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令和 元年第 4回定例会−12月03日-03号
令和 元年第 4回定例会−12月03日-03号

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  1. 熊本市議会 2019-12-03
    令和 元年第 4回定例会−12月03日-03号


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    最終取得日: 2022-11-22
    令和 元年第 4回定例会−12月03日-03号令和 元年第 4回定例会   令和元年12月3日(火曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 令和元年12月3日(火曜)午前10時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前 9時59分 開議 ○倉重徹 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○倉重徹 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。吉村健治議員。          〔14番 吉村健治議員 登壇 拍手〕 ◆吉村健治 議員  皆さん、おはようございます。市民連合の吉村健治と申します。  事前に通告した質問事項を淡々と粛々と進めたいと思いますが、本日午前にいただいた貴重な機会ですので、先輩、同僚議員の皆様方にはしばらくおつき合いをいただきまして、緊張感を持ちながら質問していきたいと思います。  市長初め執行部の皆様方もよろしくお願いいたします。  さて、早いもので12月を迎え、令和元年も終わろうとしています。来年4月には熊本地震から4年を迎えますが、いまだに御自宅の再建等がままならず、日常生活を取り戻せていない方々が多くいらっしゃることを忘れずに、日々微力ながらお力になれるよう、私も市議会議員として、さまざまなことに取り組んでまいる所存です。  令和元年度も多くの災害が発生し、日本全国で犠牲となられた方々、被災された方々がいらっしゃいます。お悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、被災自治体では、一日でも早い復旧・復興を目指し、正月返上で御努力、御苦労されると思います。改めて、被災自治体職員の皆様方を初めボランティアの方々に敬意を表したいと思います。  それでは、通告に沿って質問していきたいと思います。
     私は、戦後23年たった1968年(昭和43年)に山口県下関にて生を受けました。その後、太陽デパート火災が起こった昭和48年に、父の転勤に伴い熊本市に転居し、現在に至ります。  父は、福岡県の小倉生まれで、4人兄弟の長男ですが、第二次世界大戦で昭和19年12月、今から75年前のちょうど今まさにこの時期に父親を徴兵にとられ、昭和20年1月に戦死したとの知らせを後日8歳で受けたそうです。実際に私は会ったことはありませんが、亡くなった祖父は召集令状が届いた後、小倉から佐世保に移動し出港した後、数日にして台湾沖で乗船した軍籍船が沈没させられ、妻と4人の子供、母親を残し、海の藻くずとなりました。亡くなった場所、日付などはいまだにはっきりとせず、遺骨もありません。地元にある戦死者を弔う忠霊塔には遺骨が入っていない骨つぼのみがお供えしてあるそうです。  戦前、戦中、戦後の激動の時代を4人の子供を抱え、祖母の苦労は語るにがたしですが、母親一人で小さな子供を育てる大変さは、今の時代でも容易に想像できます。ただ、祖母は、当時の苦労話を生前私たち孫に積極的に余り語ろうとはしませんでした。ひどい食糧難の時代でしたから、食べ物にまつわる逸話は幾つか聞きましたが、私たち孫への気遣いか、血生臭い話などはしなかったと思います。  唯一、戦時中の話でよく話していたのは、長崎の原爆にまつわる話でした。いろいろ諸説ありますが、当時の北九州地方は、八幡製鉄所を初め軍事的に日本の重要拠点に当たり、連合国は戦争を終結させるため、最終標的地点の一つにし、広島に原爆を投下した後、現在の北九州市に2回目の原爆を投下する予定だったそうです。  祖母が話してくれたのは、当日の天候と製鉄所から排出される煙などで急遽投下するターゲットとして北九州が外され、そのかわりに長崎に原爆が投下された。もし北九州に原爆が投下されていたとしたら、私たちはみんな死んでしまって、あなたたちは生を授かることもなかったんだから、今あなたたちが生きているということは、長崎で無残にも亡くなった方々の犠牲の上に成り立っているのよと、生前話してくれていました。祖母の話を聞いて、子供心に、戦争って命を奪う最も人間がしてはいけないことと思うようになりました。  私自身は、子供が4人いますが、4人ともに小学校の修学旅行で長崎に行かせていただきました。子供たちは、それぞれ帰ってきてから、原爆資料館で思ったこと、感想や、語り部の方たちのお話を聞いて、大きく心を揺さぶられたようでした。ただし、その後、中学、高校と授業で平和教育を受けさせてはいただきましたが、少しずつ、平和の意味や戦争がもたらすことの影響などを考えることから遠ざかっていってしまったようです。今ある平和な社会が当たり前のように感じているような気がします。  ことしで戦後74年を迎え、当時を生々しく覚えておられる方々が年々お亡くなりになられ、後世に戦争の悲惨さや平和の大切さを語り継がれる方々が少なくなってきました。私たち政治家は、戦争のない未来を後世に引き継がなければなりません。  私は、最近、戦後という言葉を大事にしていきたいと強く思うようになりました。ことし迎えた令和の時代においても、日本で戦争のない世の中を続けていって、太平洋戦争終結以来、戦後がずっと未来永劫続いてくれるように努力することは、政治家として、国会議員だけの仕事ではなく、あまたの地方議員に課せられている一番の仕事であると思います。主義主張、思想信条、政党などの違いを超えたものと思っております。  そこで、教育長にお聞きします。  熊本市として、平和教育を今後どのようにして行い、平和を次世代に引き継いでいくのか、また、子供たちに継続的に学んでいかせるのか、現在行われていること、今後予定されていることなどがあれば、また、するべきことをお聞きしたいと思います。  また、大西市長には、先日、高校生平和大使の訪問を受けられ、思うところも多かったと思いますが、市長御自身の平和に対する思い、平和教育のあるべき姿をお話しいただければ幸いです。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  平和教育についてお答えいたします。  小中学校においては、さまざまな教育活動を通して平和教育を行っております。  小学校では、国語科で、戦争や原爆に関する教材を使って平和のとうとさについて考えたり、社会科で、戦争の悲惨さや平和を求める心、国際平和の精神を学んでおります。  中学校では、社会科の歴史で、日本が戦争に向かった過程や民主化、国際社会への復帰等を学び、公民では、日本国憲法における平和主義の意義や国際社会における貢献や協調、協力等を学んでおります。  また、修学旅行では、全ての小学校が長崎を、また一部の中学校が広島や沖縄を訪問し、現地で被爆の体験談を聞く学習活動を行うなど、より実感を伴う学びに取り組んでおります。  さらに、昨年度、教育委員の行政視察で沖縄を訪問し、教育委員からも、伝承の困難さや戦争を起こさない未来志向の教育の重要性を踏まえた平和学習の充実に向けた提言があったところです。  今後は、戦争体験者が高齢化し、直接御本人から体験を聞く機会が減少している中で、デジタルコンテンツの活用などの工夫を行ってまいります。また、戦争の悲惨さを学ぶだけでなく、世界情勢にも目を向けながら、平和な社会の実現には何が必要かについて、子供たちが主体的に考え実践する力を育む教育の推進に努めてまいります。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  戦後74年が過ぎ、戦争を体験した方々が減少していく中、戦争の悲惨さや平和のとうとさについて、次の世代へ確実に引き継いでいくことは、私たちに課せられた重大な責務であると認識しております。  特に、唯一の被爆国として、平和主義の理念を掲げる憲法を持つ我が国は、核兵器廃絶を世界の人々に訴え続けていかなければならない責務があると考えております。  このような中、本市においては、戦後50年に当たる平成7年に、再び戦争の惨禍を繰り返さないことを誓うとともに、世界の恒久平和を希求する平和都市宣言を宣言しており、未来を担う子供たちへの平和教育及び市役所本庁舎ロビーや区役所などでの平和啓発パネル展の開催を通して、平和の重要性について認識を深める取り組みを推進しております。  私自身は、毎年8月6日の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式、9日の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典及び15日の終戦記念日に行われます熊本県戦没者追悼式に参列するとともに、平和都市宣言を行った自治体の長として、核兵器廃絶に大いに賛同することから、平成27年に核兵器全面禁止アピールに署名し、戦争の悲惨な記憶を風化させることなく語り継ぎ、平和な社会の実現への決意を新たにしているところでございます。  先日、熊本の高校を代表してスイスの国連欧州本部を訪問し、核なき世界の必要性を訴えた高校生平和大使で、県立第二高等学校2年の島崎亜季子さんから活動報告を受け、とても心強く感じたところです。平和な社会の実現のためには、若い人たちがこのような活動を通じて、国と国の立場の違いを超え、お互いに理解を深めていくことが不可欠であると考えており、改めて、暴力や恐怖による解決ではなく、対話によって平和を築いていくことの大切さを認識しました。  今後も機会を捉え、市民の方々とともに、平和の大切さや命のとうとさに対する理解を深めるとともに、戦争の惨禍について次の世代へ語り継ぐための取り組みを進め、恒久平和の実現に向けた努力を粘り強く行ってまいりたいと考えております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  教育長の答弁からは、さまざまな教育活動を通して平和教育を行っており、教材にも工夫し、平和のとうとさ、戦争の悲惨さや平和を求める心、国際平和の精神を学んでいるとのこと、そして、歴史の授業で、日本が戦争に至った過程や民主化、国際社会への復帰過程、日本国憲法における平和主義の意義や国際社会への貢献や協調、協力等を学んでいるとのことでした。また、デジタルコンテンツの活用を行って、次世代に語り継がれるとの御回答をいただきました。  おっしゃるように、戦争の悲惨さを学ぶだけではなく、世界情勢に目を向けながら、平和な社会の実現には何が必要かは子供たちが主体的に考え、実践する力を育むことが今からの教育に求められていると思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。  市長からは、御自身の平和に対するお考え、思い、本市の取り組みをお話しいただきました。平和都市宣言を行った自治体の長として、核兵器廃絶に大いに賛同されており、核兵器全面禁止アピールに署名されたとのことでした。引き続き、戦争の悲惨さや平和のとうとさについて、次世代に確実に引き継いでいけるよう、また世界の核兵器廃絶や核軍縮を世界の人々に訴え続けていただければと思います。  最後に市長がお話しいただいた、市民の方々とともに平和の大切さや命のとうとさに対する理解を深めるとともに、戦争の惨禍について次の世代へ語り継ぐための取り組みを進め、恒久平和の実現に向けた努力を粘り強く行ってまいりたいという言葉は、特に印象に残り、また心強く思った次第です。  ありがとうございました。  さて、先月24日、ローマ法王が被爆地長崎と広島に来られ、平和へのメッセージを発信されましたが、私が以前訪れた広島市の平和記念資料館で見た、今から38年前に当時のローマ法王ヨハネ・パウロ二世が行った平和アピールの記念碑に刻まれた文章を御紹介したいと思います。  「戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命を奪います。戦争は死そのものです。過去を振り返ることは、将来に対する責任をになうことです。ヒロシマを考えることは、核戦争を拒否することです。ヒロシマを考えることは、平和に対しての責任を取ることです。」  また、先週私が自宅近くの小学校に伺いまして、そこで行われた6年生の学習発表会で、長崎の修学旅行で感じてきたことを発表していたので、ここで御紹介したいと思います。  原爆が落とされた長崎の地に誓う。  今から74年前、1945年8月9日11時2分、長崎に原子爆弾が落とされた。平和に暮らしていた何千何万という人たち、自然と平和にあふれたまちが一発の原子爆弾によって一瞬で見るもの全てを奪われた。あのときの出来事を僕たち私たちは決して忘れない。忘れてはならない。  戦争も終わり、豊かになった現在の日本、町並みは皆大きく変わり、世界中とつながりが持てるようになった今、多くの人が家族と暮らせる平和な国、日本。そのはずなのに、あの戦争で今でも苦しんでいる人たちがいる。傷を癒やし続けている人たち、そんな人たちがいることを僕たちは知った。私たちは学んだ。戦争がそういうものだとわかった。  人間同士の争いにより、たくさんの生き物がすむこの星の空気、水、自然が汚されていく。世界中の反対を押し切り、子供たちの将来を考えず、核実験をする国がいまだにあります。私たちは知っている、核兵器の恐ろしさを、怖さを、あの出来事を。  世界でたった一つの被爆国の人間として、戦争反対、原爆反対、僕たち私たちは心を一つにして訴える。生きている全てのものの命を奪ったあの戦争の怒りを、苦しみを、悲しみを無駄にしない、決して無駄にしてはならない、この思いを未来へと語り継ぐことを、あの過ちを二度と繰り返さないことを。世界の人々と心をつなぎ、僕たちは誓う。私たちは誓う。  以上です。  被爆者の生の声が小学生たちには十分届き、学んでいただいているようです。  さて、私たち大人はどうでしょうか。各自、私も含め、考えてみる必要があるようです。  現在、日本人がさまざまな問題を抱えながらも、戦争のない生活を送れているというのは、戦後74年間、平和憲法のもとに直接戦争をしなかったからです。さまざまな議論を通じて、私たちはさらに戦後を続ける努力を日々続けていくべきだと強く思います。私自身も、微力ながら平和に貢献できるよう努力することをお誓い申し上げて、次の質問に入ります。  犯罪被害者救済条例についてお聞きいたします。  近年の凶悪犯罪の多発化は、多くの被害者を生んでいるだけではなく、その御家族が二次被害に遭うなど、精神的、経済的にも苦しんでいらっしゃいます。凶悪犯罪に突然遭うことは誰にでも可能性があり、人ごとでは済まされません。  日本の現在の法律では、加害者の保護や権利はある程度保障されているものの、被害者や被害者家族に対しては、殺人事件などの凶悪犯罪に巻き込まれても、ほとんど権利保護がなされていない状況があります。  平成16年末に制定された犯罪被害者基本法では、犯罪被害者等が被害から回復し、再び地域社会の一員として平穏な生活を営めるようになるためには、住民にとって身近な行政機関である地方公共団体が中心となり、関係機関、団体と連携協力しながら、地域における総合的な支援を進めることなどが記されていますが、被害者、被害者家族にとって、とても必要十分とは言えていない状況です。  熊本においては、相談窓口などで対応されていますが、金銭面も含め、よりそれぞれの実情に応じた支援が必要かと思います。それぞれの実情に応じた支援を行うためには、地域ごとに犯罪被害者等救済条例の制定は不可欠なものと思われます。現在、内容はそれぞれですが、全国各地の自治体に順次制定されているようです。  その先進地において、内容の濃い、被害者の方々に寄り添う条例の制定がなされていますが、将来的に熊本市においても、犯罪被害者に突然なってしまったとしても、熊本市が大きな後ろ盾になり得る条例の制定を強く求めたいと思います。  市民局長にお聞きします。  他都市の犯罪被害者救済条例の制定状況はどうでしょうか。  また、熊本市としての犯罪被害者支援の取り組み状況を教えてください。  そして、熊本市としての犯罪被害者救済条例の制定について、お考えがあるのかどうか。  以上、お答えください。          〔石櫃仁美市民局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 市民局長  まず、他都市の犯罪被害者支援条例の制定状況につきましては、犯罪被害者支援に特化した条例とまちづくり条例の一部に明記している条例と合わせて、現在34の道府県と11の政令市で制定されております。  