令和 2年第3回 9月定例会(第3日目)1. 日時 令和2年9月16日2. 場所
東広島市議会議場3. 出席議員(29名) 1番 鈴 木 英 士 2番 片 山 貴 志 3番 坂 元 百合子 4番 牛 尾 容 子 5番 景 山 浩 6番 田 坂 武 文 7番 岩 崎 和 仁 8番 中 川 修 9番 貞 岩 敬 10番 岡 田 育 三 11番 坪 井 浩 一 12番 大 道 博 夫 13番 玉 川 雅 彦 14番 北 林 光 昭 15番 加 藤 祥 一 16番 重 森 佳代子 17番 奥 谷 求 19番 重 光 秋 治 20番 加 根 佳 基 21番 宮 川 誠 子 22番 谷 晴 美 23番 乗 越 耕 司 24番 竹 川 秀 明 25番 池 田 隆 興 26番 山 下 守 27番 鈴 木 利 宏 28番 牧 尾 良 二 29番 石 原 賢 治 30番 上 田 廣4. 欠席議員(なし)5. 本会議の書記 事務局長 脇 本 英 治 局次長 貞 岩 諭 議事調査係長 松 井 章 拓6. 説明のため出席した者 市長 高 垣 廣 徳 副市長 松 尾 祐 介 副市長 多 田 稔 教育長 津 森 毅 総務部長 天神山 勝 浩 政策企画部長 木 原 岳 浩 財務部長 江 口 和 浩 生活環境部長 弓 場 潤
こども未来部長 上 田 祐 子 産業部長 鈴 木 嘉一郎 建設部長 中 谷 浩 美 都市部長 鎌 田 裕 介 消防局長 石 丸 泰 三 学校教育部長 國 廣 政 和
災害復旧担当理事阪 垣 多喜豪 総務部次長兼総務課長 福 光 直 美 財務部次長兼財政課長 中 村 光 利7. 会議事件日程第1
会議録署名議員の指名日程第2 一般質問 ───────────────────── * ─────────────────── 午前10時00分 開 議
○議長(乗越耕司君) 皆さん、おはようございます。 ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりであります。 ───────────────────── * ───────────────────
○議長(乗越耕司君) それでは、これより日程に入ります。 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、議長において、15番加藤祥一議員、16番重森佳代子議員、17番奥谷 求議員を指名いたします。 ───────────────────── * ───────────────────
○議長(乗越耕司君) 日程第2、一般質問を行います。 ここで、念のため申し上げておきます。 一般質問は、一問一答方式、一括質問方式の選択制になっており、発言時間については
新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から通常より時間を短縮し、20分以内となっております。 なお、初回の質問は演壇で行い、2回目以降の質問からは質問席で行ってください。 それでは、一般質問の通告がありますので、1番鈴木英士議員の一問一答方式による一般質問を許します。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) (登 壇) 皆さん、おはようございます。2日目、
トップバッターとなりました令和会の鈴木英士でございます。 本日は、大学生、そして、今日質問をする乳幼児教育、保育の関係者の方、多く来ていただいています。ありがとうございます。 ただ若干、その保育の関係者ということもあって、プレッシャーを感じているんですけれども、一生懸命やっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、議長から発言の許可を頂きましたので、通告に従って一般質問を始めたいと思います。 まず初めに、乳幼児期に目指す子ども像について伺います。 第五次東広島市総合計画における人づくりの取組に記載があることからも、乳幼児期における教育・保育の充実は、市として取り組むべき課題であると認識されていると思います。 東広島市教育大綱の中でも「0歳からの学びのスタート」という記載があり、乳幼児期の教育・保育の質向上がうたわれています。 では、ここで言われる乳幼児期の教育・保育の質向上とは、どのようなものでしょうか。同大綱の中で「当たり前のことが当たり前にできる子どもの育成、家庭や学校における
東広島スタンダード(挨拶、返事、言葉遣い、履物をそろえる)の定着」という記載があります。 確かにそのようなことが身につくのはいいですが、そのようなスキルや技能を身につけさせるよりも、その土台になるような、自主的に何かをしようとする力などの、いわゆる非認知能力を身につけることが乳幼児期においては重要ではないかと思います。 参考の一つとして、
ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマンが、ペリー就学前プロジェクトの結果から、乳幼児期において非認知能力を身につけることの有効性について唱えています。 ペリー就学前プロジェクトの概要は、
アフリカ系アメリカ人3歳から4歳の子どもを対象に、就学前教育を行ったグループとそうでないグループを約40年間にわたって追跡し、その後の経済状況や生活の質にどのような違いが起きたかを追ったプロジェクトです。 教育を受けたグループは、高校卒業率や持ち家率、平均所得が高いなどの結果が出ました。 このプロジェクトにおいて、IQなどの能力に大きな差は見られなかったため、乳幼児期における教育・保育が学習意欲や努力や忍耐などの非認知能力を高めることに貢献したとヘックマンは分析しており、幼少期に教育を受けることが非認知能力を向上させ、その後の教育の効率性を高めることに有効であったと唱えています。これにより幼少期により非認知能力を向上させるプログラムを行うことが有効であることが示されています。 乳幼児期における教育・保育の充実により、このような非認知能力を身につけることが重要だと考えますが、教育大綱で目指す新しい時代を担う人、その人材を目指す上で乳幼児期における教育・保育で、どのような子どもを育てようと考えているのか、市の考えを伺います。 次に、保育の質を高めるための具体的な方法については、どのように考えているのか伺います。 本市においては、待機児童に対する施策の充実が図られ、今年度4月時点において待機児童解消が図られたことは大変すばらしいことだと思います。 待機児童の問題が解決に向かい、次の課題として、保育の質向上が必要になってくると思われます。 では、市としてどのような保育を行おうと考えておられるのでしょうか。私は、東広島市の特性を考えたときに、豊かな自然環境を生かした保育というのが有効ではないかと考えています。全国的にも自然保育という形で広がりを見せています。 自然保育とは、豊かな自然環境や多様な地域資源を活用した屋外を中心とする様々な体験活動を積極的に保育や幼児教育に取り入れる活動のことで、例えば、長野県では
