何かあったときの連絡先がわからない、深夜の騒音がひどい、ごみのルールが守られていない、マンションの共有部分が使用されている、深夜にインターホンを押されたりする等があったものと承知しております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、届け出者から周辺住民に対し、住宅宿泊事業を営む旨を事前に説明することが望ましいということをガイドライン等で確認しておりますけども、先ほどの苦情の先例とか、また、県民政策コメントでも寄せられていた意見等、周辺住民への説明は望ましいということだけでは済まされないと思いますが、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  今、議員御案内されましたように、法令において周辺住民への周知は義務づけられていないが、トラブル防止のためには事前周知が望ましく、国ガイドラインでも推奨されているところであります。  また、県では、法令の趣旨を徹底し適切に住宅宿泊事業を行われるよう、法令や国ガイドラインに加えまして県版のガイドラインを策定し、それに基づき指導監督を行う予定であります。  その県ガイドラインにおきまして、周辺住民への周知については、住宅宿泊事業の届け出を行おうとする方に対して、具体的な周知の範囲や内容を示しながら周辺住民等へ周知することとしてまいりたいと思っております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)ただいま、周辺住民への説明の範囲とかそういったことは説明いただいたんですけれども、その確認はどのようなもの、書面等で確認をされるのでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えします。  事業者が事前周知をするということをガイドラインに明記させていただきます。それをしていただくことを徹底したいと思っております。  ただ、事前周知がされたかされてないかということを書面で求めるということは、現在、考えておりません。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)部長、そこが大切なんですね。ちゃんと周辺の方の御理解が得られているという確認をぜひともとっていただきたいですし、また、ガイドラインを今つくるということでございますので、ガイドラインの中でもそういうところをしっかりと定めていただければありがたいなと思っておりますので、これは要望にさせていただいておきます。  また、近隣住民が宿泊事業の届け出の有無があるかないかというような確認をすることを可能とするために、その宿泊事業所の住所等を公表すると思われますが、その公表はどんな方法でされるのでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  県のホームページにおいて公表する予定をいたしております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)部長、公表しているということはどうやって公表するんですか。公表しているということを知っていただかなければ、そこにアクセスされませんわね。官報等で公表するということだけで済まそうとされているんでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  もちろん、この事業、6月15日から始まるということはいろんな形で周知してまいりますし、ガイドラインにおきましても、ホームページで公開するという表現を入れさせていただきたいと思っております。いろんな形で、この事業が円滑に進むように取り組んでまいりたいと思っております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、住宅宿泊事業における苦情や問い合わせの行政の窓口は、まずは住民が一番近くに感じている市町に届くと私は思っております。ついては、県と市が連携してこういった苦情に対応されることになると思いますが、どのように連携されるのか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  届け出住宅の情報につきましては市町等と共有いたします。そして、市町に寄せられました苦情等の情報につきましては県に報告いただくとともに、苦情等が頻発する場合等は、市町から県に事業者への報告聴取や現地調査を要請することができる仕組みとしたいと思っております。  また、住宅宿泊事業法に基づく調査等を行う中で必要があると認めた場合は、市町の担当部局と連携して指導監督してまいりたいと考えております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)先ほどの届け出された方、住宅の公表ということでございますけども、市町には当然事前に御報告なり報告がされるのでしょうか。私は、できれば市町と協議して届け出を受理するというような方法にすれば、市町も我がまちにこういった宿泊事業所があるということが事前に確認できるのではないかと思っておりますが、商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  届け出があった場合、形式的要件を満たしていない場合など、届け出の内容に不備がある場合を除き受理する必要があり、市町との協議の上、受理、不受理の決定を行うことはできないものと考えております。  なお、消防法令等、他法令上の確認が必要なものについては、届け出情報を市町等と共有し、手続漏れのないよう適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)届け出に関して、形式的な要件が整っておれば全て受理しますよということでありますけども、受理するのは県ですからね。受理した以上、やっぱり責任が発生するわけでございますけども、この法の中で、届け出住宅を受理する都道府県は、やっぱりこの法に基づいて、宿泊事業の適正な運営が確保されるよう特段の指導が必要になろうと思いますけども、どのような形で指導されるのでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  県では、法令の趣旨を徹底し適切に住宅宿泊事業が行われるよう、法令や国ガイドラインに加え県版のガイドラインを策定し、それに基づき指導監督を行う予定です。  現在、市町等に素案を提示しまして意見を照会しておりまして、それをまとめ次第、市町等と協議してまいりたいと思っております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)県版ガイドラインを作成されるということでございますが、先ほども届け出住宅は公表すると。公表とともに、その住宅への表示が義務づけられると思うんですけども、その住宅への表示にぜひとも民泊コールセンター、これは全国の民泊の苦情があったときに受け付けるコールセンターなんですけども、そこも届け出住宅の表示に加味していただければありがたいなと思っております。これも要望にさせていただいておきます。  次に、宿泊者は名簿への記載が必要となっております。ただ、家主不在型では本人の確認が不十分であって、近隣住民の不安が募るのではないかと心配しておりますけども、一応ガイドライン等では、本人の確認はテレビ電話やタブレット等の情報通信機器を活用することでできますということになっておりますけども、そこで確認した人そのものが宿泊するとは限らないわけでございます。こういったことで近隣住民の方の不安が募ると思いますけども、こういった不安にどのように対応しようとされているのか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  住宅宿泊事業法令では、本人確認を行った上で、宿泊者名簿を作成することが義務づけられております。この本人確認については、宿泊者全員について、対面または対面と同等の手段により行う必要がございます。  対面と同等の手段としてのテレビ電話やタブレット等の情報通信技術につきましては、特区民泊において既に実績がございます。この本人確認が適正に行われていない場合には、業務改善命令、業務停止命令等の対象となります。  また、仮に宿泊者が故意に虚偽の氏名等を告げた場合には、罰則として、当該宿泊者は拘留または科料の対象になります。  これらの措置によりまして、宿泊予定者以外の者が宿泊することや宿泊予定数以上の人数で宿泊することを防止し、家主不在型の住宅宿泊事業が犯罪行為に利用されないよう、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは次に、住宅宿泊事業者は、騒音防止のため配慮すべき事項、また、ごみの処理に関し配慮すべき事項、さらには火災の防止のために配慮すべき事項等、周辺住民の生活環境への悪化への防止に関し必要な説明をしなければならないとあります。また、必ずしもこの説明は宿泊者への面談がなくてもよいということでなっております。  それでは、どのような方法でこういった説明をされるのでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  宿泊者に対し、周辺地域の生活環境への悪影響の防止のため、騒音防止、ごみ処理、火災防止等のために配慮すべき事項を説明することが義務づけられております。これについては、必要な事項が記載された書面の居室への備えつけのほか、タブレット端末への表示等により、宿泊者が必要に応じて確認できる方法によることとされております。  また、具体的な注意内容については、県のガイドラインにおいても例示したいと考えております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは次に、留意すべき事項への宿泊者への注意喚起という、ただいま説明したことをさらに注意喚起を図るようにということでございますけども、商工観光労働部長は、この注意喚起、どのように取り扱って説明すればいいと思われていますか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  県のガイドラインにおきまして、宿泊者への注意喚起について、可能な限り宿泊開始時に注意事項を説明することを求めます。  また、居室内に電話を備えつけること等によりまして、状況に応じて随時注意喚起できるように求めます。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、届け出住宅の清掃とか寝具等の交換、宿泊者の衛生の確保に向け、公衆衛生管理に関する知識の習得と実施の確認をどのようにされますか。商工観光労働部長にお尋ねいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  衛生管理を初め住宅宿泊事業者に守っていただくべき内容等について、県が研修会を実施することによりまして、事業者に受講を促してまいりたいと考えております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。  私、今回、質問をずっとさせていただくまでに国のガイドラインというのをずっと見させていただいて、その中から、ちょっとこれどういうことやろなというのを質問させていただきました。  また、質問させていただく中で、滋賀県のほうで県版のガイドライン、多分さらに細かいもの、また取り決めがあろうと思うんですけども、されるということでございますので、ある面、県版のガイドラインを楽しみにしているというか、また見せていただきたいなと。そこでまた、この事業が適性にまた運用されるのかというようなことを確認をさせていただきたいと思います。  それでは次に、先ほども3つの事業が誕生するというようなことを申し上げました。そこで、住宅宿泊管理業者、これは国土交通大臣に登録するということでございますけども、それ以外にどういった資格に基づく業者なのでしょうか。商工観光労働部長にお尋ねいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  住宅宿泊管理業者は、御質問ありましたように、国土交通大臣の登録を受ける必要がございます。  この登録に際しましては、住宅宿泊管理業を的確に遂行するための必要な体制として、契約実務を伴う業務に2年以上従事した者であること、またはそれらの者と同等の能力を有すると認められることが必要とされております。また、常時苦情への応答が可能である人員体制を整えている必要がございます。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)じゃ、それでは、住宅宿泊仲介業者はどのような資格に基づくものでしょうか。商工観光労働部長にお尋ねいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  住宅宿泊仲介業者は観光庁長官の登録を受ける必要があります。  登録に当たっての資格は特にありませんが、必要な体制の整備として、法令遵守、苦情、問い合わせ、情報管理等について責任を有する部局を設置することが必要とされております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございました。今、説明を受けてたら、管理業者はこれまで建物の管理に精通している不動産業者等の方が多くなるのかなと思っておりますし、また、宿泊仲介業者というのは、これ、旅行業者の方が多くこの業に参入される方ではないかなというようなことを確認をさせていただきました。  それでは、そのような中で、事業法18条では、条例による住宅宿泊事業の実施の制限が都道府県でできるとなっております。制限ができる対象は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するための必要があるときは、合理的に必要と認められる限度においてとなっております。  そこで、実施の制限をするならば、旅館業法に基づく区域と同等とすべきが妥当ではないかと思います。