次に、本市におけます犯罪被害に遭われた方々への支援の取り組み状況につきましては、本庁と各区役所におきまして支援に関する案内窓口を設置し、各種支援に関する情報提供や相談内容に応じて、市の担当部署へ案内しているところでございます。  また、専門相談員を配置して、犯罪被害に遭われた方々に対する相談活動や日常生活の支援などを行っていらっしゃいます公益社団法人くまもと被害者支援センターと連携しており、本年は11月の犯罪被害者週間に合わせて、シンポジウムを共催いたしました。  最後に、本市といたしましての犯罪被害者支援条例制定の考え方につきましては、犯罪などの被害者とその家族、遺族の方々の尊厳が尊重され、それぞれの持つ事情に応じた取り組みと再び平穏な生活が営まれるよう支援をしていくことが重要であると認識いたしております。  今後とも、犯罪被害に遭われた方々への支援を行う機関や団体とさらに連携しながら、安心して暮らすことができる地域社会の実現に向けまして、被害者の方々に寄り添う支援の取り組みや条例制定の必要性についても検討してまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  他都市の犯罪被害者救済条例の制定状況については、熊本市と同じ政令指定都市11市、現在、34道府県において制定されているとのことでした。  他都市がやっているからではなく、大きな住民サービスの一つとして、財源なども含めて、制定を目指してやっていただきたいと思います。その際は、県弁護士会を初め犯罪被害者の会や家族会、被害者支援センターなどの意見も参考にしながら、実態に合った救済条例の制定をお願いしたいと思います。  地元紙の社会部、前田記者が記したコラムを少し御紹介いたします。  被害者遺族の「声」。  私の娘は、学校内で同級生から首を絞められ殺害されました。  2019年9月、熊本市内の中学校であった県警主催の出前講座で、女性は悲しげな表情で生徒らに語りかけた。  2006年、高専生であった長女が同級生の少年に殺された。突然最愛の娘を奪われた苦しみや殺害後に自殺した少年への怒り、多くの人の支えで立ち直った経験を振り返り、生きることの幸せを訴えた。  警察担当の記者になって1年半、子供を殺害された3人の遺族の講演を聞いた。遺族の悲しみは事件から歳月がたっても癒えず、時折声を震わせながら話す姿に心が締めつけられた。遺族がつらい出来事を語り続ける理由は、これ以上被害者も加害者も出したくないという思いだった。  報道機関も同じだ。遺族らの肉声を通して、事件や事故の教訓や背景を社会全体で共有し、二度と悲惨な事件や事故を起こさないという信念を持って取材に当たっている。一方、発生直後から被害者宅などに報道陣が詰めかけるメディアスクラム集団的過熱取材)が繰り返され、問題になってきた。  京都アニメーション放火殺人事件では、プライバシーに配慮し、京都府警が犠牲者全員の実名を公表するまで40日かかった。遺族も報道陣からのたび重なる取材に戸惑いや怒りを感じたという。実名の公表や遺族への取材を希望する報道側と書かれる遺族側、この溝を埋めるのは容易ではない。  一番大切なのは声だからこそ、遺族に寄り添い、お互いに納得して発信したい。自分が取材するとき、遺族にどこまで寄り添えるのか、凶悪事件があるたびに自問自答しているとのコラムでした。  私は、このコラムを読んで、熊本市として、もっと踏み込んだ形で被害者や遺族に寄り添った支援活動ができるのではないかと思います。条例はそれを補うものと期待したい。物心両面で困った人を助けるのが行政の大きな役割だと思うのです。  局長答弁の最後にありました、安心して暮らすことができる地域社会の実現に向けて、被害者の方々に寄り添う支援の取り組みや条例制定の必要性について検討されるとのこと、期待してこの質問を終わります。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  放課後等保育についてお聞きします。  私が育った昭和40年代、50年代は、時代的に共稼ぎの世帯はまだ少数派で、男性は仕事、女性は子供を産み家庭を守るというのが、いわゆる一般的な当たり前の社会でした。時代は変わり、昭和から平成にかけて共働き世帯が当たり前になり、夫婦で働いて生活費を稼ぐことがスタンダードになりました。それに伴って核家族化が進行し、家族が孤立したり、子供が社会や地域から置き去りになってしまったという、余りよろしくない事態を引き起こしました。  アニメ、サザエさんで描かれている家族像は、今の社会では懐メロ感覚であり、お年寄りや子供たちを地域社会が守り育てるなどということは理想論だとも言われるようになりました。そんな中でも、地域社会において、お年寄りや子供たちの孤立化に危機感を抱く人たちが、地域の結びつき、いわゆる御近所づき合いを基本に、さまざまな形で御活躍され、孤立化への防波堤となり頑張っておられます。  社会の変化に伴う家族のあり方や社会のあり方は、時代時代によって変わりますが、日本人が基本とする村社会のあり方、人間のあり方は、時代が変わろうとも不変のものです。そういった中で、小学校における放課後等保育は時代の要請として生まれたものですが、保護者や子供たちの要望、期待するものは刻々と変わってまいります。  現在では、働き方改革の名のもとに、勤労時間の見直しや働き方の見直しの動きがありますが、それでも子育て世代の保護者の環境は決してよくはありません。日々の生活に追われ、精神的にも金銭的にも疲弊した保護者が多くなりましたが、そういった中でも、何とか我が子を育てるために奮闘している保護者がたくさんいらっしゃいます。そのような日々の生活に追われている保護者たちが、熊本市のいわゆる児童育成クラブに期待しているものは決して少なくはなく、大いに頼りにし、少しでも安心安全に子供たちを育てたいがために預けておられます。  今現在、児童育成クラブに子供さんを預けている保護者に対し、また将来的に預ける予定の保護者の皆さんに対し、少しでも安心して仕事や子育てができる環境を整えてあげる意味でも、以下の質問に教育長に御答弁いただければと思います。  児童育成クラブの熊本市における現状とその問題解決について、また開設時間の延長と4年生以上の受け入れについて、お考えをお聞きします。よろしくお願い申し上げます。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  放課後等保育についての質問にお答えいたします。  児童育成クラブの開設時間の延長について、昨年実施した児童育成クラブの支援員を対象としたアンケートでは、約7割の支援員が、午後6時以降は従事できないと回答し、延長に当たっては、支援員の確保が課題となることが明らかになっております。支援員の確保については、これまでも支援員の雇用条件の改善を図るとともに、求人情報誌への募集記事の掲載、学校への呼びかけ等、募集の工夫を行ってまいりました。  今後も引き続き、市民ニーズを把握しながら、人員確保に向けた対策を進め、開設時間の延長を検討してまいります。          〔議長退席、副議長着席〕  また、児童育成クラブでは、施設の狭隘さが大きな課題であり、厚生労働省が定める面積基準の充足を目指して整備を進めております。4年生以上の受け入れについては、現在、小規模で施設に十分な余裕のある4クラブで実施しております。  今後も、十分な広さを有し、支援員の確保ができたクラブから順次検討してまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  4年生以上への受け入れ対応は、現在、市内で4校において既に実施され、今後も順次対応していくとの御回答で、少し安心いたしました。  全ての児童育成クラブで早期利用できるように、一歩一歩積み重ねのほど、今後ともよろしくお願い申し上げます。  開設時間の延長は、支援員の確保が課題で、難題であるとの御答弁でした。  働き方改革と言われておりますが、実際、18時までに保護者がその子供の通う小学校まで迎えに行くことが可能な家庭がどれくらいあるでしょうか。決して多くはないと思います。保育園時代は19時過ぎまで子供を預けられたが、小学校の児童育成クラブは18時まで、また、子供が小学校になると時短勤務制がなくなる企業もあることから、共働き世帯やひとり親世帯が子供の小学校入学を機に仕事をやめ、働き方を変えざるを得ない現状があります。いわゆる小1の壁問題として、社会問題化しております。  国の施策としては、児童育成クラブの開所時間の延長や待機児童ゼロの実現をするための対策を盛り込んだ経済財政運営と改革の基本方針が2014年6月に閣議決定されましたが、そのことは好材料と言えます。  しかし、実際に児童育成クラブを利用されている保護者からは、保育園時代でもぎりぎりにお迎えに行っていたのに、18時までの迎えは難しい、18時までの迎えは無理なので、児童育成クラブからスイミングや塾などにさらに習い事に行かせています、18時までの迎えが無理なので、児童育成クラブから早目に帰宅させて、一人で留守番させていて心配です、小学校入学を機に、フルタイムで働くのが難しいので仕事をやめました、または、フルタイム勤務からパートタイムに職種を変更しました、6年生までぜひ預かってほしいというお話をよくお聞きします。  熊本市の児童育成クラブの待機児童はいないとお聞きしましたが、そもそもそういった保護者の方々とニーズが合わないために、申し込めない、申し込まない御家庭が多く存在するのではないでしょうか。  厚生労働省の放課後児童クラブ関係資料においては、平成29年5月1日現在、18時半を超えて開所している児童育成クラブが全国で全体の55%を占めており、増加傾向にあります。熊本市近隣の市町村では、19時までの開所時間延長の対応を始めた市町村がふえてきております。  熊本市が運営する児童育成クラブは、ほとんどが学校の敷地内にあり、利用料金も安価で、他市町村と比べて利用しやすい環境であることはもちろん存じております。今現在は、近隣の市町村の児童育成クラブに比べて、熊本市の対応がおくれているのではないかとの声も聞こえてまいります。支援員の確保が難しい現状は理解しております。それに伴う熊本市の財政負担が増加することもわかっています。しかし、できない理由ばかりを見ていては前に進めることはできません。
     国は、開所時間延長推進のための運営費を補助しており、大津町や合志市など、民間の団体に委託して、6年生までの受け入れや19時過ぎまでの開所延長を行っている他市町村もございます。  熊本市も、民間団体との協力や委託、教職課程の学生ボランティアを活用するなど、さまざまな手段を講じることを早急に検討していただき、開所時間延長、6年生までの受け入れの早期実現を望みます。  2014年6月の閣議決定から5年で、日本全国の学童保育所のうち55%が開所時間延長を実現できている現状を踏まえ、熊本市も早期実現に向け、期限を区切った数値目標をつくり、子供たちやその保護者の安心のため、充実した制度設計の実施実現をお願いいたしまして、次の質問に移ります。  子供の貧困、虐待、里親問題に関してお聞きいたします。  けさほどのニュース、新聞等でも、ある県の子供さん、小学校4年生10歳の子が母親に殺され、母親は重体というニュースがありました。そのことも踏まえて御質問させていただきます。  子どもの権利条約が1989年、国連総会で採択されて、先月で30年たちました。  子どもの権利条約とは、簡単に言えば、子供の基本的人権を世界全体で保障するものと定めたものです。18歳未満の子供たちを保護や指導の対象ではなく、一人の人間として権利を持つ主体と捉える国際的な取り組みでございます。  1、生きる権利、つまり命が守られること。2、育つ権利、つまり能力を伸ばして成長できるように支援を受けられること。3、守られる権利、つまり暴力、虐待から守られること。4、参加する権利、つまり自由に意見を発表できることなど、子供たちが幸せな生活を誰でも送ることができるための必要な権利が盛り込まれています。  国連で採択されて5年後、日本も条約に批准し、定められた条約に子供の権利を実現するため、国内法の整備に取り組んでいるところと聞き及んでおります。  地元新聞社の記事によると、日本においては全国の児童相談所が2018年度に児童虐待の相談、通告を受けて対応した件数は約16万件、熊本県内では過去最多の約1,500件に上ったそうです。2017年度に虐待を受けて亡くなった子供は全国で65人に上るなど、国連での権利条約採択から30年たった今でも、子供の権利保障どころか命まで奪われているのが実態です。  政府は、悲惨な虐待死亡事件等を受けて、児童福祉法と児童虐待防止法を改正し、親によるしつけ名目での体罰禁止などを明記しましたが、その後も事件はなくなりません。親権者の懲戒権を認めた1890年に法制化された旧民法の規定についても、体罰の温床になるなどとして、条文削除を求める声が上がっておりますが、しつけができなくなるなど時代錯誤な反対意見もあり、そのまま親権者の懲戒権が現在でも残っているようです。  先進国と言われて久しいここ日本で、いまだにこのような状況であることは、諸外国の良識ある人々から見れば、違和感のみならず、嫌悪感すら覚えているとのことです。まさに子供の権利に反することで、早急な見直しをすべきだと思います。  子供の貧困問題も、ここ熊本においても大きな社会問題になっております。県が行った調査では、実に県内の貧困率は約15%、子供の約7人に1人が貧困状態にあります。極めて厳しい生活環境に置かれている子供たちがいる実態が明らかになっております。  国連の担当委員会は、ことし2月、日本政府に対して、子供に対するあらゆる暴力の撲滅に向けての取り組みや子供の権利を包括的に定めた法律の制定、子供の貧困の是正などが勧告されました。まさに子供に対する日本の現状は後進国に当たり、恥ずかしい状況が現在でも続いております。  子供たちが将来に向けて希望を持つことができる、安心して生きていける社会の実現に向けて、政府だけではなく、私たち熊本市も官民一体となった取り組みが必要であり、子どもの権利条約の基本理念にいま一度立ち返るべきだと思います。  さて、最近の子供をめぐる虐待に関する報道で、私が少し違和感を感じることがあります。それは、事件を報道することで少しでもこういった痛ましい事件事故が減らせればとの意図で、マスコミの皆さんが報道されていることは理解しておりますが、児童相談所の不備で、いかにも事件事故が起こっているかのような表現が多過ぎるような気がいたします。  子供の虐待に関しては、社会全体で子供を育て育むという観点からも、児童相談所に丸投げし、全ての責任を押しつけることは賢明ではありません。今ある人的、物的資源の中で、児童相談所の皆さんも精いっぱい努力されております。  そこで質問ですが、熊本市として、子供の貧困問題について、どのような対策を行っていらっしゃいますでしょうか、具体的に教えてください。  また、子供の虐待問題などの増加を踏まえ、児童相談所の専門性の強化や職務の重要性をどのようにされていくのか。  最後に、非営利活動法人優里の会さんが熊本県や熊本市からの委託を受けて、里親制度の普及委託推進事業を粘り強くされておりますが、熊本市として、今後、里親推進体制の強化にどのように取り組んでいかれるのかを健康福祉局長にお聞きします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  子供の貧困、虐待、里親制度に関する3点のお尋ねに順次お答え申し上げます。  1点目の子供の貧困問題についての具体的な対策につきましては、子供の貧困が社会問題化する中、本市では、平成29年度に熊本市子どもの生活等実態調査を行いましたところ、子供の貧困は、経済的問題のみならず、家庭環境の不安定さから来るさまざまな問題が関係し、学習面や生活面に影響していることが明らかとなったところでございます。  そこで、本年1月に、本市の子供の貧困対策計画であります熊本市子どもの未来応援アクションプランを策定し、庁内の関係課との連携を図りながら、さまざまな取り組みを進めているところでございます。  まず、学習面につきましては、生活保護受給世帯の中学生を対象に、高校進学へ向けた基礎学力向上のための支援を実施しており、高校進学率は100%となっております。また、今年度から、中学生を対象に、教員退職者による空き教室を活用した放課後学習教室を2校で行っており、引き続き、実施校の増加を図ることといたしております。  さらに、子供たちや保護者への生活面につきましては、本年10月に子供食堂の活動団体への助成を拡充しまして、23団体に対し運営経費等を決定したところであり、10月末現在で29団体が活動しております。  このような取り組みを通じまして、子供たちがその生まれた環境によって左右されることがない社会の実現を目指してまいります。  2点目の児童相談所の専門性の強化や職務の重要性につきましては、児童相談所は、虐待対応を初め子供に関するさまざまな相談や里親推進など、子供の権利を守るための支援を行う重要な職務を担っております。  