信州型自然保育認定制度という形で制度化もされており、令和元年8月末時点で、県内の3分の1に当たる210園が認定され、取組を進めています。 さらに本市にも文部科学省が出している、これからの幼稚園施設の在り方についてという報告書に取り上げられた事例として、認定こども園さざなみの森があります。ここでは、里山の広場、水田での米づくり、水路の川遊び、畑での果樹栽培、地域の協力者による伝統行事、近隣の農家やヤギや鶏との触れ合い、自然体験など園から連続した自然豊かな周辺の里山環境を活用し、子どもが自然環境の中で遊びながら育つ環境づくりを行っています。 本日、それを画像で紹介させていただきたいと思います。 こちらが、その園の近くの田んぼで泥遊びをしている子どもの様子です。 こちらは、近くの水路で水路遊びをしている子どもの様子です。ここでは、大学生を外部人材として連携して活用しています。 先ほどまでのものが園外での活動でした。ここからは、園内での活動になります。 こちらが、いわゆるジャングルジムのようなものを木を使って組み、子どもたちがその登る過程というのを自分で考えながら遊べるというふうな遊具になっております。 こちらが、園内にあった落葉で遊んでいる子どもの様子です。この様子を見たときの保育者の学びとしては、ただ落葉を投げて遊ぶだけでここまで継続するものではないので、何かしらこの落葉を投げて遊ぶというところに、新しい学びや遊びを見つけていたのではないかということを感じたそうです。 このように、自然を使った遊びの中から学びを身につけていくような、そういうふうな取組をさざなみの森ではされておられます。 このような自然保育の効果としましては、
国立青少年教育振興機構が行った青少年の体験活動等に関する実態調査において、自然体験を多くした子どものほうが自己肯定感が高まるという報告がなされており、ほかにも
株式会社ベネッセホールディングスが行った園での経験と幼児成長に関する調査において、遊び込む経験が多いほうが学びに向かう力は高いといったいろいろな報告がなされており、先ほどお伝えした乳幼児期において重要な非認知能力を身につける上で一定の成果があらわれています。 本市にさざなみの森のようなすぐれた実践例があること、また、本市が掲げる未来に挑戦する自然豊かな
国際学術研究都市にもあるように、この豊かな自然環境を生かした保育というのが有効な手段の一つと考えますが、市として保育の質を高める具体的な方法について伺います。 次に、今後の計画について伺います。 保育の質向上施策を展開するに当たり、保育園施設などのハード面や保育士の研修制度などのソフト面での環境整備が必要と考えますが、今後、どのような計画で行っていくのか伺います。 次に、ICT活用について伺います。 まず、統合アプリの開発状況など、現在の進捗状況について伺います。 行政手続のICT化を行うことは、市民サービスの向上を図る上でとても重要なことだと思います。 特に、多くの方が所持されている
スマートフォンのアプリから手続ができるようになれば、利便性が大きく向上するものと思われます。 今年度、統合アプリを開発し、そのアプリから様々な行政手続ができるようになるというお話を伺っていましたが、現在の進捗状況について伺います。 次に、イベントや
行政サービス等の申込みにおけるICT活用について伺います。 先日の全員協議会でも申し上げたとおり、イベント等の申込みにおいて、若い方を対象にしているにもかかわらず、申込み方法が、郵送やファクス、電話のみというものがあります。 メールやグーグルフォームからの申込み方法も選択できるようになれば、申込みへのハードルは下がると思いますが、市の考えはいかがでしょうか。 これは私ごとで恐縮ですが、現在、東広島の情報を発信するウェブ媒体の運営に関わっており、私としましても多くの市民の方が、情報が届かないことで不利益をこうむることがないよう積極的に情報発信を行っていきたいと考えています。 このように多数の媒体での情報発信により情報の入手へのハードルを下げることも重要ですが、それと同様に申込みへのハードルを下げることも重要になってきます。 多くの方に必要なサービスを使っていただくためにも、私はそのハードルをぜひ下げていきたいと考えています。そこで、イベントの申込みだけでなく、行政サービスにおいてのICT活用の現状と市の考えについて伺います。 次に、統合アプリを市民に広める方法など、今後の計画について伺います。 まず、統合アプリをどう広げていくかについて伺います。 アプリは開発するだけで使っていただけるものではなく、利用を広げていくためには、戦略が必要になると思います。 そこでお聞きします。まず、どんなターゲットの方にどんな戦略で広げていこうと考えているのか伺います。 また、ICTにより既存の行政サービスの手続を簡素化するというだけでなく、そもそものサービスのデザインを考え直す必要があると考えています。個人情報が既に行政にあり、活用できるということを前提にすれば、助成金等を申請なしで交付し、必要なくなった方のみ申請していただくような今ある申請主義からの脱却を図るなど、そもそもの手続の在り方の見直しも必要だと考えられます。 先日の第2回定例会においても、自治体におけるDXは単純にこれまでの業務をデジタル化するだけでなく、業務そのものやプロセスを変革することで、様々なデータの活用により新たな付加価値を生み出すことであると認識しておりますという答弁がありました。そこで、将来的に目指す形についても現在の考えをお聞かせください。 次に、学校現場でのICT活用において、想定されるトラブルへの対応について伺います。 現在、かなりのスピード感をもって児童生徒一人一台の
タブレット配布や教員に対するタブレット等の活用方法の研修などの環境整備がなされていると伺っています。 今後の社会情勢の見通しが立たないことから、早期の環境整備が行われることは非常にすばらしいことだと思います。 ただ、その一方で、現場からは導入に対する不安の声も聞いております。幾つかの小中学校で聞き取りを行った際に、
タブレット導入での不安は、授業での機材トラブルだと聞きました。 例えば、電源を入れ忘れていたといった簡単なものから、
ネットワークトラブルなど少し専門的な内容が想定されます。 その際に、事業者がそういったトラブル対応に当たり、授業ができないのではないかということを不安に思われていました。 そのため授業の際にトラブル対応する支援員のような方が必要かと思われます。また、それ以外にも児童生徒がタブレットを破損することなど、多くのトラブルが想定されます。そういった細かいことを含めた、
タブレット導入後のトラブル対応については、現在どのようにお考えでしょうか。市の見解を伺います。 以上で、初回の質問を終わります。
○議長(乗越耕司君) 答弁を求めます。
◎市長(高垣廣徳君) 議長、市長。
○議長(乗越耕司君) 高垣市長。