また、一方、住宅の空き部屋やマンションの一室に旅行者の宿泊を可能とすることが法の本旨であるということを重きに捉えれば、区域の制限を設けるよりは、住宅宿泊事業の適正な運営が確保されることに注視すべきであろうと思っております。  ここに、全国の取り組みを北海道から沖縄までちょっと取りまとめてみました。制限を検討している都道府県では、旅館業法の特例を受けた地域や無許可民泊がはびこっていた地域、こういった地域ほど、住環境への悪化の警戒心から厳しい規制になっております。また、予防的に規制をかけているという自治体もあるようです。  そして、規制の具体の区域は、おおむね住居専用区域や幼稚園、小学校、中学校等の教育施設周辺となっています。  こうした都道府県の制限への応対、ばらばらなんですけども、こういった対応に対して、どのように分析、受けとめておられるのか。商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  法第18条に基づきまして、各都道府県が地域の実情に応じて制限の要否および内容について検討されているものと理解しております。  制限を行うとされているところは、都市部を中心に、特にこれまでに問題が顕在化している地域、保有するところについて積極的に検討がされているものと理解しております。  示していただきました表ありましたが、1月末の観光庁の調べでは、都道府県では47都道府県中、13都府県で条例を制定されるという状況でございます。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)それでは、住宅宿泊事業法に対する本県の基本的な考え方、これ、常任委員会の方で示されておるんですが、宿泊者の安全、安心と地域住民の安全、安心を確保すると、双方確保するというようなことを基本的な考え方にされておられますけども、私は、この宿泊者利益というのと地域住民の利益というのは相反する関係にあるのではないかなと思っております。両者を全く同等に重んじてこの法を運用していくということには大変無理があると思いますが、その辺のところ、知事の見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  住宅宿泊事業法の趣旨は、住宅宿泊事業等を営む者の業務の適正な運営を確保しつつ国内外からの観光旅客の宿泊の需要に的確に対応して、これらの者の来訪および滞在を促進し、もって、国民生活の安定向上および国民経済の発展に寄与することでございます。  この法の趣旨を踏まえ、宿泊者の安全、安心と地域住民の安全、安心の確保を重視し、議員は相反するのではないかとおっしゃいましたが、これらを相並び立て、事業者には法令遵守の徹底を求めていくとともに、県といたしましては、この法令遵守の状況を確認し、適切に指導監督を行ってまいりたいと存じます。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)知事、もっともだと思います。双方大切ですっていうてお答えになるのは、それはよくわかりますけどね。それはやっぱり机上の話だと思うんですね。じゃ、実際はどうなんだいうことだと私は思っております。  ただ、県民政策コメント制度に35名69件寄せられて、それに県が回答されている。それをおおよそ見てみますと、これ私の感触ですのでちょっと申しわけないんですが、まあ、法もできたことやし、地域住民の方に多少御迷惑がかかっても、宿泊民泊を広めていこうやないかというようなところが県のお考えにあるのではないかなと思って見ておりました。そのことに対しては答弁は求めませんけども。  また、そういったことがあるにもかかわらず、やっぱり周辺住民への迷惑がかからないようにと。今回、この18条に基づいて制限をかけるエリアも滋賀県にあるわけですけども、何か、その辺のところで滋賀県の立ち位置、もう少しはっきりしてくれたほうが法の理解しやすいのになと思われてる方は私だけではないのではないかなと思っております。  そんな中で、都道府県の条例で興味を引く制限がございました。その制限は、北海道のように、人を宿泊させる間、不在となるもの、また、和歌山県のように、周辺住民、おおむね届け出住宅の向かい側3軒と左右の2軒と、そして裏側の住宅、こういったことに反対がないことというようなことで、スポット的に制限をかけておられるところもございました。  そこで、もう一度、商工観光労働部長にお伺いしたいんですが、共同住宅、マンションの場合、届け出の際、どんな書類が必要でしたでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  共同住宅の中のいわゆるマンションの場合ですが、マンションの規約の写し、マンションの規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合に届け出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類、議事録や誓約書等ですが、が必要とされております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)マンションの場合はそれぞれに所有権を持っておられて、一つ一つの部屋が独立しておると、住居が独立しておると。けれども共同住宅なので、同意をといいますか、許可すること、業をすることを認めるような書類を持ってきなさいよということだと思うんですけども。  じゃ、そこの共同住宅にお住まいの住民の方と地域で共同生活をされている届け出住宅の周辺住民の方への配慮、これは、ちょっとマンションの方には配慮されてて、戸建ての周辺住民の方にあんまり配慮されてないの違うかなと思うんですけども。こちらは書類を持ってこいと、こっちは書類なくてもいいですよという。ちょっと配慮にそごがあるといいますか、ちょっと差があるのではないかなと疑問を感じているんですけども、商工観光労働部長の見解をお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  共同住宅であっても戸建て住宅であっても、周辺住民に配慮した住宅宿泊事業が求められることに違いはないことから、県ガイドラインにおきましては、可能な限り周辺住民等に対し事前周知を行うよう求めていくものであります。  なお、共同住宅の中のいわゆる分譲マンションにつきましては、1棟の建物を複数の者で区分所有するという形態上、法律により建物等の使用に関する区分所有者相互間の事項を規約で定めることができるものとされておりまして、その中で住宅宿泊事業の可否について当該マンションがみずから決定できるものであることから、規約等を添付したことによりまして当該マンションの意向を確認するというものでございます。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)区分所有のマンション等には、先ほども言いましたけど、営業するための書類が必要やと。それと同等のものを県のガイドラインの中で個別住宅にも設定していきますよと、近隣住民として同じような配慮をしていきますよというような答弁でしたので、これも県版のガイドラインを楽しみにさせていただきたいなと思っております。  また、この事業法が施行されて宿泊事業の営業が実施されることによって、実際の状況といいますか実態が明らかになりますけども、各地区の状況に応じてきめ細かに対応する必要があろうと思いますけども、実際に営業といいますか事業がされてから、この区域の見直しというような規定が今回条例の中にはないように思いますが、こういった見直し規定というものは条例の中になぜ設けられないのか、ちょっとお伺いをさせていただきます。商工観光労働部長、お願いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  条例案には見直し規定は盛り込んでおりませんが、もとより、条例の見直しが必要な状況になれば見直すべきものと認識しております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。実態に基づいて見直しをよろしくお願いをいたします。  それでは、これまで住宅での宿泊は、周辺住民にとって生活環境を悪化させる起因として受けとめられていました。まさに住宅宿泊事業は負のイメージからのスタートだと私は思っております。  そこで、今日まで闇民泊というような印象を持たれた、このことを払拭する必要があろうと思います。住宅宿泊事業法によって誕生する3つの事業が適正に運営されるよう、運営が確保されるよう、信頼を得ていくことがこの3事業者に求められると思います。  特に、この事業の入り口になる住宅宿泊業者は、これまでどちらかというと住宅のオーナーさんであったり自分がお住まいしていたと。人にお貸しする、宿泊か長期の賃貸かはともかくとして、人に自分の財産をお貸しするということではオーナー的な感じを持たれているかもしれませんけども、この法律に基づきまして、宿泊のサービスを提供する側やというような自覚と責任を持っていただくような講習とかそんなこと、またこれも、先ほども説明ありました県版のガイドラインの中でそういう講習をしますよと言っていっていただけるのかもわかりませんけども、そういったことも必要ではないかと思います。今回の質問で、県版ガイドライン、実効性のあるガイドラインとなることを願っております。
     そういった中で、再度、指導監督にどのように生かされるのか。商工観光労働部長にお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  県は、住宅宿泊事業者等を対象とする研修会を開催する予定です。  また、県では、法令の趣旨を徹底し適切に住宅宿泊事業を行われるよう、法令や国ガイドラインに加えまして、先ほどから申しておりますように県版のガイドラインを策定して、それに基づき指導監督を行ってまいりたいと考えております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)今回質問させていただく中で、県は県としての考え方がよくわかりますけども、やはり県としての責任をこの法律の中で、運用する中で県の責任をどのように果たしていくのかというようなことが私は大切であろうと思いますんでね。ガイドラインをつくったからとか、これをしたからとかいうんやなくて、実質の運用の中で、経営がされる中で、経済活動がされる中で、しっかりと御指導のほうよろしくお願いを申し上げたいなと思います。決して届け出者の責任だけにすることのないように、よろしくお願いを申し上げます。  次に、ホテル、旅館、民宿、農家民泊等、既存の宿泊施設がございますけども、この住宅宿泊事業法による宿泊施設との共存をどのように図っていかれるのか。商工観光労働部長にお尋ねいたします。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) お答えいたします。  住宅宿泊事業法の施行によりまして、旅館、ホテル、民宿等の宿泊施設や農村地域での農業体験等を提供いただく農家民泊などに、同法による今回の民泊が加わることになります。  県内に宿泊されるお客様のニーズを捉えまして、それぞれの施設がその特徴を生かして特色あるサービスを提供いただくことによりまして、お客様に喜ばれ、選ばれ、もって、地域が健全に発展することにつながるものと認識いたしております。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)ともに住宅宿泊サービスの特徴を生かして来訪者が多くなる、こんな滋賀県にしていただきたいなと思いますけども。  最後に、今回、住宅宿泊法が施行されるに当たり、滋賀県らしい付加価値のある宿泊サービスを追求されるというようなことも伺っておりますけども、この滋賀らしい付加価値のある宿泊サービス、これに対しての見解、または意気込みを知事にお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 単なる宿泊サービスの提供にとどまらずに、体験型の滞在によって滋賀の奥深い魅力に触れていただくことができる、またそうしていきたいと考えています。  例えば、集落に残ります古民家を活用して、地域の方々の協力のもとで営まれる宿泊施設に中長期滞在され、地域の祭りやオコナイ等にも御参加いただいたり、自転車でゆっくりと県内一円をめぐり、県内各所に宿泊していただくと、こういうこともできるのではないかと思います。  こうした体験を行うことができる宿泊サービスを、旅館、ホテル、民宿、農家民泊、そして今回の住宅宿泊事業法による民泊がそれぞれの特徴を生かして提供いただくことが、まさに滋賀らしい付加価値のある宿泊サービスにつながるものであると理解しておりますし、ぜひそういったことにつながるよう我々も努力をしてまいりたいと存じます。 ◆23番(岩佐弘明議員) (登壇)ありがとうございます。先ほども冒頭申しましたように、新しい事業が3つ始まるということ、それに伴って、お隣の京都では相当厳しい規制を制限をかけておられるということでございますし、また、その制限を逃れて、滋賀県のほうでこの業をしようかなというような事業者も多くおられるかもわかりませんので、どうか周辺住民等、苦情のないような法の運用に努めていただきますことを心からお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、23番岩佐弘明議員の質問を終了いたします。  次に、12番杉本敏隆議員の発言を許します。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇、拍手)最初に、教職員の働き方改革について質問をいたします。  今、日本の教育の現場では多くの教職員が過労死ラインを超える長時間労働を強いられており、教職員の働き方改革が国でも地方でも大きな問題になっています。  (資料掲示)資料を用意しました。見てください。  資料の①は2016年の教員勤務実態調査ですが、1週間に60時間以上働いている教員は、小学校で33.5%、中学校で57.6%となっています。