児童相談所には、豊富な経験に基づく知識と法的対応などに関する高い専門性が求められますことから、今後、国の児童虐待防止強化方針を踏まえまして、児童福祉司や弁護士等の専門職の充実を図るなど、児童相談所の体制強化に向けて、さらに取り組んでまいります。  最後に、3点目の里親推進につきましては、里親の人材確保や人材育成を初め、子供の受け入れ後の支援に至るまでの一連の業務、いわゆるフォスタリング業務を担う機能の充実を図りますほか、児童相談所と関係機関等とのさらなる連携を図り、里親推進体制の強化に向けて取り組んでまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  子供の貧困問題は、もはや日本全国で社会問題化されており、日本の戦前、戦中、戦後、昭和の話ではなく、この令和の時代に、約7名に1人の割合で子供の貧困があるなんてにわかに信じられない人もいるかもしれませんが、私たちは現実を直視し、行政だけでなく地域社会が一体となって、この問題に関して取り組んでいかなければならないと再認識いたしました。各地で開催されている子供食堂を初め子供の貧困問題解消に取り組んでいるボランティアで、子供たちに寄り添った活動をされている方々には本当に頭が下がります。  次に、子供の虐待問題の増加を踏まえた児童相談所の専門性の強化でございますが、児童福祉司には豊富な経験と高い専門性、何より児童福祉に関する深い理解が必要とされており、そのためには児童相談所の体制強化をすること、児童福祉司の豊富な経験や専門職の確保等による専門性の向上を図るとのお答えがありました。  児童相談所の皆さんの現在の体制の上での努力だけではなかなか実現不可能なことでも、熊本市として、人事面、財政面での十分な裏打ちがあれば可能かもしれません。ぜひ来年度以降、より充実した福祉事業が可能になるように御検討の上、実行いただければと思います。  また、先日、毎日新聞1面の報道によりますと、2018年度にうつなどの精神疾患で休職した児童福祉司が全体の2.2%、57人に上り、約50人に1人の割合で休職した計算となり、ストレスの高い職場で子供たちの命を預かる仕事をしていることがうかがえます。  精神疾患の主な理由については、アンケートでは、子供の支援方針で対立している親とのやりとりに疲弊した、また、威圧的な保護者との対応による心理的負担などが挙げられています。児童福祉司の方々の中には、一般行政職から異動で児童相談所に配置され、実務経験を積むことで任用要件を得ている人も少なくないそうです。  西南学院大学の安部教授によれば、保護者への対応など、常に慎重な判断を求められる職場であり、未経験の職員をふやすだけで解決する問題ではなく、指導教育役のスーパーバイザーをふやすなど、きめ細かくサポートする体制づくりが必要だと述べています。働き方改革が叫ばれる昨今の日本で、より専門性の高い児童相談所で働く方々への手厚いサポート体制をお願いいたします。  現場で働く職員の皆さんへのサポートは、結果的に子供たちのこれからの未来に直結するはずです。24時間体制で、現場で働く児童相談所の方々が孤立しないように、十分過ぎるほどのさまざまな配慮をいただければと思います。  里親推進制度に関しては、喫緊の課題と認識していただいているとのこと。里親養育包括支援機関の設置を早急に実行していただき、子供の貧困問題、虐待問題等の減少にもかかわることですから、ぜひ社会全体に里親制度を認知させていただき、広く社会で子供たちを育む熊本であってほしいと思います。  以上で、次の質問に移らせていただきます。  熊本地震後の消防局の取り組みについてお聞きします。  日々、鍛錬を重ねて精進されている消防の皆様方には感謝の念にたえません。  間もなく熊本地震から4年を迎えようとしていますが、発生当初から、混乱の中、市民のために昼夜を問わず、また危険を顧みず、救援活動をしていただきました。私自身も地震発生時、消防の方々のお姿を拝見し、頼もしさを感じるとともに、また、どれだけの御苦労があるかと心配になるほどでした。  地震だけではなく、昨今頻発している大型台風を初め、自然災害発生時には、平素の救急消防活動以外にも、消防の皆様は、市民の救援活動を警察や自衛隊の皆さんと協力しながら行っておられます。  私は、市民の安心安全の面からも、現在の消防の皆様における環境整備が、熊本地震を経験したからこそ、より充実したものであるべきだと思います。また、熊本地震を今後風化させないためにも、さまざまな施策が必要だと思います。  そこで、消防局長にお聞きいたします。  熊本地震から、来年4月で4年を迎えますが、地震を受けてのこれまでの消防の取り組み状況、体制をお聞かせください。  また、今後の大規模災害発生時における対応、準備体制をお聞かせください。  市民の皆様方がより安心感を抱くことができるよう、皆様の状況を詳しく教えていただければありがたいと思います。          〔西岡哲弘消防局長 登壇〕 ◎西岡哲弘 消防局長  まず、地震を受けてのこれまでの消防局の取り組みについてでございますが、消防車両の燃料を確保するための燃料補給車や災害現場の被害状況などを確認し、その情報を災害対策本部等と共有するためのドローンを導入しました。また、熊本地震を風化させないための新体験型防災学習機材としてVR装置を導入したところでございます。  現在、関係部局と連携しながら、各小学校や地域で開催されます防災訓練等での体験型の防災学習を推進しております。さらには、免震床、無給油で72時間連続稼働が可能な非常用電源設備を備えた新消防指令管制システムの整備や重要な防災拠点である消防施設の耐震化を進めているところでございます。  次に、今後の大規模災害への対応についてですが、119番通報が集中した場合に、緊急度、優先度の高い事案を選別する、いわゆるコールトリアージを確立するとともに、消防救急無線回線の二重化など、指令管制業務を継続させるためのバックアップ体制を検討しております。  あわせまして、大規模災害が発生した際に、県内はもとより、全国からの消防の応援部隊の受け入れ態勢を万全に整えるとともに、熊本県総合防災訓練や熊本県下大規模災害対応訓練、緊急消防援助隊の全国あるいは九州ブロックでの合同訓練等の各種訓練を通じて、ほかの消防本部等を初め、医療機関や警察、自衛隊などの関係機関との連携強化を推進しているところでございます。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  私が今回、消防に対して一般質問に取り上げさせていただいたのは、日ごろの感謝も込めて、より頼りになる消防署、消防局、また働く職員さんたちがよりやりがいを持つことができ、また、日ごろの鍛錬の成果が遺憾なく発揮できる環境が整っているかを確認したかったためであります。  局長答弁の中で、新消防指令管制システムの整備を行い、重要な防災拠点である消防施設の耐震化を進めているとのこと、VR装置の導入を初め、熊本地震を風化させないように、小学校や地域で防災訓練等を通じて、体験型防災学習を推進されるとのこと、また、今後の大規模災害時の対応として、119番通報が集中した際の緊急度、優先度の高い事案を選別するコールトリアージを確立するとともに、消防救急無線回線の二重化など、指令管制業務が滞らないようなバックアップ体制を検討していくとのこと。市民はもちろん、消防職員の働く環境整備のためにも、ぜひ十二分な体制強化を実行していただきたいと思います。  また、大規模災害時の消防以外との協力体制に関しては、緊急消防援助隊、九州ブロック合同訓練等の訓練を通じ、さまざまな団体、医療機関、警察、自衛隊などの関係機関との連携強化を図るとのことでした。いざというときの広域的な連携が命を救うことになると思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。  次の質問に移ります。  熊本市の渋滞対策についてお聞きいたします。  市外から来訪者が来ると、大体熊本はいつ来ても車が多いですねと言われます。確かに、市中心部に来るにも植木インターや熊本インター、益城インターなどから、それぞれ小一時間かかったりすることがございます。  熊本市においては、深刻化する交通渋滞の解決策として、さまざまな検討をされているそうですが、将来にわたっては、これからの人口減少社会、超高齢化社会、自動車の運転自動化などを踏まえた上で、公共交通を軸足にし、市民に優しく便利な道路交通網の整備を行っていくべきだと思います。  そこで大西市長にお聞きします。  さきのヨーロッパ視察において先進地事例も視察されたとお聞きしておりますが、何か将来の熊本市に役立つヒントがありましたでしょうか。  また、中長期的な渋滞解消策とあわせて、喫緊の課題として、市内中心部や各所の渋滞解消方策は何かお考えがありますでしょうか。  誰もが移動しやすく暮らしやすい都市を目指す熊本市として、市民総出で知恵を絞り、将来を見据えた全体像を見せていただければと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先般訪問いたしました欧州各都市では、人々は利便性の高い公共交通で容易に移動でき、まちはにぎわいと活気にあふれておりました。そのような光景を見て、今後の超高齢社会の進展に対応していくためには、公共交通を基軸とした、誰もが移動しやすく暮らしやすい都市の形成が必要と改めて強く感じたところでございます。  本市では、基幹公共交通の機能強化やバス路線網の再編、コミュニティ交通の導入により、わかりやすく利便性の高い公共交通ネットワークの形成を行っております。  今後、ICT等による新技術の導入検討を進め、公共交通機関相互の乗り継ぎを円滑化すること等により、利便性をさらに高めていきたいと考えております。このような取り組みによりまして、自家用車から公共交通への転換を進め、加えて、主要交差点の改良等を国等とも連携して行うことで、現状の渋滞緩和を図ってまいりたいと考えております。  また、現在、新広域道路交通計画の策定に向け、国、県、経済界等と一体となりまして新たな道路ネットワークの検討を行っておりまして、その中で、公共交通の機能強化の視点も取り入れ、公共交通と自動車交通を効率的かつ利便性高く組み合わせた都市交通の最適化、いわゆるベストミックスを構築し、誰もが移動しやすく暮らしやすい都市の実現を目指してまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  御答弁ありがとうございました。  都市計画の中で、道路交通網の構築はさまざまな市民の要望や状況の違いから、市としての対応はなかなか難しい問題だとは承知しております。そういった中で、公共交通を基軸とした、誰もが移動しやすく暮らしやすい都市の形成を目指し、現在、基幹公共交通の機能強化やバス路線網の再編に取り組み、それらにコミュニティバスを接続する試みを行ったり、市民にとって、また熊本市を訪れる人たちにとっても、わかりやすく利便性の高い公共交通ネットワークの形成をされているとのことでした。  これからは、より市民にさまざまな情報を開示し、自家用車の利用に頼らずとも、公共交通網の利用を通しての移動が当たり前と思えるくらいの意識が市民に芽生え、環境にも優しい熊本市を目指していくべきだと思われます。さまざまな関門がこの渋滞対策には潜んでいることかと思いますが、市民を巻き込んだ議論を活発化させ、次世代に誇れる遠い未来を見越した公共交通網をここ熊本市につくっていただきたいと思います。  それでは、農業者支援についてお聞きいたします。  日本各地を襲う自然災害が頻発化、大型化し、私たち市民、特に農業者を苦しめております。  ことしの台風19号は激甚災害指定を受けましたが、当該地の多くの農業者を苦しめ、農地や作物が大打撃を受け、経営が成り立たないぐらいに打ちのめされた農業者が多数いると聞き及んでおります。また、過去の本市においても、多くの天災に見舞われ、多くの被害がもたらされてまいりました。  農業は、国の生命線であり、自然災害の多発化や食料自給率の低下問題があるここ日本で、これからも国、県、市が継続的に農業者を支援していかなければなりません。政令市熊本市においても継続的に農業者を支援し、寄り添っていくべきだと思います。また、持続可能な農業をしていただくために、農業後継者の育成事業も含め、その環境づくりも大切な要素かと思います。  そこで質問させていただきます。  第1に、近い将来、仮に大規模な災害に熊本市が見舞われ、大きな被害が農業者、生産物、農業施設・設備などに及んだ場合、熊本市としてどのような対策がとられるのか、具体的にお示しください。  第2に、ことし、北熊本スマートインターチェンジが開通し、また、今後の展開が予測されています中九州横断道路の大津熊本線も熊本市北区の農地を横断する予定とされております。現在、地元農業者の方たち、特に梶尾地区や大鳥居地区の方々が、農地の集積も含め、将来の不安を口にされることが多くなっております。  全国の政令市の中でも、特に農業が盛んで、やる気、熱意のある農業者が多い熊本市、今後、農業を持続的に続けられ、安定した農業を営んでいただきたいと心から思います。熊本市として、将来を見据えた農業者の立場に寄り添った農業政策の実行、後継者支援をお願いしたいと思いますが、お考えはどうでしょうか。  また、食料自給率の低い日本において、中長期的な視点で本市農業を持続的に発展させるための具体的な施策について、農水局長、お聞かせください。          〔西嶋英樹農水局長 登壇〕 ◎西嶋英樹 農水局長  農業者支援に関します2つの質問に順次お答え申し上げます。  まず1点目、大規模災害に対する具体的な対応であります。  本市におきましては、災害を未然に防止するため、排水機場やため池を適正に維持管理しますほか、県や農協と連携いたしまして、農業者に対して被害防止対策などの情報を提供しております。また、国、県、市の各種事業を活用いたしまして、低コスト耐候性ハウスの導入、パイプハウスの補強の推進とあわせまして、関係機関と連携した収入保険、農業共済への加入促進に取り組んでおります。  また、実際、災害が発生した場合には、被害状況を把握しますとともに、復旧に必要な支援対策を国に対して要望いたしております。また、被害の状況に応じて国が講じます農業関係被害の支援対策を積極的に活用いたしまして、迅速な復旧・復興を進めております。  今後とも、これらの取り組みにより、台風などの災害に強い産地体制を構築いたしまして、農業経営の安定を図ってまいります。  2点目、中長期的な視点での農業振興でございます。  本市の農業は、将来にわたって持続的に発展するためには、担い手の確保とともに、熊本農業の潜在能力を最大限に発揮させ、稼げる安定した農業経営を確立するための施策の展開が必要でございます。  本市では、農産物の高品質、省力化生産を図るため、生産基盤の整備などを支援してまいりましたが、より効率的な営農の展開を目指しまして、本年度からスマート農業加速化実証プロジェクトに取り組みますとともに、市の夢と活力ある農業推進事業を活用いたしまして、新技術の生産現場への実装を推進しております。  また、農産物の付加価値を高めるため、需要の増加が見込まれる国産加工用野菜の産地化に向けた新たな取り組み、それから、国内外におけます販路拡大を図るため、首都圏における商談機会を提供いたしますとともに、先般、イタリア最大手スーパーで、市長によるトップセールスや現地関係者との意見交換を実施いたしました。  さらに、将来にわたって担い手や農地利用のあり方を検討するため、農家への意向調査や地域農業の将来について話し合いを進め、農区ごとに人・農地プランを作成するとともに、担い手への農地集積や集約化に取り組むこととしております。  今後とも、市長マニフェストに位置づけられました日本一園芸産地プロジェクトを初めとする各種施策に引き続き取り組みますとともに、国や県の各種補助事業を有効に活用しながら、意欲ある農業者が安心して営農できる持続的な発展を図るための支援対策を総合的に推進してまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  災害予防等のため、関係団体と連携して、農業者に対して被害防止対策等の情報を提供するとともに、国の強い農業担い手づくり総合支援交付金や農業ハウス強靭化緊急対策事業、市の夢と活力ある農業推進事業等を活用した低コスト耐候性ハウスの導入やパイプハウス補強の推進とあわせて、農業共済への加入促進に取り組まれるとのことです。  ぜひ農業者の方々に対しては、施策の対象漏れ等がないように、わかりやすい説明が必要だと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。  また、災害が発生した場合の対策として、被害状況を早期に把握するとともに、支援対策を国に対して強く要望し、国により被害の状況に応じて講じられる農林水産関係被害への支援対策については積極的に活用して、迅速な復旧・復興を実施するとのことでした。何よりもこれからの取り組みにより、台風等の災害に強い産地体制を構築して、農業経営の安定化を図ってまいるとの御答弁をいただきました。