◎市長(高垣廣徳君) (登 壇) 鈴木議員の御質問に対しまして、私からは、乳幼児期における教育・保育の充実について御答弁を申し上げます。 まず、乳幼児期に目指す子どもの像でございます。 教育・保育の基本原則である
幼稚園教育要領や
保育所保育指針においても、乳幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期とされ、生きる力の基礎を培う3つの柱が示されております。 1つ目は、子どもが豊かな体験を通して、感じ、気づき、分かるようになる知識及び技能の基礎、2つ目は、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする思考力、判断力、表現力等の基礎、そして3つ目が、心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする学びに向かう力、人間性等でございます。 こうした3つの柱を基礎として、乳幼児期の教育・保育では、単に知識や技能を身につけるだけでなく、様々な状況や場面において、自ら課題を見つけ、課題の解決に向けて主体的に探究していくような、いわゆる非認知能力の豊かな子どもを育てることが重要であると認識しております。 また、
東広島スタンダードをゼロ歳からの学びのスタートに位置づけておりますのは、これらの習慣を早くから強く定着させようとするものではなく、その趣旨を幼児期から保護者に理解していただく中で、就学への準備を進めていただくためのものでございます。 子どもの自由な発想や思いは大切にしながらも、望ましい生活習慣の基礎的なものとして、子どもの発達段階に応じた生活の場面の中で、そのことに触れたり紹介したりしていくことを想定しております。 本市では、第五次総合計画において、未来に挑戦する自然豊かな
国際学術研究都市を将来都市像に掲げ、世界に貢献する
イノベーション創造のまちを目指しております。 こうした本市の未来をつくり、担っていく人材の育成という観点におきましても、乳幼児期の教育・保育のより一層の充実が必要であると考えているところでございます。 次に、保育の質向上のための具体的な方法でございます。 議員御指摘のとおり、自然保育は、子どもの好奇心や創造力、自己肯定感、主体性等を育むものとして、幼児教育・保育等の研究者においても、その効果が評価されているところでございます。 そうした中、広島県では自然保育の推進のため、平成29年に、
ひろしま自然保育認証制度が創設され、現在、本市でも5つの施設が認証を受け、豊かな自然環境を生かした取組がなされております。 しかしながら、自然環境に恵まれた保育施設がある一方で、全ての施設において同様の環境を確保することは難しい現状もございます。 こうした施設では、それぞれの実情に合わせた形を模索しながら保育を実践していく必要があります。 例えば、
住民自治協議会など地元の協力を得ながら、近隣の畑で収穫体験を行うなど、施設内だけではなく地域全体を保育実践の場と捉えて、様々な経験ができるようにしていくことも考えられます。 また、保育の質は、こうした施設や周辺の自然環境だけでなく、保育士の高い専門性によって支えられているものであることから、保育士の資質向上のための研修を充実させることも不可欠であると考えております。 最後に、今後の計画でございます。 今年度、保育の質向上に係る議論を深めるため、現在、有識者を交えた意見交換を始めており、本市における乳幼児教育・保育の
アクションプランを取りまとめる予定としております。 また、併せて
保育所等配置基本計画を今年度中に策定し、保育環境の改善を図ることとしております。 これらを基に、ソフト面においては目指す姿の具体化や研修体系の充実、ハード面では保育環境の工夫や老朽化対策などに今後段階的に取り組んでいくことで、教育・保育を充実させてまいりたいと考えております。 他の質問に対しましては、担当説明員より答弁をいたします。
◎副市長(多田稔君) 議長、副市長。
○議長(乗越耕司君) 多田副市長。
◎副市長(多田稔君) (登 壇) 私からは、ICT活用についてのうち、庁内のICT活用について御答弁を申し上げます。 まず、統合アプリの進捗状況についてでございます。 統合アプリは、
スマートフォンの普及に伴い、ホームページ、
スマートフォンのアプリ、メール配信など、様々なツールにより分散して提供している行政手続やお知らせなどの市のサービスを市民へ分かりやすく届けるためのポータルサービスとして、令和2年度予算において事業化したものでございます。 現在の進捗状況ですが、7月に事業者に対して、サービスの機能や要件等を検討するための技術的な情報の提供を依頼し、それらを参考とし仕様書等をまとめまして、8月11日から
公募型プロポーザルを開始し、提案書の提出を受け付けている段階でございます。 今後の予定ですが、9月中に
最優秀提案事業者を決定した後、早期に契約を締結し、今年度中に開発を完了し、令和3年4月からサービス提供を行う予定としております。 次に、イベントや
行政サービス等の申し込みにおけるICT活用についてでございます。 本市では、現在、
電子申請システムにより、職員採用試験、
成人式等のイベントの申込み、
水道使用中止届、
住民票交付請求書等の行政サービスの申込みを受け付けております。
スマートフォンを利用した申込みは、市民の利便性の向上や、行政事務の簡素化・効率化など大変有効であり、また、
新型コロナウイルスの感染防止対策としても接触機会の減など重要性が増していると考えております。 こうしたことから、現在、電子申請等に対応していない手続につきましても早期に電子化を推進するとともに、市民の方が利用しやすいサービスとなるよう、統合アプリとの組み合わせによる改善も検討しております。 次に、統合アプリのターゲットや今後の計画等についてでございますが、まずは、子育て世代をターゲットとして、子育て支援、学校や保育所、防災関連のお知らせ等のサービスの提供を開始し、利用者の拡大や周知を図ってまいります。 今後、対象者を明確にしたサービス提供を順次拡大し、対象者へのアプローチを繰り返すことで、誰もが利便性を享受できるサービスとなるよう取り組んでまいります。 次に、行政サービスの
デザイン見直しについてでございます。 現在の手続をそのままデジタル化するだけでは、十分な効果が得られないという認識の下、行政サービスのDXにおいては、従来のやり方に固執するのではなく、1か所で関連の手続が完結するワンストップや、一度提出すれば何度も提出不要となるワンスオンリーの実現など、サービスの本来の目的や市民の利便性等を考慮してサービス自体の見直しが必要と考えております。 このため、インターネットや
スマートフォンアプリを利用した行政サービスの提供方法を多様化するとともに、長期的には行政サービスのさらなる最適化を目指し、
サービスそのものの在り方やプロセスの変革などデザインの再設計を行い、サービス自体の質の向上に取り組んでまいります。 こうした取組みにより、市民生活の質的向上や最適なライフスタイルの実現を目指して、DXを推進してまいります。