週60時間は月80時間以上の残業を、時間外労働をしていることになり、過労死ラインを超える過酷な長さであります。月100時間以上の残業の人は、小学校で17.1%、中学校で40.6%もいます。  このデータは学校内だけの数字であって、持ち帰りの残業は含まれていません。公表されているデータの平均値を見ると、1週間に小学校で約5時間、中学校で約4時間の持ち帰りが発生しています。これを加えると、週60時間以上の労働の過労死ラインを超える人の割合は、小学校の教員で57.8%、中学校教員で74.1%にもなります。この異常さは他業種と比べるとよくわかります。  資料の③を見ていただきたいんですけども、週60時間以上という過労死ラインを超えて働く人の割合は、ブラック企業として大きく批判されたワタミなどを含む飲食店業界が28.4%、ハードワークが多い運輸業、郵便業でも22.7%です。いかに小中学校の教員の長時間労働が異常であるか、これでよくわかると思います。  資料の④は、小中学校ほどではないが、高校の教員も半数以上が過労死ラインで働いていることを示しています。  資料の⑤は、これはOECDのTALIS調査ですけども、OECD34カ国中、ずば抜けて日本の教員の労働時間が長いことを示しています。  このように、国際的に見ても、あるいは他業種と比べても異常な働き方が日本の学校に蔓延し、6割、7割を超える教員が過労死ラインを超えて働いている。この現実について知事はどのように認識をしているか、お尋ねをいたします。 ○議長(奥村芳正) 12番杉本敏隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  近年、学校を取り巻く環境が複雑化、多様化する中で、学校の担う役割が拡大し続け、教職員の負担は増大しております。  こうしたことから長時間にわたる超過勤務が常態化しており、このことは教職員の心身の健康を損なうおそれがあるだけでなく、教職員が創造的に教育に取り組み、一人一人の子供と向き合う時間を確保することも難しくなってきており、子供たちの確かな学力を初めとする夢と生きる力を育むためにも、何としても改革していかなければならない喫緊の課題であると認識しているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)余りにもこの長時間のブラックな働き方に驚いたんですけども、実際に学校に行って先生に話を聞こうと思ったんですけど、きょう、初日の質問に当たったんで聞けなかったんで、よく考えてみたら自分の息子が大阪で教員をしてまして、電話で聞きました。  部活の指導もしているんですけども、大体、朝8時から、帰りは夜の8時まで学校にいると、12時間学校に勤務していると。部活については、夏場は2時間半から3時間、それから、冬場は1.5時間、部活の指導に当たっていると。休日、土日については、テスト前は休みであるけれども、ほとんど休日は部活に出ていると。まさに私の息子もこのデータにあるとおりの過労死ラインで働いているということがわかりました。  2014年の10月に、隣の福井県の若狭町の27歳の先生が自殺をされました。1年生の担任を持っていて、社会と体育の授業をやり、野球部の副顧問を受け持ち、10月に自殺されたんですけども、6月までの3カ月間に月120時間から160時間の残業をしていたと。残された日記には、「今、ほしいものはと問われれば、睡眠時間」と書かれていました。まさに、今、小中学校の教育の現場では、この過労死ラインを超えて働いている。こんなにもたくさんの人が、この今の瞬間もぎりぎりのところで働いているということがあると思います。  そこで、教育長にお尋ねしますけども、この教員の長時間労働の主な原因をどう考えているのか、お尋ねします。 ◎教育長(青木洋) (登壇)お答えをいたします。  今ほど知事も答弁いたしましたように、近年、学校を取り巻く環境が複雑化、多様化してきております。そうした中、学校の担う役割が増大し、生徒指導、進路指導、部活動指導、さらには保護者への対応等にこれまで以上に多くの時間が必要となってきていることが、教員の長時間労働の主な原因であるというふうに考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)もう少し長い答弁を期待していたんですけども。  (資料掲示)資料②にありますけども、これは小学校の教員の授業時数、コマ数なんですけども、2002年と2011年を比べると、年間で278コマもふえています。先日、2月の19日の衆議院予算委員会で我が党の畑野議員がこの長時間労働の問題を取り上げて、なぜこんなにも長時間労働になっているか、その原因も問いただしたところ、文部省の高橋道和初等中等教育局長は、学習指導要領改訂による授業時数の増加が主な原因と考えているというふうに答弁をされました。まさに、この授業時間数が非常に長いというところが非常に大きな問題だと思います。  今おっしゃられたように、1990年代あたりから貧困と格差が広がって、困難を抱える家庭や子供がふえています。社会のひずみの中で、発達障害の子供がふえ、外国人労働者の子供もふえました。校内暴力も急増します。不登校の子供もふえています。要するに、教育の現場の困難が目立ってふえているわけですけども、政府は学校の教員等を欧米並みにふやすなどして、学校を支えるべきだったと思います。  ところが、自公政権は教員をふやさず、官製研修の強化、全国学力テストの導入などの上からの改革を進め、学校現場の負担をふやし、教員から自由や誇りを奪ってきました。こうした全体が今の教員の深刻な実態をつくり出していると言わざるを得ないと思います。  そこで、以下、全て教育長にお尋ねしますが、県内の公立小中高の教員の勤務時間の実態はどのように把握されておられますか、お尋ねします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  県内高校の教員の超過勤務時間数は自己申告制により把握しておりますが、平成28年度で月平均29.6時間となっております。  また、小中学校におきましては、今年度から県内19市町全てで、自己申告やパソコンのログオン・ログオフ時間を管理する方法で、通年での勤務時間を把握されているように聞いておりますが、市町教育委員会が服務監督権者となりますことから、県といたしましては直接超過勤務時間を把握することはいたしておりません。  なお、本県の県立学校教員とは把握方法が異なりますので単純には比較はできませんが、文部科学省が平成28年度に実施をいたしました教員勤務実態調査によりますと、教員の1週間当たりの超過勤務は、小学校で18時間40分、中学校で24時間33分となっております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)今、県立学校が月29.6時間の残業いうことだったんですけども、これは先ほど示した資料の④ですね、愛知教育大学など4大学が2015年に調査した高校の教員の54.3%が学校で11時間以上勤務していると、こういう実態からは大きくかけ離れていると思います。  後で取組方針についてお伺いしますけども、その中でも、県立学校の教員の勤務の実態が、現実を正確に反映していないんじゃないかなというふうに私は見ております。  そこで、1つお尋ねしますけども、タイムカードで勤務時間を管理している県内の公立学校はありますか。 ◎教育長(青木洋) お答えいたします。  先ほど申しましたように、市町につきましては直接県が監督しておるわけでございませんので、把握をしておりません。  なお、県につきましては、先ほど申し上げましたように、自己申告ということでやっておりますので、タイムカードの設置はいたしておりません。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)続いて、県内小中高の教員の勤務時間内の休憩時間はどのようになっていますか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  休憩時間につきましては、小学校、中学校、高等学校ともに45分となっておりますが、特に小中学校におきましては、児童生徒が常にそばにいるという職場環境から、休憩がとりにくいという状況にありますが、各学校の実情において交代での取得など、工夫をされているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)工夫をされているということなんですけども、実態は、小学校の先生の場合だと、休み時間になっても子供がいろんな、何かなくしたとか誰かけんかしているとかあって、実際には休み時間も休憩とれないと。中学校でもそういう状況があって、労働基準法の第34条では、1日6時間以上を超える場合には間に45分の休憩、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩をとらなければならないとなっているんですけども、実際には学校の現場ではその45分の休憩時間が十分とられていないというふうに思いますけども、実態はどうなんですか。 ◎教育長(青木洋) 今申し上げましたように、45分続けてとるというのはなかなか難しいというのは聞いております。先ほど申しましたように、交代での取得、例えば、その45分を少し分けて、20分、25分なりに分けてという、そんなことで取り組みを進められているというふうには聞いております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)実際には、いろんなところで話を聞きますと、トイレへ行く時間もないというふうなことを聞いております。  次行きますけども、2017年の12月20日に、働き方改革を議論する中央教育審議会の特別部会が、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について、中間まとめを取りまとめました。  また、文科省は本年2月9日に、「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について」という通知を、各都道府県教育委員会教育長に出しました。  教育長は、この中間まとめをどのように受けとめているのか。学校における働き方改革取組方針との関連とあわせてお答えください。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  御質問の中間まとめにつきましては、教員が健康で働くことができ、児童生徒に向き合う時間を十分確保するための働き方改革の方向性や具体的な内容を示したものであると受けとめております。  この中間まとめは、本県教育委員会が策定をいたしました学校における働き方改革取組方針と、基本的な考え方や改革の方向性について同じものであるというふうに認識をしております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)この中間まとめは、それなりに、公立教員の1日の勤務時間は7時間45分で、この定められた勤務時間内で業務を行うことが基本など原則的な立場を示して、国や教育委員会に制度的な障壁の除去や環境の整備などを求めている点では一定評価できると思います。ただ、一番肝心の教員数の抜本増が抜け落ちていて、専ら業務量の削減に集中しているという点が問題だと思います。  そこで、教員をふやす必要性についてお伺いしますけども、文科省の2016年度教員勤務実態調査では、小学校の教員は1日当たり4時間25分の授業をしています。国は教員定数を算定するのに、1時間の授業に1時間程度は準備が必要という考え方をとっています。とすると、授業と授業の準備だけで教員の勤務時間7時間45分を1時間以上も超えています。これは今の教員定数と学習指導要領が、教員の勤務が勤務時間内におさまらないことを前提とした設計となっていることを示しています。  長時間勤務にかかわる働き方改革をいうなら、ここを改革しなければ根本的な解決はあり得ません。すなわち、教員の抜本増で教員の授業時間を減らすことが一番に求められていると思います。  そこで、もう一回、資料を見ていただきたいんですけども(資料掲示)、資料の⑥なんですけども、これは日本教育新聞の全国市町村の教育長へのアンケートなんですけども、働き方改革のために国に期待する施策について、「教員定数の改善」が断トツで、97%の市町の教育長が求めています。  青木教育長は、この教員増の必要性についてどう考えているのか、お尋ねします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  学校の働き方改革の取り組みとして、外部人材の活用あるいは教員の増員は有効なものであるというふうに考えており、県教育委員会といたしましては、国の施策を活用し、専科教員等の配置により教員の数をふやしたり、また、スクールサポートスタッフ等の外部人材の活用を進めていきたいと考えております。  また、こうした取り組みから得られた成果をしっかりと検証分析し、必要に応じて、国に対する提案あるいは要請を積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)外部人材の登用も大事だと思いますけども、抜本的に授業をする教員をふやさなければ、教員の働き方改革の根本的な前進はないというふうに思います。  中央教育審議会の学校における働き方改革特別部会の部会長が、「本当は教員の定数増を行い、丁寧に子供に向き合える環境を整備すべきだと思うが、厳しい財政事情もあり、そうした正論を核に据えられなかった」と明らかにしています。  安倍政権は4年連続で教育予算を削り、教員の抜本増に背を向け続けています。35人学級の促進をとめたのも安倍政権です。教員定数増と少人数学級の推進のためには、安倍自公政権を変えることが必要だということを指摘しておきたいと思います。  