     本市における農業を将来にわたって持続的に発展させるため、熊本農業の潜在能力を最大限に発揮させ、稼げる安定した農業経営を確立させるための施策の展開を行うこと、つまり、農産物の高品質、省力化生産を図るため、より効率的な営農の展開を目指して、スマート農業加速化実証プロジェクトに今年度から取り組んでおり、市の夢と活力ある農業推進事業を活用して、新技術の生産現場への実施を推進されているとのことでした。  また、農産物の高付加価値化を図るため、需要の増加が見込まれる国産加工用野菜の産地化に向けた新たな取り組みや国内外における販路拡大を図るため、首都圏における商談の機会を提供するとともに、先般の市長によるイタリア最大手スーパーに対してのトップセールスも行われたとのことでした。  さらに、農業後継者育成事業とともに、農地利用のあり方を検討するため、意向調査や地域農業の将来について話し合いを進め、農区ごとに人・農地プランを作成するとともに、担い手の農地の集積と集約化を進めるとのお答えをいただきました。  熊本市の都市型農業の一層の発展のために、今後とも農業者と熊本市が一体となって、市長マニフェストに位置づけられた日本一園芸産地プロジェクトを初めとする各種施策に引き続き取り組んでいただければと思います。また、国や県の各種補助事業を積極的に活用し、意欲ある農業者が安心して営農でき、持続的発展ができるための支援対策を継続的に推進していただければと思います。  さて、プラスチックごみの問題についてお聞きいたします。  現在、私たちの周りにあふれるプラスチック関連商品ですが、プラスチックごみの海洋汚染が世界的にも問題になっております。  波とともに押し寄せ、海岸を埋め尽くすごみの山、洋上はるかな無人島の浜にも打ち上げられる空のペットボトル、海流に乗って何千キロも流され、浮遊を続けるビニール袋、海底の泥の中に大量に堆積し、また海中に浮遊するマイクロプラスチック、経済の成長や便利な生活スタイルへの移行とともに、ふえるばかりの海洋を汚染するプラスチックごみですが、大量のプラスチック製品を生産し消費している我が日本も、当然、無関係ではありません。国際社会の一員として、責任を持って、この海洋プラスチック問題の解決に向けて早急に対応していかなければなりません。  プラスチック関連商品は、洋服や自動車、建設資材、食品パッケージ、商品の梱包などにも多くが利用され、私たちの生活にあらゆる場面で長い間利用されてまいりました。しかし、プラスチックの多くは使い捨てされており、利用後、処理されずに、環境汚染の原因の大きな要素になっております。手軽に使える分、手軽に捨てられてしまうといった一面があり、良識的な消費者がたとえエコバッグを積極的に利用したとしても、きれいな環境を取り戻すには至っていないのが現状でございます。  そして、環境中に流出したプラスチックのほとんど全てが最後に行き着くのが海洋なのであります。こうした大量のプラスチックごみは、既に海洋の生態系に甚大な影響を与えており、今後ますます悪化することは明らかです。ある資料によれば、海洋ごみの影響により、魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳生物、ウミガメなどを含む700種類以上もの生物が死んだり傷ついたりしています。このうち92%がプラスチックごみの影響という調査結果もございます。  このようなプラスチックごみは、豊かな自然があることを前提で成り立っている産業にも直接的、間接的な影響を与え、甚大な経済的損失をもたらしているだけではなく、将来にわたり美しく豊かな自然を破壊し、悪い影響を海洋にもたらしています。一度放出されたプラスチックごみは、簡単には自然分解されず、その多くが数百万年以上もの間、存在し続けると言われているそうです。  これらの海洋ごみの多くは、海岸での波の力や紫外線等の影響を受けるなどして、やがて小さなプラスチックの粒子となり、それが世界中の海中や海底に存在していくそうです。その小さなプラスチック粒子はマイクロプラスチックと呼ばれ、日本でも洗顔料や歯磨き粉に使用されているプラスチック粒子やペレットの流出、合成ゴムでできたタイヤやフリースなどの合成繊維の衣料の洗濯等によっても発生しています。こういったマイクロプラスチックには、さまざまな原因で有害物質が含まれることも多く、既に世界中の海に存在するマイクロプラスチックが生態系に取り込まれ、さらに、ボトル入り飲料水や食塩などに含まれている可能性が研究者たちによって指摘されております。  マイクロプラスチックについては、人を含む生物の身体や繁殖などに具体的にどのような影響を及ぼすのか、詳しいことはまだ明らかにされておりませんが、将来にわたり自然界に存在しない物質が広く生物の体内に取り組まれた結果を、私たち人間は楽観することはできないと思います。  世界経済フォーラムによると、現在、海へ流入している海洋プラスチックごみは、アジア諸国からの発生によるものが全体の8割を占めていると言われています。環境に負荷をかけた持続可能とは言えない経済発展が続く限り、この海洋プラスチックごみの問題も今後さらに拡大すると考えられております。世界経済フォーラムは、2050年、プラスチック生産量は今のさらに4倍となり、海洋プラスチックごみの量が海にいる魚の量を上回るというようなショッキングな予測を立てたということです。  そんな状況の中で、私たちがやれることはないのでしょうか。大量消費社会が続いている中、地道な努力をすることはもちろん、社会全体でやれることはないのでしょうか。  まずは、熊本の状況を教えてください。そして、熊本市で行っているプラスチックごみ問題の対策を教えていただくよう、環境局長にお願いいたします。          〔勝谷仁雄環境局長 登壇〕 ◎勝谷仁雄 環境局長  平成30年度に家庭から排出されたプラスチック製のごみは、ペットボトルを含め、約2万トンでございました。そのうち、約7,300トンはプラスチック製品等としてリサイクルを行い、残る1万2,700トンは、焼却処分を行い熱エネルギーを回収する、いわゆるサーマルリサイクルを行っております。  プラスチックごみの削減につきましては、発生抑制から適正廃棄に至るまで、市民の皆様の御協力が欠かせないことから、これまでもレジ袋削減などの取り組みを行ってまいりました。また、本年度からは、市民の皆様の協力により、地域の夏祭りなどのイベントにおいてリユース食器を使用する取り組みを始めたところでございます。  今後も、国が本年5月に策定したプラスチック資源循環戦略を踏まえ、使い捨てプラスチックのさらなる発生抑制や江津湖におけるマイクロプラスチックの影響調査などのプラスチック対策に取り組んでまいりたいと考えております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  現在の状況を数字も含めて御教授いただきました。  リサイクルにより再製品化し、できない分はいわゆるサーマルリサイクルを行っているとのことでした。  調べてみたところ、日本で廃棄されるプラスチックごみの有効利用率が84%と、諸外国に比べ先進的であると言われておりますが、全体の約58%は、先ほど答弁にあったようにサーマルリサイクルという処理方法だそうです。これはつまり化石燃料を燃やし、最終的に二酸化炭素を排出しているということですので、今後ますます深刻化する地球温暖化への対策まで含めた視点で見たとき、とても資源が有効かつ持続可能な方法で利用されているとは思えません。  一朝一夕にこの問題が解決できるとは思えませんが、リデュース、出るごみの総量を減らし、リユース、再利用し、リサイクル、再生産に回すこと、これを官民一体となって徹底的に取り組むことが、海に流入するプラスチックごみを減らすことにつながり、つまりは私たちの地球を守ることにつながるのだと私は思います。思い切った施策を打ち出し、市民全般に協力を求めることは、決して無理難題なことではありません。今現在、熊本市の処理能力がまだまだ余裕があるからやらないのではなく、余裕があるうちに問題解決を進めていってほしいと思います。  御存じのとおり、ヨーロッパの先進国では、サーマルリサイクルといった熊本などで行っている熱回収は、リサイクルとはみなされておりません。これからはさらなる使い捨てプラスチックの大幅削減、プラスチックの焼却処理への依存からの脱却、それを促す法的規制などが必要かと思われます。これからの熊本市の取り組みに注目していきたいと思いますので、大学研究機関や環境団体などとの勉強、協議を重ね、未来へ向けて、自然に優しい熊本市を目指していただければと思います。  次の質問に移らせていただきます。  成人式について、お伺いいたします。  毎年、熊本市が主催する成人式ですが、ことしは熊本城ホールにて初めて行われるとのこと、新しい施設で、さぞ新成人にとって記念すべき思い出深い日になるかと思います。市議会議員としても楽しみにしております。  今まで、過去参加された新成人の皆さんも、それぞれの年代で楽しい思い出となっていることと思いますが、過去において何らかの理由で成人式に参加できなかった、参加しなかった新成人もいらっしゃいました。ある方は、県外の大学に進学していて、学期と重なり、日程的な理由で参加できなかったとか、ある方は、金銭的に華美な着物が用意できず、遠慮して参加を断念された女性、また、ある方は、式典自体に全く興味がなく、また退屈だからと式には参加せず、場外で中学校時代の同級生とその時間を過ごした方々、いずれの方々も私が成人を迎えた30年前と余り状況は変わっていないと思います。  人生100年時代と言いますが、今も昔も20歳を迎えるという幸せを家族、仲間、市民全員がお祝いする節目のめでたい日ですから、成人を迎える人がどのような環境であろうとも、状況であろうとも、気軽に参加できる成人式であってほしいと思います。特に、金銭的に華美な服装が用意できずに参加を見合わせるようなことがあってはよくないと思います。普通の格好でも、きれいな着物姿でも、どちらでも気軽に成人式に参加できること、それがわかるように参加予定者に事前に周知していただければと思います。  また、成人式自体が大人からのお仕着せの式典ではなく、成人する人自体が企画、立案、実行するようなシステムへの移行で、思い出深い大人への扉を開くことができる式典になるかと思います。もしくは市役所等の若手職員が企画、立案、実行するなど、若者たちの力を最大限生かした仕組みに変えていくべきではないでしょうか。  市民局長に御答弁お願い申し上げます。          〔石櫃仁美市民局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 市民局長  成人式は、次代を担う新成人の大人としての責任と自覚を促し、その門出を祝福する機会であり、来月開催いたします令和最初の熊本市成人式につきましては、式典会場を公共交通機関の利便性が高い熊本城ホールに変更したところでございます。  まず、成人式における服装につきましては、本市といたしまして特に定めていないことを改めて案内はがきや市政だよりで周知することといたしております。  また、議員御提案の若者による成人式典の企画、運営方法などにつきましては、新成人となる若者が企画や運営のアイデアを提案することで、当事者意識が芽生え、参加意識の醸成につながると思われますことから、今後、若い方の意見を聞く機会を設けますとともに、他都市の事例も参考にしながら検討してまいります。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  御答弁いただいたとおり、思い出深い、意義のある成人式にするには、若い力を使って今後成人式をとり行っていくことが必要不可欠ではないかなと思いますので、ぜひ実行していただくようお願いいたします。  先に大人の世界に飛び込んだ私たちはバックアップに回り、若い人たちの新しいアイデアをどんどん採用していくことで、未来志向の有意義な成人式がとり行われることと思います。  最後の質問に移ります。  韓国の蔚山広域市との交流についてお聞きいたします。  日本の隣国、韓国との関係についてお聞きします。  2019年、韓国と日本の国同士の関係悪化がいろいろな面で暗い影を落としています。ここ熊本においても、韓国からのインバウンドの大幅減少により、経済的な損失で壊滅的な影響を受けている商工業者がふえております。また、人的交流の面でも、民間レベルの交流機会が激減するなど、大きな影響が出ていることは皆さん御存じのとおりでございます。最近では、航空機の定期便がなくなり、韓国資本の会社の撤退など、明るいニュースがなかなかございません。  長い歴史の中では、お互い隣国でございますから、あらゆる場面で、意見の相違があったり、つまらないことでいがみ合ったりすることはいたし方ないことかもしれません。しかし、国同士でそういうことがあったときでも、ここ熊本においては、地方都市ならではの草の根の交流を続けていくことが必要不可欠かと思われます。民間レベルで地道に行われている交流を市として後押しし、また、熊本市と友好協力都市協定を締結している蔚山広域市との交流を通じて、日韓友好につなげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  これからの蔚山広域市との交流方針や今後の計画について、市長にお聞きいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市の友好協力都市である韓国・蔚山広域市との交流の方針や今後の計画についてお答えいたします。  本市と蔚山広域市は、民間を中心とした文化やスポーツなど、さまざまな分野での交流を経て、平成22年に友好協力都市協定を締結いたしました。この協定に基づき、両市間の相互理解とともに、文化、観光、スポーツなどの分野での交流促進に取り組んでまいりました。具体的には、両市の大学生が相互に訪問し合い、文化体験や意見交換を行いながら、友好親善を図る青少年文化交流や熊本城マラソンと蔚山広域市の太和江マラソンに相互に参加するなど、継続的な交流を行っております。また、民間交流としては、日韓友情コンサートなどが積極的に行われてまいりました。  一方で、現在、日韓両国はさまざまな外交課題を抱えておりますが、都市間交流については継続していくべきと考えております。特に、来年度は蔚山広域市との友好協力都市協定締結から10周年の節目の年を迎えることもあり、今後、相手方とも十分に協議しながら、交流を促進してまいりたいと考えております。          〔14番 吉村健治議員 登壇〕 ◆吉村健治 議員  お答えいただいた蔚山広域市との2020年に予定されております周年事業をぜひ成功させていただき、日韓友好の継続的なかけ橋に熊本市が大きな役割を果たせるように期待いたします。また、熊本市議会議員としてもお力になれたらと思います。  日本と韓国は長年にわたり隣国で、これからもそうあり続けます。先ほども申しましたが、私たちがうまく近所づき合いをするためには、相手を理解し、尊重することも必要かと思います。熊本市として継続的な交流事業を行い、また民間の交流の後押しもお願いしたいと思います。  以上で、事前に通告させていただいた私の質問を終わります。長時間にわたり、私の質問を御清聴くださいました皆様方に感謝申し上げます。  きょうは、平和に関する質問をさせていただきましたが、私たちが現在生きている全ての事柄は、今ある平和の礎のもとにあるということを私自身が再確認したかったことでもあるような気がします。それはローマ法王でなくても、私たちが常日ごろから、それぞれがそれぞれの立場で、自分たちができることから意識して考えていくことが、小さな力が大きな社会の潮流になるような、未来永劫戦後が続くといったことにつながっていくと思います。  高校生平和大使としてローマ法王訪日行事に参加した17歳の高校生は、法王に平和に関する活動を続けていくと伝えることができました。広島、長崎の原爆被害が風化しないように後世に伝えていくことを考え続けていくことが大切だと、核兵器、核廃絶への願いを込めて述べたと新聞記事にありました。私たち大人も高校生に学ぶべきところが多くありそうです。  最後に、現自民党宏池会名誉会長の古賀誠さんの著書、憲法九条は世界遺産より一部抜粋して、私が感銘を受けた一節を幾つか御紹介したいと思います。  なお、古賀誠さんは、3歳のときにお父様が徴兵の上出征し、フィリピンのレイテ島にて戦死され、お母様が戦後行商をしながら一家を支えた経験をお持ちのお隣福岡県出身の皆様御存じの政治家です。私の父と同じような境遇で育った方でございます。  血と汗と涙が憲法9条には込められています。私は、憲法9条は世界遺産だと申し上げています。何も文化遺産、観光遺産などという意味で世界遺産だと申し上げているつもりはありません。あの大東亜戦争に対する国民の反省と平和への決意を込めて、憲法9条はつくられています。憲法9条1項、2項によって日本の国には戦争を放棄する、再び戦争を行わないと世界の人々へ平和を発信しているのです。