◎学校教育部長(國廣政和君) 議長、学校教育部長。
○議長(乗越耕司君)
國廣学校教育部長。
◎学校教育部長(國廣政和君) (登 壇) 私からは、学校現場でのICT活用について御答弁申し上げます。
GIGAスクール構想を進めるに当たり、児童生徒一人一台の
学習者用タブレットを導入することにより、ICT機材のトラブルや機器破損等への対応が増えることが予想されます。 このため、授業中の突発的な機材等のトラブルの際には、各教室に1台から2台配備する予備のタブレットと取り替えて使用することで対応し、また、
ネットワーク関係のトラブル等については専門家によるヘルプデスクでの対応や、ICT支援員を活用することで、ICT機器やネットワークのトラブルによって授業が中断しないような体制を整えてまいります。 また、教職員に対してICT研修を実施することで、簡易なトラブルに対応できるようなスキルを身につけていただくとともに、基本操作から想定されるトラブルの対処法までを開設するマニュアルなども整備し、対応してまいりたいと考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 丁寧な答弁ありがとうございました。 では、再質問に移っていきたいと思います。 初めに、乳幼児期における教育・保育の充実についてですが、非認知能力の向上が重要であると強く認識されていることがよく分かりました。ありがとうございました。その認識の下、いろいろな施策を進めていただけたらと思います。 そこで質問ですが、先ほどの答弁の中に、自然環境に恵まれない立地もあることから、施設の実情に合わせて、地域との連携も視野に入れて保育環境を整えていくという趣旨の答弁がありました。個別の施設の実情に合わせ、地域との連携を図ることはとても重要なことだと思います。 ただ、その一方で、どのような場所であっても、例えば、プランターで植物を育てる、先ほどお示ししたような落葉で遊ぶといったことを園庭内で取り組むことで自然保育を行うこと自体が可能だというふうにされております。その点については、どのようにお考えでしょうか。
◎
こども未来部長(上田祐子君) 議長、
こども未来部長。
○議長(乗越耕司君) 上田
こども未来部長。
◎
こども未来部長(上田祐子君) 御指摘のとおり、自然保育には様々な手法がございます。近隣の里山や公園を活用した園外保育をはじめ、園庭での植栽やプランター栽培など、現在も各園の創意工夫により施設の状況に応じた取組みがなされております。 子どもの自己肯定感を高め、非認知能力の獲得にもつながるとされます自然保育は、多様な形で取り入れることができると考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。ぜひそのような形で自然保育を隣地にある施設でも取り入れていただけたらと思います。 次に、保育の質向上のため、保育士への研修制度の整備は不可欠だという答弁があり、私もそのとおりだと思っております。 ただ、もしそういう自然保育などを行っていく場合におきましては、それを全部保育士の方だけで展開するというのは難しいと思われますので、例えば、インタープリターの方など、外部人材との連携というのは必要になると思うんですけど、そのあたりについては、どのようにお考えでしょうか。
◎
こども未来部長(上田祐子君) 議長、
こども未来部長。
○議長(乗越耕司君) 上田
こども未来部長。
◎
こども未来部長(上田祐子君) さらなる自然保育の実践に当たりましては、保育士のサポート役として自然分野に見識の広い外部人材との連携も有効だと思っております。 しかしながら、まずは自然保育の意義でありますとか、その手法について保育士や保護者にしっかりと御理解いただくということが優先的な取組であると考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。まず、その保護者であったり、その保育士に自然保育の重要性等を認識していただくということでした。それで進めていただけたらと思います。 それで、自然保育実践の際には、ぜひインタープリターなどの外部人材を取り入れていただけたらと思います。 次に、先ほどの答弁の中で、現在、有識者と意見交換をしながら様々な計画づくりを行っているということでした。それは、すごく重要なことだと思います。ただ、それだけでなく、その現場での運用のことを考慮するためにも、現場の声を聞くなど様々な立場の方の意見を取り入れることも必要だと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
◎
こども未来部長(上田祐子君) 議長、
こども未来部長。
○議長(乗越耕司君) 上田
こども未来部長。
◎
こども未来部長(上田祐子君) 有識者を交えた意見交換を現在スタートしておりますが、今後、保育現場にも御参加を頂き、現場の課題等について御意見を頂くこととしております。 さらに、本市の子ども・子育て会議においても協議・検討を行う体制を整え、
アクションプランの具体化を図る予定としております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。ぜひ、そのようにいろいろな方の意見を取り入れながら、よりよい
アクションプランづくりを進めていただけたらと思います。 この件では最後なんですが、乳幼児教育、保育の
アクションプランなどを今現在、各種計画について進めておられると思いますが、その内容についてもう少し具体的なお考えがあればお聞かせください。
◎
こども未来部長(上田祐子君) 議長、
こども未来部長。
○議長(乗越耕司君) 上田
こども未来部長。
◎
こども未来部長(上田祐子君) 各種計画の具体的な内容につきましては、先ほど申しましたように、現場の意見や先進事例を参考にしつつ、今後、検討を進めてまいります。 御提案いただきました自然保育のさらなる進化を含めまして、遊びは学びということを具体的に実践できるよう本市内の国公立及び私立の幼児教育、保育の施設関係者の幅広い連携によりまして、保育の質の向上を図り、子育てするなら東広島の実現に努めてまいりたいと考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) ありがとうございます。自然保育を強く進めていきたいというふうな思いを強く感じました。そのように、これからも施策展開していただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 次に、ICT活用について再質問します。 先ほどの答弁の中で、電子申請で行われる手続についても、早期に電子化を推進するということがありました。これ念のための確認なんですが、先ほど私が質問した中に、メールやグーグルフォーム等を活用していくということをお話ししたんですけれども、それも進めていくという認識でよろしいでしょうか。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 議長、政策企画部長。