そこで、小中学校35人学級についてなんですけども、小学校で217、中学校で165の少人数学級が行われていますけども、どのような教員配置で行われているのか、説明を求めます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  小中学校の35人学級編制につきましては、国の加配措置を活用しながら、県の単独の措置も加え、必要な数の教員を配置しているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)もうちょっと詳しい答弁してもらえませんかね。事前に担当の職員からお聞きしたんですけども、全小中学校で少人数学級やっていると胸張っておられますけども、両方、小中合わせて382学級ですよね。そのうち、中学校の165人は全員、国の国庫加配を使ってやっておられます。小学校の217人のうち、50人が県が単独で措置していると、あとの167人は国の国庫加配定数を使ってやっていると。つまり、県が独自にお金を出して少人数学級をやっているのは、50人の臨時の教師を採用して、小学校の担任等を当たっているというだけなんです。  それともう1つは、中学校の場合は全部担任が授業しませんので、それぞれの教育について専門の教師が必要なので49人の非常勤講師を使っていると。それで賄っているいうことなんですけども、49人だけではこの165の少人数学級全て賄えないので、今までの先生が授業している、それにプラス授業数がふえているわけですね。  だから、この少人数学級によって、中学校の先生は授業の時間数がふえている、勤務時間が長くなっているということが1つ言えると思います。そういう教員配置で少人数学級が行われているということがわかりました。  そこで、1月末に出されました学校における働き方改革の取組方針について、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。  取組方針にある部活関係の基準は、20年前から改善を求められてきたものです。20年間できなかった困難性を想定し、取組方針では逃げ道、例外が設けられています。取組方針は3年間で目標を達成するとしていますが、長時間勤務改善の共通の基準はこの4月から全教員に求めていくのかなど、どのような取り組みの工程を考えているのか、お尋ねします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  学校における働き方改革取組方針は具体的な目標を示すもので、今後、この方針に沿って取り組みを進めてまいりたいと考えております。  さまざまな学校の事情により直ちに取り組むことが難しい場合もありますが、今、議員も御指摘いただきましたように、3年間の期限を持って、しっかりと成果が出るよう、教員の意識改革を進めますとともに、できるところから着実に取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)そこで、取組方針の目標についてなんですけども、先ほどの県立高校の教員の勤務実態との関係なんですけども、超勤時間が月45時間超の教員を、小学校は40%以下、中学校は50%以下、県立学校は15%以下という目標をしていますが、小中学校と県立学校の差が余りにも大きいことに違和感を持ちます。  これは先ほどお聞きした前提となる現在の超過勤務時間が同一の調査でないためだと思われますが、実態をよく踏まえた目標設定にすべきでないかと思いますけども、いかがでしょうか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  高校につきましては服務監督権者が県教育委員会となりますことから、先ほど申し上げましたように、自己申告の方法で勤務時間を把握した上、目標を設定をしたところでございます。  また、市町小中学校につきましては市町教育委員会が服務監督権者となっておりますこと、また、全ての市町において通年での勤務時間の把握が今年度からということもあり、基準とできるデータがなかったことから、国の調査経過を用いて目標を設定したものでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)今、国会のほうでは、働き方改革の問題で裁量労働のデータが非常に問題になってきて、根本から見直せいう話があるんですけども、この高校の問題も、正確な勤務時間の実態調査をつかんだら、この目標についてはやっぱり修正の可能性があるということですか。 ◎教育長(青木洋) お答えします。  正確な数字、私ども、今の数字が正確なものと認識しておりますが、それよりもむしろ、先ほど目標に上げましたような数字を達成することに精いっぱい努力をしたい、そんなふうに思っております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)次に、共通の基準の勤務時間関係では、平日の退勤午後7時、週に1日以上定時退勤としています。これを守れば超勤時間は月32時間以内になります。これにプラス土日の部活で最大16時間となって、合計で最大48時間でおさまることになります。となると、月当たり超勤が80時間を超えないようにしますというこの基準は、意味を持たないことになるのではないかなというふうに思います。むしろ、こういう80時間を超えないという規定は、基準を守れないことを想定したものとさえ受け取れます。これは共通の基準と目標との整合性についても言えることだと思いますが、この点についてどのように考えているか、答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  目標は、月45時間を超える超過勤務を行う教員を一定の割合まで減らしていくということとしております。  共通の基準にあります月80時間は、例え45時間を超える超過勤務を行わざるを得ない月があったとしても、少なくとも80時間を超えないようにするための基準というふうにさせていただいております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)時間の関係で、次、部活動に行きます。  中学校の部活動は教員の長時間労働の大きな要因となり、その改善は急務ですが、部活等についてどのように捉えているのか、お尋ねします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。
     部活動は教育活動の一環として、人間形成や自己実現の達成などの教育的意義があり、生徒の健全育成に大きな役割を果たしているものと考えております。一方で、部活動指導は教職員の長時間勤務の要因の一つとなっていることも認識をしているところでございます。  こうしたことから、県教育委員会といたしましては、教職員の働き方改革の中で、部活動指導のあり方についても見直しを進めていくこととしております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)それでは、実態をお聞きしますけども、中学生の部活動参加率はどのようなものですか。生徒の部活動への入部を義務づけている学校はあるのか、あわせてお答えください。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  中学生の部活動の加入率ですが、平成29年度の中学校保健体育課調査によりますと、運動部活動は、男子が77.8%、女子が60.6%、文化・科学系の部活動は、男子が7%、女子が30.9%で、中学生全体の部活動の加入率は88.0%となっております。  入部を義務づけている学校があるかどうかについてでありますが、教育的な意義を踏まえて全生徒に入部を勧めている学校はあるものの、部活動は生徒の自主的、自発的な活動であり、入部を義務としている学校はないと認識をしております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)私が調べたのでは、部活動の加入を義務づけている中学校の割合は全国で38.4%、一番多いのは岩手県が99.1%となっております。部活というのは、生徒の自主的、自発的な参加により行われるいうのが原則ですけども、実際には、部活に入らなければやっぱり仲間外れにされるとか、そういう強制力が働いているというふうに思います。  他方で先生のほうですけども、部活動の顧問担当を全教員に課している中学校はどのくらいありますか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  平成29年度の部活動実態調査では、原則として全教員が顧問に当たるとした学校は、公立中学校99校全ての学校となっております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)これがまた問題だと思うんですよね。先ほど言いましたように、授業と授業の準備だけで勤務時間を超えてしまうと。実際に授業が終わるのが3時とか4時とかそのぐらいになって、部活動指導できるのは1時間もないと、勤務時間内では。となると、ほとんどの先生が残業時間で部活動指導をしなければならないというふうになっていると思います。  ところが、超勤4項目というのがありまして、部活動の残業を校長は命じることができないと思います。そうなると、部活動は教員が自発的な意思でやっているということになると思います。実際に全ての学校で全先生が顧問を担当しなければならないという状況は、先生の長時間労働に対して非常に大きな重荷になっているというふうに思います。  そこで、20年前から運動部活動の休養日や時間制限の改善が求められてきましたが、逆に部活動が過熱をしています。なぜ部活が加熱するのか、答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  部活動におきましては、大会や発表会での好成績を目指すことは自然なことでもあり、その実現のために、生徒や顧問である教職員は熱心に取り組んでおります。また、保護者の期待や関心も高いというふうに認識をしております。  そうした中、熱心な余り、休養や時間管理の必要性について意識が低いまま指導を行ってきた状況も見られ、部活動が教職員の長時間勤務の要因の一つにもなってきたというふうに考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)昨年の6月議会で海東議員が、部活動と地域のクラブとの移行の問題を詳しく取り上げられました。先日も自民党のスポーツ立国調査会が提言案をまとめましたけども、この中でも、地域に総合型スポーツクラブを設け複数の学校の生徒による活動を推進するとともに、大会の参加資格を見直し、地域のスポーツクラブごとに参加できるようにするというような提言案をまとめられるそうでありますけども、部活動をそういう社会教育のほうに移行していくというのはこれは一つの方向だと思うんですけども、そのための予算とか、あるいは制度設計がなければ空論に終わるわけでありまして。  そういう意味では、この部活動について、今、基準を設けて改善されようとし、また外部指導員の導入もされますけども、根本的にこの部活についての考え方を変えていかなければ、これは変わらないと思います。  今、部活についておっしゃったように、部活動に力を入れると生徒が試合に勝つ、生徒をさらに保護者からの信頼が得られる、さらに部活動に力を入れるというふうなことで過熱をしていっているわけです。部活動が非常に大きく評価をされるというところに、一つの大きな問題があろうかとも思います。  そういう点で、部活動について、今後、国のほうでも今年度中に方向性を出すというふうに言われておられますけども、そういう点でも考え方の改善が必要ではないかなというふうに思います。  次に、全国学力テストについてお伺いしますけども、毎年全国トップクラスの成績を上げている秋田県の教職員組合が実施したアンケートによれば、県内の小学校の92.2%、中学校の74.2%がテスト対策を実施していました。ふだんの学習で身についた力が発揮されての好成績なのか、テスト対策によってかさ上げされたものなのか不透明です。  対策に係る負担は小さくない、主に授業時間内に行われるため通常授業がおくれる、そろそろやめたらよい、学力テストに関する労力が大きい、多忙化につながるという声が出されています。学力テストが行われるのは毎年4月で、新しい学年や学級になったばかりで、ただでさえ忙しい時期に行われるため教員の多忙化に拍車をかけています。  滋賀県でも学び確認テストという名の学力テスト対策をしていますが、改善の必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  全国学力・学習状況調査や本県の学び確認テスト、これは子供たち一人一人の学力、また学習状況を詳細に把握するために必要なものと捉えております。その上で、各学校の取り組みを検証し改善していくPDCAサイクルをしっかりと機能させることにより、子供たちに適切な支援を行っていくことが大切であるというふうに考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)質問に答弁がかみ合ってませんけど、次行きます。  (資料掲示)資料の⑦なんですけども、教員が負担と感じる負担感率の高い業務、これは小中学校とも、1番が、国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応、2番が、研修会や教育研究の事前リポートや報告書の作成となっています。  教育委員会が出しゃばってくると、やっぱり先生は負担になっているというふうなところがあると思うんですけども、こういう研修や報告超勤についての改善について、どのように考えておられるかお尋ねします。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  総合教育センターでは平成28年度から、教員の主体的な研修の推進と負担軽減を目的に、これまでの悉皆研修を見直す一方で、教員が希望して参加する研修をふやしますとともに、事前の課題レポートを減らすなど、研修の見直しを進めてきております。  また、市町教育委員会主催の研修との重複を解消し、あわせて、教員がセンターへ移動する時間を軽減するため、来年度から新たに、センターの職員が市町教育委員会等に出向き研修を実施することも計画をしております。  