これこそ世界遺産だと私は言っているのです。  戦後74年、我が国は一度として、まだ他国との戦火を交えたことはありません。平和の国として不戦を貫くことができています。これは憲法9条の力であり、だからこそ憲法9条は世界遺産なのです。これはどんなことがあろうとも次世代につないでいかなければならない、我々の世代だけのものであってはいけないと思っています。  あの大東亜戦争で何百万人という人々が無念の思いで命をなくし、その結果として、子供のために人生の全ての幸せを捨てた戦争未亡人を初め、多くの戦争遺族の血と汗と涙が流されたのです。その血と汗と涙が憲法9条には込められています。そう簡単にこの憲法9条を改正する議論をやってもらっては困るし、やるべきではないと思うのです。  私の母親もそうですが、戦争で未亡人になった人が全国にたくさんいて、幼い子供を抱えて苦労しておられた。そういう人たちが報われるような国にする道は何かといったら、平和憲法を守って、戦争をしない国であり続けることが一番大事ではないですか。だからこそ、そのために私は国会に出ていったのです。  平和憲法は、日本が再びああいう戦争を起こしてはいけないということと同時に、世界の国々に与えた戦争の傷跡に対するおわびも世界の国々に対して発信しているのです。戦後74年たっても、隣国である韓国、中国についても残っている問題はたくさんあります。けれども、そういう過去の過ちへの反省は平和憲法の中にも含まれていて、だからこそ、憲法9条を維持し続けるというぐらいの誠実さと謙虚さがこれからの日本の国にも必要なのです。そうやって中国と韓国とも本当の意味での信頼関係ができると思うのです。  私のこれから残された政治人生の中に、我が国の平和のために何をすべきかというテーマを持たせていただいております。それは政治の貧困を招かないということです。政治の貧困は一瞬で大きな犠牲を生んでしまいます。私たち政治家は、票をいただいて当選することも大事、いろいろなポストの中で大きな仕事をさせていただくことも大事です。しかし、政治家が考える第一は平和でなければなりません。そもそも憲法9条改正などは時の権力者が言うことではありません。憲法は国民のものなのです。憲法は時の権力者の権力行使を抑制するための最高法規です。  以上で、古賀誠さんの著書の御紹介を終わります。  自由民主党の実力者であった著者を御紹介するのは、立憲民主党の議員である私は少しためらわれましたが、私の冒頭の挨拶でお話ししたとおり、平和に関することは野党、与党問わず、政治的思想信条にかかわらず、思いは皆さん同じだと思いますので、あえて御紹介させていただきました。  私たちは、過去の戦争や争いから学び、成長していくべきです。その上で、平和な社会のもとで自然をめで、目上の人たちを敬い、弱い立場の人たちを社会全体で守り、子供たちを育んでいく、そういった社会を目指して、市議会議員として仕事ができれば、私は幸せだと思います。  これからも先輩諸氏の御指導をよろしくお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  本日はまことにありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時30分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○倉重徹 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○倉重徹 議長  一般質問を続行いたします。藤永弘議員。          〔27番 藤永弘議員 登壇 拍手〕 ◆藤永弘 議員  皆さん、こんにちは。公明党熊本市議会議員の藤永弘でございます。  議員になって、一般質問は8回目となります。代表質問も含めますと9回目の登壇となります。登壇の機会をいただきました先輩、同僚議員には心より感謝申し上げます。ありがとうございます。  昼食後で眠気が差す時間帯と思われますので、めり張りをつけて眠気の出ない質問にしていきますので、よろしくお願いします。また、市長初め執行部の皆様には、しっかりとした答弁がいただけると思いますので、よろしくお願いします。  では、早速、通告に従って質問していきたいと思います。  まず初めに、熊本市の交通渋滞解消に向けた取り組みについてお伺いいたします。  熊本市は、市内中心部の移動速度が平均で16キロメートルと主要渋滞箇所180カ所は、三大都市圏を除きますと全国の政令指定都市ワースト1位という、経済的にも生活面でも大変にマイナス面となっている状況でございます。この本市の交通渋滞緩和を一日も早く解決したいと思っているのは、大西市長を初め市民の方全員の気持ちではないかと考えます。  そんな中、本年6月に、熊本都市道路ネットワーク検討会が設置され、国や県、経済界が一堂に会し、議論を進めることとなりました。高架化や道路空間の有効利用を図るなど幅広く検討されていくとのこと、大いに期待しているところでございます。私としましては、まず、高速道路から市内中心部へのルートは、熊本インターから東バイパスへの都市高速道路(高架化)と益城インターから市内中心部への都市高速道路(高架化)を優先してはいかがかと考えています。  本年10月29日に開催されました第2回熊本都市道路ネットワーク検討会では、熊本都市圏に整備する新たな道路の役割をあらわすビジョン3つが示され、議論されております。  今後のスケジュールとしては、年内に第3回会合を開き、新たに整備する道路の大まかなイメージなどを詰めた上で、国が約20年ぶりに策定を進めている新広域道路交通計画に反映させる方針と伺っています。国、県、経済界の方々とスピード感を持って、20年から30年かかるとも言われているところを、1年でも1日でも早く実現できるように取り組んでいただくよう、大西市長にお願いします。  今、大西市長に一日も早くとお願いしたところですが、熊本市に都市高速ができるまでには、やはり相当な年数を要することと思います。長年続く熊本市の交通渋滞を、それまで待つということは到底できることではありません。  これまでの取り組みといたしましても、本市として交通渋滞解消に向けた計画、交差点の改修、立体交差等の計画等がありました。大西市長は、マニフェストでも、熊本都市圏の渋滞解消のため、国道57号線東バイパスの部分立体化などに継続拡充していくことを述べられていますが、今回の都市高速の一件でこれまでの取り組みが減速することなく、力強く拡充していかれることを強く望んでおります。  また、連接バスの導入なども考えられると思います。大西市長は、マニフェストで、連接バスによる大量輸送、いわゆるBRTの活用についても触れられています。私は、このBRT・新バスシステムについて、同僚の伊藤議員と一緒に新潟市の取り組みを視察してきました。  新潟市の取り組みの背景には、まず、運転手不足に伴う路線バスの減便がありました。その対策として、多くのバス路線が重複していた町なかの幹線区間に大量輸送、高定時制のBRTを導入し、集約化、効率化を図られました。そして、これによって生じた車両、運転士の余力を郊外線の増便や新規格線の開設に振り向けることにされたそうです。結果として、郊外路線の増便、バス利用者の増加につながっており、最も効果が出たのが、町なかの幹線区間における走行バスの台数減による、町なかの渋滞緩和だったそうです。  このほか、姫路市の歩行者優先のまちづくりについて視察してきましたが、この点については、本市も本格的に推進する考えを打ち出されましたので、期待しているところです。  そこでお伺いいたします。  1点目、本市として、交通渋滞解消に向けた計画、交差点の改修、立体交差等の計画等がありますが、これまでの取り組みを減速させることなく、今後どのように進めていかれるのでしょうか。  2点目、本市においても、BRT・新バスシステムによる公共交通機能強化に取り組むお考えはないのでしょうか。  以上2点、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  交通渋滞の解消に向けた取り組みについてお答えいたします。  本市の交通事情は、議員御案内のとおり、主要渋滞箇所数等で、三大都市圏を除いた全国の政令指定都市でワースト1となるなど、恒常的な渋滞が市民生活を初め経済活動に至るまで、大きな影響を与えております。これらの問題を解決するため、本年6月に熊本都市道路ネットワーク検討会を設置し、新たな広域道路ネットワークの形成に向け、公共交通と自動車交通の最適化、いわゆるベストミックスも視野に入れ、検討を重ねております。  第2回検討会では、新たなネットワークに必要な道路の役割として、3つのビジョンをお示ししたところです。また、これら広域的な道路ネットワークの構築には長い期間を要することから、短期的、中期的な対策を具体的に示していく必要があるとの御意見をいただいたところです。
     そこで、本市の将来の発展に不可欠な新広域道路交通計画策定にあわせ、公共交通への利用転換も含めた短期、中期の対策を取りまとめ、お示ししたいと考えております。その中で、主要交差点の改良、また東バイパスを含む立体交差化や都市計画道路の整備、またパークアンドライドやBRT等についても検討してまいります。  このように長期的目標を明確にした上で、公共交通と自動車交通を効果的、効率的に組み合わせた段階的な対策についても着実に進め、あらゆる人にわかりやすく利便性の高い交通体系の実現に向け、取り組んでまいりたいと考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  ありがとうございました。  本市の将来の発展に不可欠な新広域道路交通計画策定にあわせ、公共交通への利用転換も含めた短・中期的対策も取りまとめ、主要交差点の改良、東バイパスを含む立体交差化や都市計画道路の整備、またパークアンドライドやBRT等についても検討し、長期的目標を明確にした上で、公共交通と自動車交通を効率的に組み合わせた段階的な対策についても着実に進め、あらゆる人にわかりやすく利便性の高い交通体系の実現に向け、取り組んでいくとのこと。  最近は、銀行同士の合併、企業合併・統合、資本業務提携が盛んに行われています。11月13日にヤフーとLINEの経営統合が日本経済新聞や共同通信で報道されました。パークアンドライドやBRTの実現に向けては、バス会社が一つになるぐらい強い協力体制が必要と考えられます。本市が強いリーダーシップを発揮され、利便性の高い交通体系を実現してください。  次に、ICTを活用した業務の効率化についてお伺いいたします。  本年7月、岐阜市が実施するがん検診において、要精密検査と通知すべきだった方に、異常認めずと誤った通知をし、その後、その方がお亡くなりになったという報道がありました。職員のシステムへの入力ミスが原因ということでしたが、この報道を見て、ほんの小さなミスが命にかかわる場合もあるということを強く認識しました。  本市では、業務上のミスがあれば、これを毎月ホームページで公開するという方法をとられていますが、ほぼ毎月のようにミスが生じているようです。ミスを防ぐためには、複数回、複数人でのチェックを徹底することが重要になります。しかしながら、働き方改革の中、職員が業務に充てられる時間の絶対数は減少していますので、こうした人的な対応には限界があるのだろうと思います。ミスによって影響を受けるのは、まず第一に被害をこうむった方々でありますが、ミスをした職員の心のダメージもとても大きいのではないでしょうか。  私は、かねてから、機械でできることは機械に任せ、職員は政策の立案や心のこもった相談対応など、人間でしかできないことをやるべきだと考えていました。ミスの予防という観点はもちろんですが、業務の効率化によって生じた余剰をサービスの向上につなげることができれば、市民のためになり、あるいはそれが仕事へのやりがいにつながり、職員のためにもなると思います。このようなことから、私は、業務のICT化に関して先進的な取り組みをなされている大阪府池田市に視察に行ってまいりました。  池田市では、本年の幼児教育無償化に伴って膨大な事務が生じることから、保育所の入所選考に関して、AIを活用するシステムを構築されています。これまでは入所選考会に140時間、選考結果の登録に90時間、合計230時間かかっていた業務が、このシステムを入れることによって、わずか数秒で完了するそうです。  御担当者のお話では、職員がやった場合との結果の差はほとんどないということで、参考とすべきではないかと感じました。さらに、このシステムの導入には、国の情報通信技術利活用事業費補助金を利用したため、市の実質負担を抑えることもできたそうです。  また、本年8月、熊本県は、AIによる子育て相談聞きなっせAIくまもとの子育ての一般公開を開始されました。このシステムは、スマートフォンアプリのLINEに友達登録するだけで、24時間365日、AIがお尋ねや困り事に回答してくれ、いろいろな情報が蓄積されることで、AIが学習し進化しますので、相談すればするほど的確な回答が可能になるなどの特徴を持っています。県内市町村の情報取得や子育て支援の店の検索機能などは全国初の試みということで、非常にその効果が期待できるのではないかと期待しております。  そこでお伺いします。  質の高い市民サービスを提供するためには、業務の負担軽減を図り、職員が余暇を楽しみながら、働きがいのある職場となるよう努めることが肝要です。そのために、RPAなどのICT新技術の積極的な活用がますます重要となってきますが、業務のICT化などによる職員の働き方の見直しについて、どのように進めておられるのでしょうか。総務局長にお尋ねします。          〔萱野晃総務局長 登壇〕 ◎萱野晃 総務局長  ICTなどの新技術を活用した業務の効率化についてお答えいたします。  職員が生き生きと働きがいを感じながら、より市民満足度の高いサービスを提供していくためには、職員が定型的な業務から解放され、これまで以上に市民に寄り添った相談業務や創造的な施策立案などに注力できる環境整備が必要であります。そのためには、業務効率化や事務処理ミス軽減等につながるRPAやAIを初めとする、さまざまな新技術を積極的に導入していかなければならないと考えております。  そこで、現在、住民異動の入力業務や児童扶養手当、ひとり親家庭等への医療費助成に係る現況届の入力業務などにRPAを試行的に導入し、効果検証を進めますとともに、今後の全庁的な展開を見据え、導入効果が見込める業務の洗い出しを行っているところでございます。  加えて、モバイル端末の導入によるテレワークの実施など、新技術の活用によりまして職員が今まで以上に高いパフォーマンスを発揮できるような働き方改革を進め、市民満足度、職員満足度の高い市役所を実現してまいりたいと考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  本市は、現在、住民異動の入力業務や児童扶養手当、ひとり親家庭等への医療費助成に係る現況届の入力業務などにRPAを試行的に導入し、効果検証を進めるとともに、今後の全庁的な展開を見据え、導入効果が見込める業務の洗い出しを行うことに加えて、モバイル端末導入によるテレワークの実施など、新技術の活用によって職員が今まで以上に高いパフォーマンスを発揮できるような働き方改革を進め、市民満足度、職員満足度の高い市役所を実現していくとの答弁でした。  私の目指す以上の答弁をいただいたと思っております。  大西市長は、人口減少の中、2025年に地方自治体の一般職員を約3万人減らせるとした財務省の試算に対し、要望書を黒田武一郎総務審議官に渡され、人口減だから職員を減らすという乱暴な議論は、住民福祉の向上につながらないと訴えられました。この大西市長の訴えに、熊本市民の皆様が市長の言うとおりと後押しをいただくためにも、生き生きと働き、市民の皆様から頼られ満足していただける職員づくりを実現してください。  次に、介護ロボットのその後の製品化に向けた進展状況についてお伺いいたします。  私は、平成29年3月6日の定例会で初めて、熊本の技術でできるものに絞り、開発を支援する、医療介護ものづくり研究会を発足してはいかがでしょうかと大西市長にお尋ねしました。その後、その年の11月1日には介護ロボット研究会が発足され、製品化に向け出発しました。  平成30年6月8日の第2回定例会では、当時の経済観光局長に、厚生労働省の介護ロボット開発等加速化事業の活用も含めた取り組みの促進についても御提案したところであり、現場のニーズを踏まえた実用性の高い製品の開発支援に努めてまいるとの力強い御答弁をいただいたところです。  前回の質問から、やがて1年半が経過しようとしています。  そこでお尋ねいたします。  その後の介護ロボットの製品化に向けた進展状況について、私の希望としましては、本年度は製品化に向け、幾つかの試作品も生まれてきているのではないかと期待しているところでありますが、いかがでしょうか。経済観光局長にお尋ねいたします。          