○議長(乗越耕司君) 木原政策企画部長。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 議員から御提案がございましたメールやグーグルフォームなどの活用という面でございます。 こうしたクラウド上で提供されておりますサービスにつきましては、早期の提供でありましたり、手軽に行えるという、このメリットは非常にあるものという認識は我々もしてございます。 ただ、その一方で、やはりなりすましでありましたり、そういったセキュリティー面の問題、また、サービスの継続性という課題もあるものという認識もしてございます。 したがいまして、こうした状況において、現在、調達を進めております統合アプリについては、グーグルフォームなどのメリットを十分生かすように、早期にサービスが提供できるような仕組みでありましたり、また、公式アプリとなりますことから、いわゆる信頼感でありましたり、セキュリティーの確保、安定といったサービスの提供ということをしっかりと確保しつつ、利用者の方々にしっかりと使っていただけるようなシステムとしてまいりたいと考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。統合アプリにおきますセキュリティーの観点等もありますので、統合アプリでそういったことをクリアしていくということでした。 ただ現在、私が聞いている中でも、例えば大学生を対象にしたようなイベントであっても、郵送はがきでの申込みしかないということで、それで、郵送はがきなんか出したことがないからどうしていいか分からないというので、ちょっと申込みをためらったというふうなケースも聞いておりますので、現在できる形で、そういった若い方でも申込みがしやすい、いろんな方が申込みがしやすいような方法というのを検討していただけたらと思います。 次に、その統合アプリの広め方についてなんですけれども、先に、まず子育て世代をターゲットとして広めていくということだったんですけれども、具体的にはどのような情報を発信して、子育て世代の利用者を広げていこうと考えられているのか、教えてください。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 議長、政策企画部長。
○議長(乗越耕司君) 木原政策企画部長。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 統合アプリの関係のターゲットについては、子育て世代ということで初回答弁をさせていただきました。 具体的な利用の拡大の方法ということで、まず提供する情報の内容の具体的な例といたしましては、例えば、学校からの「学校だより」のように、保護者に向けた御案内、お知らせ、また、子どもの年齢や時期に応じた健診、これは非常に重要な内容でございます、そういったもの。また、児童手当の申請の通知サービスなど、やはり利用者の方々がメリットを感じていただけるような情報を適宜・適切に配信することによって、利用の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。確かに保護者の方からも自分の子どもがなかなかプリントを出してこないとか、そういったことがあるので、そういう情報というのは非常に重要だなと、十分に必要だなと思っています。 先ほど子どもの健診の情報ということもあったんですけれども、今現在、母子も多分活用されていると思うんですけれども、そういった母子との連携みたいなことはどのように考えておられるのか、お聞かせください。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 議長、政策企画部長。
○議長(乗越耕司君) 木原政策企画部長。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 議員御指摘のとおり、母子とも含めた形での統合アプリの展開を今検討しているという状況でございます。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。今現在、恐らくいろいろなアプリでそういった情報が提供されていると思いますので、たくさんあると、やはり情報が分散しますので、そういったものをぜひ統合して、1つのものにまとめていただけたらと思います。 次に、統合アプリが順次機能を拡大していくということだったんですけれども、これはつまり最初から全ての機能が備わったフルスペックのものではなく、ちょっとずつ増加を図っていくということで、そういう認識でよろしいでしょうか。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 議長、政策企画部長。
○議長(乗越耕司君) 木原政策企画部長。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 当該アプリの機能の実装の仕方ということで御質問いただきました。 議員御指摘のとおり、最初から全てのサービスを実装をするということではなくて、順次、改良・作成、また、適宜サービスの機能が追加、拡充ができるような体制をとりつつ、利用者の拡大を図りながら、また、効果等も計測しながら継続的な利用につながるよう努めてまいりたいと考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) ありがとうございます。 先ほど機能増加をちょっとずつ図っていくということだったんですけれども、この統合アプリ、アプリ全般に言われることですけど、機能だけでなく、その使いやすさとか、そういったユーザーインターフェースが利用者にとっては重要となりますけれども、その点については何かお考えがありますでしょうか。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 議長、政策企画部長。
○議長(乗越耕司君) 木原政策企画部長。
◎政策企画部長(木原岳浩君) 初回答弁で申しましたように、現在、調達の作業中でございまして、そういったプロポーザルを受ける中で、やはり利便性でありましたり、使いやすさという点も当然審査の過程において、しっかりと見極めつつ、いいものとなるように努めてまいりたいと考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。ぜひその使いやすさの面も考慮して、これからアプリの開発を進めていただけたらと思います。 次に、学校現場でのICT活用についてなんですけれども、初回で質問したように、タブレットを児童生徒が落として破損するということを保護者の方、結構不安に思われているようなんですけれども、そういったタブレットのカバー等の購入の予定というのはあるんでしょうか。