加えまして、県教育委員会の報告につきましても、その回数や内容を精選し、簡素化を図っているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)次に、公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法についてなんですけども、基本給に4%一律上乗せして教職調整額として支払えば無制限に残業することができるというこの法律は、改正する必要があると思うんですけども、教育長の見解を求めます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  公立義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法につきましては、国において教員の働き方改革を議論する、文部科学省の中央教育審議会の特別部会で昨年12月にまとめられました中間まとめにおいて、給特法については引き続き議論を進めていく必要があるとされておるところでございまして、今後、国での議論の動向を注視してまいりたいと考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)教育委員会の事務局に所属する教員も教職調整額以外の残業代は払われていないと思いますけども、同じ県庁の中で働いていて、これは格差、差別に当たると思います。給特法の改正が必要ですが、法改正に至らなくとも、県庁での改善が必要だと考えますが、答弁を求めます。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  教育委員会事務局に所属しております教員も教育職ということでございまして、給特法を適用しているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)最後に、臨時教員の待遇について伺いますけども、改革の方針でも中間まとめでも、臨時教員については全く触れられていません。臨時教員は正教員と同じようにクラスを担任などの仕事をしていますが、低い給与で待遇は劣悪。しかも来年度から職があるかどうかわからないというふうな、最もブラックな働き方をしています。当然正規教員として雇用すべきではないかと思いますけども、待遇の抜本的な改善について、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(青木洋) お答えをいたします。  臨時教職員の皆さんには、学校現場の第一線で日々頑張っていただいていると認識をしております。こうしました臨時教職員の処遇につきましては、これまでから、正規の教職員との均衡、また他府県の臨時教職員の状況なども考慮しながら、適切な給与水準の確保と休暇制度の整備等に努めてまいったところでございます。  今後とも、引き続き処遇改善に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)次の生活保護について移ります。  安倍政権が生活扶助基準引き下げの方針を決めたことに対して、大きな批判が広がっています。今回の見直しでは7割近くの世帯で生活扶助基準が下げられ、生活扶助費は最大5%、平均1.8%削減、生活扶助総額は年間210億円、国費分で160億円削減されます。これは2013年の改悪に続く連続引き下げとなり、総額で1,100億円もの引き下げになります。  生活保護の問題は、制度を利用している人だけの問題ではありません。今の日本では貧困は特別な事情ではなく、倒産、失業、リストラ、病気、親や家族の介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥ります。しかも、生活扶助基準の引き下げは、住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金などに連動し、広範な国民の生活に影響を与えます。  昨年末、滋賀県内では約8,200世帯、1万1,000人が生活保護を受けています。安倍政権による無慈悲な生活保護の連続削減は、この人たちに大きな影響をもたらします。知事は安倍政権の生活保護改悪について、どのような認識を持たれているかお尋ねします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  今回、国の社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、年齢、世帯人員、地域差などの要素をもとに、生活扶助基準額について、平成30年10月から3年間をかけ段階的に見直しが行われる予定ということでございます。  生活扶助基準の見直しに当たりましては、一般低所得世帯の消費実態との均衡を図り、基準額の増額や減額を行うとされておりますが、多人数世帯や都市部の単身高齢世帯等で減額となる場合には、その影響が大きくならないよう緩和措置を講ずると伺っているところです。  県といたしましては、全国知事会を通じて、真に保護が必要な人が適切に受給できる制度を維持するとともに、全国一律のセーフティーネットとしての機能が十分に発揮されるよう国に要望してきたところであり、現時点では基準見直しに伴う本県における具体的な影響については詳細が明らかになっていないことから、今後、その状況を注視してまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)これ、2月25日付の滋賀民報に出ているんですけども、生活保護を使い月4万円で生活と。今の時期は灯油代も出ますが、暖房器具はほとんど使わない、風呂は週1回、食費も切り詰め1食で済ます日もあると、こういう方もおられます。  滋賀県知事として、この生活保護の改悪に対して中止を求める考えはありますか。 ◎知事(三日月大造) 県としては、現時点、中止を求める考えはございませんが、福祉事務所に対する監査等により影響の把握に努めるとともに、必要がある場合には、国に対してその実態等伝えてまいりたいと存じます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)生活保護の捕捉率ですね、生活保護を利用する資格のある人のうち実際に利用している人の割合は、専門の研究者の推計で大体2割程度にとどまっていると言われています。この原因には3つあります。  1つは、スティグマと言われる生活保護は恥だという意識や生活保護に対するバッシングから、生活保護を申請することをためらってしまう。  2つ目が、自分が生活保護を利用できることを知らない方が多い。年金があったらだめ、働いていたらだめ、持ち家があったらだめなどと誤解している方が多い。これは制度の周知不足が招いています。  第3に、勇気を持って役所の窓口へ行っても、間違った説明で追い返される。いわゆる水際作戦が依然として横行していることです。  生活保護を利用することは決して恥ずかしいことではなく、憲法25条に基づく国民の正当な権利であること、保護が必要な人が確実に保護を受けられるために制度を周知すること、さらに、生活困窮者の発見などの取り組みが必要だと思いますが、どのように行われているか、健康医療福祉部長にお尋ねします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) (登壇)お答えをいたします。  生活保護制度は、生活に困窮する全ての国民に対し、国がその責任において最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長する制度であります。  県では、各福祉事務所が単に申請を待つだけでなく、民生委員等の関係機関から生活に困窮する方の情報が適時適切に提供されるよう連携を図るとともに、生活保護制度の概要やその相談窓口等について広報紙やホームページを通じて周知するよう、各福祉事務所に働きかけております。また、県のホームページにおきましても制度の概要等を掲載し、周知に努めているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)生活保護の水際作戦で、多くのケースで車の所有の問題が出てきます。車を所有しているため申請を受け付けなかったり、処分しないため保護を停止されたりしています。車の所有を理由に申請を受け付けないのは明らかに違反だと思われますが、生活保護と車の所有の問題についてどのように考えているのか、健康医療福祉部長にお尋ねします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  生活保護法では、保護は、生活に困窮する者がその利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われるというふうに規定をされております。  自動車につきましては資産となるため、原則としては処分し、生活の維持のために活用することとなります。ただし、障害のある方や公共交通機関の利用が著しく困難な地域に住まわれている方が通勤や通院をする場合など、国の定める基準に基づきまして保有が認められることがあります。  具体的には、個々のケースに応じ、各福祉事務所において国の通知に基づき所要の調査を行い、その必要性を所内において十分検討した上で、自動車の保有の可否について判断しているところでございます。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)ところが、彦根市なんですけども、独自の基準をつくりまして、就労が理由の車の保有は10万円以上の収入がなければ認めないというふうにしているということなんですけども、これは問題があるんじゃないですか。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  国の通知では、通勤用自動車の保有を認める場合には、障害者を除いて、当該勤務に伴う収入が自動車の維持費を大きく上回ることとされております。この要件の判断に当たりまして、各福祉事務所において、保護の運営を組織的かつ継続的に確保するため、一定の判断の目安を設けるなどの工夫をされることはあり得るものと考えております。  しかしながら、個々の世帯の生活内容は千差万別でありますことから、自動車保有の可否の判断については、基準を一律に当てはめるのではなく、各福祉事務所において所要の調査を行い、その必要性を十分検討の上、個別具体的に慎重に検討されているものと考えております。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)非常に問題だと思います。そもそも10万円収入があったら、そんなにも生活保護を受けなくてもいいような状況になるわけだから、この彦根市の対応は非常に問題だと思います。  そこで、私は2016年の9月議会でこの問題を取り上げまして、ある市の対応で、頭から車の所有は認められないとして、申請者にしおりによる説明を行わない。生活保護者が車を借りて病気の母親を病院に送迎していたら、市が車を返せと指導した。車は認められないとして、市に転居してきた母子家庭の生活保護を停止したと。相談者に対して威圧的対応が顕著で、水際での門前払いが非常に多いということで県の対応をただしましたが、これは彦根市のことだったんです。  最近でもそういう事例が相次ぎ、生活保護が受けられないということで、彦根市から他市町へ転居された方が何人もおられます。  一例を挙げますと、精神障害者手帳3級を持ちながらも仕事をしているYさんという生活保護を受けている女性は、車の所有が認められないという彦根市福祉事務所のきつい指導のため、市外への転居に追い込まれました。2月19日に転居に係る敷金などの申請をされました。申請の提出が終わって、事務所を出て階段に向かおうとしているときに、担当のケースワーカーから呼びとめられて、「きょうも車に乗ってきたのか。車に乗るところを確認させてもらう。車を置いて帰れ」と、恫喝にも似た言葉が発せられ、Yさんは、「私は病気で公共交通機関に乗れなくて、これしか移動手段がない。何で車を認めてくれないんだ」といって大きな声を出し、その場で持病のパニック障害を起こして倒れたということです。このような生活保護者に対して、威圧的で、親身になった対応をしていないと。これは全く遺憾であります。  生活保護事務所の保護データを見ますと、2011年から2017年の間に、全県では112%保護世帯はふえています。大津で114%です。ところが、彦根市は同じ6年間に86%に減っています。これは余りにも水際作戦がひどいんではないかということだと思うんですけども、彦根市に対しての指導をどのようにされるか、お伺いします。 ◎健康医療福祉部長(藤本武司) お答えをいたします。  当然のことでございますけれども、本人の申請権を侵害することはもとより、申請権を侵害していると疑われるような行為も厳に慎むべきとされております。  あわせまして、生活保護の相談窓口に来訪される方は生活保護制度について知識を有しない場合が少なくないため、保護のしおり等を用い、丁寧に説明を行うように指導しているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、県では監査の機会におきまして、申請権を侵害するような窓口対応や不当な保護の廃止等が行われていないかなどにつきまして、面接、相談記録などの資料により確認をしております。今後も引き続き、より丁寧に確認を行ってまいる所存でございます。  また、申請権を侵害するといったような不適切な事案が確認されました場合は、所要の是正改善を求めていくとともに、査察指導員会議や新任ケースワーカー研修等の機会を通じて、保護の申請権を侵害しないよう徹底を図ってまいります。 ◆12番(杉本敏隆議員) (登壇)しっかり指導してください。終わります。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、12番杉本敏隆議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時1分 休憩    ────────────────   午後3時20分 開議 ○議長(奥村芳正) 休憩前に引き続き会議を開きます。  