〔平井英虎経済観光局長 登壇〕 ◎平井英虎 経済観光局長  介護ロボットの製品化に向けた進展状況についてお答えいたします。  現在、介護ロボット研究会の参加企業等が、ベッド上で使用できる洗髪及び身体洗浄装置や服薬介助支援ロボットの開発を目指し、介護現場と連携し、検証を重ねながら、早期の製品化に向けて取り組んでいるところでございます。  現時点では試作品の開発まで至っておりませんが、本市におきましては、引き続き、実用性の高い製品の開発を促進するため、企業と介護現場とのマッチングや研究開発助成制度等による支援を行ってまいりたいと考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  2種類の製品化に向け、介護現場と連携し、検証を重ねながら、早期の製品化に向けて取り組んでいるとの答弁をいただきました。順調に進んでいると喜んでいるところです。しかし、他都市も新たな産業と位置づけて全力で開発に取り組んでいるところですので、ぜひこの競争に負けないで、熊本の新たな産業に発展するまで育て上げていただきたいと強く要望しておきます。  私は、この介護ロボットが熊本市の新たな産業となり、九州では介護ロボットといえば熊本と言われ、近い将来、中国等で高齢者社会の対応に困ったときに、熊本から中国へ介護ロボットが輸出される日が来ると思っています。  今後も、実用性の高い製品の開発促進に関する本市の支援に大いに期待します。  次に、認知症についてお伺いします。  神戸市は、認知症の人やその御家族を社会全体で支えていくまちづくりを推進するため、神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例を制定され、平成30年4月に施行されています。認知症対策に特化した条例は政令市初です。  また、全国初の神戸モデルに取り組まれています。神戸モデルとは、認知症の人やその家族が安全安心に暮らし続けていくことができるよう、全国に先駆けた神戸発の新たな取り組みです。  このモデルによる取り組みの1つ目は、平成31年1月28日に開始された新たな認知症診断助成制度です。この制度は早期受診を支援するもので、2段階方式をとられています。  まず1段階が、認知機能検診で、65歳以上の市民が対象となり、420登録医療機関で、受診料は無料で検査することができます。検査した医療機関は、認知症の疑いがある人に書類を渡し、次の2段階目の認知機能精密検査に行くように勧めます。  2段階目の認知機能精密検査の登録医療機関は65機関で、MRIあるいは頭部CTや血液検査等を行います。費用は、一旦自己負担となりますが、後日、申請により検査費用は全額返還になります。  2つ目が、認知症の方が事故に遭われた場合に救済される新たな事故救済制度で、平成31年4月1日より開始されました。認知機能精密検査により認知症と診断された方は、事前登録が必要ではありますが、この新たな事故救済制度の対象となります。  この事故救済制度の特徴は、1番目に、市が加入の賠償責任保険に加入し、認知症の人が責任を負った場合、最高2億円を支給する。2番目に、事故があれば、24時間365日相談対応してくれる。3番目に、所在がわからなくなった際の駆けつけサービスに加入できる。4番目に、認知症の方が起こした火災や傷害などの事故に遭われた方に対し、見舞金を支給されるという点にあります。  この神戸モデルの財源については、市民の皆様に広く負担していただく仕組みを導入されたということで、個人市民税均等割に1人年間400円の負担をしていただいているということです。  また、同僚の伊藤議員と視察した愛知県刈谷市では、徘回高齢者対策のための賠償責任保険に市の財源で加入する、徘回高齢者個人賠償責任保険事業の開始により、行方不明高齢者等SOSネットワーク加入者数、見守りシール配布数が増加し、加入促進効果につながったとお聞きしました。確かに賠償責任保険は必要と思ったところです。  認知症対策は、本市も頑張っているところです。認知症サポーター養成講座を受講され、配布したオレンジリング数も、他都市と比較し、頑張っているところだと思いますが、さらなる対策は可能です。  京都府綾部市では、認知症サポーターの研修を受講するだけで終わりということではもったいないと社会福祉協議会の事務局長が感じたのがきっかけで、認知症に興味がある方にもっと情報を届け、地域の支え合いの担い手になってほしいと、標準教材で学んだ認知症サポーターに、社会福祉協議会の職員がオリジナル教材を用いた講習を行っています。30分から60分の講習を受けるとシルバーサポーターとなり、地域の認知症高齢者の見守りなどに協力する、さらに専門職等による対人援助や社会資源、事例検討など20時間の講習を受けるとゴールドサポーター(生活・介護支援サポーター)となり、認知症カフェの運営や高齢者向けの足湯の出前サービスを手伝うなど、自発的な活動を広げられています。  そこでお尋ねいたします。  1点目、神戸モデルのような認知症の診断助成制度、事故救済制度について、本市でも同様の制度の創設はできないでしょうか。  2点目は、興味がある人にもっと情報を届け、地域の支え合いの担い手になっていただくための講習、活躍の場を提供することはできませんか。  1点目を大西市長に、2点目を健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市においては、認知症の方の早期発見、早期対応のため、相談、医療、地域の見守り体制等の強化に取り組んでおります。  まず、相談体制につきましては、認知症コールセンターの設置や専門相談員の区への配置等により、認知症の症状への対応方法や専門医の受診について助言を行うなど、相談支援を行っているところです。  また、医療体制につきましては、認知症疾患医療センターを設置し、かかりつけ医への認知症研修等とあわせ、早期鑑別診断や早期治療につなげております。  さらに、地域の見守り体制につきましては、認知症サポーターの養成等により、市民の認知症への理解を深めるとともに、昨年度は、15の校区や町内で約1,400人の方々が声がけ訓練に参加していただくなど、地域で事故を未然に防ぐ取り組みも行っていただいているところです。  議員御紹介の神戸市の認知症診断助成制度と事故救済制度から成る、いわゆる神戸モデルですが、市民の皆様の新たな御負担をもとに、認知症診断への助成や賠償責任保険への加入等、早期診断の促進を図ることを目的とした大変先進的な制度であります。まだ開始されて間もないということなどから、本市の認知症施策を進める中で、研究をしてまいりたいと考えております。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  私からは、地域の支え合いの担い手育成のための講習や活躍の場の提供についてお答えいたします。  認知症サポーターにつきましては、平成18年度から養成講座を開催しておりまして、平成30年度末現在で約8万4,000人の方に受講していただき、認知症への理解を深めていただいたところでございます。また、認知症サポーターの中で、積極的な活動を希望される方につきましては、東区独自の取り組みといたしまして、さらに現場実習を含めた研修を実施し、認知症サポートリーダーとして認定しております。また、熊本県と共同で、フォローアップ実践研修の受講者を認知症アクティブサポーターや認知症アクティブチームとして認定する取り組みを行っております。認定を受けた方や団体におきましては、認知症カフェの開催や声かけ訓練への支援、地域での見守り活動などに取り組んでいただいており、現在62名の認知症サポートリーダー、67名の認知症アクティブサポーター、7団体の認知症アクティブチームに活動いただいております。  今後も、増加する認知症の方を地域で支えていくため、さまざまな機関と連携して、引き続き認知症サポーター養成に取り組み、多くの方にサポーターになっていただきますとともに、フォローアップ研修の実施や地域の先行事例の紹介、声かけ訓練や災害訓練への参加も勧めるなど、認知症サポーターの活動を推進してまいります。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  大西市長から、神戸モデルについては、先進的な制度であるものの、まだ開始されて間もないことから、本市の認知症施策を進める中で研究していくとの答弁でございました。  認知症は、なかなか早期発見、早期対応ができにくい現状があると思います。認知症は誰もがなる可能性があり、丁寧な説明に努められて、市民の皆様に納得していただくことも可能だと思いますので、よき方法、施策が打てない場合は、神戸モデルも参考にしてはと思いますので、よろしくお願いしておきます。  また、地域の支え合いの担い手育成のための講習や活動の場の提供については、本市もこれまでに認知症サポーター8万4,000人の方が受講されたという事実に満足せず、県と共同で認知症アクティブサポーターや認知症アクティブチームとして認定する取り組みを行われているということ、また東区では、独自に現場実習を含めた研修を実施し、認知症サポートリーダーとして認定されており、認知症対策に取り組んでいただいていることは大いに評価いたします。今後の認知症高齢者の増加に対応し、地域を支えていただく活動者の育成をお願いしておきます。  次に、ひきこもり対策についてお伺いします。  本年3月29日に、内閣は、40歳から64歳でひきこもり状態にある人が61万3,000人であることを公表しました。厚労省では、ひきこもりの状態を、さまざまな要因の結果として、義務教育を含む就学、非常勤職員を含む就労、家庭外の交遊を意味する社会的参加を回避し、他者と交わらない形での外出はするが、原則的には6カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態と定義しています。  また、近年では、ひきこもりの高年齢化が進んでいます。ひきこもりの増加や高年齢化は、地域の活性化を妨げるだけでなく、高齢家庭の負担となっています。  問題は、ひきこもり者を家庭に抱える親が既に高齢化している場合です。本来、親の世代は、年金を受給するなど社会保障の恩恵を受けている世代のはずですが、子供が社会復帰できない、または不就労の状況が続けば、果ては生活困窮に至る世帯となることが予想されると指摘されています。このようないわゆる8050問題が表面化し、国も対策を始めました。  また、内閣官房は、本年8月30日、就職氷河期世代支援プログラムに関する各省庁の概算要求額、内容を公表しました。就職氷河期世代支援プログラムとは、就職氷河期の影響で、働く意思を持ちながら、不本意に非正規雇用で働く人やひきこもり状態の人を対象にした政府による支援計画のことで、就職氷河期、1993年から2004年に学校を卒業した30代から40代の方を対象として始められました。  私は、もっと早目の対策がひきこもり対策としては必要で、中学校義務教育後の家庭訪問等の見守り支援が大切だと考えています。  昨年、第3回定例会の我が会派の三森議員の質問で、中学校卒業前からのひきこもり支援について御要望し、可能な方から支援につなげるとの御答弁をいただいており、早速3名の中学卒業生の方の見守りをしていただいたと伺っております。  そこでお尋ねいたします。  本市は、ひきこもり支援センターりんくを開設していますが、これまでの実績と課題、また生活困窮者自立支援法に基づく就労準備支援事業とひきこもりの方とのかかわり、支援策についてお尋ねします。  2、国の就職氷河期世代支援プログラムに対する本市の取り組みについてお聞かせください。  3、中学卒業生の中から3名のひきこもりの方について見守りを実施されたと思いますが、その結果を教えてください。  以上3点、健康福祉局長にお尋ねします。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  ひきこもり対策に関するお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、ひきこもり支援センターりんくのこれまでの実績についてでございますが、りんくでは、平成26年10月の開設から平成31年3月までに約1,100人からの相談を受けております。そのうち、医療機関、地域若者サポートステーション、教育機関等の関係機関へつなぐことができたものが約400人でございます。  次に、就労準備支援事業とひきこもりの方とのかかわり、支援策につきましては、りんくへの相談の中で、仕事や生活困窮に関するものにつきましては、本人の希望に応じて、本市の生活自立支援センターへつないでおります。平成28年度から平成30年度までの就労に関する相談実績は8人であり、職場体験などの支援を行いました結果、4人の方を就労に結びつけることができております。  今後の課題といたしましては、内閣府調査をもとに本市のひきこもりの方を推計しますと6,600人以上となりますことから、まだ相当数の方が相談されていないと考えているところでございます。これらの方に相談できる場所があることを知っていただくため、ひきこもり支援センターりんくについての情報発信に努めてまいります。  次に、国の就職氷河期世代支援プログラムに対する本市の取り組みについてでございますが、厚生労働省就職氷河期世代活躍支援プランでは、30代半ばから40代半ばの景気低迷時期の影響を受けた世代で、不安定就労や長期にわたり無職の方、社会参加に向けた支援が必要な方を対象として、3年間の集中支援を展開することとなっております。          〔議長退席、副議長着席〕  特に、ひきこもりの方など社会参加に向けた支援を必要とする方につきましては、本市では、生活自立支援センターやりんくが相談窓口となり、就労に向けた支援や居場所づくりなどに力を入れております。このほか、不安定就労や長期にわたり無職の方につきましては、ハローワークに設置予定の就職氷河期世代の専門相談窓口等の周知広報を行いますほか、関係機関との連携をこれまで以上に強化し、個々の状況に応じたきめ細かい支援に取り組んでまいります。  最後に、ひきこもりの方の見守りの結果でございますが、中学卒業生の方の見守りについて、教育委員会の協力を得て、不登校状態で学校が会えていない進路未決定の方3人について見守りを検討いたしましたが、1人は保護者の同意が得られず、1人は進路が決定したことにより支援不要となりました。残る1人については、既に別の支援機関により支援が行われており、りんくによる支援にはならなかったという状況でございます。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  ひきこもり支援センターでは、本年の3月まで1,100人の相談を受け、そのうち約400人を関係機関につないでおり、自立支援センターにつなげたのは8人で、就労に結びつけた人が4人とのことでした。本市のひきこもりの数の推計からすると、まだまだ相当数の方が相談に至っていないと推察できます。また、自立への道は険しいとも感じました。  そんな中、国の就職氷河期世代支援プログラムの政策が出されました。3年間という限定された対策であり、有効な手段で、本市の若い人の正規雇用につなげていただきたいと思います。  中学卒業生の見守りの結果に関する御答弁については、私の想定とは違いました。私は、中学卒業の時点で、将来ひきこもりになる可能性がある生徒の見守りを高校や大学卒業などの時点まで継続して見守っていただくものと思っておりましたが、御答弁では、このような見守りではなかったということです。  私が考えるに、その原因の一つは、対象者の選定方法にあると思います。児童や保護者に目的を十分伝えないまま、一方的に市が対象者を選定するやり方では、見守りをしようとしても、本人や保護者がこれを望まないことになることは容易に想像できます。せめてアンケート等で事前に生徒や保護者の意向を確認した後に、対象者を選定すべきではないでしょうか。また、もう一つには、現在のりんくの事業範囲による限界もあったのではないでしょうか。  このような限界を超えるためにも、私は、新たに本市の独自事業として、この見守りを行う事業を立ち上げてはどうかと考えています。かかる費用としては、専属で見守りを行う嘱託職員一、二名と雑費ほどで、決して大きいものではありませんが、将来のひきこもりの減少につながることを考えれば、その効果は要した費用の比ではありません。本市で先駆けてこのような独自事業を展開し、その結果をもって国に制度化を要望することもできると思います。  そこでお尋ねします。  1点目、さきに述べたような事業の利用希望の有無について、中学生やその保護者を対象として、アンケート調査を行うことはできないでしょうか。