◎学校教育部長(國廣政和君) 議長、学校教育部長。
○議長(乗越耕司君)
國廣学校教育部長。
◎学校教育部長(國廣政和君) 児童生徒にお配りするタブレットのカバーにつきましては、現時点では本市で購入する予定はございません。 なお、本市が導入を予定しているタブレットは、キーボード脱着
式のもので、閉じたときにはキーボードが画面を保護する効果があり、画面には保護フィルムを標準装備しておりますので、ある程度の衝撃には耐えられるものと考えております。 しかし、取扱いによっては、画面の破損や本体の故障も予想されますので、その際には、予備機との交換を基本に考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。その対策をされているということで認識しました。注視していきたいと思います。 タブレット利用が始まった際は、多分相当な機材トラブルが起こると思います。慣れてきたら確かに減るとは思うんですけれども、その当初導入時点で多発するんではないかと思われますので、そのときだけでも、そういったことに対応できる人員の増加が必要ではないかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
◎学校教育部長(國廣政和君) 議長、学校教育部長。
○議長(乗越耕司君)
國廣学校教育部長。
◎学校教育部長(國廣政和君) トラブルに対応するための人員体制についてですけれども、今年度7月からICT支援員の業務委託により学校に赴き、ICTに関するトラブルに対応する体制を整えております。 タブレットを配備する時期、つまり導入初期には、様々なトラブルが発生すると予想しておりますので、このICT支援員に加えて、ヘルプデスクや定期巡回等のGIGAスクールサポーター業務を追加し、導入時期の混乱を回避してまいりたいというふうに考えております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。今の答弁の中でICT支援員という名称が上がったんですが、今現在、この方というのはどういう方が従事されているのか教えてください。
◎学校教育部長(國廣政和君) 議長、学校教育部長。
○議長(乗越耕司君)
國廣学校教育部長。
◎学校教育部長(國廣政和君) ICT関連会社のほうに業務を委託しております。
◆1番(鈴木英士君) 議長、1番。
○議長(乗越耕司君) 1番鈴木英士議員。
◆1番(鈴木英士君) 分かりました。もう時間がありませんので、これで私の一般質問は終わりたいと思います。 本日質問した内容、各種施策等々、そのままぜひ進めていただけたらと思いますので、今後どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○議長(乗越耕司君) これをもって、1番鈴木英士議員の一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。 午前10時43分 休 憩 ───────────────────── * ─────────────────── 午前10時59分 再 開
○議長(乗越耕司君) 再開いたします。 引き続き一般質問を行います。 20番加根佳基議員の一問一答方式による一般質問を許します。
◆20番(加根佳基君) 議長、20番。
○議長(乗越耕司君) 20番加根佳基議員。
◆20番(加根佳基君) (登 壇) 皆様、おはようございます。公明党の加根佳基でございます。まずもって、コロナ禍で奮闘されておられます医療従事者の方々をはじめ、多くの市民の皆様にはコロナ対策に大変な協力をいただき、心から感謝を申し上げる次第でございます。一日も早い終息を願うばかりでございます。 さて、僅か2年間の間で、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水被害、土砂災害が発生し、死者数が200人を超える甚大な災害が発生いたしました。我が東広島市においても、全域に及ぶ被害を生じ、中でも河内町では土石流が砂防ダムを越えて集落を襲ったこともついこの間のように思います。 今年に入ってからも相次ぐ災害が発生しております。7月には河内町宇山で裏山が崩れて土砂が流れ込み、2人の貴い命が失われました。本当に残念でなりません。 本当、この2年足らずの間で、次から次へと相次いで様々な災害被害が発生しております。自然災害はいつ発生するか分かりません。そのためにも日頃からしっかりとした備えがいかに必要であるか、改めて感じているところでございます。 それでは、議長より発言の許可をいただいておりますので、順次質問に入らさせていただきます。 まず初めに治山行政について、治山事業の進捗について伺いたいと思います。 治山ダムの現状と今後の取組について伺います。 本市管内の治山ダムについて、最近の豪雨被害を受けて、市民の方より不安の声をいただいております。このことについて現在対応していただいておりますが、残念ながらまだ解決には至っておりません。相当な時間がかかるものと思われます。国・県事業ではありますが、市民の皆様に知っていただくためにも、今回あえて質問をさせていただくことにいたしました。 砂防ダムと治山ダムの違いはなかなか分かりづらいものと思います。そこで、簡単ではありますけども、若干ではございますが、説明させていただきます。 砂防ダム事業、治山ダム事業については、その事業の取組自体、目的が違いまして、違いがあります。砂防ダムは、土砂の生産を抑制して、流れ出る土砂を調整し、せき止めをいたします。一方で、治山ダムは、水源涵養、土砂流出防止、土砂崩壊防備などの山が持っている機能を補完するためのものであります。つまり、土砂災害に対して、砂防ダムは下にある人家などの保全対象に影響が及ばないように設置するものであり、治山ダムは土砂災害の発生源となる森林自体を強化し、土砂災害を防止することを目的としております。治山事業は文字どおり「山を治す事業」、つまり山を保全するための事業を行って、健全な山へと導く事業であります。本市においては、700か所程度設置されていると伺っております。 さて、これら事業については、国、県による取組事業でありますけども、本市として、国、県だけに任せておいてよいものだろうか、考えさせられます。皆様も御存じであるかと思いますが、砂防ダムは国土交通省の所管であり、先日の中国新聞にも広島県内の現状況の記事が掲載されておりました。一定程度整備されていることが分かりました。 しかし、治山ダムについては農林水産省所管で、先ほど説明させていただきましたように、自然の山の環境を取り戻すために、さらには災害に強い森林の再生を目指して、施行されている事業であります。本市管内の治山ダムについては、現在どのような状況になっているのか全く分かりません。 ここで現場の写真を御覧いただければと思います。