最後に、7番田中松太郎議員の発言を許します。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇、拍手)それでは、大きく2項目について質問をさせていただきます。  まず1項目め、起業創業支援、事業承継支援について質問をさせていただきます。  私は33歳のときに起業し、株式会社を設立し代表取締役に就任しましたが、当初から40歳までにセミリタイアを考えており、ちょうど38歳のときに初めての県議選に出馬し、残念ながら落選しましたのをきっかけに代表取締役を辞任し、次の社長に事業承継を行いました。  その中で、まずは経営承継を行い、全ての経営権を承継した上で、私は代表権を持たない取締役会長に就任しました。資産承継については、現在も株式の半数以上私が保有しておりますので、私自身は筆頭株主であり、株主総会においては過半数の議決権を有しておりますので実質的オーナーではありますが、経営には直接関与しておりませんので、そういう意味では、起業、創業を経験し、かつ、事業承継も経験した数少ない両方の経験者であると思っております。  ちなみに、誤解のないように申し添えておきますと、経営承継だけし、資産は持ったままかと思われるかもしれませんが、この資産には負の部分、マイナスの負債部分も含んでおりますので、このあたりも含め、事業承継の難しさがあることを私自身も経験しております。  さて、中小企業庁長官の平成30年の年頭所感において、「今後10年の間に、平均引退年齢の70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち半数の127万人、日本企業全体の3分の1が後継者未定となります。現状を放置すると、中小企業・小規模事業者の廃業の急増により、2025年ごろまでの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性がある」と述べられています。  大量廃業の危機が目の前に迫り、大事業承継時代を迎えております。今後、廃業率が大幅に増加すると、滋賀県経済にも大きな影響を与えるものと考えます。  一方、我が国の開業率は4.6%と極めて低く、欧米諸国と比べて半分程度です。地方にいくほど開業率が廃業率を下回る状況にあり、滋賀県も例外ではありません。  起業、創業は経済環境の変化に適応し産業の新陳代謝を促すとされ、地域経済を支える新たな目となる起業、創業希望者をふやす取り組みは極めて重要な課題です。そのため、起業、創業支援や事業承継に向けた経営者の早期の気づきの促進から、後継者とのマッチング、事業承継、第2創業まで、切れ目のない支援が必要です。  滋賀県におきましても、起業・創業支援については、これまでにもさまざまな取り組みをしてこられました。その中の一つ、ビジネスカフェあきんどひろばについては、平成18年度から滋賀で創業を考えている方の学びの場として、滋賀県産業支援プラザが実施をされています。  今月9日に中小企業庁が発表されました創業機運醸成賞に、ビジネスカフェあきんどひろばの運営が受賞されました。開業率向上を目指すためには創業に無関心な層に創業を意識してもらうことが重要であることから、地域の起業家精神を高め、地域において創業に関心を持たせる継続的な取り組みを表彰するもので、今回、北海道から沖縄まで24の取り組みが表彰された中で、県域を対象とした産業支援機関では唯一の受賞となっています。  ちょうど本日、東京品川で開催されていますアントプレナージャパンキャンペーンにおいて表彰されるということですが、改めて、これまで取り組んでこられましたビジネスカフェあきんどひろばの内容とその成果について、商工観光労働部長にお伺いします。
     女性を初め、高校生、大学生などの若い世代からシニア世代まで、幅広い年代の方々が起業、創業にチャレンジして裾野を広げていくことは重要であると考えます。現在、マザーズジョブステーションにおいては、女性の起業・創業支援の窓口、シニアジョブステーションにおいてはシニアの起業・創業支援の窓口を行っていただいていますが、人生100年時代と言われる中で、長年企業などで経験されてきたことを生かし、定年後、新たに起業、創業するというケースもふえてきております。マザーズジョブステーションやシニアジョブステーションとの連携を充実させていくべきと考えますが、商工観光労働部長の見解をお伺いします。  今月10日に、大津市のアヤハレークサイドホテルで決勝大会が行われましたしがニュービジネスプランコンテスト2017においては、高校生、大学生を初めとする多くの応募があったと聞いております。今回のしがニュービジネスプランコンテストの状況や高校生や大学生などへのアプローチの充実について、商工観光労働部長にお伺いします。  多くの方がしがニュービジネスプランコンテストに応募されましたが、決勝大会において受賞された方々やファイナリストに選ばれた方々のフォローはもちろん、今回参加された全ての方々の今後のフォローも重要と考えます。  特に、高校生や大学生の方々のビジネスプランが実際のビジネス化にはほど遠いものであったとしても、今回のコンテストに応募いただいたということは起業、創業の第一歩であり、継続的にフォローしていくことで、地元の起業、創業につながっていくものと考えます。しがビジネスプランコンテスト参加者の次につながる仕組みが必要かと考えますが、商工観光労働部長の見解をお伺いします。  滋賀県はスマートフォン普及率が全国1位ですが、起業、創業に関するインターネットでの情報発信は他県と比較しても非常に寂しい状況です。しがビジネスプランコンテストについても、参加者の様子や決勝大会の様子、また、起業、創業に関する情報などのネット上での情報量が不足しており、このサイトを見ても、なかなかコンテストの参加者の熱意は伝わってきません。  今回、私自身が起業、創業する立場になったつもりで、スマートフォンを片手に、滋賀での起業、創業についていろいろと検索をしてみました。残念ながら、的確なアドバイスや、起業、創業に向けてわくわくするようなコンテンツを提供されている公的なものは一切なく、起業、創業の相談についてはこちらへ、資金調達の相談についてはこちらへといった相談窓口をリンクしただけのものが多く、結局、それぞれの相談窓口に足を運ばなければならなかったり、せっかく役に立ちそうな情報を見つけてもパンフレットのPDF版であったりで、スマートフォンで見るには無理がある状況です。ある程度スマートフォンやパソコンでワンストップで情報収集や相談ができる環境が必要と考えますが、商工観光労働部長にお伺いします。  中小企業庁は昨年7月に、今後5年程度を事業承継支援の集中実施期間とする事業承継5ヶ年計画を策定されました。日本経済が継続的に発展を続けていくためには、永続的に企業を存続、発展させ、雇用や技術、のれんを次の世代に伝えていくことが必要不可欠と言われています。一方で、経営者の高齢化や後継者難が問題となる場合もしばしば指摘されています。  帝国データバンク滋賀支店の昨年の10月の事業承継に関する滋賀県企業の意識調査によりますと、事業承継の考え方について、経営上の問題の一つと認識している企業が57.8%と6割近く、最も高い割合で、「最優先の経営上の問題と認識している」18.5%と合わせると、8割近くの企業が事業承継を経営上の問題として認識しています。事業承継の計画の有無について、「計画はない」が26.1%で最も高く、次いで、「計画があり進めている」が25%、「計画があるがまだ進めていない」23.9%が続き、計画がある企業は合計48.9%となり、既に事業承継を終えている企業は16.3%と、2割に満たない結果となっています。  「計画があるがまだ進めていない」あるいは「計画はない」との回答の理由では、「後継者が決まっていない」というのが39.1%で最も高く、後継者問題が事業承継の大きなハードルになっていることが判明しており、次いで、「まだ事業を譲る予定がない」3.4%、「事業の将来性に不安がある」21.7%となっています。  また、事業承継を円滑に行うために必要なことは、「現代表と後継候補者との意識の共有」が56.5%で最も高く、以下、「早期計画的な事業承継の準備」「経営状況、課題を正しく認識」「事業の将来性、魅力の維持」「今後の経営ビジョンを持つこと」「早目に後継者を決定」「社内での業務経験」が4割を超えました。  県内企業において事業承継が進まず、今のまま放置していくと企業は減少していくばかりです。今後、経営者の高齢化が進み、後継者の不在による廃業がふえれば地域経済や雇用に大きな影響を与えることになると考えますが、商工観光労働部長の見解をお伺いします。  中小企業庁の調査によりますと、経営者の年齢が上がるほど、投資意欲の低下やリスク回避性が高まる傾向にあります。一方で、経営者が交代した企業や若年の経営者の方が利益率や売上高を向上させているという結果が出ています。  事業承継は中小企業の廃業を防止するだけでなく、事業承継を契機に新たな事業展開を行う場合もあるため、成長にもつながる側面があると考えますが、商工観光労働部長の見解をお伺いします。  日本政策金融公庫総合研究所の中小企業の事業承継に関するインターネット調査によると、60歳以上の経営者のうち50%が廃業を予定しており、特に個人事業者においては、7割が「自分の代で事業をやめるつもりである」と回答されています。  廃業の理由としては、「当初から自分の代でやめようと思っていた」が38.2%で最も多く、「事業に将来性がない」が27.9%、また、「子供に継ぐ意思がない」「子供がいない」「適当な後継者が見つからない」など、後継者難を理由とする廃業が28.6%を占めています。  さらに、廃業予定の企業であっても、3割の経営者が「同業他社よりもよい業績を上げている」と回答し、今後10年間の将来性についても、4割の企業者が「少なくとも現状維持は可能」と回答しています。  事業承継については、親族への承継、従業員への承継、第三者への引き継ぎ、M&Aなどが考えられますが、事業承継について企業の状況はさまざまであり、経営実態に応じて専門家によるアドバイスや、後継者が決まっていない場合は、起業、創業を検討されている方も含めたマッチングなども必要であると考えますが、商工観光労働部長の見解をお伺いします。  国において、第三者への事業承継、すなわちM&Aを支援する機関として全国に事業引継ぎ支援センターを創設し中小企業経営者のサポートを行っており、滋賀県では大津商工会議所に滋賀県事業引継ぎ支援センターが設けられています。事業承継問題の悩みを抱える中小企業経営者からの相談、とりわけ第三者への事業譲渡についての相談を受け、ケースによっては実際のM&Aの実行支援まで行うことで、円滑な事業のバトンタッチの支援をされています。  滋賀県事業引継ぎ支援センターの取り組みが進んできており、こうした情報の発信と取り組みの推進が必要であると考えますが、商工観光労働部長の見解をお伺いします。 ○議長(奥村芳正) 7番田中松太郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎商工観光労働部長(江島宏治) (登壇)起業創業支援、事業承継支援についての9点の御質問にお答えいたします。  まず1点目、ビジネスカフェの内容と成果についてでありますが、ビジネスカフェあきんどひろばは、起業を目指している方や起業して間もない方などを対象に、起業家の成長段階に応じた学びと交流の場として滋賀県産業支援プラザが運営しております。  学びの場としては、経営戦略やマーケティングといった企業に必要な知識、能力を高めるためのセミナー等を開催するとともに、セミナー終了後に交流の場として参加者同士の交流の時間を設け、出会いや交流を深め、起業、創業の機運醸成を図っているところであります。平成29年度においては、これまでに41回開催し、延べ1,000名を超える方々に参加いただいたところであります。  また、平成18年度からの開催を通じまして、116名の方がSOHOビジネスオフィスやコラボしが21インキュベーションに入居されるなど、創業支援の次の段階につながっております。  こうした取り組みが継続して行われていることが評価され、御紹介いただきましたように、中小企業庁の創業機運醸成賞の受賞につながったものと考えておりまして、今後とも、ビジネスカフェあきんどひろばを有効に活用して、起業、創業の促進を図ってまいりたいと存じます。  2点目、マザーズジョブステーション等との連携の充実についてでありますが、滋賀マザーズジョブステーションは、働きたい、キャリアアップしたい女性のための、また、シニアジョブステーション滋賀は中高年齢者のための、それぞれワンストップの就労支援窓口として、就職や転職に加えて、新たな起業、創業の相談にも応じております。  両ステーションでは、滋賀県立男女共同参画センターや滋賀県産業支援プラザと連携し、起業、創業に必要となる事業計画書作成や各種助成、融資などに関する専門家のアドバイスを受けられるよう支援しているところであります。  こうした連携によりまして、昨年度には両ステーション合わせて69件の起業、創業に関する相談があり、今年度把握しているだけで4件の起業等につながっております。  今後とも、出張相談の拡充や起業、創業をテーマとしたセミナーの開催など、両ステーションを初めさまざまな関係機関とより一層緊密に連携し、起業、創業の支援を充実してまいりたいと思います。  3点目、ビジネスプランコンテストの状況や高校生や大学生などへのアプローチの充実についてでありますが、しがニュービジネスプランコンテストは、本県での起業、創業の機運を盛り上げ、新事業に取り組む起業家を支援、応援することを目的に実施しておりまして、今年度で2回目となります。  この中では、今後県内で起業を目指す方を対象とするチャレンジ部門と、起業から3年以内または第二創業を予定されている方を対象とするイノベーション部門、この2部門を設けまして、合計121件の応募をいただきました。この中から書面審査やプレゼンテーション審査を経て、今月10日に開催しました決勝大会において、10組の方にビジネスプランを発表いただきました。  