     2点目、本市の独自事業として、中学校卒業後の見守り支援事業を実施してはどうでしょうか。  1点目を教育長に、2点目を大西市長にお伺いいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  ひきこもり対策に関して、中学校卒業後の見守り支援事業の利用に関する中学生や保護者へのアンケート調査の実施についてお答えいたします。  教育委員会としても、不登校の児童・生徒とその保護者の思いや将来に対する不安等の実態を把握する必要があると考えており、現在、実態調査の実施を検討しているところです。  議員御要望の見守り事業利用に関する生徒や保護者の意向確認については、健康福祉局とも連携し、実態調査の項目へ盛り込むことなどを検討してまいります。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  中学校卒業後の若者が引きこもった場合、時間の経過に伴い学習や社会経験の機会を失うだけでなく、心身の健康に深刻な影響を与えることから、本人や御家族に対して、できるだけ早期に複合的な支援ができるよう、さまざまな支援の主体につなぐことが必要であると考えております。  本年の取り組みにつきましては、先ほど健康福祉局長が御答弁申し上げたとおりでございますが、今後は、教育委員会とも連携をしながら実態把握に努め、また、本人や御家族の状況に応じた支援につなげてまいりたいと考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  教育長からは、不登校に関する実態調査の実施を検討されており、見守り事業利用に関する生徒や保護者の意向確認についても実態調査の構築に盛り込むことを検討していくとの答弁でした。  大西市長からは、本市独自の見守り事業の実施については言及していただけませんでしたが、ひきこもりがあった場合には、本人や家庭に対する早期の支援が必要であることの認識を共有することができたと思います。まずはしっかりと実態把握に努めていただき、状況に応じて有効な対策をお願いしておきます。  次に、ピロリ菌についてお伺いいたします。  ピロリ菌についての質問は、今回で3回目となります。  1回目は、平成27年第4回定例会で、国民健康保険の特定健診の項目にピロリ菌血液検査を追加すべきと御提案しましたが、国において研究段階なので、本市でも研究を行っていくとの答弁でした。  2回目は、平成29年第1回定例会で、特定健診のオプションでのピロリ菌血液検査の導入を御提案しましたが、これも今後、特定健診の実施機関と協議を実施していくとの御答弁でした。  過去の2回は、私にとって満足のいく答弁にはなっておりませんでしたが、今回の質問では、何とぞ満足のいく答弁を聞かせていただきたいと思っておるところでございます。3回目ですので、ピロリ菌についての詳細な説明は申しませんが、あらゆる機関や病院が、ピロリ菌は胃がんの大きな原因であることを指摘されています。国は、ピロリ菌が体内にいた場合の駆除は保険適用にしていますが、ピロリ菌検査については残念ながら自己負担となっています。しかし、最近は、ピロリ菌感染検査の費用助成を導入する自治体もふえてきています。  福岡市では、平成30年7月から、胃がんリスク検査として、血液検査(ピロリ菌抗体検査及びペプシノゲン法)による検査を自己負担額1,000円で導入されています。平成31年度の対象者は35歳の方と40歳の方とされており、生活保護世帯や市県民税非課税世帯は無料で受けられるということです。県内でも宇城市で導入され、血液検査や尿検査を自己負担額1,000円で受けることができるようになっています。  国立がん情報センターが公表する2017年のがん統計では、胃がんで死亡した方は男性で2位、女性で4位、男女計で3位と高順位です。また、同団体が公表する2019年のがん罹患数の予測では、男女計ですが、全てのがん罹患数が101万7,000人のところ、胃がんの罹患数は12万4,100人と実に12%を超え、大腸がんに次いで2位となっています。このように、胃がんの大きな原因であるピロリ菌について対策していくことで非常に大きな効果が見込まれ、それに目をつけ、他の自治体でも続々と対策を打たれており、本市においても至急の対応が必要であると考えています。  また、本年より、胃がん検診では大きな変化がありました。これまでは、胃がん検診は、バリウムによるX線検査のみでしたが、新たに胃内視鏡による検査も選択できるようになりました。  胃内視鏡による検査の場合、検査医が胃の内部を直接目視できます。そして、ピロリ菌感染の有無は、検査医の目視確認で多くの場合判断可能ともお聞きしていますので、検査医が目視確認でピロリ菌感染の疑いがあると判断した場合、そのことを受検者にお伝えすることで、受検者はその後、正式な検査や治療につなげることができます。このように胃内視鏡による検査を選択できることで、主な胃がんの原因のピロリ菌の発見、除去に一歩前進したとは思います。  そこでお尋ねいたします。  1点目、本市においてもピロリ菌検査の助成制度を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。例えば、胃がん検診で、胃内視鏡検査を選択されなかった方については、残念ながらピロリ菌感染の疑いすらわかりませんので、このような方に対して助成することはできないでしょうか。  2点目、胃内視鏡検査の実施における、このようなピロリ菌感染の疑いのある場合の検査医の受検者への告知は、受検者からの申告がなくとも、必ず実施していただけるのでしょうか。検査機関や検査医の任意ではなく、必須項目としていただくべきだと考えますが、いかがでしょうか。  以上2点、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、お尋ね1点目のピロリ菌検査の助成制度の創設について、本市では、国が策定いたしましたがん対策推進基本計画に基づき、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針において推奨されております科学的根拠のある5つのがん検診に取り組むこととしております。  そのような中、ピロリ菌は、胃がんのリスク要因の一つであるとされております。現在、国において、その除による胃がん発症予防の有効性等について検討が行われておりますため、今後も引き続き、その動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、2点目のピロリ菌感染疑いがある場合の受検者への告知を必須項目化することについてでございますが、胃内視鏡検査では、受診者に結果説明を行うことができるよう、検診票にピロリ菌感染疑いに関する所見を記載する欄を設けております。  議員御指摘の告知のあり方につきましては、熊本市医師会と協議を進めてまいります。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  ただいま大西市長からは期待した答弁はいただけませんでした。  ピロリ菌検査の助成制度については、ピロリ菌の除による胃がん発症予防の有効性等について国の動向を注視していくとの御答弁でした。  私は、ピロリ菌検査が本市でも推進されるよう、過去2回、担当局長に対して特定健診での質問をいたしました。これまでの担当局長の御答弁は、財政負担などの観点での研究が必要ということでしたが、今回の市長の答弁では、こうした財政面での検討にも触れず、胃がんへの有効性について国の動向を注視するのみということです。  WHO(世界保健機関)は、今から20年以上前の1994年にピロリ菌は胃がんの原因であると認定し、2014年には胃がん対策はピロリ菌除去に重点を置くべきであるとの発表を行っており、ピロリ菌除去による胃がんへの有効性については、今さら問題にならないと思います。北海道医療大学の浅香学長は、胃がんで命を落とすのはもったいないという時代に入った。ピロリ菌感染の有無が不明の人は、ぜひ一度検査を受け、感染がわかったら除治療や定期的な内視鏡検査を受けてほしいと言っています。  私が平成27年にピロリ菌の質問をしてから既に4年が経過しておりますが、いまだに前向きな検討がなされていなかったことが顕著にあらわれた答弁ではなかったかと思います。大西市長は、マニフェストで健康で暮らしやすい生活都市熊本を掲げておられますが、胃がんという市民の命を奪い人生を変える病気の対策に前向きにならず、その実現を図ることはできるのでしょうか。  以前にも紹介しましたが、ピロリ菌の保菌者は年代に比例して多くなる傾向があります。言いかえれば、助成制度の導入がおくれればおくれるほど、ピロリ菌検査を受けるべき方々を見捨てることにもなってきます。私は、こういう方々に後に胃がんになられた場合には、何とおわびをしたらいいのかわかりません。みずからの説得の至らなさをわびるほかありません。1人でも多くの市民の皆様の胃がんのリスクを軽減するためにも、決して国の動向を注視するという他人任せの姿勢ではなく、本市独自の助成制度の導入について、前向きに検討していただくよう求めておきます。  2点目のピロリ菌感染疑いがある場合の受検者への告知のあり方については、熊本市医師会と協議をしていかれるということです。内視鏡検査は、ピロリ菌感染を発見するまたとないチャンスです。感染の疑いのある方に必ず告知なされるよう、しっかりと協議を進めていただくようお願いいたします。  次は、桃尾墓園についてお伺いします。  熊本地震により、多くの墓が被害を受けました。事前にお伺いした情報によりますと、平成28年7月から9月の調査では、熊本地震による被害区画数は5,658区画であったそうですが、本年11月の調査では、5,348区画が既に復旧されているものの、310区画は未復旧の状態にあるということです。震災から3年半が過ぎましたが、経済的問題や近くに親族が住んでいないなどの理由で、墓の復旧が全てできるのか心配しています。  最近では、墓地使用の希望者が年々減っているようでもあります。貸し付け率の推移を見ますと、平成14年の86.9%から平成17年度は92.7%と上昇しておりましたが、その後、下落を続けており、地震前の平成27年には39.7%となり、直近の平成30年では32.7%となっております。少子高齢化や生き方の多様化といった事情も相まって、今後、無縁の墓がどんどん増加していくことが予想されます。無縁の墓を放っておけば、墓石はどんどん汚れていきますし、周りに雑草も生い茂り、墓園全体の荒廃にもつながります。  先日、私にこのような御相談がありました。地震で墓が壊れて、修理をしようと石材店に相談したところ、10万円以上かかる。年金暮らしで余裕がなく、子供ができなかったので、5年前に奥様が亡くなったときには、遺骨は永代供養の納骨堂におさめた。今後、墓を使う予定もないので、使用者変更や市への返還も考えたが、そのためには一旦平地に原状回復することが必要で、修理費以上に費用がかかる。今のままでは手のつけようもないため、市には気の毒だが、そのままにしておくしかありません。どうか条例を改正し、市への返還や使用者の変更を今より簡単にできるようにしてくださいという御相談でした。  決して放置されることが望ましいとは思いませんが、御相談のように、一度に高額の費用を捻出することができず、やむなく放置状態とされる方もいらっしゃることを実感しました。  本市の条例では、使用者の公募が原則となっており、使用権の譲渡は禁じられています。また、墓地の返還時には原状回復すべきものと規定されています。しかし、これらの原則を貫けば、ますます無縁の墓は増加するのではないでしょうか。こうしたことへの対策が進まなければ、本市にとって負の遺産にならないかと心配しているところです。30年後の対策に苦慮する前に、ぜひ今のうちに対策を考えるべきと思います。  そこでお尋ねいたします。  1点目、直近で310区画が被災から未復旧ということですが、その理由をどのように分析されておられますか。私が相談を受けたような経済的な課題のある方ばかりなのでしょうか。あるいは、そもそも墓の管理をなさる方がおられないところもあるのでしょうか。そして、これらの方々に対してどのような対策をなさっていく予定でしょうか。  2点目、桃尾墓園の条例を一部改正し、今より墓地の返還や使用者変更が簡単にできるようにできないでしょうか。  以上2点、健康福祉局長に答弁を求めます。          〔田端高志健康福祉局長 登壇〕 ◎田端高志 健康福祉局長  桃尾墓園に関する2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、熊本地震で被災した未復旧区画の理由及び対策でございますが、本市の墓園におきまして被災した墓石が未復旧であることにつきましては、本市に寄せられた相談事例から、修理を依頼しているが業者の都合で工事に着手できない、あるいは経済的な理由で修理が困難といった事例を把握いたしております。このほか、墓を管理する者がいないため無縁化しているものもあると考えているところでございます。  未復旧の墓石のうち、無縁化している可能性があるものにつきましては、本年度から対象区画に対する看板設置や官報掲載などを行い、改めて承継者の調査を実施しているところでございます。  今後は、経済的な理由により修理が困難な方で、災害を理由として復旧される場合は、生活福祉資金貸付制度の紹介を行ってまいります。また、市営墓地の利用を開始する方に対しましては、使用墓地に係る名義変更や返還する際の手続について、使用者の方が後に困られることがないよう十分な情報提供に努めてまいります。  次に、条例改正による墓地の返還や使用者変更の簡素化についてでございますが、第三者への使用者変更や原状回復せず墓地を返還することを可能とする条例の改正は、墓地の貸し付けは公募によって決定していること、また墓地を返還する際には原状回復することを条件として貸し付けを行っており、これまで貸し付けを行ってきた使用者との公平性の確保などに課題がありますことから、困難であると考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  条例改正による墓地の返還や使用者変更の簡素化は、課題が多く困難との答弁でありました。  私も条例の変更はそう簡単にはできないと思っていますが、費用を使い、何らかの変更をしなければ、今後ますます無縁の墓は増加します。対象区画に対する看板設置や官報掲載等を行うということですが、申し出がなければ、結局、本市の費用で更地にすることになります。無縁の墓がまだ少ないと思われる今のうちに対策を考えておかなくてはなりません。本市にとって負の遺産にならない対策を求めておきます。  次の質問に移ります。  全国都市緑化フェアについてお尋ねいたします。  全国都市緑化フェアが2022年春、3月から5月までの約2カ月間開催されます。イベントとしては結構長く、熊本のアピール、熊本のブランドの向上の絶好のチャンスと考えられます。  メーン会場として、熊本城公園及びシンボルプロムナード一帯、水前寺江津湖公園一帯、立田山とし、パートナー会場として、本市周辺の連携中枢都市圏の市町村との連携会場、さらには託麻三山、金峰山、雁回山、八景水谷公園など、各区の自然資源となっています。  11月19日、基本計画検討委員会で愛称をくまもと花とみどりの博覧会とすることを決めて、承認がなされました。来年1月末には、ロゴマークを第1回実行委員会で公表する予定と聞いています。いよいよこれから全国都市緑化くまもとフェアの構想が具体的にまとまってくると思います。都市の緑の再生を図る機会にするとともに、地域産業や観光産業の振興、さらには国内外の方々に熊本地震からの力強い復興を発信する機会になるものと期待しているところです。  市中心部のメーン会場となるプロムナード周辺に関して、私は、昨年第1回定例会で、桜馬場南側緑地に夜の散歩道を整備していただけないか、また、プロムナードと一体となった散歩道を整備してはどうかと御提案したところです。一部その思いをかなえていただき、桜馬場南側緑地には立派な散歩道を整備していただき、照明もつきました。今まで以上に歩く人がふえたと思います。  ただし、もう一歩、夜の散歩道が完成するためには、落ちついて楽しめる雰囲気を演出する石垣や長塀を引き立て、夜を引き立てる和風の明かりが必要とも思います。みずあかりの時期に限らず、このような夜の散歩道を味わうことができるように整備してはどうかと考えております。  また、私は、水前寺江津湖公園一帯を少し歩いてみました。水前寺成趣園から水前寺江津湖公園を通り、反対側の水前寺児童公園の中を通って、熊本県立図書館の横、加勢川沿いを歩き、旧砂取細川邸庭園、芭蕉園などを散策しました。芭蕉園には、多くの芭蕉が林立して不思議な南国の風景をつくり出していました。それはそれは自然あふれる熊本のすばらしい場所でした。  それからしばらく歩くと、休憩園地、湧水地があり、奥には公園があり、トイレも完備してありました。しばらくの間、休憩園地のベンチで休みました。もう少しベンチの数はふやせばと思いました。歩いていく右側の加勢川の水は澄み切り、魚も多く、カモやシラサギなどの鳥がたくさんいました。その眺めのすばらしさに、あっという間に江津湖に着き、みんなの広場で景色を楽しみました。  私は、この全国都市緑化くまもとフェアの後に、多くのレガシーが残ればと思います。  そこでお尋ねいたします。  