治山ダムの現場の写真の一部で、市民の方から相談を受けた現場の状況でありますけども、老朽化して、若干分かりづらいと思いますが、ここには銘板が刻まれておりまして、施行年度、昭和43年度、事業名、予防治山事業、施行主体、広島県等々と刻まれております。昭和43年につくられたものなのですが、健全な山とは言えません。森林の再生には程遠く、ダムそのものとなっています。全く本来の目的に至っていないのがよく分かります。このような状況であれば、少しの雨量でも堆積した土砂が流出するのではないかと思います。 さらに、別の現場である河内町の戸野にあります治山ダムの状況であります。ここの現場では、先ほどのような雨水はたまっておりません。土砂が堆積しているのがよく分かります。治山ダムについてもっと詳しく言えば、先ほど説明しておりませんでしたけども、治山ダムの特徴ですけども、機能と効果を目的とするため、施工完了のとき、あえて満砂状態にさせているのも大きな特徴であります。長年経過していても、全く森林の再生には至っていないことがこの写真でよく分かります。さらには、ここでの問題点は、少量の雨水でも、堆積した土砂を抱き込み、ダムから下側にあります農家の圃場に、直接その流出土砂が流れ込み、被害を受けていることであります。 次の写真を御覧ください。水田に多くの土砂が流れ込んでおります。さらにこの水路、その面を幾つかの田んぼがこのような状況になっているんです。この1か所ではないわけでございます。このような状況を見て、皆さん、ほっとかれますでしょうか。 昨日の岡田議員の質問の中に、農家の方の収入をしっかりと向上させるんだという執行部側の御答弁があったと思いますが、まずこういった被害を少しでもなくすことが極めて大事ではないのかなと、こういうふうに思うわけでございます。 このような状況であることから、今現在、早急な対策を要請しております。そこで担当者の方からは、しゅんせつ計画を進めていくとのことでありました。 さらに、この治山ダムから流れ込んできたその土砂が、配管を詰まらせております。県道33号線を横断している暗渠配管でございます。これも土砂で詰まらせていると、こういう現状でございます。 本市管内にはこのような森林が再生されていない危険度の高い治山ダムが至るところにあるのではないかと懸念しております。 本市は、平成30年7月豪雨災害復旧・復興プランには、2,700か所を超える山腹崩壊が確認されており、治山対策として、国、県と連携し、早急に治山事業を進めますと記されております。さらに、計画プランには、具体的に平成30年豪雨災害における二次災害防止として、治山施設緊急点検を行い、災害関連緊急事業の実施と治山事業(激甚災害対策特別緊急事業等)の実施、さらに、小規模崩壊地復旧事業等の実施を計画されております。 そこで、お伺いいたしますけども、1点目に、管内700か所程度中、正常に復帰した治山ダムはあるのでしょうか、伺います。 2点目に、治山事業の進捗について、各事業等の実施計画は2023年までとされていますが、現在どのぐらい進んでいるのか伺います。 3点目に、危険度の高い治山ダムの箇所と、その整備についての今後の取組を伺います。 最後4点目ですが、治山ダムの防災上の管理はできているのでしょうか、伺います。 次に、森林及び里山の保全について伺います。 森林環境の保全及び整備の促進について伺いたいと思います。 国では、平成30年5月25日、新たな法律である森林経営管理法が可決・成立いたしました。新たな法律は、平成31年4月1日に施行され、森林経営管理制度がスタートしました。国内の森林は、戦後や高度経済成長期に植栽された杉やヒノキなどの人工林が大きく育ち、木材として利用可能な時期を迎えようとしています。利用可能な森林が増える中、国内で生産される木材も増加し、木材自給率も上昇を続け、平成29年には過去30年間で最高水準となる36.2%となるなど、国内の森林資源は、切って使って売れるという森林を循環的に利用していく新たな時代に入ったと言えます。 一方、我が国の森林の所有は小規模分散的で、長期的な林業の低迷や森林所有者の世代交代等により森林への関心が薄れ、森林の管理が適切に行われない、伐採した後に植林されないという事態も発生しております。83%の市町村が管内の民有林の手入れが不足していると考えている状況であり、森林の適切な経営管理が行われないと、災害防止や地球温暖化防止など、森林の公益的機能の維持増進にも支障が生じることとなります。加えて、所有者不明や境界不明確等の課題もあり、森林の管理に非常に多くの労力が必要となるといった事態も発生しています。 このような中、適切な経営管理が行われていない森林の経営管理を、林業経営者に集積・集約化するとともに、それができない森林の経営管理を市町村が行うことで、森林の経営管理を確保し、林業の成長産業化と森林の適切な管理の両立を図ることとしています。 そこで伺いたいと思いますが、本市における取組ですが、森林管理経営法に基づき、経営管理が適切に行われていない森林について、適切な経営や管理を確保するため、森林管理マスタープランを策定するとありますが、そのプランの進捗を伺います。 以上で、1回目の質問を終わります。
○議長(乗越耕司君) 答弁を求めます。
◎市長(高垣廣徳君) 議長、市長。
○議長(乗越耕司君) 高垣市長。
◎市長(高垣廣徳君) (登 壇) 加根議員の御質問に対しまして、私からは森林及び里山の保全について御答弁を申し上げます。 東広島市森林管理マスタープランにつきましては、森林整備に携わる多様な担い手や地域特性を生かした本市の長期的な森づくりや施業方法に関する方針を作成するとともに、森林経営管理法に基づく放置森林の整備や森林環境譲与税を活用した具体的な計画等を定めることで、地域の実態に即した森林整備を促進することを目的に策定するものであります。 プラン策定の進捗状況につきましては、本年7月から広島県、市内森林組合及び森林ボランティア団体等を委員とした検討協議会及び森林に関わる立場に応じた作業部会を立ち上げ、現在、本プランの根幹となる基本理念及び基本方針を取りまとめるに当たり、本市における森林の現状を踏まえた課題の抽出と課題の整理を進めているところでございます。 今後は、森林所有者及び市民への意向調査を行い、結果を適宜プランに反映しながら、骨子や素案の作成などを経て、年度内にプランを策定することとしております。 他の質問に対しましては、担当説明員より答弁をいたします。
◎災害復旧担当理事(阪垣多喜豪君) 議長、災害復旧担当理事。
○議長(乗越耕司君) 阪垣災害復旧担当理事。