また、この今回のコンテストには県内の高校生からも約70件の応募があり、決勝大会において、高校生を代表して1名の方にプランを発表いただきました。  プランの募集に際しては、起業・創業イベントにかかわっておられる大学関係者の方に周知するとともに、希望のあった高校に出向き、高校生を対象としてビジネスプランの立て方等の説明を行ったところであります。  このコンテストを通じまして、高校生や大学生の方々に起業、創業を将来の選択肢の一つとして知っていただき、起業、創業の第一歩につながるよう、今後より一層多くの高校、大学に対し、広報、周知に努めてまいりたいと思います。  4点目、ビジネスプランコンテスト参加者の次につながる仕組みについてでありますが、本コンテストに応募いただいた方へのフォローは大変重要と考えております。  今年度におきましては、ビジネスプランの募集期間中に、応募者を対象としたビジネスプランの立て方や事業計画の書き方、資金調達方法等を学ぶセミナーを3回開催するとともに、プレゼン審査合格者向けに個別メンタリングを実施し、プランのブラッシュアップも図ったところであります。  さらに、決勝大会での受賞者を対象として、県内の創業支援機関等と連携し、個別の支援チームによるフォローを行っていく予定であります。  今後は、本コンテストに応募いただきました方にビジネスカフェあきんどひろばへの参加を働きかけるとともに、国が実施予定の全国的なビジネスプランコンテストへ優秀なプランを推薦するなど、本コンテストがより魅力的で効果的なものとなるよう、継続的な支援を行ってまいりたいと存じます。  5点目、ワンストップで創業支援に関する情報収集や相談ができる環境についてでありますが、滋賀県産業支援プラザでは、ホームページやメールマガジン等の媒体を活用し、創業支援に関する多様な情報をタイムリーに提供されております。  また、プラザに設置されました、よろず支援拠点では、専門的なスタッフが、起業、創業を初め経営上の悩みに対するワンストップの相談支援を行っております。これらの情報が起業、創業を目指す方々によりわかりやすい形で提供されるよう、例えば、ホームページのトップページにわかりやすい形でバナーを設置したり、ビジネスカフェへの参加者に登録いただいてメールマガジンを配信する等の充実を図り、県内の起業、創業がより一層進展するよう取り組んでまいります。  6点目、後継者不在による廃業の増加が地域経済や雇用に与える影響についてでありますが、中小企業は県内企業の99.8%、従業員数においては85.2%を占め、本県経済に重要な役割を担っていただいており、経営者の高齢化が進み、後継者不在等による廃業がふえれば雇用が失われ、これまで培われてきた技術やノウハウも途絶えていく懸念があり、地域経済に大きな影響を及ぼすものと認識しております。  こうしたことから、経営者みずからが事業承継の必要性を認識し早期かつ計画的に取り組むことが重要であり、それぞれの企業の状況に応じて、切れ目ない支援を展開していく必要があると考えております。  7点目、事業承継が成長にもつながる側面があることについてでありますが、事業承継は自社の業績や技術を見つめ直し、将来像を描く中で事業を磨き上げていくことにつながり、また、事業承継をきっかけとして新商品開発や販路開拓などに取り組まれることとなるなど、その企業にとって大きなチャンスでもあります。  2014年度におきまして経営者が交代した企業の経常利益率が5.50%と、交代していない企業の3.37%より高いというデータもありますことから、計画的な事業承継は成長の観点からも重要であると考えております。  8点目、専門家派遣や起業、創業を検討されている方とのマッチングについてでありますが、事業承継診断等を通じまして企業が抱える課題を把握し、金融機関や専門家などさまざまな支援機関や団体と連携した支援の充実を図る必要があると考えており、課題に即した専門家を派遣するなど、きめ細かな支援により事業承継に向けた準備を促してまいります。  また、来年度、後継者問題を抱える中小企業・小規模事業者と創業を志す起業家とのマッチングを行う後継者人材バンクの設置が予定されている事業引継ぎ支援センターとも連携を進めていきたいと考えております。  加えて、県制度融資に新たに事業承継枠を設けるとともに、県内企業が民間人材市場を通じて後継者を確保する場合に、企業が負担する経費の一部に対して助成する仕組みを設けるなど、個々の企業に即したさまざまな支援施策を講じてまいりたいと存じます。  9点目、事業引継ぎ支援センターに関する情報の発信と取り組みについてでありますが、事業引継ぎ支援センターは平成27年12月から大津商工会議所に設置され、事業承継に係る普及啓発や幅広い相談対応、M&Aなどの支援を実施されております。  金融機関や支援機関向けの研修会やメディア等への広報に積極的に取り組まれ、センターの役割の周知が進んできたこともあり、今年度は1月末時点で64件の新規相談を受け付け、そのうち、既に4件のマッチングが成立しております。  平成30年度からは、事業引継ぎ支援センターを初め、商工会、商工会議所や金融機関などの関係機関・団体とネットワークを構築し、今後5年間を集中取り組み期間と定め、一体的な支援体制のもと、それぞれの役割を最大限発揮していただきながら、滋賀ならではの事業承継を強力に推進してまいりたいと存じます。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。滋賀ならではの事業承継を今後5年間集中的に取り組んでいただくということで期待をするところでありますが、今回質問をさせていただいた主な意図といたしましては、事業承継も当然そうですし、一方では、この起業、創業したいという方がおられて、既に事業承継の場合、経営資源があるわけなんですね。一方では、経営資源のない、これから始めようという起業、創業される方と事業承継をされる方とのマッチングの可能性というのも考えられますし、例えばシニアの方でも企業を引退されて、一方では後継者がなくて困っておられるお店、でも、もう定年退職しているから時間もあるし退職金もある一定あるので、じゃ、そういったお店を引き継いで起業しようという可能性も考えられますし、また一方では、今回、特にタイトルには入れておりませんが質問項目に入れておりました就労支援の部分、就労支援の窓口から次の企業にどうつなげていくかという視点も必要になってまいります。  これまで、各課ごとに取り組んでおられたそれぞれの施策、たくさんありますけれども、それをどのようにつないでいくかということが次の課題になってくるのかなということで、今も滋賀県事業引継ぎ支援センターが立ち上がっておりますけれども、ここに行く前の段階として、やはり、先ほど部長おっしゃいました滋賀ならではの取り組みというところ、こういったところをどう工夫できるか。  これがさらに発展していきますと、例えば移住される場合、滋賀県の事業承継、困っておられるところを活用しながら県外から滋賀に移住してこられるとか、例えば滋賀にUターンされてくる場合でも、大体、働くところのところがないというのがネックになりますけれども、そのあたりを事業承継を生かしながら、あるいは起業、創業しながらUターンするということにもつなげていく必要性があるのかなということで。  いずれにしましても、今の数字を見ておりますと、全てが事業承継できるわけではありませんので、このままいきますと中小企業はかなり数が減ってまいります。それを補完するためには、やはり起業、創業もあわせてふやしていかなければいけないのかなという課題も感じておりますので、そのあたり、滋賀ならではの取り組みに大いに期待いたしまして、要望とさせていただきます。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  次に、第48回衆議院議員総選挙小選挙区滋賀4区の開票における不適切集計について、一問一答形式で質問をさせていただきます。  既にニュースや新聞等で報道されております昨年10月の衆議院議員選挙滋賀4区の甲賀市の開票において不適切な集計があった件ですが、甲賀市選挙管理委員の松山委員長のコメントによりますと、「平成29年10月22日投開票の衆議院議員総選挙において、小選挙区の開票を行う際、投票数と開票数に差があったことから白紙投票として処理をしていたこと、また、開票事務が終わっていたことから、片づけの際に見つかった投票用紙を処分していたことが、平成30年2月1日の通報により判明いたしました。公職選挙法に抵触するおそれがあるだけでなく、民主主義の根幹にかかわることであり、市民、県民、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。今後調査が進みましたら、改めて御報告いたします」と述べておられます。  総務省のホームページを見てみますと、都道府県の選挙管理委員会の主な職務として、衆議院小選挙区選挙に関する事務を管理し、さらに市区町村の選挙管理委員会に助言、勧告しますと記載されています。このことからも、滋賀県選挙管理委員会は、今回の第48回衆議院議員小選挙区選挙に関する事務を管理し、甲賀市選挙管理委員会に対しては助言、勧告をする立場にあると考えます。  今回の甲賀市選挙管理委員会の開票における不適切集計の発覚後、滋賀県選挙管理委員会としてどのような対応をされたのか。選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) (登壇)お答えいたします。  衆議院小選挙区選出議員選挙については、公職選挙法第5条の規定によりまして、都道府県の選挙管理委員会が管理すると定められており、これはもっぱら管理執行の中心となるべき機関を示したものであります。  また、開票事務については、公職選挙法第7章の規定により、市町村の事務とされているところであります。  今回の件については、県選挙管理委員会としても、公正中立な選挙管理の信頼を損ねる、民主主義の根幹にかかわる事案であると大変重く受けとめております。今後二度と同じことが繰り返されないよう、市町選挙管理委員会とともに、開票事務の再点検を初め、再発防止に徹底して取り組み、選挙の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。  現在、この事案につきましては警察当局により捜査が進められており、甲賀市による詳細な事実調査や検証などは捜査の区切りがついてからとなる見込みであるため、具体的な再発防止策の検討には、いましばらく時間を要するところでございます。  しかしながら、市町において近々に執行される選挙もあることから、今回の事案を受け、県選挙管理委員会といたしましては各市町選挙管理委員会に対し2月24日付で通知を発し、開票事務の再点検や法令遵守の徹底などを行い、選挙の厳正な管理執行と信頼確保に全力を尽くすよう要請したところであります。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)近々に行われる選挙に対しては文書で通達をいただいたということでありますが、問題の甲賀市の選挙に関しては警察の捜査中ということで、その捜査後という御答弁もいただきましたが、これも衆議院議員総選挙の選挙区の得票数の集計を行い、その得票数を確定させ滋賀県選挙管理委員会として正式に発表した選挙結果が、甲賀市選挙管理委員会の不適切な集計により事実と異なっていた可能性が極めて高いという状況において、速やかに事実関係の把握を行い、再発防止に向けた取り組みを滋賀県選挙管理委員会としても行うべきと考えますが、選挙管理委員会委員長の見解をお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 先ほど申し上げましたとおり、現在、警察当局により捜査が進められており、甲賀市からの事実確認が難しい状況にございますが、再発防止に向けて、県選挙管理委員会としても市町選挙管理委員会とともに可能な範囲で課題を整理し、具体的な取り組みを進めてまいります。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)具体的な取り組みを進めていただくということで、ぜひよろしくお願いしたいのと、あと警察の捜査のポイントと、また、選挙管理委員会のポイントというのは必ずしもイコールではないと思いますので、独自の調査のほう、よろしくお願いをしたいと思います。  マスコミの情報によりますと、投票数と開票数の不足分の数百票が白票により処理され、実際の投票用紙は焼却処分されていることから、各候補者の正確な得票数は今となっては把握することが不可能な状態になっていると思われます。  甲賀市選挙管理委員会は、今回の不正による小選挙区の選挙結果への影響はないとしておりますが、得票数は比例代表選挙の惜敗率や比例順位、さらに政党交付金の算定の基礎となることから、厳正に集計しなければならないと考えます。選挙管理委員会委員長の見解をお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 今回の事案につきましては、選挙の効力に関する訴訟の提起期間でありますところの30日が経過をしておりまして、得票数が既に確定しているところであります。  惜敗率や政党交付金は得票数に基づき算出されるため、厳正かつ適正に開票が行われるべきものだと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)いずれにしましても、選挙制度の設計そのものが公正に選挙された選挙結果の得票数において設計されておりますので、選挙結果自体の信頼が揺らいでしまうと選挙制度そのものが成り立ちません。改めて、今回の不正により与える影響の大きさについて再認識する必要性があると考えます。  さて、昨年の10月22日、投開票日当日ですが、開票作業で、甲賀市の小選挙区の結了時間は日付が変わった23日午前2時5分で、前回よりも2時間半以上遅く、県内19市町で最も遅い結果となりました。この間、滋賀県選挙管理委員会と甲賀市選挙管理委員会との間でどのようなやりとりがなされたのか。