全国都市緑化くまもとフェアの整備の中で、次の3点、1点目、水前寺成趣園から江津湖までの導線の整備をし、熊本市の自然の豊かさをアピールしてはいかがでしょうか。  2点目、せっかく眺めのすばらしい江津湖までの道路やベンチ等の整備をしてはいかがでしょうか。  3点目、桜馬場南側緑地はもう一歩まで来ました。プロムナードと一体となった夜の散歩道の整備ができないでしょうか。  以上3点、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  2022年春に開催いたします全国都市緑化フェアにおいては、水前寺江津湖公園をメーン会場の一つとしておりまして、全国各地から訪れる多くの方々に、水の都熊本の象徴である江津湖の持つ魅力を広く発信する絶好の機会と考えております。特に、水前寺成趣園から江津湖までの区域は、歴史文化資源や木々のざわめきの中で湧水によるせせらぎ、カワセミなどの鳥の鳴き声など、江津湖の豊かな自然環境も体験できる場所でございます。  一方、電車通りにより分断され、一体性、連続性が大きな課題ということもあることから、フェア開催に向けては、案内サインを初め、園路またベンチ等を整備するなど、両地区をゆっくり散策していただけるよう準備を進めていく予定でございます。  そのように、今回のフェア開催に合わせまして散策路や憩いの空間の整備を進めていきますことで、フェア後においても、水前寺江津湖公園がさらに市民の皆様に愛され、また親しまれる場所となることこそが後世に残すべき有益な遺産、いわゆるレガシーの一つと考えているところでございます。  次に、シンボルプロムナードと一体となった夜の散歩道の整備についてでございますが、昨年の定例会で議員から御提案いただきました桜馬場南側緑地につきましては、遊歩道部分には天守閣の破損瓦を活用した舗装を施し、外灯のLED化と庭園灯の設置を行うなど、10月5日から始まりました熊本城の特別公開に合わせまして、夜間も含めた歩行環境を整えてきたところでございます。  来年1月より整備いたしますシンボルプロムナードについても、熊本のシンボルであります熊本城を引き立たせる照明計画や行幸坂からつながる桜を中心とした植栽計画など、熊本城と連続性のある魅力的な歩行者空間を創出してまいりたいと考えております。  SNS等でも魅力的な夜間スポットが拡散されていく昨今、シンボルプロムナードからつながる熊本城周辺についても夜間の景観形成は欠かせないものであると認識しております。今後は、特別史跡である石垣や長塀の趣ある雰囲気を生かした夜間景観の形成や歩いて心地いい散歩道の環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  シンボルプロムナードからつながる熊本城周辺の夜間の景観が向上し、散歩道の環境整備ができれば、夜の熊本のにぎわいが増し、県外からの旅行客の増加にもつながります。また、成趣園よりの分断対策として、案内サインを初め、園路、ベンチ等の整備をするなど、両地区をゆっくり散策できる準備を予定されており、フェア開催に合わせて散策路や憩いの空間の整備を進め、水前寺江津湖公園がさらに市民に愛され、親しまれる場所になることこそがレガシーの一つであるとの御答弁でした。  加勢川の水は澄み切り、魚も多く、カモ、シラサギなどの鳥がたくさんいます。この風景を見た人は、水の都熊本と言われることを実感とし感じられることでしょう。ぜひ魅力ある整備となるよう、よろしくお願いしておきます。  次に、東部堆肥センターの稼働状況と今後の対策についてお伺いいたします。  本市は、74万市民の水道水源の全てを地下水で賄う日本一の地下水都市です。これまで、豊富で清冽な地下水を都市基盤として発展してきました。しかしながら、水質については、近年、地下水の硝酸性窒素濃度が上昇傾向にあることから、現在、熊本市硝酸性窒素削減計画に基づくさまざまな対策が実施されています。  中でも、ことし4月に供用開始した東部堆肥センターは、東部地域で飼養される乳牛及び肉用牛の排せつ物を堆肥化し、広域流通させることにより、東部地域の地下水への窒素負荷量を低減させる施設であり、今後、地下水の硝酸性窒素濃度の減少に大きく寄与するものと期待しています。  私たち公明党熊本市議団では、10月にこの東部堆肥センターの視察を行いました。家畜排せつ物が適正に処理されており、各畜産農家がこれまで排せつ物処理に要していた労力が大幅に軽減されたこと、また、東部地域の長年の懸案であった悪臭問題が解決され、地元自治会を初め地域の皆様が喜ばれていることもわかりました。  一方で、当初の計画よりも多くの家畜排せつ物が持ち込まれていて、施設の運営に一部支障を来しているとも伺いました。また、堆肥の流通にも影響していると伺っています。  東部堆肥センターの整備に関しては、私も当時、環境水道委員長として議論に参加してきましたが、各委員からは堆肥センターへの持ち込みが確実に行われるかを心配する意見が多数でした。そこで、執行部では熊本市地下水保全条例を改正し、東部地域の家畜排せつ物については堆肥センターへの持ち込みを義務づけられました。現在の状況は、地下水の硝酸性窒素削減対策にとって非常に喜ばしいことではありますが、今後の運営に多少不安も覚えたところであります。  そこでお伺いします。  1点目、当初計画よりも多い家畜排せつ物が持ち込まれている原因は何なのでしょうか。  2点目、持ち込み量が多い現在の状況を改善するために、どのような対策を考えているのでしょうか。  3点目、良質な堆肥を生産し、広く流通させるために、どのような対策を行っていくのでしょうか。  以上3点、環境局長にお尋ねいたします。          〔勝谷仁雄環境局長 登壇〕 ◎勝谷仁雄 環境局長  東部堆肥センターの稼働状況と今後の対策についてお答えいたします。  まず、当初の計画よりも多い家畜排せつ物が持ち込まれている原因についてでございますが、本年4月に供用開始しました東部堆肥センターへの持ち込み量は、畜産農家の御協力により想定以上の持ち込みが行われ、設計時と比べ約1.3倍となっております。  主な要因といたしましては、まず、センターへの持ち込みには使用料が必要になりますことから、当初はセンターを利用せず、みずからの堆肥化を継続する意向であった畜産農家におかれましても、堆肥化への労力が減少するなどのため、センターを利用されていることにあります。2点目といたしましては、設計時と比較し、当該地域での飼育頭数が新規参入などにより約400頭ふえていることと考えております。  次に、現状を改善するための対策についてでございますが、畜産農家に対し、計画的なセンターへの持ち込み、みずから所有する堆肥舎での堆肥化の再開及び生産した堆肥の早期の引き取りなどの協力を依頼しているところでございまして、指定管理者とも連携し、センターの適切な管理を行ってまいります。また、固液分離後の液状分をバイオマス発電に活用している東部浄化センター内の貯留槽の容量が不足しており、現在、貯留槽増設のための設計予算を今議会に計上しているところでもございます。
     最後に、良質な堆肥を生産し、広く流通させるための対策についてでございますが、センター稼働直後は持ち込みが集中し、堆肥を乾燥させるための時間が十分に確保できないなどの問題が発生いたしました。しかし、現在は、畜産農家の御協力により、指定管理者において高品質の堆肥が生産されております。販売につきましては、これまで、農水局やJAなどの関係団体との協議を重ねており、また、指定管理者において広域の販売先の確保にもめどが立ったと伺っており、今後、広域での販売が順次行われると考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  当初の計画より家畜排せつ物が多く持ち込まれている原因は、利用の意向がなかった方々からの持ち込みや飼育頭数の増加によるものということでした。持ち込みが確実に行われるかを心配していましたが、杞憂となり、安心しました。  現状の改善については、しっかりと行っていただきたいと思いますが、その対策として、東部浄化センターの貯留槽増設のための設計予算を今議会で計上され、堆肥の質につきましても高品質の生産ができるようになり、広域での流通対策についてもめどが立ったということですので、今後とも、地下水の硝酸性窒素削減対策にとってよい状況が続くように、よろしくお願いしておきます。  次の質問に移ります。  2020年度からの私立高校授業料の実質無償化に伴い、公立高校の授業料が安いという優位性がなくなること、これによる高校間の競争激化に伴い、さらに魅力がある学校づくりが求められていることについては、平成30年第2回定例会6月8日の一般質問で、遠藤教育長と認識を共有することができました。  この問題では、平成31年第1回定例会の代表質問においても、先輩の藤岡元議員から、市立高校やビジネス専門学校の抜本的改革について、大西市長のお考えや遠藤教育長には改革の方向性をお尋ねしたところ、グローバルリーダーやローカルリーダーの育成を初め、将来の進路や生き方、働き方を含め、新たな価値を生み出す、県立にも私立にもない特色ある人材育成のための教育の場づくりに取り組むとのお考えを、遠藤教育長から答弁していただいたところです。  改革を通じて、偏差値だけが尺度になる高校選択ではなく、学校教育内容など、魅力ある教育の場として選ばれるような高校づくり等に取り組むとの答弁には、私も強く共感を覚えたところであります。  御答弁のとおり、本年、教育委員会に市立高等学校等改革検討委員会を設置され、市立高校と総合ビジネス専門学校における人材育成の方向性と、そのためにどのような教育機関に改革すべきかについて諮問されたということです。  本年9月の第3回定例会では、遠藤教育長は、新たな学校づくりについて、例えば、生徒が主体となって学ぶ活気ある学校、自分の将来をデザインしながら学べるような学校など、これまでの熊本にない、全国から人が集まるような学校を目指してまいりますと答弁されております。  検討委員会における最終的な答申は本年度中となるということで、まだ結論が出るタイミングではないことは承知しておりますが、あえてここで私の考えを述べさせていただきますと、大枠では、必由館高校は中高一貫教育で、遠藤教育長が例を挙げて答えられたグローバルリーダーを育成する。そして、千原台高校とビジネス専門学校については連接し、5年間で専門知識をより深め、ローカルリーダーを育成するようにしてはどうかと考えます。その上で、千原台高校とビジネス専門学校については、専門学校や短大あるいは高専とし、簿記の能力を生かした学科やパソコン能力を生かした高度なICT活用の学科をつくり、専門家の育成を図ってはどうかと考えているところです。  そこでお尋ねいたします。  今後、年明け1月ごろに予定されている第3回の検討委員会では、第1回、第2回の議論をまとめ、事務局から改革のパターンを複数提案されるそうですが、事務局から提案されるパターンについてどのようなものが考えられるのか、現段階でのもので構いませんので、教育長の具体的なお考えをお聞かせください。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  市立高校、ビジネス専門学校に関して、事務局が提案する改革のパターンについてお答えいたします。  これまでに行った2回の検討委員会では、市立高校やビジネス専門学校における人材育成のあり方や新しい時代に対応した魅力ある学校像などを論点に、幅広く御議論いただきました。また、市民の方々へのアンケート調査や学校で行われたワークショップ等を踏まえ、在校生を含む委員がさまざまなアイデアを提案し、活発な意見交換が行われたところです。  10月に開催しました第2回検討委員会の議論では、学校の基本的な理念をみずから考え主体的に行動し社会変革を実現していく力の育成といたしました。さらに、生徒や保護者に選ばれる学校像として、1点目は、市立ならではの特色ある学校、2点目は、探求的な学習を推進し、社会と積極的にかかわる学校、3点目は、生徒が主体的に学校経営に参画する学校の3つの方向性が確認されました。  現在、教育委員会事務局においては、この方向性を踏まえ、改革のパターンを検討しているところです。次回の検討委員会では、例えば、例えばですけれども、普通科の見直しを含めた学科・コースの改編や多様な生徒の学ぶ機会を保障する単位制や通信制の導入のほか、中高一貫教育や高校と専門学校の接続を含め、複数の選択肢を示して議論いただくことを考えております。          〔27番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  これまでに確認された市立ならではの特色ある学校、探求的な学習を推進し、社会と積極的にかかわる学校、生徒が主体的に学校経営に参画する学校という3つの方向性を踏まえ、次回の検討委員会では、例えば、例えばと、念を押されましたけれども、例えば普通科の見直しを含めた学科・コースの改編や多様な生徒の学ぶ機会を保障する単位制や通信制の導入のほか、中高一貫教育や高校と専門学校の接続を含め、複数の選択肢を示して議論していただく予定とのことですので、将来に向けた検討をよろしくお願いしておきます。  まずは、今いる生徒が満足することが大事です。今いる生徒が学校に不満を持っていたら、学校はよくなりませんので、将来に向けた検討にあわせて、今いる生徒に対しての改革はないのかもあわせての検討をよろしくお願いしておきます。  今回の私の用意した項目は以上で終了いたします。  傍聴していただきました市民の皆様、また議員の皆様、インターネットを見ていただいた皆様、市長を初め答弁をしていただいた執行部の皆様に感謝申し上げます。  以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明4日(水曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時40分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和元年12月3日 出席議員 47名       1番   倉 重   徹        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   古 川 智 子       5番   島 津 哲 也        6番   北 川   哉       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   荒 川 慎太郎       10番   齊 藤   博      11番   田 島 幸 治       12番   平 江   透      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   小佐井 賀瑞宜      29番   寺 本 義 勝       30番   原     亨      31番   原 口 亮 志       32番   紫 垣 正 仁      33番   大 石 浩 文       34番   田 中 敦 朗      35番   村 上   博       36番   那 須   円      37番   園 川 良 二       39番   満 永 寿 博      40番   三 島 良 之       41番   津 田 征士郎      43番   坂 田 誠 二       44番   白河部 貞 志      45番   田 中 誠 一       46番   藤 山 英 美      47番   落 水 清 弘       48番   田 尻 善 裕      49番   上 野 美恵子 欠席議員  1名      38番   澤 田 昌 作 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     古 庄 修 治   総務局長     萱 野   晃    財政局長     田 中 陽 礼   市民局長     石 櫃 仁 美    健康福祉局長   田 端 高 志   環境局長     勝 谷 仁 雄    経済観光局長   平 井 英 虎   農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   田 中 隆 臣   消防局長     西 岡 哲 弘    交通事業管理者  肝 付 幸 治   上下水道事業管理者白 石 三千治    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     井 上   学    東区長      宮 崎 裕 章   西区長      深 水 政 彦    南区長      村 上 誠 也   北区長      野 口 恭 子 職務のため出席した事務局職員   事務局長     大 島 直 也    総括審議員兼事務局次長                                富 永 健 之   議事課長     本 田 正 文    調査課長     下錦田 英 夫...