◎災害復旧担当理事(阪垣多喜豪君) (登 壇) 私からは、治山行政について御答弁申し上げます。 本市の森林面積は市域の60%を超えており、緑豊かな自然環境に恵まれておりますが、平成30年7月豪雨においては、県内で最大規模の山地崩壊が発生しました。 本年も大雨に襲われたことから、災害に強い森林の再生を目的とする治山事業の重要性は、ますます高まっていると認識しております。 こうした中、治山行政に関する御質問を4点いただきました。 まず、管内中、正常に復帰した治山ダムについてでございます。 治山ダムなどの治山施設は広島県が管理する施設で、谷に土砂をためて森林を維持する治山ダムが650基、水の流れを固定し浸食を防ぐ護岸工・流路工が75基整備されております。 そのうち、正常な復帰、すなわち森林が再生した箇所につきましては、構造物に異常のないものや、軽微な損傷・劣化程度のものが514基と聞いておりますので、森林再生としての直接的な評価ではありませんが、全体の7割程度で治山施設の機能が維持されているものと理解をしております。 次に、治山事業の進捗についてでございます。 現在、林野庁及び広島県と連携して、災害復旧・復興プランに掲げる4種類の事業を進めております。 治山施設の緊急点検につきましては、県の事業で、723基の点検が終了しております。 治山施設を整備する災害関連緊急事業につきましては、国及び県の事業で、計画25か所のうち、施工中23か所、完了2か所となっております。 一連の地域で治山施設を集中的に整備する激甚災害対策特別緊急事業につきましては、県の事業で、計画52か所のうち、施工中5か所となっております。 家屋の裏山の崩壊を防ぐ小規模崩壊地復旧事業等につきましては、市の事業で、災害発生前から継続的に年間2件程度を実施しているところでございます。 次に、危険度の高い治山ダムについてでございます。 広島県が実施した緊急点検において、対策が必要と認められたものが210基判明したことから、異常堆積した土石や流木の除去などを行う機能強化事業が進められており、現時点で34基工事が完了しております。 最後に、治山ダムの防災上の管理についてでございます。 治山ダムの管理につきましては、広島県において、5年に1回の定期点検のほか、豪雨災害を受けての緊急点検を実施されており、構造物の強度や安全性の確認による管理をされているところでございます。
◆20番(加根佳基君) 議長、20番。
○議長(乗越耕司君) 20番加根佳基議員。
◆20番(加根佳基君) まず、治山行政についての治山事業の進捗状況について、4点の質問について詳しく御答弁いただき、ありがとうございました。 治山施設は、御答弁にもありましたように県の事業でありますので、当然県に伺っての御答弁でありました。進捗については、取組数及び完了数等々数値で現状況がよく分かりました。さらには、かなりボリュームのある取組であることも併せて理解をさせていただきました。 市の事業でもある小規模崩壊地復旧事業についても、年2件程度の取組になっております。県、市におけるこれらの取組については、全体的な進み具合が、私自身個人的な思いなんですけれども、若干スピード感がないようにも思えてなりません。防災上の管理も併せてそういうふうに感じております。 比べてはなんなんですけども、別部署では危機管理の観点から、あるいは市民の要望に対し、しっかりと目標を明確にして着実に進められ、本当に本気度の高い取組姿勢が伺われる部署もあります。逆に、残念ながら山に関しては、これまでそれほど重きを置くことなく、極端に言えば、忘れられている存在でもあったのかなというふうに思うわけでございます。 治山事業としての取組は極めて奥が深いと私は思います。東広島市の将来に対する安全安心、そして全体の環境の将来を左右する、真にSDGsのその理念につながる極めて重要な取組だと私は思います。山全体として、もっと積極的に取り組む必要があると思うわけであります。 そこで伺いますけども、今後この山を強靭化し、どう守っていかれるのか、そのお考えをお伺いいたします。
◎産業部長(鈴木嘉一郎君) 議長、産業部長。
○議長(乗越耕司君) 鈴木産業部長。
◎産業部長(鈴木嘉一郎君) 今後、山をどのように守り、強靭化していくのかについてでございます。 現在、先ほど答弁させていただきましたとおり、本市の長期的な森づくりの方針ということになります森林管理マスタープランを策定中でございます。その中で、国から譲与されます森林環境譲与税、そして県営治山事業、広島の森づくり事業などを活用させていただきまして、森林の適正管理に向けた取組を計画的、効果的に進めることで、地球温暖化でございますとか、あるいは山地災害の防止に貢献する森林を整備するということで、本来の山が持つ保水力、山の力、そういったことなどの多面的機能を発揮することによりまして、山の強靭化につなげてまいりたいというふうに考えております。
◆20番(加根佳基君) 議長、20番。
○議長(乗越耕司君) 20番加根佳基議員。
◆20番(加根佳基君) 本当に、かなり辛抱強く取り組む必要があると思うんです。もういろんな関連機関とのしっかりとした連携の中で、本当に一丸となった取組がここでは必要かとは思いますので、どうかプランも含めて着実に進めていただければと思います。期待しております。 次に、一つは提案なんですけども、島根県が今、山に対しての取組をされている事例がございました。島根県は、関係機関と合同で、秋の一斉地域の森パトロールを実施したとあります。内容は、施設の点検に合わせて、近隣住民の方にチラシを配布し、日頃からの備えと万が一の際の早めの避難を呼びかけながら、年2回のパトロールを行われていると聞き及んでおります。実際に実績として島根県はあります。 本市においても、定期的な治山ダムのパトロールは、関係者との連携の中で必要ではないかと思いますが、事前の予防、災害の起きる前の対応として、極めて必要だと思いますが、いかがか、お伺いいたします。
◎災害復旧担当理事(阪垣多喜豪君) 議長、災害復旧担当理事。
○議長(乗越耕司君) 阪垣災害復旧担当理事。
◎災害復旧担当理事(阪垣多喜豪君) 島根県の事例を御紹介いただきました。 島根県の事例の特徴といたしましては、県、市、それから森林関係団体、広く森林関係の皆様が集まられていろんな取組をされているというところに大きな特徴があるではないかというふうに受け止めておりまして、そのような取組は、森林管理マスタープランの実行や本市SDGsのグローバル目標の実現にも資するものと認識をしております。 したがいまして、森林保全という枠組みの中で、森林関係の皆様が一堂に集まっていただけるような何らかの取組を検討してまいりたいと考えております。
◆20番(加根佳基君) 議長、20番。
○議長(乗越耕司君) 20番加根佳基議員。
◆20番(加根佳基君) ありがとうございました。まさに本当に、全員が一丸となっての取組が本当に必要だと思います。本日の御答弁が今後の治山行政、森林行政にしっかりと反映されることを期待し、私の質問を終わります。大変ありがとうございました。
○議長(乗越耕司君) これをもって、20番加根佳基議員の一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。 午前11時28分 休 憩 ───────────────────── * ─────────────────── 午後1時15分 再 開