選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 開票速報につきましては、市町選挙管理委員会から県選挙管理委員会に対しまして、ファクスにより決められた時間ごとに開票が確定するまで報告をしていただき、集計した後、公表することとしております。  所定の時刻にファクスが届かなかった場合には、市選挙管理委員会に対して、送信されたかどうかを電話で確認をいたしておりましたが、その際に、トラブル等の発生があるということの報告は特段ございませんでした。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)今、4番の質問をさせていただいたんですが、今、御答弁は5番の御答弁をいただいたかのような気がしますが、委員長、間違いではないでしょうか。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 時間がおくれたという点でお答えをしたつもりです。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、5番目の質問に行きます。  最近では、マスコミ報道においても開票結果速報のスピード化が加熱しており、また、新聞社等も翌日の印刷の関係もあり、開票結果の確定を早く求められる傾向にあると考えます。開票結果のスピードを求める余り、滋賀県選挙管理委員会から甲賀市選挙管理委員会を初め各市町の選挙管理委員会へ、開票を急ぐよう催促を行うようなことがなかったのかどうか。選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 県選挙管理委員会から甲賀市選挙管理委員会に対して、開票そのものを急ぐよう督促したことはございませんでした。  なお、選挙前には各市町選挙管理委員会に対しまして、市町選挙管理委員会委員長、書記長、担当者会議および投開票事務市町打ち合わせ会を開催し、まずは開票は適切で確実な処理が最優先であることや、選挙への信頼を損なうことのないよう、開票における体制や個々の作業について、過誤が発生し得る余地や不正が混入し得る余地がないかどうかという観点から改めて点検を行い、厳正な開票を確保されたい旨をお願いしているところでございます。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)前回の衆議院議員総選挙、平成26年の12月の第47回衆議院議員総選挙においては、京都市伏見区の集計結果に対し、京都府選挙管理委員会の指摘で集計ミスが発覚するという事案がありました。  伏見区選挙管理委員会は、衆議院選挙の比例代表で次世代の党の票を381票と集計し報告しましたが、これに対し京都府選挙管理委員会から極端に少ないのではないかという指摘が寄せられ、区の選挙管理委員会は既に開票作業を終えていたものの、職員や立会人などを再び集めて午前5時過ぎから票の確認を行いました。その結果、次世代の党に投じられていた1,500票が誤って共産党の票として集計されていたことがわかり、集計し直した結果を改めて報告したとのことです。この件については、京都府の選挙管理委員会がしっかりと各市町からの開票結果をチェックしていたため、ミスが早期発見できたものと思います。  一方、今回の甲賀市選挙管理委員会のケースでも、不正な開票処理を行った甲賀市の白紙投票の割合が県内平均の1.15%に対し2.58%と2倍以上になっていたことや、前回選挙の1.13%と比較しても不自然に多くなっていたということ、また、一般的に選挙区の白票数と比例区の白票数は同程度になる傾向にある中で、選挙区の白票が1,236票、比例区が650票と、こちらも明らかに不自然な開票結果となっております。  滋賀県選挙管理委員会としてこのあたりを集計時点で厳正にチェックしていれば、今回の不正の早期発見、あるいは投票用紙焼却を未然に防げたのではないかと考えます。  滋賀県選挙管理委員会の各市町選挙管理委員会からの報告に対するチェック体制について、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) まず、開票に関する事務は、先ほど申し上げましたように市町村の事務とされているところですが、市町村選挙管理委員会に選出された開票管理者が開票に関する事務を担当することと定められており、その地位は独立したものであって、他の何人からも指揮、監督は受けないものと解されています。  このように開票管理者の権限が法的に位置づけられている中で、県選挙管理委員会では開票速報や選挙会において、数値の検算など、形式的に不合理な点が認められないかを確認しているところです。  得票数や無効投票数は、まさにその時々の選挙の情勢や選挙区、選挙人の特性によって変動するものでございまして、極端な数値等であれば任意に問い合わせることもあり得ますが、開票結果に疑義を挟むことは困難であると考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)今回不正をしたとされる市選管幹部は、未使用の投票用紙から数百票を白票として加えたと話しているとの報道がありますが、甲賀市における未使用用紙の管理方法について、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えします。  甲賀市の各投票所における未使用の投票用紙につきましては、投票時間の終了後、投票箱と一緒に開票所に集められ、開票が始まるまでに残数が確認され保管されていたと思われますが、実際にどのような管理がなされていたのかは、現段階では捜査中であり確認がとれない状況です。  今後、事実関係を把握できた段階で、未使用の投票用紙についての取り扱いや管理方法に問題がなかったかを検証してまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)今回、甲賀市選挙管理委員会は未使用用紙の数について、投票所ごとには確認したが、全体の集計をしないまま箱に入れ、11月24日の訴訟提起期限まで保管した後、再集計もせず、その後、焼却処分をした、県選管への報告は忘れていたという報道がありましたが、結局、甲賀市選挙管理委員会からの報告はその後ないままでしょうか。選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 現在のところ、甲賀市選挙管理委員会から、未使用の投票用紙を焼却処分した旨の報告はございません。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)早い時期に滋賀県選挙管理委員会から甲賀市選挙管理委員会に対し報告の催促をしていれば、今回の不正の早期発見につながったのではないかと考えますが、滋賀県選挙管理委員会の対応について、選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 未使用の投票用紙については、その悪用を防ぐ観点から、訴訟の提起期限まで市町選挙管理委員会において金庫などに厳重に保管をし、その後、焼却していただく取り扱いとなつております。  また、市町選挙管理委員会が焼却処分したことを県選挙管理委員会でも把握し、記録として残しておくため、焼却後は直ちに報告を求めているところであります。
     現在、焼却処分した際には、適正に報告されるよう徹底してまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)焼却処分後の報告を徹底していくということでありますけれども、そのほかの県内の各市町の選挙管理委員会からの報告状況はどのようになっているでしょうか。選挙管理委員会委員長にお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 現在のところ、7市町から報告があったところです。  なお、今回の事案を受けて、焼却処分した後は報告するようにと再度周知したところであります。  今後は、各市町選挙管理委員会に対しまして、焼却処分した際に、適正に報告が行われるよう徹底してまいりたいと考えております。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)先般お伺いしたときよりも数字がふえておりますので、多分やりとりをしていただいたのかなというふうに思うんですが、今のこの時点において、その7つの報告というのがタイミング的に多いのか少ないのかということが非常に判断しかねる部分もありますが、今回のこのケース、甲賀市が報告を忘れていたというところで、そのまま済ませてしまおうという流れになっていたところを考えると、これまでの報告の提出状況とか、過去にさかのぼっては聞きませんけれども、そのあたり問題がなかったかどうかというところも、今後の不正再発防止に向けて取り組みのほうを、強化していただきたいというふうに思います。  今回の甲賀市選挙管理会の不正や現状の体質を踏まえ、滋賀県選挙管理委員会としても、不正の再発防止を含めた開票事務改革に力を入れるべきではないかと考えます。  不正の再発防止と開票事務に当たる職員の意識改革を行い、開票事務の見直し、ミスや不正をなくす工夫をしながら作業の効率化を図れば、結果、スピードアップにもつながるというもので、早稲田大学マニフェスト研究所は、これまでも多くの自治体の開票事務改革に取り組んでこられています。有名なところでは、長野県小諸市において、2010年の長野県知事選の開票事務をわずか17分で終え、人員もコストも大幅に削減されています。  滋賀県内でも、高島市において同様にこれまでより開票事務改革に取り組んでこられ、今回の第48回衆議院議員総選挙の開票事務も、県内の投票総数の近い、あるいはそれ以下の自治体と比較しても、1時間から1時間半以上早く終えられています。決してスピードアップのみを目的とするものではありませんが、効率化を図れば、結果、正確性にもつながります。  職員の意識改革と明確な目標設定で迅速かつ正確な開票事務を行うと同時に、不正の再発防止に向け、滋賀県選挙管理委員会として、各市町の選挙管理委員会とともに積極的に開票事務改革の取り組みを進めていくべきと考えますが、選挙管理委員会委員長の見解をお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 職員の意識改革という点におきましては、選挙事務に携わる職員の一人一人が民主主義の根幹をなす選挙への信頼を支えているという自覚を持ち、法令を遵守し、緊張感を持って職務に臨むよう、改めて徹底することが必要であると考えているところであります。  また、開票事務の効率化を図ることにより敏速化や正確性の向上など事務の改革につなげ、ミスや不正をなくすことは大変重要であると考えておりますことから、こういった研究も進めながら、各市町選挙管理委員会とともに開票事務の適正な執行に努めてまいりたいと思います。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。今後研究もしていただくということで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後に、今回の甲賀市選挙管理委員会のケースを踏まえて、県選挙管理委員会として今後どのような対応をとっていかれるのか。選挙管理委員会委員長の見解をお伺いします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) 現在、この事案につきましては警察当局により捜査が進められておりまして、また、甲賀市による事実調査や検証につきましても、まだ、先ほど申し上げましたように、しばらく時間を要するところでありますけれども、選挙管理委員会として、過誤や不正の入る余地がないよう、説明会や研修会など再発防止の取り組みを通じて、各市町選挙管理委員会とともに開票事務の再点検や法令遵守の徹底などを図り、選挙の厳正な執行と信頼確保に取り組んでまいります。 ◆7番(田中松太郎議員) (登壇)今、県内でも選挙戦行われておりますし、また、今後も知事選挙、それから県議の補欠選挙等々さまざまな選挙がありますけれども、今、選挙管理委員会委員長、今後、そのあたり徹底して法令遵守をしていくということで決意のほうをおっしゃっていただきましたけれども、今回、私もこの件でいろいろ調べてまいりますと、例えば先ほど質問させていただきました白票の集計の仕方につきましても、各投票所から回収された時点で一旦集計されますが、その後、保管して、焼却前に再度集計をし直すとかいったところが、本来の手続であれば数え直さなければいけないというふうになりますが、そこで数え直して実際の数が違うとなると、それはそれでまた問題になりますので、実態としては転記をしているだけというような実態もあるようなお話も聞いております。そうなってまいりますと、結局、そこの報告のみを強化してもなかなか改善できない部分もありますので、ですから、これまでの選挙事務、性善説に基づいて成り立っておりますので、もちろん県の選挙管理委員会としても、管理事務をしていただいている各市町からの数字に対して、その報告をしっかりと正しいものと認識して行うべきでありますけれども、その中で、今、私が確認した中でも、いろいろ不正の引き金となるようなポイントが幾つか見受けられる部分もありましたので、改めてそういったところを今回しっかりと、再発しないような取り組みもあわせて、それぞれ各市町の選挙管理委員会とともに御検討いただきながら、民主主義の根幹となるこの選挙が公正な中で今後も運営されますことをお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手) ○議長(奥村芳正) 以上で、7番田中松太郎議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。  明24日および25日は、県の休日のため休会であります。  来る26日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時13分 散会    ────────────────...